婚約者が妹と駆け落ちしてしまいましたが、姉は領主として逞しく生きて行きます。

マミナ

文字の大きさ
上 下
1 / 2

前編

しおりを挟む
私は、自分の婚約者であるシドニー・スクアルド子爵が私の妹であるリナリー・アナベルと駆け落ちしたことを知ったとき、悲しみと怒りに震えた。

私はシドニーとの結婚を心待ちにしていたのに彼は私を裏切って妹と逃げたのだ。

私は妹を憎んだ。

許せない…絶対に…。

リナリーはいつも私の物を奪っていたの。

洋服やアクセサリー、おもちゃや本、そして今度は私の愛する婚約者まで。

私は妹に対する復讐を誓う。

「許せない…どうしてこんなことをしたの?私はシドニーを本気で愛していたのに…どうして。」

私は涙を拭きながら、自分の部屋で友人のエリザベス・モンティス伯爵令嬢に訴えたわ。

エリザベスは私の幼馴染みであり、私の結婚式の花嫁介添人になる予定だったの。

彼女は私の悲しみを分かち合い、慰めてくれる。

「サラー、本当に残念だわ。シドニーはあなたに相応しくない男だったのね。リナリーも、あなたの妹として恥ずかしくないのかしら、あの二人は罰されるべきよ。」

「そうよ、エリザベス。私はあの二人に復讐するわ。私は彼らに苦しめられた分、私も彼らを苦しめてやる。私は彼らに幸せになることを許さない。」

「でもサラー。あなたは自分の立場を忘れてはいけないわ。あなたはアナベル家の長女であり、アナベル領の領主なのよ。あなたには自分の領民や家臣、友人や同盟者を守る責任があるのよ。あなたは自分の領地を守り、発展されることに専念しなくてはならないのよ。あなたはシドニーとリナリーのことを忘れることにしたほうがいいわ。彼らはあなたの人生から消えたのだから。」

「エリザベスとありがとう。あなたは私の本当の友人よ。あなたの言うとおりよ。私は自分の領地を守り、発展させることに専念するわ。私はシドニーとリナリーのことを忘れるわ。彼らは私の人生に関係ないのだから。」

私はエリザベスの助言に従い、無理にでも気を取り直して見せる。

私は自分の領地の管理に専念し、シドニーとリナリーのことを考え内容にした。

でも私はシドニーとリナリーのことを忘れることが出来ない。

そう私は、シドニーのことを心の何処かで愛しているし、リナリーに対する恨みを捨てきれないでいる。

そんな暗い感情を抱えたまま私は自分の領地管理に専念する事にした。

私は自分の領地の税制や法律を改革し、農業や工業を振興し、教育や医療を充実させた。

私は領民の幸福と安全を第一に考え、貧困や病気、飢饉や災害に対処した。

他の領地との外交や交流を深め、友好的な関係を築く。

自分の領地を敵から守る為に軍事や防衛を強化した。

その様子に両親や友人であるエリザベスだけではなく、領民も心配していることに私は気付ついてしまったわ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

醜さ故に姉のおまけとして惨めに生きてきましたが…最後に愛されたのは、私の方でした。

coco
恋愛
醜さ故、姉のおまけとして惨めに生きてきた私。 しかし、姉の婚約によって転機が訪れて…?

不貞の罪でっち上げで次期王妃の座を奪われましたが、自らの手を下さずとも奪い返してみせますわ。そしてあっさり捨てて差し上げましょう

松ノ木るな
恋愛
 カンテミール侯爵家の娘ノエルは理知的で高潔な令嬢と広く認められた次期王妃。その隠れたもうひとつの顔は、ご令嬢方のあいだで大人気の、恋愛小説の作者であった。  ある時彼女を陥れようと画策した令嬢に、物語の原稿を盗まれた上、不貞の日記だとでっち上げの告発をされ、王太子に婚約破棄されてしまう。  そこに彼女の無実を信じると言い切った、麗しき黒衣裳の騎士が現れる。そして彼は言う。 「私があなたをこの窮地から救いあげる。これであなたへの愛の証としよう」  令嬢ノエルが最後に選んだものは…… 地位? それとも愛?

妹が自ら89人目の妻になりにいった話。

序盤の村の村人
恋愛
 妹リリは、私の物を何でも欲しがった。お気に入りのぬいぐるみに、高い羽ペン。友達からもらったお菓子まで。ついには、私の婚約者を欲しいと言ってきて無視していたが、婚約者である第一王子のレイに婚約破棄をすると宣言されてしまう。婚約者の隣には、妹が勝ち誇ったような顔でいて……。

【短編完結】記憶なしで婚約破棄、常識的にざまあです。だってそれまずいって

鏑木 うりこ
恋愛
お慕いしておりましたのにーーー  残った記憶は強烈な悲しみだけだったけれど、私が目を開けると婚約破棄の真っ最中?! 待って待って何にも分からない!目の前の人の顔も名前も、私の腕をつかみ上げている人のことも!  うわーーうわーーどうしたらいいんだ!  メンタルつよつよ女子がふわ~り、さっくりかる~い感じの婚約破棄でざまぁしてしまった。でもメンタルつよつよなので、ザクザク切り捨てて行きます!

【完結】たぶん私本物の聖女じゃないと思うので王子もこの座もお任せしますね聖女様!

貝瀬汀
恋愛
ここ最近。教会に毎日のようにやってくる公爵令嬢に、いちゃもんをつけられて参っている聖女、フレイ・シャハレル。ついに彼女の我慢は限界に達し、それならばと一計を案じる……。ショートショート。※題名を少し変更いたしました。

金目当ての婚約なんて、二度とごめんだわ!

あお
恋愛
食堂でお昼ご飯を食べていたら、レイリアは婚約者に婚約破棄を突きつけられた。 ラウール様。貴方のお父様が頭を下げて申し込んだ婚約なのに、婚約破棄なんて口にしていいんですか?

お姉様は嘘つきです! ~信じてくれない毒親に期待するのをやめて、私は新しい場所で生きていく! と思ったら、黒の王太子様がお呼びです?

朱音ゆうひ
恋愛
男爵家の令嬢アリシアは、姉ルーミアに「悪魔憑き」のレッテルをはられて家を追い出されようとしていた。 何を言っても信じてくれない毒親には、もう期待しない。私は家族のいない新しい場所で生きていく!   と思ったら、黒の王太子様からの招待状が届いたのだけど? 別サイトにも投稿してます(https://ncode.syosetu.com/n0606ip/)

メイクした顔なんて本当の顔じゃないと婚約破棄してきた王子に、本当の顔を見せてあげることにしました。

朱之ユク
恋愛
 スカーレットは学園の卒業式を兼ねている舞踏会の日に、この国の第一王子であるパックスに婚約破棄をされてしまう。  今まで散々メイクで美しくなるのは本物の美しさではないと言われてきたスカーレットは思い切って、彼と婚約破棄することにした。  最後の最後に自分の素顔を見せた後に。  私の本当の顔を知ったからって今更よりを戻せと言われてももう遅い。  私はあなたなんかとは付き合いませんから。

処理中です...