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再婚式2
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ー 数日後…
龍ヶ崎家は、ビジネスホテルの小さな部屋を使って、再婚式を行った…。
式場の予定の都合等から再婚式は7月下旬となり、徹や麗奈が夏休みに入った頃を見合わせて行われた。
式には身内や、両親達の知り合い関係が詰めかけて華やかな賑わいを見せていた。麗奈もクラスメイトの女子達を招き、華やかに賑わっていた。
会場内はバイキングの料理が用意されて、皆…楽しそうに料理を食べながら賑わっていた。両親達の中でも特に親しい関係者達が集う中、麗奈を見ている男性に徹は気付く。
「ねえ、さっきから、こっちを見ている人がいるよ」
徹の言葉に麗奈も男性に気付いた。
「ああ…あれは、倉山弁護士だ。前の母との親権をどちらにするか決めるのに、父の方に私を決めさせてくれたのだ」
「そう…なんだ」
(全ては彼の判断ミスの結果なんだな…⁈)
そう思った時、ハッと麗奈を見ると、ジッとこちらを睨んで居る様に見えた。
「ど…どうしたの?」
「ん?いや…別に、ただ…私の今の会話で彼が唯一の判断ミス等と…考えていたら。許さんと思っただけでな…」
それを聞いた徹は、ゾクッと悪寒を感じた。
「ハハハ…そ、そんな事考える訳ないよ…」
徹は冷や汗を掻きながら愛想笑いして答える。
「そうか…なら良し。そうだ…!せっかくのバイキングだから、何か食べたい物はあるか?よそって来てやる」
「そうだね…」
徹はチラッとローストビーフに目が行く。
「ローストビーフを取って来てくれるかな?」
「分かった」
麗奈は素直に返事してローストビーフを取に行ってくれた。
(なんだ、やけに素直だな?)
徹は素直に返事して動く麗奈が逆に不安に感じる。
「持ってきたぞ、さあ食え」
と、彼女が持ってきたのは、ローストビーフの塊が乗った大皿だった。麗奈は大皿を彼等が座るテーブルの上にドンと置く。更に塊の上に大きなフォークを数本串刺した状態で徹の前に差し出して来た。
「ねえ、君って僕を嫌がらせるのが趣味なの?」
「お前が食いたいと言うから、持ってきたのだ。良かったら口を開ければ、肉を放り投げてやるぞ」
「いや…結構です。自分で食べやすい大きさに切って食べます」
「何だ、随分控えめだな」
「君の良識が想定外過ぎるだけだよ」
「こんな事では野戦場で生き残れないぞ」
(何故、再婚式の場で野戦場の話を持ち出して来るんだ!)
麗奈は適当に肉を切って、それを持ち構える。
「さあ…お口を、あ~んして」
「結構です。お前の相手をしてたら、命が幾つあっても足りないから」
そんな2人のやり取りを見ながら「失礼」と、声を掛ける人の姿があった。麗奈が教えてくれた「倉山弁護士」と、言う人物だった。
「始めまして、弁護士の倉山です。ちょっと別件の予定が入ったから、麗奈ちゃんと少し話をしたいのだけど、良いかな?」
「あ…はい」
麗奈は、倉山に誘われて式場を出て行く。
徹はむしろ、そのまま式が終わるまで、麗奈を預かって貰いたいと思った。
彼は適当な大きさにローストビーフを切って、残りを並べてあった場所に戻した。
徹がローストビーフを食べ出した時、麗奈が戻って来た。
「早いお帰りだね」
「大した話では無かったから…」
「そう…」
徹は横目でチラッと麗奈を見た。特に何か気にしている様子は無さそうだった。
「ところで何か他に欲しい物は無いのか?」
「そうだね…」
徹はデザートに目が行く。
「ケーキを食べやすい大きさに切って、持って来てくれるかな?」
「分かった」
そう返事をして麗奈は、ケーキをホールごと持って来て、徹の前に置く。ケーキの真上にはフォークが串刺した状態だった。
「さあ食え」
「君は、どうしても、それがやりたいのだね…」
徹は呆れた表情で麗奈を見る。
その日…和やかな雰囲気の中、再婚式は幕を降ろした。
龍ヶ崎家は、ビジネスホテルの小さな部屋を使って、再婚式を行った…。
式場の予定の都合等から再婚式は7月下旬となり、徹や麗奈が夏休みに入った頃を見合わせて行われた。
式には身内や、両親達の知り合い関係が詰めかけて華やかな賑わいを見せていた。麗奈もクラスメイトの女子達を招き、華やかに賑わっていた。
会場内はバイキングの料理が用意されて、皆…楽しそうに料理を食べながら賑わっていた。両親達の中でも特に親しい関係者達が集う中、麗奈を見ている男性に徹は気付く。
「ねえ、さっきから、こっちを見ている人がいるよ」
徹の言葉に麗奈も男性に気付いた。
「ああ…あれは、倉山弁護士だ。前の母との親権をどちらにするか決めるのに、父の方に私を決めさせてくれたのだ」
「そう…なんだ」
(全ては彼の判断ミスの結果なんだな…⁈)
そう思った時、ハッと麗奈を見ると、ジッとこちらを睨んで居る様に見えた。
「ど…どうしたの?」
「ん?いや…別に、ただ…私の今の会話で彼が唯一の判断ミス等と…考えていたら。許さんと思っただけでな…」
それを聞いた徹は、ゾクッと悪寒を感じた。
「ハハハ…そ、そんな事考える訳ないよ…」
徹は冷や汗を掻きながら愛想笑いして答える。
「そうか…なら良し。そうだ…!せっかくのバイキングだから、何か食べたい物はあるか?よそって来てやる」
「そうだね…」
徹はチラッとローストビーフに目が行く。
「ローストビーフを取って来てくれるかな?」
「分かった」
麗奈は素直に返事してローストビーフを取に行ってくれた。
(なんだ、やけに素直だな?)
徹は素直に返事して動く麗奈が逆に不安に感じる。
「持ってきたぞ、さあ食え」
と、彼女が持ってきたのは、ローストビーフの塊が乗った大皿だった。麗奈は大皿を彼等が座るテーブルの上にドンと置く。更に塊の上に大きなフォークを数本串刺した状態で徹の前に差し出して来た。
「ねえ、君って僕を嫌がらせるのが趣味なの?」
「お前が食いたいと言うから、持ってきたのだ。良かったら口を開ければ、肉を放り投げてやるぞ」
「いや…結構です。自分で食べやすい大きさに切って食べます」
「何だ、随分控えめだな」
「君の良識が想定外過ぎるだけだよ」
「こんな事では野戦場で生き残れないぞ」
(何故、再婚式の場で野戦場の話を持ち出して来るんだ!)
麗奈は適当に肉を切って、それを持ち構える。
「さあ…お口を、あ~んして」
「結構です。お前の相手をしてたら、命が幾つあっても足りないから」
そんな2人のやり取りを見ながら「失礼」と、声を掛ける人の姿があった。麗奈が教えてくれた「倉山弁護士」と、言う人物だった。
「始めまして、弁護士の倉山です。ちょっと別件の予定が入ったから、麗奈ちゃんと少し話をしたいのだけど、良いかな?」
「あ…はい」
麗奈は、倉山に誘われて式場を出て行く。
徹はむしろ、そのまま式が終わるまで、麗奈を預かって貰いたいと思った。
彼は適当な大きさにローストビーフを切って、残りを並べてあった場所に戻した。
徹がローストビーフを食べ出した時、麗奈が戻って来た。
「早いお帰りだね」
「大した話では無かったから…」
「そう…」
徹は横目でチラッと麗奈を見た。特に何か気にしている様子は無さそうだった。
「ところで何か他に欲しい物は無いのか?」
「そうだね…」
徹はデザートに目が行く。
「ケーキを食べやすい大きさに切って、持って来てくれるかな?」
「分かった」
そう返事をして麗奈は、ケーキをホールごと持って来て、徹の前に置く。ケーキの真上にはフォークが串刺した状態だった。
「さあ食え」
「君は、どうしても、それがやりたいのだね…」
徹は呆れた表情で麗奈を見る。
その日…和やかな雰囲気の中、再婚式は幕を降ろした。
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