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学園生活
21 食後の密談
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え…これはどうしたら?
(カーティス様!お怪我はありませんか!?)
まぁ、そうなんだろうけど…
「まぁ、はしたない事。事故とは言え淑女の膝にいつまでも乗っていてはなりませんわ。」
スピンを肩にのせたメシュリー様が扇で顔の下半分を隠して眉を潜めての突っ込みが来ました!
ナイスだよ!助かったよ!
「わ、わかっておる!すまぬな、アンジー。」
「いえ、カーティス様にお怪我が無さそうで良かったです。お気をつけ下さい。」
にこりと笑うと周囲がほぅ…とため息が漏れた。私何もしてないよね!?
毛布王子は顔を赤くしながら立ち上がる。
「しっ失礼するっ!」
どたばたと去っていく毛布王子たち。
ぽかーんと見つめる私たち。
「皆様、お騒がせ致しましたわ。」
メシュリー様がスピンを乗せたまま器用に礼をすると、食堂は何事もなかったように戻った。ただ、言葉の端々にネコの単語が飛び交ってはいるようだけど。
スピン、お疲れ。
『つかれた。眠い。』
メシュリー様が席に着くと、スピンはストンと着地してすっと物陰に入るとそのまま私の影に戻っていった。
「ネコちゃん、いっちゃいましたね。」
少ししょんぼりレイリー様。大丈夫!今度沢山もふらせてあげるからね!
「そうだ、皆様に相談がありましたの。」
にっこりメシュリー様の言うことにゃ、コーヒースクラブの量産計画をしたいがどうしましょう。とのこと。作ったあとの販路計画など、学生には身に余るし問題も沢山。
そして、意味ありげな視線をレイリー様へ送っている。
「では、後日私の担当を呼んで打ち合わせを致しましょう。」
私の担当?
不思議な顔をしていたのがバレたようで、苦笑しながらレイリー様が答えてくれる。
「私の実家は商いをしておりまして、私にも将来何が起きても困らないようにと一部任されているのです。」
なるほどねー
「あの…アンジェ様は私が商いをしていると知っても変わらないのですね。」
ああ、お貴族様が商売なんて!とか商人が貴族になんて!とかのアレか。
「商人たちが居なければ困ってしまいますし、その中で成功を収めるのはきっと大変な事だと思います。女性なら尚更大変かとは存じますが、そのような教育をなさるガゼット男爵様は素晴らしいと感じます。」
「まぁ、父を誉めて頂きありがとうございます。」
口元に手をあてて、嬉しそうに微笑むレイリー様。そっか。こう言うので誉められるのは珍しいのね…
「あとは、孤児院の視察にまいりましょう?
私も貴女たちもそれなりに寄付はしているでしょう?」
黒い笑みのメシュリー様。怖いです。
一緒にアリア様も笑ってるよぉぉ…
「そうそう、ギルドカードの使い方もここでやってしまいましょう。」
お出しになって?と言いながらメシュリー様が自分のカードをだす。同時にアリア様とレイリー様もカードを出した。
「カードの左上に小さな宝石が埋め込んでありますでしょう?」
なんか、緑にピカピカしてる。LEDライトみたい。
あれ?皆のは透明だ。
「ああ、丁度いいですわ。カードの右下の部分に指を五秒以上当ててくださいませ。」
1…2…3…4…5…
突然宝石から光が延びて小さな画面が出てきた。目で追うと新着メッセージがあります。
なんだろ?と思うとそのままメッセージが展開された。
『放課後ギルドへ立ち寄って欲しい。』
ギルド長だった。
返信はどうしたら?
と思ったら返信用の窓が開く。了解で返信したいけどどうすれば…
あれ。勝手に了解ってうちこまれた。
思っただけでいけるのか!すごい!
そのまま送信!
いけたいけた。
「メシュリー様、すごいですね。思っただけでできましたよ!」
「そ、そうね。他にも色々あるのですが基本はそれでよろしいですわ。」
ぽかーんとしながら言われた。普通はもっと手取り足取りしないとつかめないらしいが、メールの返信とかで慣れてたからイメージがしやすかったのだろう。説明不要になってしまったようです。
「緊急時にはカードからアラームが鳴り、宝石が赤く点滅しますの。あとは、チームを組んでおけばチームで会話もできますわ。
と、言うわけでアンジェ様は私のチームにお入り下さいね?」
あぁん!強制なのね!
メシュリー様のカードの上に私のカードを乗せる。
「承認します。」
パチンと音がしてカードを見るとカード情報にチームメンバーが登録されていた。
チーム名:名前はまだない。
あ、これは付けてないって事ですね。
金銭のやり取りもカード同士のタッチでいけるらしい。便利ダナー。
「と、まぁこんな所かしらね。」
一通り、カードの使い方を聞いた所でフォンと音がした。
突然周囲の音が聞こえるようになった。というより、今まで聞こえていなかった事に気がついた。
「このテーブルには簡易結界が仕込んでありますの。該当箇所に魔力を込めると周囲と隔離されつつ、周囲からは違和感が無いように見える優れものですわ。」
ふふ、と笑うアリア様。毛布王子が去ったあとに起動させていたらしい。
放課後はギルドへ行く約束をして食堂を後にした。
(カーティス様!お怪我はありませんか!?)
まぁ、そうなんだろうけど…
「まぁ、はしたない事。事故とは言え淑女の膝にいつまでも乗っていてはなりませんわ。」
スピンを肩にのせたメシュリー様が扇で顔の下半分を隠して眉を潜めての突っ込みが来ました!
ナイスだよ!助かったよ!
「わ、わかっておる!すまぬな、アンジー。」
「いえ、カーティス様にお怪我が無さそうで良かったです。お気をつけ下さい。」
にこりと笑うと周囲がほぅ…とため息が漏れた。私何もしてないよね!?
毛布王子は顔を赤くしながら立ち上がる。
「しっ失礼するっ!」
どたばたと去っていく毛布王子たち。
ぽかーんと見つめる私たち。
「皆様、お騒がせ致しましたわ。」
メシュリー様がスピンを乗せたまま器用に礼をすると、食堂は何事もなかったように戻った。ただ、言葉の端々にネコの単語が飛び交ってはいるようだけど。
スピン、お疲れ。
『つかれた。眠い。』
メシュリー様が席に着くと、スピンはストンと着地してすっと物陰に入るとそのまま私の影に戻っていった。
「ネコちゃん、いっちゃいましたね。」
少ししょんぼりレイリー様。大丈夫!今度沢山もふらせてあげるからね!
「そうだ、皆様に相談がありましたの。」
にっこりメシュリー様の言うことにゃ、コーヒースクラブの量産計画をしたいがどうしましょう。とのこと。作ったあとの販路計画など、学生には身に余るし問題も沢山。
そして、意味ありげな視線をレイリー様へ送っている。
「では、後日私の担当を呼んで打ち合わせを致しましょう。」
私の担当?
不思議な顔をしていたのがバレたようで、苦笑しながらレイリー様が答えてくれる。
「私の実家は商いをしておりまして、私にも将来何が起きても困らないようにと一部任されているのです。」
なるほどねー
「あの…アンジェ様は私が商いをしていると知っても変わらないのですね。」
ああ、お貴族様が商売なんて!とか商人が貴族になんて!とかのアレか。
「商人たちが居なければ困ってしまいますし、その中で成功を収めるのはきっと大変な事だと思います。女性なら尚更大変かとは存じますが、そのような教育をなさるガゼット男爵様は素晴らしいと感じます。」
「まぁ、父を誉めて頂きありがとうございます。」
口元に手をあてて、嬉しそうに微笑むレイリー様。そっか。こう言うので誉められるのは珍しいのね…
「あとは、孤児院の視察にまいりましょう?
私も貴女たちもそれなりに寄付はしているでしょう?」
黒い笑みのメシュリー様。怖いです。
一緒にアリア様も笑ってるよぉぉ…
「そうそう、ギルドカードの使い方もここでやってしまいましょう。」
お出しになって?と言いながらメシュリー様が自分のカードをだす。同時にアリア様とレイリー様もカードを出した。
「カードの左上に小さな宝石が埋め込んでありますでしょう?」
なんか、緑にピカピカしてる。LEDライトみたい。
あれ?皆のは透明だ。
「ああ、丁度いいですわ。カードの右下の部分に指を五秒以上当ててくださいませ。」
1…2…3…4…5…
突然宝石から光が延びて小さな画面が出てきた。目で追うと新着メッセージがあります。
なんだろ?と思うとそのままメッセージが展開された。
『放課後ギルドへ立ち寄って欲しい。』
ギルド長だった。
返信はどうしたら?
と思ったら返信用の窓が開く。了解で返信したいけどどうすれば…
あれ。勝手に了解ってうちこまれた。
思っただけでいけるのか!すごい!
そのまま送信!
いけたいけた。
「メシュリー様、すごいですね。思っただけでできましたよ!」
「そ、そうね。他にも色々あるのですが基本はそれでよろしいですわ。」
ぽかーんとしながら言われた。普通はもっと手取り足取りしないとつかめないらしいが、メールの返信とかで慣れてたからイメージがしやすかったのだろう。説明不要になってしまったようです。
「緊急時にはカードからアラームが鳴り、宝石が赤く点滅しますの。あとは、チームを組んでおけばチームで会話もできますわ。
と、言うわけでアンジェ様は私のチームにお入り下さいね?」
あぁん!強制なのね!
メシュリー様のカードの上に私のカードを乗せる。
「承認します。」
パチンと音がしてカードを見るとカード情報にチームメンバーが登録されていた。
チーム名:名前はまだない。
あ、これは付けてないって事ですね。
金銭のやり取りもカード同士のタッチでいけるらしい。便利ダナー。
「と、まぁこんな所かしらね。」
一通り、カードの使い方を聞いた所でフォンと音がした。
突然周囲の音が聞こえるようになった。というより、今まで聞こえていなかった事に気がついた。
「このテーブルには簡易結界が仕込んでありますの。該当箇所に魔力を込めると周囲と隔離されつつ、周囲からは違和感が無いように見える優れものですわ。」
ふふ、と笑うアリア様。毛布王子が去ったあとに起動させていたらしい。
放課後はギルドへ行く約束をして食堂を後にした。
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