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第466話 接触
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「どうですか、これがゲリライベントの全容です。面白くワクワクし始めたでしょ皆さん」
バベッチはルークたちのイベント会場にて人々に問いかけると、人々は盛り上がり始める。
そんな様子を見ながら私は、少し違和感を感じていた。
何だか、異様な盛り上がりかたね。突然の事なのに。
それにあのバベッチという人、前にティア王女やリリエルさんの話に出て来た人と同じ名前。
これって偶然? それとも、あの人が……
とバベッチの映像を見つめていると、ニックたちが合流して来る。
「なあ、お前たち何か変な感じじゃないか? 異様な盛り上がりというか」
「え、ニックも感じていたのか?」
ニックも同じ様に違和感を感じていたと知り、私が問い返すとマックスたちも周りがやけに熱狂的な感じで変だと思っていたと明かす。
「俺たちだけじゃなかったか。フェルトもピースも同じ様な感じを受けている。たぶんだが、あの舞台上にいるあいつらも似た様に、異変に気付いているんじゃないか?」
「だったら、ルークたちの方に合って確かめよう」
「マックスは判断が早くて助かるな、ニック」
「ひとまず、全員であいつらに会いに行こう」
私たちはニックの発言に頷き、舞台裏から接触しようと移動し始めた。
「あれ、俺の発言無視ですか?」
「まあまあ、これ食べて元気出してフェルト」
「あ、ああ。ありがとうピース。お前らしいな」
そうして私たちは人混みをかき分けながら、舞台裏に辿り着く。
周囲には警備している者も居なかった為、私たちはぞろぞろと静かに侵入していくと舞台裏でも宙に映しだされているバベッチの映像と同じ物が映し出され、それに人々は釘付けになっていた。
「おいおい、こんな所にもあの宙にあったのと同じのがあるとか、どういう事だよ」
「マックスそんな事、今はどうでもいいんじゃないか」
「そうか?」
「お前ら何してるんだ、行くぞ」
先に進むニックたちにマックスとケビンは遅れて付いて行く。
そして暫く進んだ先で、リーガとライラックに出会う。
「お前ら、何してるんだこんな所で」
「つうかようくここまで誰にも見つからずに来たな」
「お前らこそ、どうしてここに?」
私たちは改めてここまで来た経緯を話し、リーガとライラックも自分たちがここの手伝いをしていた事を明かした。
それから私たちは、リーガとライラックからイベント運営側も知らない出来事が現在発生していると聞かされた。
どうやら舞台裏ではバベッチの映像が流れ始めた所で、慌ただしくなっていたらしく二人も仕事を抜け出していたのがバレ連れ戻されていたらしい。
そこでイベント運営側の人が色々な人から問い詰められていたらしく、担当者も分からないの一点張りの状況だったと二人は話す。
「そうなのか? でもここに来るまで、そんな光景見なかったけど」
「ああ、その後その担当者は、急いで現状確認する為に王城に向かったんだったよな、ライラック?」
「そうそう。チラッと見ただけだが、すげぇ勢いで出て行ったんだ。あ、でよ、周辺にいた王国軍の兵たちも暫くしたら、集合掛かったのか何処かに行っちまったんだよ」
「そういわれると、僕たちの方もイベント会場にちらほらと居た王国軍の兵も見当たらなかったような」
ライラックの言葉にシンリが思い出したかの様に呟く。
するとそこで舞台上からルークたちが逃げるように下がって来た。
「ルーク、トウマ!」
「お前たち、何でここに?」
「おいトウマ止まるなよ。後ろがつっかえるだろ」
「あ、悪い悪い」
そうして、ルークたち次期寮長副寮長らが舞台から下がって来て私たちと合流する。
「よくあの状況で、戻って来れたな」
「いや、何て言うか司会者が勝手に盛り上げて、その流れっていうか、何て言うか」
トウマはスバンやロムロスたちの方を見ながら下がって来た経緯を口にした。
舞台上ではバベッチの発言により、異様な盛り上がりをみせルークたちもどうしていいか分からずにいたが、そこで司会者が前に出始め勝手にバベッチのイベントを解釈して更に盛り上げ始めたのだった。
司会者はこのままイベントを始めるにしてもルークたちの相手が王国軍の隊長たちだと不利すぎると語り始め、彼らにも作戦を立てる時間を与えるべきじゃないかと人々に問いかけた。
その問いかけに人々も賛同し始め、司会者が勝手にルークたちに作戦時間を与え一度舞台から下がらせたのだった。
私たちはルークたちの事情を知った後、改めて私たちがここへ来た理由などを伝えた。
「何にしろ、一旦状況を整理する時間をとれたのはあの司会者が勝手にやってくれたお陰だ」
「そうですわね。こちらは勝手に巻き込まれて、訳が分かりませんし」
「そうか? 俺は王国軍の隊長と戦えると分かってワクワクだけどな」
「とりあえずダンデは、少し黙ってて。スザク、見張ってろよ」
「ああ、任せてくれ」
そういってスザクは一旦ダンデをルークたちから引っ張って離していくのだった。
「で、どうするんだよお前ら。やるのか、あの分けわからんイベント」
「やらなくていいでしょ、こんなの。何か変だよ、この状況」
「俺たちで決めるというか、学院長がいたはずだから俺は学院長に話を聞こうと思っていたんだが」
「そういえば、見当たらないな。どこ行ったんだ?」
ルークやトウマたちが学院長を探していると、突然私たちの頭上にバベッチの映像が映し出さ、バベッチが話し掛け来る。
「何コソコソ話をしているんだい?」
「「っ!?」」
「全く、あの司会者には困ったもんだ。勝手に話を乗っ取られて誘導させていくんだから。まあ、俺としては君たち学院生徒と直接話が出来れば、何でもいいんだけどさ」
「どう言う意味だ? それにアンタ何者だ? こんなイベント王都側が考える訳ない」
「その通りだよ、第二王子君。これは、俺が勝手に始めたイベントさ。しかも王都を巻き込んでのね。それに君たちは、このイベントに必ず参加すると言うはずさ」
「そんな訳ないだろ! あんたが誰だから分からんけど、勝手にイベント作って参加しろってか? 誰もやんねぇよ」
トウマの反論に対し、皆も軽く頷くとバベッチは「これも見てもかな」と口に、私たちに別の映像を見始めさせた。
最初に映し出されたのが、見知った王都メルト魔法学院であった。
そのまま映像は学院内へと進んで行くと、次から誰もいない学院を次々に切り替えて映し続ける。
私たちは、ただ黙ってその切り替わり続ける映像を見続けていると、急に人が数人集まっている箇所が映像に映る。
次の瞬間映像に、ジュリルたちと一般の人々の青ざめた顔が映り始め、彼女たちの前に何者たちが立ち塞がっている映像が映る。
その後、ジュリルが何者からか皆も守っている姿や、魔法を発動しようとしている瞬間、相手に迫られて追いつめられる所などが映り、最後には爆発した瞬間が映りそこで映像が切れる。
「ジュリル!?」
「おい、何だ今の? 学院だったよな?」
「何が起きてるですの?」
「何なんだ、今の映像は?」
ルークがバベッチに問いかけると、バベッチはうっすらと笑ってから口を開く。
「今君たちの学院で起きている状態だよ? 彼女たちには俺のイベントの人質になってもらってるんだよ。ちなみにさっきの爆発は、彼女たちにつけさせいる物で、逆らったら爆発するように作っているんだ」
「なっ……」
まさかの発言に私たちは耳を疑った。
こんな事態を直ぐに受け入れられる訳なく、私たちはその場で固まってしまう。
「ちなみにさっきの爆発は、彼女たちのじゃないから安心していいよ。まだ、誰も死んでなんてないからさ。でも、君たちが俺のイベントに参加してくれないと、彼女たちは助からないかな~」
「……何が目的だ?」
「え、教える訳ないじゃん。何、聞けば誰でも教えると思ってたのかい? そうだとしたら、少し思い上がり過ぎだよルーク」
少し威圧的なバベッチの態度に、ルークは少し顔をゆがめる。
「それじゃ、ジュリルたちを人質にとったのはルークたちを貴方の自作イベントに参加させる為なのか?」
すかさず私はバベッチに問いかけると、少し驚いた顔をバベッチがする。
皆も未だ少しうろたえていた状態であったので、私が発現した事に驚いていた。
「う~ん……まあ、そうとも言えるね。何にしろ、彼女たちを爆発から救えるのは君たち次期寮長副寮長しかいないという事さ。彼女たちの身に付けている爆発物の解除には、さっき説明した解除コードがないと出来ないからね」
「王国軍の隊長たちから奪って助けろって事か」
「おい、ちょっと待て! そもそも何でこんな奴に王国軍の隊長たちが協力してるんだよ? おかしいだろ? どう考えてもこいつ、やばい奴だろ!」
「トウマ、それを知りたいなら直接彼らに訊けば分かる事だよ?」
「っ、何で俺の名前知ってるんだよ、アンタ」
トウマは名前を知られていた事に、少し鳥肌が立つ。
「彼女たちのこともそうだけど、忘れてはいけないのは王都内に結界が張っていてそれも解除出来るのも、君たちだけという事さ。結界内には君たち以外に戦える存在は排除していて、結界内にも入れない様にしているからね。面白い試みだろ? あ、ちなみに学院も同じ様に結界張っていて基本的に今は誰も入れないよ」
「……マジで何考えてるんだよアンタ」
「そうそう、ちなみに制限時間も設けているんだった。一応三時間で、それまでに解除コードを一つでも手に出来なければ、彼女たちも結界内に居る人たちもドカン! だよ」
「何でだよ……何で俺たちにそんな事させるんだよ!」
そこでトウマが大声を上げ、バベッチに訴えかけるとバベッチは直ぐに答えた。
「偶然さ。ただ君たちの運が悪かっただけさ。しいていえば君たちが、あの学院の次期寮長副寮長っていう事だね。もしそうでなければこんな事には巻き込まれなかっただろうね」
「なっ……何だと」
「君たちは学院を護る者だろ。力もあり認められてその地位にいる。なら、今学院の危機を救えるだろ? まさか、見捨てるなんてしないだろ。君たちの活躍しっかりと観させてもらうよ」
バベッチはそう告げた後、私の方を見つめて来た後バベッチの姿が消え、映像は三時間のタイムリミットが映し出されカウントが減り始めるのだった。
バベッチはルークたちのイベント会場にて人々に問いかけると、人々は盛り上がり始める。
そんな様子を見ながら私は、少し違和感を感じていた。
何だか、異様な盛り上がりかたね。突然の事なのに。
それにあのバベッチという人、前にティア王女やリリエルさんの話に出て来た人と同じ名前。
これって偶然? それとも、あの人が……
とバベッチの映像を見つめていると、ニックたちが合流して来る。
「なあ、お前たち何か変な感じじゃないか? 異様な盛り上がりというか」
「え、ニックも感じていたのか?」
ニックも同じ様に違和感を感じていたと知り、私が問い返すとマックスたちも周りがやけに熱狂的な感じで変だと思っていたと明かす。
「俺たちだけじゃなかったか。フェルトもピースも同じ様な感じを受けている。たぶんだが、あの舞台上にいるあいつらも似た様に、異変に気付いているんじゃないか?」
「だったら、ルークたちの方に合って確かめよう」
「マックスは判断が早くて助かるな、ニック」
「ひとまず、全員であいつらに会いに行こう」
私たちはニックの発言に頷き、舞台裏から接触しようと移動し始めた。
「あれ、俺の発言無視ですか?」
「まあまあ、これ食べて元気出してフェルト」
「あ、ああ。ありがとうピース。お前らしいな」
そうして私たちは人混みをかき分けながら、舞台裏に辿り着く。
周囲には警備している者も居なかった為、私たちはぞろぞろと静かに侵入していくと舞台裏でも宙に映しだされているバベッチの映像と同じ物が映し出され、それに人々は釘付けになっていた。
「おいおい、こんな所にもあの宙にあったのと同じのがあるとか、どういう事だよ」
「マックスそんな事、今はどうでもいいんじゃないか」
「そうか?」
「お前ら何してるんだ、行くぞ」
先に進むニックたちにマックスとケビンは遅れて付いて行く。
そして暫く進んだ先で、リーガとライラックに出会う。
「お前ら、何してるんだこんな所で」
「つうかようくここまで誰にも見つからずに来たな」
「お前らこそ、どうしてここに?」
私たちは改めてここまで来た経緯を話し、リーガとライラックも自分たちがここの手伝いをしていた事を明かした。
それから私たちは、リーガとライラックからイベント運営側も知らない出来事が現在発生していると聞かされた。
どうやら舞台裏ではバベッチの映像が流れ始めた所で、慌ただしくなっていたらしく二人も仕事を抜け出していたのがバレ連れ戻されていたらしい。
そこでイベント運営側の人が色々な人から問い詰められていたらしく、担当者も分からないの一点張りの状況だったと二人は話す。
「そうなのか? でもここに来るまで、そんな光景見なかったけど」
「ああ、その後その担当者は、急いで現状確認する為に王城に向かったんだったよな、ライラック?」
「そうそう。チラッと見ただけだが、すげぇ勢いで出て行ったんだ。あ、でよ、周辺にいた王国軍の兵たちも暫くしたら、集合掛かったのか何処かに行っちまったんだよ」
「そういわれると、僕たちの方もイベント会場にちらほらと居た王国軍の兵も見当たらなかったような」
ライラックの言葉にシンリが思い出したかの様に呟く。
するとそこで舞台上からルークたちが逃げるように下がって来た。
「ルーク、トウマ!」
「お前たち、何でここに?」
「おいトウマ止まるなよ。後ろがつっかえるだろ」
「あ、悪い悪い」
そうして、ルークたち次期寮長副寮長らが舞台から下がって来て私たちと合流する。
「よくあの状況で、戻って来れたな」
「いや、何て言うか司会者が勝手に盛り上げて、その流れっていうか、何て言うか」
トウマはスバンやロムロスたちの方を見ながら下がって来た経緯を口にした。
舞台上ではバベッチの発言により、異様な盛り上がりをみせルークたちもどうしていいか分からずにいたが、そこで司会者が前に出始め勝手にバベッチのイベントを解釈して更に盛り上げ始めたのだった。
司会者はこのままイベントを始めるにしてもルークたちの相手が王国軍の隊長たちだと不利すぎると語り始め、彼らにも作戦を立てる時間を与えるべきじゃないかと人々に問いかけた。
その問いかけに人々も賛同し始め、司会者が勝手にルークたちに作戦時間を与え一度舞台から下がらせたのだった。
私たちはルークたちの事情を知った後、改めて私たちがここへ来た理由などを伝えた。
「何にしろ、一旦状況を整理する時間をとれたのはあの司会者が勝手にやってくれたお陰だ」
「そうですわね。こちらは勝手に巻き込まれて、訳が分かりませんし」
「そうか? 俺は王国軍の隊長と戦えると分かってワクワクだけどな」
「とりあえずダンデは、少し黙ってて。スザク、見張ってろよ」
「ああ、任せてくれ」
そういってスザクは一旦ダンデをルークたちから引っ張って離していくのだった。
「で、どうするんだよお前ら。やるのか、あの分けわからんイベント」
「やらなくていいでしょ、こんなの。何か変だよ、この状況」
「俺たちで決めるというか、学院長がいたはずだから俺は学院長に話を聞こうと思っていたんだが」
「そういえば、見当たらないな。どこ行ったんだ?」
ルークやトウマたちが学院長を探していると、突然私たちの頭上にバベッチの映像が映し出さ、バベッチが話し掛け来る。
「何コソコソ話をしているんだい?」
「「っ!?」」
「全く、あの司会者には困ったもんだ。勝手に話を乗っ取られて誘導させていくんだから。まあ、俺としては君たち学院生徒と直接話が出来れば、何でもいいんだけどさ」
「どう言う意味だ? それにアンタ何者だ? こんなイベント王都側が考える訳ない」
「その通りだよ、第二王子君。これは、俺が勝手に始めたイベントさ。しかも王都を巻き込んでのね。それに君たちは、このイベントに必ず参加すると言うはずさ」
「そんな訳ないだろ! あんたが誰だから分からんけど、勝手にイベント作って参加しろってか? 誰もやんねぇよ」
トウマの反論に対し、皆も軽く頷くとバベッチは「これも見てもかな」と口に、私たちに別の映像を見始めさせた。
最初に映し出されたのが、見知った王都メルト魔法学院であった。
そのまま映像は学院内へと進んで行くと、次から誰もいない学院を次々に切り替えて映し続ける。
私たちは、ただ黙ってその切り替わり続ける映像を見続けていると、急に人が数人集まっている箇所が映像に映る。
次の瞬間映像に、ジュリルたちと一般の人々の青ざめた顔が映り始め、彼女たちの前に何者たちが立ち塞がっている映像が映る。
その後、ジュリルが何者からか皆も守っている姿や、魔法を発動しようとしている瞬間、相手に迫られて追いつめられる所などが映り、最後には爆発した瞬間が映りそこで映像が切れる。
「ジュリル!?」
「おい、何だ今の? 学院だったよな?」
「何が起きてるですの?」
「何なんだ、今の映像は?」
ルークがバベッチに問いかけると、バベッチはうっすらと笑ってから口を開く。
「今君たちの学院で起きている状態だよ? 彼女たちには俺のイベントの人質になってもらってるんだよ。ちなみにさっきの爆発は、彼女たちにつけさせいる物で、逆らったら爆発するように作っているんだ」
「なっ……」
まさかの発言に私たちは耳を疑った。
こんな事態を直ぐに受け入れられる訳なく、私たちはその場で固まってしまう。
「ちなみにさっきの爆発は、彼女たちのじゃないから安心していいよ。まだ、誰も死んでなんてないからさ。でも、君たちが俺のイベントに参加してくれないと、彼女たちは助からないかな~」
「……何が目的だ?」
「え、教える訳ないじゃん。何、聞けば誰でも教えると思ってたのかい? そうだとしたら、少し思い上がり過ぎだよルーク」
少し威圧的なバベッチの態度に、ルークは少し顔をゆがめる。
「それじゃ、ジュリルたちを人質にとったのはルークたちを貴方の自作イベントに参加させる為なのか?」
すかさず私はバベッチに問いかけると、少し驚いた顔をバベッチがする。
皆も未だ少しうろたえていた状態であったので、私が発現した事に驚いていた。
「う~ん……まあ、そうとも言えるね。何にしろ、彼女たちを爆発から救えるのは君たち次期寮長副寮長しかいないという事さ。彼女たちの身に付けている爆発物の解除には、さっき説明した解除コードがないと出来ないからね」
「王国軍の隊長たちから奪って助けろって事か」
「おい、ちょっと待て! そもそも何でこんな奴に王国軍の隊長たちが協力してるんだよ? おかしいだろ? どう考えてもこいつ、やばい奴だろ!」
「トウマ、それを知りたいなら直接彼らに訊けば分かる事だよ?」
「っ、何で俺の名前知ってるんだよ、アンタ」
トウマは名前を知られていた事に、少し鳥肌が立つ。
「彼女たちのこともそうだけど、忘れてはいけないのは王都内に結界が張っていてそれも解除出来るのも、君たちだけという事さ。結界内には君たち以外に戦える存在は排除していて、結界内にも入れない様にしているからね。面白い試みだろ? あ、ちなみに学院も同じ様に結界張っていて基本的に今は誰も入れないよ」
「……マジで何考えてるんだよアンタ」
「そうそう、ちなみに制限時間も設けているんだった。一応三時間で、それまでに解除コードを一つでも手に出来なければ、彼女たちも結界内に居る人たちもドカン! だよ」
「何でだよ……何で俺たちにそんな事させるんだよ!」
そこでトウマが大声を上げ、バベッチに訴えかけるとバベッチは直ぐに答えた。
「偶然さ。ただ君たちの運が悪かっただけさ。しいていえば君たちが、あの学院の次期寮長副寮長っていう事だね。もしそうでなければこんな事には巻き込まれなかっただろうね」
「なっ……何だと」
「君たちは学院を護る者だろ。力もあり認められてその地位にいる。なら、今学院の危機を救えるだろ? まさか、見捨てるなんてしないだろ。君たちの活躍しっかりと観させてもらうよ」
バベッチはそう告げた後、私の方を見つめて来た後バベッチの姿が消え、映像は三時間のタイムリミットが映し出されカウントが減り始めるのだった。
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