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本編
会計様は楽しそう
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「なぁ聞いたー?」
「何が?」
「この前来たさ」
「転校生?」
「そう。そいつの事を生徒会役員の皆様が好きになってるらしいよ。」
「え、俺転校生、1目見たけどやばかったぞ」
「何が?」
「容姿だよ。容姿。俺正直人間の顔とかどーでもいいんだけどさ、あれはないわァ、、もじゃもじゃの頭に黒縁のでっかい眼鏡。まじむり~」
険しい顔をする晴人に、へぇっと僕は驚く。晴人は中々人を貶すことを言わない。そんな晴人が貶す転校生は余程の曲者なのだろう。
「もしかしたら、それ外したら超超超美形かもね、」
俺がニヤッと笑って晴人をみれば、妙に納得しているような晴人と目が合う。
「お前......勘が鋭いな!それなら納得だ。」
「え、いや僕冗談で.......」
そんな王道展開ないないっと否定したが、晴人が急に席を立つ。
「転校生と話に行こーぜ」
珍しく他人に興味を持った晴人に僕は唖然とした。え、えぇ?君、もしかして攻略対象者的な!?
「え、ちょ!晴人待って!!」
ずんずんっと進んでいく晴人の背中を僕は追った。
6月中旬という不思議なタイミングでやってきた転校生君は悪い意味で注目を浴びた。それは容姿であったり、性格であったり。一般生徒が転校生と距離を取り始めた時、興味を持ったのは生徒会役員の皆様だった。
その場に湊人様がいなかった為、噂として小耳に挟んだが生徒会長が食堂でキスをしたり、副会長が告白していたりとありえない光景が目の前で起きていたらしい。そして、今は昼休み。食堂に居るであろう転校生の元へ僕と晴人は向かった。
「あーあ、ダメだったかぁ」
「うわぁ.......。」
思わず声が出てしまった。
転校生くんの周りには会長様と副会長様、庶務様と書記様、そして.....湊人様が居た。ツキンっと痛む心を抑えて僕はじーっとその集まりを見つめていた。
「見ろよあれ。あれが肉食系チワワってやつなのか?」
晴人に肩を叩かれ、指さした方向を見れば、そこにはそれぞれの役員のチワワちゃん達が、射殺さんばかりに転校生君を睨みつけていた。
「や、やばそうだね、。」
「だな。」
「.....絶対制裁あるよ。」
「間違いねぇな」
僕の言う言葉全てを肯定する晴人に、僕は苦笑した。
ニコニコと楽しそうにお昼を食べている湊人様を見て僕は暗い顔で食堂を出ようとする。
「おーい、会計様はあそこだぞー?」
背中から晴人の声が聞こえるが僕は今湊人様を見たくない。
「教室で食べる。」
僕が教室へと戻ろうとすれば晴人も追ってきた。
「よかったの?転校生君。」
「ん?あぁ。思いつきで行動しただけだし。それに.......」
「それに?」
「正直あいつが美形でも、どーでもいいなって思ってさ。」
「ふふっ、それでこそ晴人だよ!」
やっといつもの親友に戻った晴人と一緒に僕は教室へと戻った。
この日は初めて湊人様が居るのに食堂から目を背けた日だった。
「何が?」
「この前来たさ」
「転校生?」
「そう。そいつの事を生徒会役員の皆様が好きになってるらしいよ。」
「え、俺転校生、1目見たけどやばかったぞ」
「何が?」
「容姿だよ。容姿。俺正直人間の顔とかどーでもいいんだけどさ、あれはないわァ、、もじゃもじゃの頭に黒縁のでっかい眼鏡。まじむり~」
険しい顔をする晴人に、へぇっと僕は驚く。晴人は中々人を貶すことを言わない。そんな晴人が貶す転校生は余程の曲者なのだろう。
「もしかしたら、それ外したら超超超美形かもね、」
俺がニヤッと笑って晴人をみれば、妙に納得しているような晴人と目が合う。
「お前......勘が鋭いな!それなら納得だ。」
「え、いや僕冗談で.......」
そんな王道展開ないないっと否定したが、晴人が急に席を立つ。
「転校生と話に行こーぜ」
珍しく他人に興味を持った晴人に僕は唖然とした。え、えぇ?君、もしかして攻略対象者的な!?
「え、ちょ!晴人待って!!」
ずんずんっと進んでいく晴人の背中を僕は追った。
6月中旬という不思議なタイミングでやってきた転校生君は悪い意味で注目を浴びた。それは容姿であったり、性格であったり。一般生徒が転校生と距離を取り始めた時、興味を持ったのは生徒会役員の皆様だった。
その場に湊人様がいなかった為、噂として小耳に挟んだが生徒会長が食堂でキスをしたり、副会長が告白していたりとありえない光景が目の前で起きていたらしい。そして、今は昼休み。食堂に居るであろう転校生の元へ僕と晴人は向かった。
「あーあ、ダメだったかぁ」
「うわぁ.......。」
思わず声が出てしまった。
転校生くんの周りには会長様と副会長様、庶務様と書記様、そして.....湊人様が居た。ツキンっと痛む心を抑えて僕はじーっとその集まりを見つめていた。
「見ろよあれ。あれが肉食系チワワってやつなのか?」
晴人に肩を叩かれ、指さした方向を見れば、そこにはそれぞれの役員のチワワちゃん達が、射殺さんばかりに転校生君を睨みつけていた。
「や、やばそうだね、。」
「だな。」
「.....絶対制裁あるよ。」
「間違いねぇな」
僕の言う言葉全てを肯定する晴人に、僕は苦笑した。
ニコニコと楽しそうにお昼を食べている湊人様を見て僕は暗い顔で食堂を出ようとする。
「おーい、会計様はあそこだぞー?」
背中から晴人の声が聞こえるが僕は今湊人様を見たくない。
「教室で食べる。」
僕が教室へと戻ろうとすれば晴人も追ってきた。
「よかったの?転校生君。」
「ん?あぁ。思いつきで行動しただけだし。それに.......」
「それに?」
「正直あいつが美形でも、どーでもいいなって思ってさ。」
「ふふっ、それでこそ晴人だよ!」
やっといつもの親友に戻った晴人と一緒に僕は教室へと戻った。
この日は初めて湊人様が居るのに食堂から目を背けた日だった。
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