上 下
581 / 582
2章 バイト先で偶然出逢わない

2章04 4月30日 ②

しおりを挟む

 弥堂は席を立ち部室の出口へと向かう。

 廻夜からの指示どおり、施錠をするためだ。


 ガチっとドアのロックを下ろした時、背後でシャッと音が鳴る。

 廻夜が再び窓のカーテンを閉めたようだ。


 そして光量の減った部屋の中央で二人はまた席に座り直した。


 廻夜は机に両肘をつき――


「――さぁ、もう一度言ってみなさい。弥堂君」


 顔の前で手を組み、その唇の動きを隠した。


「はい、実は――」


 弥堂は先程も口にした言葉を淀みなく繰り返す。


「――推し変の許可を頂きたいのです」

「…………」


 廻夜はすぐには答えずただ「ふぅ……」と深く息を吐き、それから背もたれに寄りかかって天井を見上げる。

 今度はよく膨らんだ腹の上で手を組んだ。


 それから何秒間か、沈黙が続く。

 廻夜は人差し指一本だけを動かし、組んだ手の甲を「トン、トン、トン……」と叩いている。

 一定間隔で鳴らされるその音は、精神の安定を図る為のものなのか、または腹の奥底でマグマが煮え滾る音なのか――

 弥堂には判断出来なかった。


「……まさか、ね――」


 ようやく廻夜が口を開く。


「――まさか、キミの口からそんな言葉を聞くことになるとは思わなかったよ……」

「恐縮です」


 弥堂は反論をしない。

 相手のこの反応は予想出来ていたことであるし、過失は自身にあることもよく理解していたからだ。


「僕はね、キミが軽薄に冗談や嘘を吐く男だと思っていない。だけどね、弥堂君。念のために確認するよ。もしかしたら僕の聞き違いかもしれないからね」

「はい」

「それは『キミが推し変をするつもりである』と、そのように受け止めていいのかな?」

「その通りです」

「…………」


 廻夜は天井を見上げた姿勢のまま、もう一度息を吐いた。


「……実を言うとね、弥堂君。僕は気付いていたよ。キミのその心変わりに……」

「やはり――ですか……」

「あぁ。なにせ僕とキミとの関係だ。この僕がキミのその心境の変化に気が付かないわけがない。でもね、僕はキミにそのことを聞いたりはしなかった。何故だかわかるかい?」

「……わかりません」

「いい返事だね。だけど、実のところ僕自身にもよくわかっていないのさ。キミの方から言い出してくれるのを待っていたのか。キミが心変わりしたなんてことを認めたくなかったのか。どっちか……。もしかしたらどちらも――なのかもしれない。他の理由かもしれない。それは僕にもハッキリと申し上げることが出来ないのさ。それは許して欲しい……」

「……しかし、何故お気づきに?」


 弥堂がそう問うと廻夜は「ふっ」と笑い、ようやく顔を弥堂の方へ向けた。

 その表情はどこか寂しげな笑みのように弥堂には見えた。

 だが、彼は今も尚、大きなサングラスをつけている。

 だから気のせいかもしれない。


「そんなに難しいことじゃないよ。なにせ、キミのゲーム内プロフィールにある“お気に入り編成”の中にさ、いつまで経っても【期間限定SSR】愛花 芽衣【胸騒ぎの新学期】が追加されることがなかったからね。あのガチャが始まったのはもう半月ほど前。そして今日がその最終日だ。それは……、そういうことなんだろう?」

「はぁ」


 何故今ここで、スマホ用アプリゲーム『魔法少女プリティメロディ☆ドキドキお~るすたぁ~ず』の話を?

 弥堂はそんな疑問を浮かべたが、上司がやたら確信に満ちた口調で喋っているので、万が一でも彼に恥をかかせてはいけないと、指摘はせずに生返事だけしておいた。


 そして同時に――


(――そういえば忘れていたな)


 4月16日の新ガチャ実装日に件の【期間限定SSR】愛花 芽衣【胸騒ぎの新学期】を入手すべくガチャを回したのだが、それを入手する前に手持ちのwebマネーのプリペイドカードを使い切ってしまったのだ。

 その時点で10万円以上使っていたが、弥堂は廻夜に『推しをお迎えするまで天井知らずに資金を投入しろ』と強く言い付けられていたため、後日追い課金する予定だった。

 このサバイバル部は部をあげてこのスマホゲームを始めとした『魔法少女プリティメロディシリーズ』を買い支えることを義務としている。


 だが、その後で、弥堂はリアル魔法少女の件で忙しくなり、このガチャのことをすっかりと忘れてしまっていたのだ。

 この場で廻夜が話題に出したことでそのことを思い出した。


「どう考えても不自然だからね。キミはこれまでに実装された全ての“めいたん”をお迎えし、全て完凸させてきた。そしてそれらの多種多様な“完凸めいたん”を並べた脳死廃課金デッキを“お気に入り編成”としてプロフィールに表示し、他のプレイヤーたちを威嚇してきた――そんなキミほどの男がだよ? 今回の【期間限定SSR】愛花 芽衣【胸騒ぎの新学期】をスルーするはずがない。あれはどう考えてもぶっ壊れだもの。これはきっと、のっぴきならない事情でもあったのだろうと、僕は心配していたんだよ弥堂君」

「はぁ」


 廻夜は立ち上がると大仰な仕草でバッと腕を振った。


「だけど、わからないことがある。病的なまでの性能厨であるところのキミがだよ? もしも推し変をするのなら――それは現在の推しである“めいたん”以上の性能を持った魔法少女が現れた時だけだ。そうだろ?」

「それは……」


 そんなことは全く考えたことはなかったが、言われてみれば確かにそうだなと弥堂は納得した。

 記憶の中に記録された最強の魔法少女――ステラ・フィオーレがきゅぴんっと変身後にポーズをキメた場面が浮かぶ。


「――と、いうことはだよ? 弥堂君。その“めいたん”以上の魔法少女が実装されたということになる。しかしここで僕はまた不可解さに首を傾げてしまうよ……」


 まるで推理をする名探偵のような振舞いで、喋りながらウロウロと歩いていた廻夜は、腕組みをして態とらしく「う~ん」と首を傾けてみせた。


「恐れながらもこの僕は。『魔法少女プリティメロディ☆ドキドキお~るすたぁ~ず』のガチ勢を名乗らせてもらっている。“edge”でのゲーム情報のSNS投稿、“edge tube”での攻略動画のアップ、ブログの更新だって欠かしたことはない。そんなこの僕がだよ? “めいたん”以上のユニットの存在を知らないわけがない。そうは思わないかい?」

「……なるほど。その通りですね」


 ここでようやく弥堂は廻夜の意図を察した。


 何故急に魔法少女の話をしだしたのかと上司の正気を疑ったが、そうではなかったのだ。

 アニメやゲームの魔法少女の話をしていると見せかけ、実際には彼はリアル魔法少女のことを示唆しているに違いない。


 万が一この部屋に盗聴器が仕掛けられていたり、聞き耳をたてられていても情報が漏れないように、彼はこのような暗喩をしているのだ。

 特にそういったモノの気配を弥堂は感じないが、それでも部長は自身の行動を緩めたりはしない。

 物事を徹底するとはこういうことを言うのだと弥堂は強く感心した。


「――ということは、弥堂君……?」

「はい。俺は出逢ってしまったのです。“めいたん”以上の魔法少女に……」

「……そうかい。それで? それは一体どの魔法少女のことなんだい?」

「ふっ、お戯れを」

「えっ?」


 それは言えないし、言ってはいけないというのがこの場のルールなはずだ。

 なのにわざとそれを聞いてくるというのは、彼らしい皮肉のきいたジョークだなと弥堂は口元を緩めた。


「び、弥堂君……? あの――」

「――そういうわけです。俺は推しの魔法少女を変えたい。いえ、変えました」

「そ、そう……? で? それは一体――」

「お戯れを」

「そ、そっか……」


 バズりネタを掴んだとぬか喜びした廻夜はシュンと肩を落とし、弥堂からその名を聞き出すことを一旦諦めた。


「わかったよ……。キミが教えてくれなかったことはショックだけれど、ここは僕が一旦引き下がろう。このゲームは対人コンテンツやランキングだってあることだしね。キミが僕にも教えてくれなかったことはショックだけど、情報を秘匿することは戦略上間違っていない。キミと僕との関係でも教えてもらえないのはすごくショックだったけど、僕だってこれでも配信者の端くれだからね。理解するよ」

「……恐縮です」


 一つの台詞の中で「教えてもらえなかった」という恨み節を三回も捻じ込んでくるのはちょっとしつこいなと弥堂は感じたが、相手は上司なので口には出さずに恐縮しておいた。

 廻夜は椅子に座り直すと深呼吸をして気を落ち着かせ、改めて弥堂の視線を向けてから冷静な声音を発する。


「だけど弥堂君。僕が常々キミになんと言っていたか――それを忘れたわけじゃないよね?」

「は。“推し変”は許されざる行為で、悪である――と」


 弥堂も真っ直ぐに見返しながら、正直に答えた。


「…………」


 廻夜は何も答えない。

 机に腕を置き顔を俯かせている。

 だが、よく見るとその腕がブルブルと震えていた。


 その震えは段々と大きくなっているように見える。

 普段は温厚な彼も弥堂の犯した禁忌への怒りが抑えきれないのかもしれない。

 伸ばしっぱなしにしている不潔な長髪が顔を覆うように垂れる。


 やがて、廻夜は震える左手を顔に持っていき、サングラスの端を掴む。

 覚束ない手つきでそれをゆっくりと外した。

 長い前髪が彼の顏を隠しており、その目と表情は窺えない。


 そして、最大限に苦労をして冷静な口調を心掛けている――それがはっきりとわかるような震え声を発した。


「――この中で、推し変くらい別にいーじゃんとか思ってるアンポンタンだけ部屋に残りなさい……」

「……?」


 そこまで言ってから、廻夜は前髪の隙間からチラっと弥堂の顏を窺う。

 彼は不思議そうな顔をしていた。


 ネタが伝わらなかったことを理解した廻夜は、そのことがバレないようごく自然な手つきでサングラスをスッとかけ直す。

 そして何事もなかったかのようにまた喋り出した。


「いや、うん。いいんだ。誤解しないでくれ。僕はね弥堂君。何故それが理解出来ないのか、わかっていながら何故言ってくるのかと、そうやってキミを責めるつもりはないよ? 何故なら――」

「――あの、部長? アンポンタンとは一体……」

「え? アンポンタン? 悪いけど弥堂君。僕はね、ドイツ語はわからないんだ。そんなことより“推し変”の話だ。そっちの方が僕にとってもキミにとっても重要なことだ。そうだね?」

「はぁ……」


 廻夜は「ドイツ語?」と首を傾げる部下を勢いで押し切り話を戻す。


「――何故なら弥堂君。僕はキミがそれを禁忌だと理解しながら、しかし覚悟を持って告白したことを正確に理解しているからだ」


 廻夜は長机の上の封筒に目線を遣る。

 その白い封筒には黒いマジックではっきりと三文字が書かれている。


 廻夜は封筒を手に取り、自身の目線の高さにその文字を合わせた。

 そこに書かれているのは『退部届』――


――ではなく、『いしょ』だ。


「確かに僕は“推し変”は悪だと言った。軽々しい気持ちで『推す』だなどと言うべきではない。生涯をかけて『推す』、そのくらいの気概を持って臨むべきだと主張している……」

「はい」

「僕はね、キミが簡単に“推し変”をしただなんて言いだすような軽薄な男だとは思っていないよ。だけどね弥堂君。いや、だから、キミは今回その生命を賭してでも“推し変”をしたい。そう僕に伝えたいんだね? それほどの強い覚悟と意思を持ってこの僕の前に立った。そうだね?」

「その通りです」

「……わかったよ。ならば僕も真摯に応えよう。キミのそのお悩みに」


 廻夜は重く頷いた。


「しかし、弥堂君。その前にキミに言っておくことがある。キミの主張はわかった。それにはしっかりと答える。だけどね、これはないんじゃないかな?」


 ヒラヒラと顔の横で封筒を振りながら廻夜は言った。


「これに関して言いたいことがいくつかある。まず、『遺書』くらい漢字で書こうよ。いや、ね? キミが漢字を苦手にしていることは考慮するよ? でもさ、弥堂君。キミ前は遺書の『書』は書けてたじゃない? なんで全部平仮名に退化させちゃったのかな? まずはそれを答えてごらんよ」

「は。実はですね。気付いてしまったのです」

「ほう」

「『書』と一文字を書くよりも『し』と『よ』の二文字を掻いた方が実際の労力が少ないことに」

「……んん? ど、どういうことだい?」

「はい。漢字というのは複数文字の平仮名を一文字で纏め、効率を上げる為の文字ですよね?」

「い、いや、漢字とは決してそのようなものではなかったはずだけど……、まぁいい。それで?」

「えぇ。だけど今回の『書』のように平仮名のまま書いた方が実はコスパやタイパに優れるものがあります。決して少なくはない。つまり、漢字とは俺を騙して無駄な労力を払わせようとする敵なのではないかと。そう考えたのです」

「……うん。わかった。一旦わかったよ。僕は決してキミを頭ごなしには否定したりなんかしないよ。だけどね弥堂君。漢字は別に悪ではないし敵でもない。彼らにキミを騙そうだなんて心づもりはこれっぽっちだってないんだよ? それはわかって欲しい。だから絶対に生産地に対して嫌がらせや報復をしようだなんて考えてはいけないよ? それは本当にシャレにならないからね? それだけは約束してほしい。いいね?」

「はぁ」


 強く平和を呼び掛けてくる上司に弥堂は曖昧に頷いた。


「じゃあ、次だ。キミさ。こうやって事あるごとに『遺書』を提出して自殺を仄めかしてくるのはやめてよ! 普通に怖いでしょ⁉」

「はぁ、恐縮です」

「まずさ、こういう封筒見せられたら『え? まさか退部届⁉』ってビックリするでしょ? それでよく見たらそうは書かれてなくて『あ、なんだ、よかったぁ』って安心するじゃん? でもさ、一回落ち着いたところで『は⁉ 遺書⁉』ってまたビックリして二度見するわけじゃん? いい加減慣れてもきたんだけど、やっぱり心臓に悪いよ!」

「恐縮です」

「……いやね? わかってるよ? キミにそんなつもりはないことは。だけどね弥堂君。こうやって自分の生命を盾にして要求を通そうだなんて振舞いは、僕は感心できないよ」

「ですが、使えるものは使うべきかと」

「実にキミらしい答弁だ。それには敬意を表するよ。だけどね弥堂君。生命とは減らすものじゃない。消費するのではなく全うするものなんだ。時と共に目減りしていくのではなく満ち行くものなのさ。満ちて終わる。それが生命であり人生だ。僕は常々言ってきた。人の生命は大事だと。キミに散々説いてきた。そうだね?」

「はい。そう思います」

「全く心のこもっていない同意をありがとう。いいかい、弥堂君? 僕はね、なにもキミが他人に酷いことをするのを止めようだとか、そういうつもりで『生命を大事に』と言っているわけじゃあない。いやゴメン。それもある。けっこうある。というか、僕はキミの普段の行いを見て『この人年内には人殺っちまうんじゃ』と割と本気で心配してる。だから僕は今嘘を吐いた。どうもすいません! はい謝った! だけどね弥堂君。決してそれだけじゃあない。僕は何よりキミの幸せを思って生命の大切さ、人類愛を語っているのさ。それというのもね弥堂君――」

「…………」


 弥堂は自分のしたい話とは違ったので、廻夜の言葉に興味が湧かなかった。

 そもそも“推し変”の相談をしようとしたのに、その説明すら出来ずにスマホゲーと魔法少女と生命の大切さについて聞かされる。

 どうしてこうなったと嘆きたくもなった。


 弥堂は耳から入ってくる声を記憶の中に記録しつつ、線路について思いを馳せながら廻夜の話を聞き流した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

性転換マッサージ2

廣瀬純一
ファンタジー
性転換マッサージに通う夫婦の話

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?

すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。 病院で診てくれた医師は幼馴染みだった! 「こんなにかわいくなって・・・。」 10年ぶりに再会した私たち。 お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。 かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」 幼馴染『千秋』。 通称『ちーちゃん』。 きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。 千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」 自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。 ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」 かざねは悩む。 かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?) ※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。 想像の中だけでお楽しみください。 ※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。 すずなり。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

処理中です...