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第150話 失われし真実
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夜中だ、まだ本当に真夜中。まだお日様が昇るまでだいぶ時間がある。植物展の話し合い、商人たちからは森の大精霊との繋がりを問い詰められ、その問題もなんとか片付いた。それからマクベスは現在俺の孤児院で寝泊まりしている。一人放っておくことなんて俺にはできなかった。
それに孤児院の子供達がマクベスの友達になってくれる。マクベスは初めは戸惑っていたが、今では一緒に勉強も遊んでもいる。そして俺は教会に戻ってからようやく落ち着いて眠ることができた、というのにまさかのその初日に使い魔達から無理やり起こされることになるとは。
「お前ら…まじで…眠いんだよ!寝かせてよ!」
『ピース・ご、ごめんなさい。で、でもね、重大なことがわかったんだよ。』
『社畜・ピース殿の大発見である。これを見て欲しいのである。あ、触らないように。』
俺の目の前には見るも無残にバラバラにされた日記があった。俺はその日記を見て一気に目が覚めた。まさか故人の遺品をこいつらがバラバラにしてしまうなんて。そのことについて怒ろうかと思ったらそんなことじゃなくてもっと重要なことがあるらしい。
『社畜・ここの繋がった文字を見て欲しいのである。この文字は日記では書き間違いの文字である。しかしこうして繋げると…』
「言葉になるって言いたいのか?だけど…翻訳されないぞ?この言葉の意味がわからない。」
『ピース・そうなんだけど…だけどなんか読める気がしない?こう…意味はわからないけど…そんな気が…』
そんなこと言われても全く読める気がしない。そもそも俺はこのスマホの翻訳機能がなければこの世界の言葉は一言もわからない。だからいくら読んでもわかるわけがない、はずだ。しかしピースに言われて何度も読んでいくと次第に頭がぼーっとし始めた。そして何か読める気がした。
「 」
俺は確かに口に出して何かを読んだ。しかしその言葉は声として、音として何も発せられなかった。しかし俺は今確かにこの言葉を口に出した。この言葉はまるで、世界に隠されてしまったような…そんな気がした。
俺が口に出して少し待つと日記の言葉達がブルブルと震え始めた。何枚もあったはずの紙は徐々につながり一枚の紙になる。文字は蠢きあらかじめ決められていたように並び始めた。そして一枚の大きな紙には文章と一つの魔法陣を形成した。
「こ、これって…ど、どうなってるんだよ。」
『ピース・え、えっと…と、とりあえず読んでみよう。』
うろたえていても仕方なのでとりあえず書かれている文章を読んでみる。そこには元の日記の筆者がなんとか伝えようとした記録が残されていた。
『この文章を読んでいるあなたへ。あなたがどこでこの日記を見つけたかはわかりません。もしもすでに死んだ私たちから持って行ったのならあなたに私の、私たちの記録を受け継いで欲しい。私は記憶する者。過去を記憶し未来に引き継ぐ者。ですが私は疲れました。だから人生で初めて愛した人と共に逝くことを許して欲しい。』
そこには筆者である彼女の想いが綴られていた。彼女はかつての文明の生き残りで、もう数百年も1人で生きてきた。誰にも見つからないように隠れてなんとかして生きてきた。そんな時に転移者であるゼロ戦の所有者と出会い恋に落ちたということだ。
前置きは彼女の罪の告白だ。そしてそれを受け継ぐこととなった俺へのメッセージ。前半部分が終わると話は本題に入る。彼女が俺に何を受け継いで欲しいのか。一体彼女が何を伝えたかったのか。
『ここに記されている魔法陣、それは狂わされた一つの歴史の真実。その狂いを正すためのものです。かつての文明では当たり前だった一つの技術。その全てをここに記します。』
俺は彼女の話を読んでいってあまりの事実に体が震えた。それはごくごく自然に受け入れてしまったこの世界の知識。その知識が根本から覆ってしまった。それは誰しもがそういう者だと受け入れてしまっている金貨についてだ。
そもそもお金とは何か。まず地球では物々交換が主流だった。そこから黄金という価値のある物を発見したため、その黄金と引き換える券としてお金が誕生した。つまりお金は1万円なら1万円分の黄金と引き換えるという話の元に出来上がったものだ。
そこから徐々にお金の価値は国が保証するものになり、元々の意味など関係なく進化を進めていった。ではこの世界でのお金の価値はどうなのか。この世界での金貨は偽造することが不可能だから今なお流通しているということだ。つまり偽造が不可能ということ以外に価値はない。
しかし本当にそうなのだろうか。別になんら価値のないただの金貨がここまで世界中で流通するのだろうか。まあ偽造できないからということで元々あった貨幣と入れ替わったという可能性もなくはないだろう。だからこそ俺もそこまで疑問には抱かなかった。
しかしそうではなかった。金貨には金貨の、銀貨には銀貨の、銅貨には銅貨の価値があったのだ。その全てがここに記されている。その精製方法、利用方法、その全てがここに記載されている。これは世紀の大発見だ。それこそ世界中に教えればとんでもないことになる。しかし最後の数行に気になることが書かれていた。
『これが全てです。そしてお願いします。このことは決して口外しないでください。口外すればあなたもこの記録も闇に葬られるでしょう。彼らはいつだって監視している。それがなんなのか私には語ることができない。だからこれはあなたのためだけに使ってください。そしていつの日か、いつの日か終わるその時を待っています。』
「監視?語るな?終わるその時って…一体なんなんだよ。」
『ピース・わ、わからないよ。だけど…従った方がいいと思う。』
『社畜・うむ。後世に語る文章であるのに語らずに秘匿した。つまり後世でもその監視は続いている、そう考えるべきである。』
「なんか…はぁ……面倒なことになってきたような気がする。とりあえずこの文章が正しいか試そう。ここで…は危険だな。念には念を入れてスマホの中で行おう。」
スマホの中にこの紙をしまい、言われた通りにやるように指示する。これでこの文章を書いた彼女の言っていることの信ぴょう性を確かめることができる。俺はしばらく眠らずに待機していると今度はポチが現れた。
『ポチ・出来上がったよ。この話は本当だった…ボス、これはあまりにも…すごいことだよ。』
そういうとポチは一つの球体を取り出した。その球体は黄金に輝いている。しかもよく見ると中で何かが動いているような、そんな感じがする。これが一体なんなのかはすでに知っている。しかしこんなものだとは思いもしなかった。もっと大きいものかと思っていた。
「これが…金貨の真実、魔力生成炉か。使用金貨は?」
『ポチ・流通禁止金貨100万枚で済ませたよ。これが生成できる最低ランク。それでも…かなりの魔力生成量だよ。』
魔力生成炉、言葉の通り魔力を生成する魔道具だ。この世界では様々な魔道具があるが魔力を生成する魔道具だけは存在しなかった。そもそも魔力を生成することは生き物以外には不可能なはずだった。しかし失われた文明の技術の中では、金貨を用いて魔力を生成することができたのだ。
そんな驚愕の魔道具を俺に見せたポチは俺から魔力生成炉を奪い飲み込んでしまった。ギョッとしている俺にポチは神妙な表情を浮かべている。
『ポチ・もしも監視者っていうのがいるのだとしたら魔力生成炉単体を持ち歩くのは危険だよ。この魔力生成炉は同じ魔力を生み出す。その魔力で感づかれたらまずいから。』
「わ、わかった。だけど…今飲み込んだだろ?収納じゃなかったはずだ。」
『ポチ・うん、僕たちの体はこの魔力を蓄えて変質させることができるみたい。だから僕たちの体内ならこの魔力生成炉を保管することができる。それどころか運用すらできるんだ。』
つまりこの魔力生成炉を使い魔が体内に取り込むことによって使い魔は魔力を保有することができる。今まで魔石を食べさせることによって発動していたピースの能力付与やサクラの桜花の召喚もこの魔力生成炉さえあれば簡単に使うことができるのだ。しかしこれには大きなデメリットもある。
『ポチ・この魔力生成炉は永遠に魔力を生成する。だからあまりにも魔力が溜まりすぎると僕たちの体が耐えられなくて死んじゃうね。だけど死ぬたびに許容量も増えそう。だから…これから毎日復活の資金がかかるけど大丈夫?』
「まあ平気だ。プリーストのおかげもあって半額で済むからな。だけど…お前らは大丈夫か?苦しいとか…」
『ポチ・あ、その辺は大丈夫。ただ食事中とかに急に死んじゃうかもしれないからそこだけは気をつけないと。』
死ぬことよりも食事の心配かよ。まあこいつら魚の餌になった時に何回も死んでいるからな。死ぬことに慣れているなんてなんか嫌だけど、まあ何度でも復活できるこいつらなら仕方ないな。
スマホ内では使い魔全員に行き渡るように魔力生成炉を作っている。使い魔全員となると金貨3700万枚はかかる。それに眷属の分も、と思ったら眷属は魔力生成炉を保持することができないらしい。それはよかった。眷属の分まで金貨を消費したら大変だった。
それからもう一つの開発を行う。この魔力生成炉はあくまで金貨からできるものだ。つまり銀貨や銅貨からは違うものができる。早速銅貨を用いて生成を行うと銅線ができた。この銅線も最低銅貨100万枚からしか作れない。しかしその分出来上がった銅線はかなりの量だ。
そしてこの銅線、ただの銅線と侮るなかれ。この銅線は魔力伝達率100%、魔力損耗率0%という魔道具作りにおいて最高のものだ。これで魔道具を作れば少ない魔力で最高のパフォーマンスを発揮してくれる。
そして最後に銀貨だが、これは今実験することは難しい。なぜかというとこの銀貨でできることは自己修復能力だ。銀貨を使って道具に力を付与すればその道具は壊れても再び元に戻る。壊れないアイテムの完成ということだ。
ああ、それから白金貨についても能力があったようなのだが、その能力については語られていなかった。ただ一言、白金貨を用いた作成は決して行わないようにとだけ。なんだか怖いので素直に従うことにしよう。
こうして真夜中の大発見は無事終わった。いくつかの謎はできたが、考えても仕方ないのでとりあえず今は寝てしまおう。もう外が薄ぼんやり明るくなってきているのはきっと目の錯覚だと信じたい。
それに孤児院の子供達がマクベスの友達になってくれる。マクベスは初めは戸惑っていたが、今では一緒に勉強も遊んでもいる。そして俺は教会に戻ってからようやく落ち着いて眠ることができた、というのにまさかのその初日に使い魔達から無理やり起こされることになるとは。
「お前ら…まじで…眠いんだよ!寝かせてよ!」
『ピース・ご、ごめんなさい。で、でもね、重大なことがわかったんだよ。』
『社畜・ピース殿の大発見である。これを見て欲しいのである。あ、触らないように。』
俺の目の前には見るも無残にバラバラにされた日記があった。俺はその日記を見て一気に目が覚めた。まさか故人の遺品をこいつらがバラバラにしてしまうなんて。そのことについて怒ろうかと思ったらそんなことじゃなくてもっと重要なことがあるらしい。
『社畜・ここの繋がった文字を見て欲しいのである。この文字は日記では書き間違いの文字である。しかしこうして繋げると…』
「言葉になるって言いたいのか?だけど…翻訳されないぞ?この言葉の意味がわからない。」
『ピース・そうなんだけど…だけどなんか読める気がしない?こう…意味はわからないけど…そんな気が…』
そんなこと言われても全く読める気がしない。そもそも俺はこのスマホの翻訳機能がなければこの世界の言葉は一言もわからない。だからいくら読んでもわかるわけがない、はずだ。しかしピースに言われて何度も読んでいくと次第に頭がぼーっとし始めた。そして何か読める気がした。
「 」
俺は確かに口に出して何かを読んだ。しかしその言葉は声として、音として何も発せられなかった。しかし俺は今確かにこの言葉を口に出した。この言葉はまるで、世界に隠されてしまったような…そんな気がした。
俺が口に出して少し待つと日記の言葉達がブルブルと震え始めた。何枚もあったはずの紙は徐々につながり一枚の紙になる。文字は蠢きあらかじめ決められていたように並び始めた。そして一枚の大きな紙には文章と一つの魔法陣を形成した。
「こ、これって…ど、どうなってるんだよ。」
『ピース・え、えっと…と、とりあえず読んでみよう。』
うろたえていても仕方なのでとりあえず書かれている文章を読んでみる。そこには元の日記の筆者がなんとか伝えようとした記録が残されていた。
『この文章を読んでいるあなたへ。あなたがどこでこの日記を見つけたかはわかりません。もしもすでに死んだ私たちから持って行ったのならあなたに私の、私たちの記録を受け継いで欲しい。私は記憶する者。過去を記憶し未来に引き継ぐ者。ですが私は疲れました。だから人生で初めて愛した人と共に逝くことを許して欲しい。』
そこには筆者である彼女の想いが綴られていた。彼女はかつての文明の生き残りで、もう数百年も1人で生きてきた。誰にも見つからないように隠れてなんとかして生きてきた。そんな時に転移者であるゼロ戦の所有者と出会い恋に落ちたということだ。
前置きは彼女の罪の告白だ。そしてそれを受け継ぐこととなった俺へのメッセージ。前半部分が終わると話は本題に入る。彼女が俺に何を受け継いで欲しいのか。一体彼女が何を伝えたかったのか。
『ここに記されている魔法陣、それは狂わされた一つの歴史の真実。その狂いを正すためのものです。かつての文明では当たり前だった一つの技術。その全てをここに記します。』
俺は彼女の話を読んでいってあまりの事実に体が震えた。それはごくごく自然に受け入れてしまったこの世界の知識。その知識が根本から覆ってしまった。それは誰しもがそういう者だと受け入れてしまっている金貨についてだ。
そもそもお金とは何か。まず地球では物々交換が主流だった。そこから黄金という価値のある物を発見したため、その黄金と引き換える券としてお金が誕生した。つまりお金は1万円なら1万円分の黄金と引き換えるという話の元に出来上がったものだ。
そこから徐々にお金の価値は国が保証するものになり、元々の意味など関係なく進化を進めていった。ではこの世界でのお金の価値はどうなのか。この世界での金貨は偽造することが不可能だから今なお流通しているということだ。つまり偽造が不可能ということ以外に価値はない。
しかし本当にそうなのだろうか。別になんら価値のないただの金貨がここまで世界中で流通するのだろうか。まあ偽造できないからということで元々あった貨幣と入れ替わったという可能性もなくはないだろう。だからこそ俺もそこまで疑問には抱かなかった。
しかしそうではなかった。金貨には金貨の、銀貨には銀貨の、銅貨には銅貨の価値があったのだ。その全てがここに記されている。その精製方法、利用方法、その全てがここに記載されている。これは世紀の大発見だ。それこそ世界中に教えればとんでもないことになる。しかし最後の数行に気になることが書かれていた。
『これが全てです。そしてお願いします。このことは決して口外しないでください。口外すればあなたもこの記録も闇に葬られるでしょう。彼らはいつだって監視している。それがなんなのか私には語ることができない。だからこれはあなたのためだけに使ってください。そしていつの日か、いつの日か終わるその時を待っています。』
「監視?語るな?終わるその時って…一体なんなんだよ。」
『ピース・わ、わからないよ。だけど…従った方がいいと思う。』
『社畜・うむ。後世に語る文章であるのに語らずに秘匿した。つまり後世でもその監視は続いている、そう考えるべきである。』
「なんか…はぁ……面倒なことになってきたような気がする。とりあえずこの文章が正しいか試そう。ここで…は危険だな。念には念を入れてスマホの中で行おう。」
スマホの中にこの紙をしまい、言われた通りにやるように指示する。これでこの文章を書いた彼女の言っていることの信ぴょう性を確かめることができる。俺はしばらく眠らずに待機していると今度はポチが現れた。
『ポチ・出来上がったよ。この話は本当だった…ボス、これはあまりにも…すごいことだよ。』
そういうとポチは一つの球体を取り出した。その球体は黄金に輝いている。しかもよく見ると中で何かが動いているような、そんな感じがする。これが一体なんなのかはすでに知っている。しかしこんなものだとは思いもしなかった。もっと大きいものかと思っていた。
「これが…金貨の真実、魔力生成炉か。使用金貨は?」
『ポチ・流通禁止金貨100万枚で済ませたよ。これが生成できる最低ランク。それでも…かなりの魔力生成量だよ。』
魔力生成炉、言葉の通り魔力を生成する魔道具だ。この世界では様々な魔道具があるが魔力を生成する魔道具だけは存在しなかった。そもそも魔力を生成することは生き物以外には不可能なはずだった。しかし失われた文明の技術の中では、金貨を用いて魔力を生成することができたのだ。
そんな驚愕の魔道具を俺に見せたポチは俺から魔力生成炉を奪い飲み込んでしまった。ギョッとしている俺にポチは神妙な表情を浮かべている。
『ポチ・もしも監視者っていうのがいるのだとしたら魔力生成炉単体を持ち歩くのは危険だよ。この魔力生成炉は同じ魔力を生み出す。その魔力で感づかれたらまずいから。』
「わ、わかった。だけど…今飲み込んだだろ?収納じゃなかったはずだ。」
『ポチ・うん、僕たちの体はこの魔力を蓄えて変質させることができるみたい。だから僕たちの体内ならこの魔力生成炉を保管することができる。それどころか運用すらできるんだ。』
つまりこの魔力生成炉を使い魔が体内に取り込むことによって使い魔は魔力を保有することができる。今まで魔石を食べさせることによって発動していたピースの能力付与やサクラの桜花の召喚もこの魔力生成炉さえあれば簡単に使うことができるのだ。しかしこれには大きなデメリットもある。
『ポチ・この魔力生成炉は永遠に魔力を生成する。だからあまりにも魔力が溜まりすぎると僕たちの体が耐えられなくて死んじゃうね。だけど死ぬたびに許容量も増えそう。だから…これから毎日復活の資金がかかるけど大丈夫?』
「まあ平気だ。プリーストのおかげもあって半額で済むからな。だけど…お前らは大丈夫か?苦しいとか…」
『ポチ・あ、その辺は大丈夫。ただ食事中とかに急に死んじゃうかもしれないからそこだけは気をつけないと。』
死ぬことよりも食事の心配かよ。まあこいつら魚の餌になった時に何回も死んでいるからな。死ぬことに慣れているなんてなんか嫌だけど、まあ何度でも復活できるこいつらなら仕方ないな。
スマホ内では使い魔全員に行き渡るように魔力生成炉を作っている。使い魔全員となると金貨3700万枚はかかる。それに眷属の分も、と思ったら眷属は魔力生成炉を保持することができないらしい。それはよかった。眷属の分まで金貨を消費したら大変だった。
それからもう一つの開発を行う。この魔力生成炉はあくまで金貨からできるものだ。つまり銀貨や銅貨からは違うものができる。早速銅貨を用いて生成を行うと銅線ができた。この銅線も最低銅貨100万枚からしか作れない。しかしその分出来上がった銅線はかなりの量だ。
そしてこの銅線、ただの銅線と侮るなかれ。この銅線は魔力伝達率100%、魔力損耗率0%という魔道具作りにおいて最高のものだ。これで魔道具を作れば少ない魔力で最高のパフォーマンスを発揮してくれる。
そして最後に銀貨だが、これは今実験することは難しい。なぜかというとこの銀貨でできることは自己修復能力だ。銀貨を使って道具に力を付与すればその道具は壊れても再び元に戻る。壊れないアイテムの完成ということだ。
ああ、それから白金貨についても能力があったようなのだが、その能力については語られていなかった。ただ一言、白金貨を用いた作成は決して行わないようにとだけ。なんだか怖いので素直に従うことにしよう。
こうして真夜中の大発見は無事終わった。いくつかの謎はできたが、考えても仕方ないのでとりあえず今は寝てしまおう。もう外が薄ぼんやり明るくなってきているのはきっと目の錯覚だと信じたい。
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