僕の学園奮闘記

さかえ

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本編

会計様とご褒美タイム

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カチカチっとタイピングを打つ音が聞こえる。

「瑠衣君、瑠衣君。」

「は、はぃ!」

「きゅーけーしよっか。」  

「あ、はい。」

目の前で有無を言わせない美しいご尊顔に僕は言われるがままになる。
僕は今、何故か生徒会室にお呼ばれし、何故か湊人様のお仕事を手伝っている。

事の発端は、僕がノートを職員室へと取りに行った事が問題だった。
ジャンケンで負けた僕は皆の分のノートを取りに行ったのだが、職員室に居たのは足立先生だけではなく、湊人様も居た。首を傾げ、先生に話しかければ顔をぱぁっと神々しいほどに明るくした湊人様に手を引っ張られ、職員室を出た。
その間、足立先生と何か話していたような気もするが手を繋いでいるという現実に夢中になり、全く頭に入ってこなかった。そして何故か椅子に座らせられ、カチカチっと表に文字を入れるだけの単純な作業をやっていた。

「疲れたでしょー?ごめんねー。」

「い、いえいえ!」

目尻を下げた湊人様は子犬のようで、とても可愛かった。
お茶を飲む姿でさえ、絵になる湊人様に僕はぽーっとなる。
しかし、僕の意識はパッとすぐに覚醒した。よく考えてみろ瑠衣よ。こんな、、二人で話す事なんてもう二度とないかもしれない。じゃあ、今のうちに.......今のうちに聞きたいことを聞けばいいんじゃないか?

「あ、あの!先輩は!」

「湊人。」

「へ?」

「名前で呼んでほしーなー」

少しいじけた風にする湊人様に僕の心はずっきゅーんっと撃ち抜かれる。
そろそろ心が砕けて無くなりそうなほど矢が刺さっている気がした、

「みな、湊人.......先輩ぃ。」

「はぁい!なんでしょー!」

よくできましたと言わんばかりの満面の笑みを見せてくる湊人様に僕は放心状態になる。な、なんてあざとい人なんだ.......。僕はもう、ぼーっとする頭で言葉が不意に出てしまっていた。

「.......すきです。」

なんて言えたら僕は自分を褒めてやりたい。実際はと言うと。

「か、かっこい~、、。」

である。あながち思っていたことの10分の2くらいはそれではあるが、本当の気持ちは隠してしまった。

「え?ありがと~そういう瑠衣君は可愛い顔してるね。」

えへへって笑う湊人様をぽけぇっと見つめた。え?僕が可愛い?はぇ?
僕の目元は前髪で隠れているから、これはお世辞だと分かってはいるが照れてしまう。僕の脳内機能が停止していると湊人様は、さて、っと立ち上がった。

「お仕事の続きしちゃおっか。手伝ってくれてるとこ悪いけど、結構遅くまでかかっちゃうけど、大丈夫?寮にはこちらから言っとくからね。」

「あ、は、はい!大丈夫です!!」

何がなにやらと僕は混乱していたが、これだけは言える。この日は僕にとってご褒美の日だった。(完全に質問する事を忘れていた)
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