失われた愛と偽りの婚約〜復讐の令嬢が選ぶのは冷酷な隣国王子か?

マミナ

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第16話敵か味方か

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翌朝、リリーはカイルに直接対峙することを決意する。彼にすべてを問いただす覚悟を固めた。

「カイル、昨夜あなたが会っていたのは誰なの?」

朝食の席で、リリーは冷静な声で問いかけた。カイルは一瞬驚いた表情を浮かべたが、すぐに平静を装った。

「昨夜?何のことだい、リリー?」

「もう隠さないで。私は見たのよ、あなたが何者かと取引しているのを。」

カイルの顔に険しさが浮かんだ。それでも彼は笑みを崩さず、リリーに優しい声で言い聞かせる。

「リリー、それは誤解だよ。私は君を守るために動いているんだ。どうか、信じてくれ。」

リリーはその言葉に迷いを感じた。カイルの優しい瞳が嘘をついているようには見えない。しかし、昨夜の出来事は彼女に不安を抱かせ続けていた。

「カイル、本当に…私を守るためなの?」

彼の手がリリーの手に触れた。温もりが伝わってくるが、同時に彼の言葉に隠された意図が見え隠れする。

「そうさ、リリー。君は僕にとって何よりも大切な存在なんだ。」

「でも…。」

リリーは自分の疑念を抑えきれずにいた。カイルの言葉が本当なら、なぜ彼はあのような秘密の会合をしているのか。彼の背後に潜む謎がますます深まっていく。

「わかったわ…信じる…でも、もし嘘だったら、私も黙ってはいない。」

リリーは決然とした表情でカイルを見つめた。彼女の心にはまだ不安が残っていたが、今は何も動かせなかった。
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