怖い日常

マミナ

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後ろにいる

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夏美なつみは今、鏡を見ながら口紅を塗っていた。

ブゥーン…ブゥーン…

テーブルに置いていたスマートフォンが鳴っている。

「あれ、私のスマートフォンを鳴ってる。確かめなきゃ。」

彼女はスマートフォンを取り出すと、画面からLINEで友達の沙也加さやかからメールがきていた。

「あ、沙也加さやかからメールだ。なにかあったのかな。取り敢えずメールを見てみようっと。」

夏美なつみ沙也加さやかのメールを見る。

『〇〇店の前にある△△△駅に待ち合わせだけど夏美なつみの方も準備は出来てる?』

『うん、あとは化粧をしてタクシー呼ぶだけ。私のマンション△△駅から近いし。あと〇〇分ぐらいで着くから先にそこで待っててね(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)☆』

『うん分かった。△△駅で待ってるね!』

LINEでメールを終えた夏美なつみは笑顔を綻ばせてメインの続きをする。

眉毛のセットをすれば用意はバッチリ。

あとは電話でタクシーを呼ぶだけ。

眉毛のセットももうすぐで終わるし。

……あれ…なんか後ろから変な感じが……

夏美なつみは後ろを向くが、誰もいない。

気のせいだよね。だって私一人しか住んでないし、あるわけないない!

そう言い聞かせてスマートフォンでタクシーの電話番号を打とうとすると…

……あれ…また後ろから変な感じが……どうしてなのかな…

夏美なつみはまた後ろを振り向いたが、誰もいない。

なんだろう、ここ最近になってこういう変なことが起きるようになったなぁ。

何かあったのかなって管理人とオーナーに問い合わせても『私たちは厳重にこのマンションを管理しておりますのでと返事をされた為、ずっと放置してるんだよね。

それ以上のことも言えない。

実際にこの気配が何なのかなんて私にはさっぱり分からないし。

「ま、それよりもタクシー呼ばなきゃ!沙也加さやか待ってる!もうすぐで時間だし!」

夏美なつみは再びタクシーに電話をかけようとするとまた変な気配が…

なんかひやりとする。

なんでだろう 、なんか分からないないけど凄い寒気…今は冷房なんてつけてないのに…

私の体、なんか震えてる。

なんでか知らないけど、後ろを向くのが怖い…

怖いのだと薄々感じ始めているから。

あの管理人とオーナーの人たちまさか私に嘘ついてないよね……

そうだったらまさか……

夏美なつみは震えていながらも、プーーップーーッと鳴ったままのスマホにタクシーの電話をかけようとしたその瞬間、スマホ画面にはが写っていた。

そのを見た彼女は思わず……

「きゃあああああッ!!!」

大きな悲鳴をあげて、がくっと姿勢を崩してしまった。

スマホ画面に写ったは……


ボロボロの白い着物、死人を思わせる青白い肌と真っ赤に充血した目でギロリと歪んだ笑みを浮かべて睨んでいる女性の姿だった。


夏美なつみは固まったまま青ざめて目元を潤ませながら必死になって玄関の方へと向かった。

……恐る恐る後ろを振り変えると誰もいない……

彼女の目元には涙のあとが。

しかし、周囲を見渡しても《なにか》の姿はどこにもない。

「もうここから出たい…!!」

ガチャガチャと必死に玄関の扉を開けた夏美なつみは必死になって玄関の外へと逃げ出したのだった。

◆◆◇◇◆◆


彼女は必死になって沙也加さやかのいる△△駅へと辿りついた。

疲労困憊ひろうこんぱいの状態で、度々息切れを起こしながら。

沙也加さやか夏美なつみの状態を心配した。

「なにがあったの…!あんなに必死になって走ってきて…!今日はタクシーに乗ってくるって言ってたよね!?」

沙也加さやかに問い詰められた夏美なつみ
もごもごと俯きながら、事情を説明した。

「え……幽霊が出たの…!?あなたの部屋に…??」

「うん、本当に……だからここまで走って来た…もう無我夢中むがむちゅうで……」

「そうだったんだ…。」

沙也加さやか夏美なつみを慰めた。

二人は話し合いの末、一時的に沙也加さやかのマンションに泊まることになった。

◆◆◇◇◆◆

2ヶ月が経過したとき、夏美なつみの住んでいるマンションに多くの人だかりができているのを見かけたる。

「なにを話しているのかな…分からないからあの人だかりに近づいて見ようよ。」

「その方が良いかもね。」

二人は人だかりのいるマンションへと真っすぐ進んた。

人だかりの会話が聞こえてくる。

「なにか事件でもあったの。」

「そうなのよ。ついこの間にこのマンションで管理人とオーナーが、確か」

「ええ、

「怖いねぇ…」

「ここでなにがあったのかしら…」

人だかりの話を聞いて夏美なつみ沙也加さやかはぞっとした。

ーーー白いは二人を見て、歪んだ口元で笑っているような気がしてならなかった。












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