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はに丸

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BL連載アナセ先輩の裏話、小ネタ

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 近況ノートに書こうとしたら、文字数が平気でオーバーしたので、こちらに。

 俺様なイケメン先輩がアナルセックスに嵌まった、が無事完結しました。

 なんとなく書きだした話の続きが思い浮かんで書いたもので、プレイを中心にストーリーを作った、私らしいBLです。

 ラブコメエロコメの気合を入れて5話目には霊圧が消えたのも私らしいBLでした。

 毎日更新に挑戦してみた作品でもあります。やりきった……。

 さて、この話は春秋左氏伝と史記、国語晋語などの史書で記載されている士匄と趙武の年齢、性格を都合よく推測し、関係を勝手に捏造した小説です。

 歴史ものBLというカテゴリになるかと思います。歴史オタクは内側を語りたくなるものです。

 無粋な話でもありますので、イラネって人はバックボタン推奨。








 ストーリーに関して、史書を開いて確認したのは士匄の晩年、欒黶滅亡からラストにかけてで、あとは脳内記憶で突っ切りました。どんだけオタクなんだろう……。

 士匄や趙武が引用した商書は書経、古詩は詩経から取りました。一応、当時の教養書や詩集とされてます。このあたりはさすがに本を開きましたし、パソで書きました。他はスマホ打ちがほとんどです。

 まず、彼らは紀元前6世紀、中国山西省にあった晋という国の人です。作内、一切国名が出ておりません。BLに関係ない固有名詞を削りに削った結果です。

 以後、固有名詞の説明なしに進みます。ルビもない。

 士匄の史書デビューは春秋左氏伝の鄢陵の戦い。紀元前575年の晋VS楚戦争で、士匄は非戦派の士燮(父)に『戦場まで来たしさっさと先制攻撃しましょう☆』と言って『小僧が口を出すな』と怒らせてます。怒るどころかぶっ殺すと武器を片手に士燮は士匄を追いかけ回してます。

 当時、父親に反対意見を言うこと、父親すっ飛ばして政治的発言をするなど、非常識オブ非常識です。士匄は初手からトバシてます。祖父、父の活躍時期から、三十路直前くらいだったのではないかと思われます。

 小説は、この戦争の3年ほど前を想定して書いてます。史書に全くない。そもそも、大臣候補とされる、公族大夫が集まってお勉強してたというネタが、私の捏造です。

 趙武ですが、春秋左氏伝では紀元前583年に趙氏滅亡の危機に登場。史記などとすり合わせるに紀元前596年に生まれている可能性があり、15才前後で趙氏を継いだことになります。

 趙武のバックボーンに関して、春秋左氏伝では母親の元で育ったことになってますが、史記では赤子の時に父の親友に引き取られ育てられたことになってます。いやこれ、戯曲になるほど有名なネタでして。趙氏孤児。

 ここから、春秋左氏伝と史記を合わせた、趙武成人までのくだりを記載しますが、作内に全く無い固有名詞の嵐ですので、読み流し程度でどうぞ。

 趙朔(父)が粛清される→

 荘姫(母)が妊娠中で、実家(公室)に引き取られ秘密裏に出産→

 粛清されかねないので程嬰(父の友)が引き取り養育→

 数年後に荘姫が趙嬰(父の叔父/四男)と密通→

 趙同、趙括(父の叔父/次男三男)にバレて趙嬰は斉へ亡命、恨んだ荘姫が叛乱の讒言→

 君主と時の正卿、欒書(欒黶の父)に趙同、趙括が一族ごと粛清→

 趙氏滅亡による領地解体の動きに韓厥(趙武の後見人)が止め、趙武が後を継ぐ→

 趙武成人。成人の儀、当時の大臣たちにあいさつ回りしたあと、程嬰が『わが人生に悔いなし、あなたの祖父や父に報告するね』と言って自殺。趙武は泣いて止めてた

 書き出しましたが、なんじゃこりゃ。まず固有名詞の嵐で、初見殺しすぎる。

 まあ、父の死後、母は不倫、一族滅亡しかけ、育ててくれた人は自殺した、というバックボーンを持ってるのが趙武です。

 なぜ彼が、ひねくれず、真面目で実直な人間に育ったのか、よくわかりません。育てた程嬰や後見人の韓厥が真面目で実直な人たちだったのはあるでしょうが。

 私は趙武が地道な努力家と思われる発言や、誠実さが見える言動をしていることを尊重したく、極めて真面目で実直なキャラクターとしてえがきました。

 反面、大切なひとがいなくなってしまう、年上は特にいなくなる、というトラウマを持たせたのが今作です。いや成人式の日に恩人が自殺て……。

 彼が抜きんでた、女顔の美しい人だったかはわかりません。ただ、衣服に押しつぶされそうなほど細かった、という記録はあります。外交でも受けがよく、成人式でおじさんたちから『美しいですね』と連発されてるので、めちゃくちゃ美少女にした。この美しいという褒め言葉は見た目でなく所作なんですが、見た目も美しいから言われたんじゃないかな? と思います。

 士匄は春秋左氏伝に多才な有能さ、特に外交などでアドリブの上手さと、好奇心や自信ありすぎての失敗が見える、地味と実直からほど遠い人です。外交受け良いので、イケメンにしました。この時代、見た目で8割判断される。

 もうなんだろう、この人。

 政治的な逸話や戦争の逸話でしか顔を出していないのですが、頭が良いのはわかるんですけど……コントみたいなネタや、強欲な話など、我の強さ含めて人間くさいキャラクター性をお持ちです。

 士匄と趙武は、

 同じ国の人で同時期に名前が見受けられ、同僚で、士匄が正卿中軍の将をしていたときに、趙武が中軍の佐をしていた。

 浮いた領地を分け合いしてたときに、趙武が無茶振り言うので士匄がツッコミいれた。

 くらいの接点しか無いです。よくもまあ、私は無いこと無いこと書いたね、てなるんですが、だからこそ、二次創作ではなく、オリジナル作品として胸がはれると言うものです。

 正反対の性格をしていながらも、それぞれ有能な政治家でした。そんな二人の若い頃を想像しながら、恋愛模様を考えるのはとても楽しかったです。

 欒黶ですが、士匄と幼馴染みという記録はもちろんありません。

 父親同士が仲が良かったとも断言できません。欒書は士燮を賢人と認めて意見を大切にしていた、欒書が正卿のときに外交関係を任されていた、同僚として20年ほど共にいる、などから近さはあったと思われます。

 欒黶に士匄の娘である欒祁が嫁いでいるのは記録にあります。欒黶と士匄の年齢はさほど変わらない。当時、親子ほど離れた夫婦は常識的でないため、両家が極めて近しい関係だったのではないか、とは思われます。

 このあたりから、幼馴染みとしました。

 欒黶は史書に記載しているより、マイルドにしています。

 あれでマイルドです。

 趙武や士匄より記述は少ないのですが、常に威張っているなどと書かれる男です。

 戦争中に命令が気に食わないと勝手に帰る、その戦争で弟が戦死したのを士匄の息子のせいだと怒りだし、殺させろと脅迫する。この逸話が最終回で使われてます。

 彼自身はなんの苦労もなくお亡くなり遊ばれました。欒盈(息子)は好人物だったらしいのですが、誰も助けませんでした。

 こう書くと欒黶の人望の無さ~! て感じになるのですが。実はこのころ、晋は内部の大貴族同士競争時代に突入。

 欒黶時代で勢力が大きかったところに、好人物の欒盈を慕って主従関係を結ぼうとする小貴族たち(武士階級に近い)が増え、士匄以下、大貴族たちは警戒。

 特に、欒黶に圧迫を受けてた士匄はかなり警戒してました。欒祁が諸々あって欒盈を讒言し、それを口実に滅ぼしました。

 完全に滅ぼすまで3年ほどかけてるんだから、欒氏の勢力は大きかったですね……。

 出る杭は打たれるというやつですが、欒黶に人望無かったのもあるでしょう。趙武が祖父や父の人望で生きながらえたのと対称的ですね。

 ここまでして脅威を叩き潰したのに、翌年に死んでる士匄さん。君はいつもどこか残念だね!

 士匄の死亡について、史書は全く記載してません。数年後に、あの年に死んだんだけどねーと、一言で一蹴。死んだと断言されてるだけマシなんですど。

 士匄が死んだ紀元前548年。晋の動向や他国の動向を見るに、秋までは斉が晋を警戒している記述があるも、冬に楚が斉と呼応するため動いている。ここから、秋の終わりに士匄は死んだのではないかな? と勝手に捏造しました。

 死亡シーンは、菊池寛の死をオマージュしてます。

 士匄は陽性の人と書いてました。彼は、幸福の絶頂の中、それを疑うこともなく死んでほしいと思いながら書きました。ちなみにくも膜下出血です。

 作中の趙武は、士匄が死ぬだなんておもってなかったので、書いててかわいそうでした。

 趙武は、紀元前541年の冬、暮れに死んだとされてます。この年、趙武は精彩を欠いた発言や、先々のことについて責任とれないという発言があり、彼自身も己の死を予感していたのではないでしょうか。

 彼の死んだ年、人々は趙武の発言を『宰相として無責任』と断じ『趙武はもうすぐ死ぬ』と言いまくってます。それどころか、君主への教育や監督が足りないことを責められ『そのためあなたは死にます、天命です』みたいなことまで直接言われますが、相手の言葉を是として、報奨まで与えてます。

 生まれたときから苦労の連続で、正卿になっても地道に実直に務め、楚との恒久和平条約をやってのけた名宰相の晩年として、誰も彼を労ってないのはいつも寂しさを感じます。

 趙武の初恋が士匄で、暗中模索の上で、恋に幸せを見つけた話を書いたのですが、はなむけにもならないんですけど、彼にも楽しいことあった、みたいな気分になれました。実際の彼にも華やいだ幸せがあってほしく、士匄も自分以外を大切に思う瞬間があっても良いと思いながら書いた次第。

 あと、士匄の即堕ちニコマがとても書きたかったので、たくさん書けて良かったです。


 最後にさらなる無粋。士匄の孫の世代で士氏は滅びます。不朽と鼻高々に謳ってたのに。

 士氏を滅ぼしたのは、趙武の孫です。この人は趙武より、どちらかというと士匄に少し似てます。陽性でお調子者、たえず前に進む。
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