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1章 魔法少女とは出逢わない
1章78 弥堂 優輝 ⑭
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標的の前で間抜けにも目的も殺意も忘れて茫然とする。
魔王と思われる男、日本人と思われる男は日本語で一言呟いたきり黙ったまま俺を見ている。
だが、その瞳の色は電源が切れたように光を失っており、見ているというよりはただ目線が向いているだけのように感じられた。
遅れてハッとした俺が聖剣を握る手に力を籠めようとすると、その寸前で部屋の扉が開く。
入ってきたのは一人の少女。
街の娘とそう変わらない素朴な服装をした魔族の少女だった。
警戒する俺に彼女は微笑み、こちらへ椅子を一つ運んできた。
刃物を持つ俺にあまりに無警戒に近づいてくるものだから、ついその行動を許してしまった。
少女はベッド脇に椅子を置いて俺に座るよう薦めると、もう一つ別の椅子を運んできて隣に置いた。
そして茫洋とした瞳で座ったままの魔王に、何か水晶玉のような物を握らせてから彼女は椅子に座る。
「はじめまして、お兄さん。どうぞ座ってくださいっ」
ニコニコとした笑顔で彼女は俺にそう言う。
日本語で。
まるで親しみさえ浮かんでいるようなその表情に、俺は一瞬わけがわからなくなる。
「あれ? 言葉間違ってました?」
俺の反応がないことで彼女は不思議そうに小首を傾げた。
そして、その少女の顔を見たことで、俺は遅れて気が付く。
銀色の横髪を別ける耳。
長い耳。
肌はダークエルフよりは森のエルフに近い。
だが魔族だ。
そう気付いて、反射的に殺意を向けようとすると――
「――物騒だな」
横合いから今度は低い男の声。
眼を向けると、さっきまで廃人のように呆けていた魔王が、しっかりとした光を瞳に宿しこちらを見ていた。
「まぁ座れよ、同胞。対話をしようぜ――」
そしてニヤっと、偽悪的な笑みを浮かべた。
俺は椅子に座り彼らの話を聞いた。
不思議な男だ。
俺と同じ、懐かしい日本人に見えて、どこかもっと遠く浮世離れした雰囲気も感じる。
見た目は俺より少し年上程度の若い男。だが、どこか老成したような、くたびれたような雰囲気もする。
「お前がまず聞きたいだろうことを教えてやるよ、同胞。いや同郷か。それとも後輩と呼ぶべきか?」
「……それは日本人の、という意味か?」
男はまたニヤリと笑う。
「あぁ、そうだ。お前と同じ日本人。そしてわかっていると思うが、俺が魔王だ」
「…………」
やはり日本人のようだ。
それが何故魔王をしているのかはわからないが、しかし関係ない。
日本人だろうがなんだろうが、敵である以上殺せばいい。
こいつを殺せば全てが――
「だが後輩っていうのはそれだけの意味じゃない」
「なんだと?」
「お前は俺の後継者だ」
「後継者だと……?」
その物言いに眉を顰める。
俺の実力が見合っていないが、それでも俺とこいつは宿敵のはずだ。
こいつを殺す為に俺は日本からこの世界に連れてこられたのだから。
だが――
全く意味がわからないはずなのに、何故か何かが繋がるような感覚がした。
「そうだ。何故ならお前は三代目だからな」
「まさか……」
ニヤリと口の端を持ち上げ、悪戯が成功したガキのような顔で、その男は、魔王は、いや――
「俺のノートは役に立ったか?」
――二代目はそう言った。
彼は日本人で、俺の先代だった。
だが、二代目をやってから魔王と為ったわけではなく、日本からこの世界に来て、魔王と為ってから二代目として召喚されたらしい。
少し意味がわからないが、順を追うとこういうことだ。
まず、今から数千年前、グレッドガルドの召喚システムが出来上がるよりももっと遥か昔、つまり人間の歴史に遺る初代よりも以前に、女神によってこの世界に召喚された者がいた。
それは目の前のこの男ではなく、彼の妹だったそうだ。
彼は行方不明となった妹を追って自力で世界を渡り、女神と人間と悪魔と天使の全てをしばき倒して事を治めたらしい。
色々と意味がわからない。
まず自力で世界を渡るの意味がわからなくて、日本に居た時から元々そういうことが出来る力があったのかを聞いてみたが、
「泣いてる妹を迎えに行けないお兄ちゃんなんて、この『世界』に存在するわけないだろ?」
と、ちょっと何を言っているのかわからない答えが返ってきた。
その後の全勢力をしばき倒したの意味もわからなかったが、とりあえず流すことにした。
彼は原初の英雄として頑張る意欲をみせる妹を陰ながら見守り、無事に妹が当時の魔王――この時は悪魔の王だった――をやっつけたので、それを以て冒険は終了とし、妹だけは日本に還したそうだ。
そして悪魔と、彼らを信仰するダークエルフの国がボロボロになり過ぎてしまったので、その責任をとってやろうと彼はこの世界に残り、そこで魔王と為ったらしい。
そうして魔族の国を復興していると、しばらく目を離した隙に調子にのった女神が人間を唆してまた戦争をしかけてきた。彼は女神に相当恨まれていたようだ。
女神率いる人間の侵攻を跳ねのけていると、余りに敗けがこんだせいで精神を病んだ女神が、愚かにもまた異世界から人間を召喚する。
それが歴史に遺っている初代の英雄だ。
困ったことに一発目で強力な加護を引いたようで、初代は中々に強かったようだ。
魔王は強くなりすぎてしまっていて、その時にはもう自分はあまり世界の情勢に関わるべきではないと考えていたらしいが、初代があまりに反則的に強く、魔族の国にまでやって来てしまった。
自分が敗ければ女神の溜飲が下がるかもしれないと考えた魔王は一計を案じ、初代との戦いでわざと敗けて死を偽装した。
その戦いで重傷を負った初代は一度国に帰還する。
魔王討伐のパレードをした後、それでも女神は剣を下ろさず、残党狩りと称して魔族を皆殺しにするべく再度侵攻を開始した。
それはさすがに困るので、仕方なく魔王は初代を殺すことを考える。
だが、初代はもう一度魔族の国に着く前に、何故か心を病んでしまって自殺したそうだ。
だが人間の歴史書に残る記録にはそうは書かれていない。
初代は当時の皇女と結婚して、不幸にも病気で早死にしてしまったことになっている。
それで戦争が終わればよかったのだが、一向に女神が侵攻をやめないので、仕方なく魔王は復活したという演出で姿を見せ、人間たちを牽制した。
しかし、とち狂った女神はそれでも止まらず、魔王復活の報せに発狂してまた召喚を行う。
だが、初代は余程の大当たりだったようで、次に喚ばれた人間は大した力を持っていなかった。まるで俺のように。
すると女神はすぐにその召喚者を殺して次の召喚に挑戦する。
「あのバカ女、いい感じのヤツ出るまで延々と加護ガチャしやがったんだよ」
魔王は呆れたっぷりに嘆息しながらそう語った。
他の世界の人間が何人も攫われてきては殺されるという酷い所業を見兼ねて、魔王は対応策を講じた。
それは召喚システムを監視し、その発動タイミングを狙って召喚をジャックすることだ。
そうして彼は姿を偽って、他の世界から召喚された何も知らない人間を演じ、二代目の英雄と為ったそうだ。
そしてグレッドガルドに潜り込み、内政に干渉して人間たちに教育を施し、文明を発展させる。
それなりに魔族と戦争をするフリをしながら彼は機を窺って女神を始末した。
だが、殺し切ることは出来ず、どうにか封印をするところまでしか達成できなかったようだ。
それからはゆっくりと人間の価値観を変えながら、戦争をせずとも社会が発展する方法を教え、疲弊した人間社会を建て直しす。
そして、適当なところで病死を演出して、魔族の国に戻ったそうだ。
その後しばらくの間は、小さな戦いしか起こらず、人間も魔族もこの世界にしては平和な時代を過ごした。
しかし、今度は教会が暴走し始める。
信仰で人間社会を牛耳り、また魔族を滅ぼすよう人々を扇動して戦争を激化させたそうだ。
英雄の召喚は人間たちの心の拠り所だ。
それを完全に破壊してしまうと人心が乱れることが予想される。
そのため、二代目は召喚システムにバグを仕込み、初代のような外れ値の個体が生まれないように細工していたそうだ。
しかしそれに気付かずに人間たちは度々召喚を行った。
召喚して使い潰し、また次を召喚する。
魔族も魔族で長い戦いの中で人間に恨みを募らせ、両者の確執はもうどうにもならないところにまで来てしまった。
魔王はどちらかが滅びることのないようにどうにか戦争をコントロールし続けていたそうだが、数千年にも及ぶ戦乱の日々に彼もまた疲れてしまったようだ。
「“枯れる”ってなぁよく言ったモンだよな。疲れるってよりは枯れた。肉体の老いではなく心が枯れちまったのさ」
長く生きすぎた弊害が起こったそうだ。
彼の見た目は衰えているようには見えない。
事実、身体の健康も、若さも、魔力も、何も衰えてはいないらしい。
人間の身体のままだが、その存在の強度が高すぎるおかげで、全てを最盛期のままで維持出来ているようだ。
初見の彼の雰囲気がまるで廃人のように感じられたから、俺としたことが失念していたのだが、改めて魔眼で彼を視てみる。
すると、その“魂の設計図”からはこれまでに視たことがない程の、悪魔や天使と比べても圧倒的な強さが感じられた。
「だけどな。枯れちまうみたいなんだわ」
魔王は苦笑いを浮かべてそう語った。
長く生き、あらゆることを経験してしまうと、外部からの刺激に何も反応しなくなってしまうのだそうだ。全てが既知のことのように感じられて。
彼の廃人のようだった様子は、脳の機能が低下してボケてしまったわけではなく、枯れた心の不感症のせいなのだそうだ。
その話を聞いて俺はゾッとした。
俺はこの時まだ20年程度しか生きていなかったが、その感覚に共感してしまったのだ。
「お前のは恐らく“魂の設計図”の復元のせいだ」
表情には出していないはずだ。
しかし二代目は見透かしたように俺にそう教えた。
俺に反論はない。
同じことを思った。
死んで、戻ると――
死ぬ前までの記憶を持った状態でまた生が再開される。
その自分の記憶がどこか他人事のように感じられるのだ。
それは『死に戻り』を重ねるごとに強くなっている気がしていた。
また何度も死ぬことと殺すことを繰り返しているせいか、以前の似た記憶と目の前の現状を見比べないと、これが現実の出来事なのか過去の記憶の再生なのか区別がつかなくなる時がある。
そして新たに眼にするものに対する感動が薄れていく。
新たな死に怯えることはなくなり。
新たな死を惜しむこともなくなり。
全ての痛みは既に知っているから。
何もかもに感動が喪われてしまう。
魔王が実は日本人で先代の英雄だなんて、突拍子もないことが起こらない限りは――
ノートにも書かれていなかったこの世界の歴史を語り、魔王は水晶玉を握りしめながら、次に現在のことに触れた。この水晶玉は彼が外部から受ける刺激を増幅させている魔道具だそうだ。
「まるでボケ老人みたいでザマァねェぜ」
そう嘯いて彼は語り続ける。
現状、この魔族の首都に軍はいない。
まるで抜け殻のようだと俺が感じたのは気のせいではなく、まんまその通りだったようだ。
魔族の軍隊は人間のそれとは違う。
人間のように王を守る為に存在するわけではなく、攻撃の為だけに存在しているそうだ。
この首都の防衛は魔王一人居れば十分で、むしろ魔王が首都に居る軍や一般人を守る存在となっている。そのくらい魔王とは次元の違う存在なのだそうだ。
そのせいで完全に神格化されていると彼は笑う。
それにはどこか寂しげな色があった。
数千年もの間、きっと友となるような存在がいなかったのだろう。
それを「わかる」とは言えなかった。
ともあれ、現在は魔族の全軍が人間を攻めているというのが要点だ。
「おかげでここまで入ってきやすかっただろ?」
彼は片目を瞑ってみせる。
二代目は俺の動向をずっと監視していたそうだ。
その気になれば俺などいつでも殺せただろうに一体何のためにと――そう考える間もなく、一切勿体つけもせず、彼は結論を告げた。
「お前と同じことを考えている」
ギクリと心臓が撥ねた。
「戦争を終わらせるためには、もうどちらかを滅ぼすしかない」
彼は数千年の戦いをそう結論づけた。
1年と少し前、エルフィーネを死なせたことで全てを諦めた俺がこの国で暴れた時の様子を見て、俺の考えを見抜いたそうだ。
同じことを考えていると。
彼はずっと戦争を終わらせるよう尽力していた。
どちらかを滅ぼすというのはもう千年以上も前から思いついていて、だがそれは最後の手段として、ずっと他の方法を模索していたらしい。
しかし、心が枯れてきたせいで、まともに政務に関わることの出来る時間も減り、魔族の中の過激派を抑えきることも難しくなってきたそうだ。
今回の大侵攻も、その過激派の声の方が大きいせいで、もはや自分には止めることが出来なかったと、そう語った。
「これを見ろ」
二代目は魔法で空中に映像を映し出す。
それはグレッドガルドの皇都の外を囲む魔族の軍勢の様子だった。
「これは――」
俺は瞠目する。
城壁の外で、魔族と魔族が殺し合いをしていた。
そこへ人間の軍勢も襲いかかっている。
「内部分裂をさせたのさ」
過激派と穏健派がここで決裂するように工作をしていたようだ。
そんなことが可能なのかと疑うが、この男なら可能なのだろう。
魔族の全軍が一枚岩となって攻めかかったら、おそらくグレッドガルドは堕ちる。
だが人間を皆殺しにすることは出来ない。人間の方が数は多いからだ。
だからしばらくすれば態勢を整えた両者はまた次の戦争を始めるだろう。
それではこれまでと何も変わらない。
「長いこと悩んでたんだが、お前を見て決心したんだ」
自分と同じ考えで動いている後輩を見て、それがきっかけになったらしい。
一部の自分の信仰者に内紛を起こさせて魔族の戦力を削れば、人間が勝つことも可能だと二代目は考えた。
「滅ぶのはどちらでもいい。だがどちらかを選ぶのなら?」
「……少ない方を殺す方が効率がいい」
「そういうこった」
どこか自嘲するような笑みを彼は浮かべた。
俺はそれに関して何も思わない。
俺も同じことを考えていたし、それに彼ほどの優秀な人物が何千年も試行錯誤して出した結論なら、きっとそれが正しいのだろう。
「別に俺がちょっとやる気出して人間を滅ぼしてもよかったんだが――」
俺の姿を見たことでそう決めたそうだ。
「お前、そんなに弱いのによぉ。そんなんでここまでよく頑張ったな」
「――っ」
その言葉に息が詰まった。
心臓が止まったように錯覚した。
「まぁ、やってることかなりムチャクチャで笑っちまったけどよ」
そう笑いかけてくる彼に何を言っていいかわからなかった。
どう思っていいかわからなかった。
「お前はよくやったよ。だから俺のことは恨め」
よくやってなどいない。
ただの一度もよくやれてなどいない。
全て喪った。
何もかも失って、誰も彼も死なせてしまった。
その殺しの記憶以外には何も残っていない。
この男が居なければ俺はこの世界に来ることなどなかった。
この男を殺すために召喚などされなかった。
わからない。
繰り返される召喚の中で結局喚ばれることになったのかもしれない。
その際、彼の残したノートがなければ、俺はきっとここまで辿り着けなかった。
だが、逆にもっと早くに俺が死んでいれば、彼女たちはもう少し長く生きられたかもしれない。
わからない。
彼のことをどう思っていいのかわからなかった。
何も答えず固まる俺の前に、ティーカップが差し出される。
カップに添えられた手を辿ると、気遣わしげな顔で少女がお茶を渡してくれた。
彼女は魔王の娘だそうだ。
「お前に頼みがある」
二代目は――魔王は俺にそう言った。
「だがその前に、ちょっと2、3日付き合え――」
彼は俺との対話を望んだ。
いつもだったら「用件をさっさと言え」と、そう答えるところだ。
だが、俺は何も言わずに、彼の話を聞く。
なんとなく何を頼まれるか、わかってしまったからだ。
彼は楽しそうな顔で俺に色々と語った。
頭のいい男だろうに、その話はあっちこっちに飛んで、時系列が滅茶苦茶になったり、取り留めのないものも多かった。
何千年も生きてきた男が悪ガキみたいな顔をして、時に自慢げに、時にばつが悪そうに、何でも語る。
まるで卒業生が久々に訪れた母校で後輩に武勇伝を語るように。
俺の方からも彼に色々と聞いた。
自分のことはあまり話さず、彼のことを聞いた。
主に『世界』の仕組みやノートに書かれていたことを多く聞いた。
もうずっと何年もしていなかった他人との会話を積極的に自発的に行った。
自分で言うのもなんだが、まったく俺に似つかわしくない行動だ。
きっと俺では彼の出来ることを1割も出来ない。
彼の知ることを1割も理解出来ない。
だが、憶えておくことだけは出来る。
だから聞かなければならないと思った。
ここで聞いておかなければならないと思った。
少しでも長く続くように。
そして2日ほど経って、彼はやがて疲れたように息を吐いた。
あぁ、やっぱりか。
あぁ、もうか。
俺はそんな風に諦めた。
「さて、そろそろ頼みを聞いてもらおうか」
魔王は話を切り上げる。
俺は彼には答えず、ずっと黙って隣に座っていた魔王の娘を見た。
彼女は俺と同様、諦めたように、寂しそうに笑った。
もうとっくに説得済みのようだ。
俺が視線を戻すと、魔王は口を動かす。
「俺を殺してくれ――」
俺は何も感動を得なかった。
魔王と思われる男、日本人と思われる男は日本語で一言呟いたきり黙ったまま俺を見ている。
だが、その瞳の色は電源が切れたように光を失っており、見ているというよりはただ目線が向いているだけのように感じられた。
遅れてハッとした俺が聖剣を握る手に力を籠めようとすると、その寸前で部屋の扉が開く。
入ってきたのは一人の少女。
街の娘とそう変わらない素朴な服装をした魔族の少女だった。
警戒する俺に彼女は微笑み、こちらへ椅子を一つ運んできた。
刃物を持つ俺にあまりに無警戒に近づいてくるものだから、ついその行動を許してしまった。
少女はベッド脇に椅子を置いて俺に座るよう薦めると、もう一つ別の椅子を運んできて隣に置いた。
そして茫洋とした瞳で座ったままの魔王に、何か水晶玉のような物を握らせてから彼女は椅子に座る。
「はじめまして、お兄さん。どうぞ座ってくださいっ」
ニコニコとした笑顔で彼女は俺にそう言う。
日本語で。
まるで親しみさえ浮かんでいるようなその表情に、俺は一瞬わけがわからなくなる。
「あれ? 言葉間違ってました?」
俺の反応がないことで彼女は不思議そうに小首を傾げた。
そして、その少女の顔を見たことで、俺は遅れて気が付く。
銀色の横髪を別ける耳。
長い耳。
肌はダークエルフよりは森のエルフに近い。
だが魔族だ。
そう気付いて、反射的に殺意を向けようとすると――
「――物騒だな」
横合いから今度は低い男の声。
眼を向けると、さっきまで廃人のように呆けていた魔王が、しっかりとした光を瞳に宿しこちらを見ていた。
「まぁ座れよ、同胞。対話をしようぜ――」
そしてニヤっと、偽悪的な笑みを浮かべた。
俺は椅子に座り彼らの話を聞いた。
不思議な男だ。
俺と同じ、懐かしい日本人に見えて、どこかもっと遠く浮世離れした雰囲気も感じる。
見た目は俺より少し年上程度の若い男。だが、どこか老成したような、くたびれたような雰囲気もする。
「お前がまず聞きたいだろうことを教えてやるよ、同胞。いや同郷か。それとも後輩と呼ぶべきか?」
「……それは日本人の、という意味か?」
男はまたニヤリと笑う。
「あぁ、そうだ。お前と同じ日本人。そしてわかっていると思うが、俺が魔王だ」
「…………」
やはり日本人のようだ。
それが何故魔王をしているのかはわからないが、しかし関係ない。
日本人だろうがなんだろうが、敵である以上殺せばいい。
こいつを殺せば全てが――
「だが後輩っていうのはそれだけの意味じゃない」
「なんだと?」
「お前は俺の後継者だ」
「後継者だと……?」
その物言いに眉を顰める。
俺の実力が見合っていないが、それでも俺とこいつは宿敵のはずだ。
こいつを殺す為に俺は日本からこの世界に連れてこられたのだから。
だが――
全く意味がわからないはずなのに、何故か何かが繋がるような感覚がした。
「そうだ。何故ならお前は三代目だからな」
「まさか……」
ニヤリと口の端を持ち上げ、悪戯が成功したガキのような顔で、その男は、魔王は、いや――
「俺のノートは役に立ったか?」
――二代目はそう言った。
彼は日本人で、俺の先代だった。
だが、二代目をやってから魔王と為ったわけではなく、日本からこの世界に来て、魔王と為ってから二代目として召喚されたらしい。
少し意味がわからないが、順を追うとこういうことだ。
まず、今から数千年前、グレッドガルドの召喚システムが出来上がるよりももっと遥か昔、つまり人間の歴史に遺る初代よりも以前に、女神によってこの世界に召喚された者がいた。
それは目の前のこの男ではなく、彼の妹だったそうだ。
彼は行方不明となった妹を追って自力で世界を渡り、女神と人間と悪魔と天使の全てをしばき倒して事を治めたらしい。
色々と意味がわからない。
まず自力で世界を渡るの意味がわからなくて、日本に居た時から元々そういうことが出来る力があったのかを聞いてみたが、
「泣いてる妹を迎えに行けないお兄ちゃんなんて、この『世界』に存在するわけないだろ?」
と、ちょっと何を言っているのかわからない答えが返ってきた。
その後の全勢力をしばき倒したの意味もわからなかったが、とりあえず流すことにした。
彼は原初の英雄として頑張る意欲をみせる妹を陰ながら見守り、無事に妹が当時の魔王――この時は悪魔の王だった――をやっつけたので、それを以て冒険は終了とし、妹だけは日本に還したそうだ。
そして悪魔と、彼らを信仰するダークエルフの国がボロボロになり過ぎてしまったので、その責任をとってやろうと彼はこの世界に残り、そこで魔王と為ったらしい。
そうして魔族の国を復興していると、しばらく目を離した隙に調子にのった女神が人間を唆してまた戦争をしかけてきた。彼は女神に相当恨まれていたようだ。
女神率いる人間の侵攻を跳ねのけていると、余りに敗けがこんだせいで精神を病んだ女神が、愚かにもまた異世界から人間を召喚する。
それが歴史に遺っている初代の英雄だ。
困ったことに一発目で強力な加護を引いたようで、初代は中々に強かったようだ。
魔王は強くなりすぎてしまっていて、その時にはもう自分はあまり世界の情勢に関わるべきではないと考えていたらしいが、初代があまりに反則的に強く、魔族の国にまでやって来てしまった。
自分が敗ければ女神の溜飲が下がるかもしれないと考えた魔王は一計を案じ、初代との戦いでわざと敗けて死を偽装した。
その戦いで重傷を負った初代は一度国に帰還する。
魔王討伐のパレードをした後、それでも女神は剣を下ろさず、残党狩りと称して魔族を皆殺しにするべく再度侵攻を開始した。
それはさすがに困るので、仕方なく魔王は初代を殺すことを考える。
だが、初代はもう一度魔族の国に着く前に、何故か心を病んでしまって自殺したそうだ。
だが人間の歴史書に残る記録にはそうは書かれていない。
初代は当時の皇女と結婚して、不幸にも病気で早死にしてしまったことになっている。
それで戦争が終わればよかったのだが、一向に女神が侵攻をやめないので、仕方なく魔王は復活したという演出で姿を見せ、人間たちを牽制した。
しかし、とち狂った女神はそれでも止まらず、魔王復活の報せに発狂してまた召喚を行う。
だが、初代は余程の大当たりだったようで、次に喚ばれた人間は大した力を持っていなかった。まるで俺のように。
すると女神はすぐにその召喚者を殺して次の召喚に挑戦する。
「あのバカ女、いい感じのヤツ出るまで延々と加護ガチャしやがったんだよ」
魔王は呆れたっぷりに嘆息しながらそう語った。
他の世界の人間が何人も攫われてきては殺されるという酷い所業を見兼ねて、魔王は対応策を講じた。
それは召喚システムを監視し、その発動タイミングを狙って召喚をジャックすることだ。
そうして彼は姿を偽って、他の世界から召喚された何も知らない人間を演じ、二代目の英雄と為ったそうだ。
そしてグレッドガルドに潜り込み、内政に干渉して人間たちに教育を施し、文明を発展させる。
それなりに魔族と戦争をするフリをしながら彼は機を窺って女神を始末した。
だが、殺し切ることは出来ず、どうにか封印をするところまでしか達成できなかったようだ。
それからはゆっくりと人間の価値観を変えながら、戦争をせずとも社会が発展する方法を教え、疲弊した人間社会を建て直しす。
そして、適当なところで病死を演出して、魔族の国に戻ったそうだ。
その後しばらくの間は、小さな戦いしか起こらず、人間も魔族もこの世界にしては平和な時代を過ごした。
しかし、今度は教会が暴走し始める。
信仰で人間社会を牛耳り、また魔族を滅ぼすよう人々を扇動して戦争を激化させたそうだ。
英雄の召喚は人間たちの心の拠り所だ。
それを完全に破壊してしまうと人心が乱れることが予想される。
そのため、二代目は召喚システムにバグを仕込み、初代のような外れ値の個体が生まれないように細工していたそうだ。
しかしそれに気付かずに人間たちは度々召喚を行った。
召喚して使い潰し、また次を召喚する。
魔族も魔族で長い戦いの中で人間に恨みを募らせ、両者の確執はもうどうにもならないところにまで来てしまった。
魔王はどちらかが滅びることのないようにどうにか戦争をコントロールし続けていたそうだが、数千年にも及ぶ戦乱の日々に彼もまた疲れてしまったようだ。
「“枯れる”ってなぁよく言ったモンだよな。疲れるってよりは枯れた。肉体の老いではなく心が枯れちまったのさ」
長く生きすぎた弊害が起こったそうだ。
彼の見た目は衰えているようには見えない。
事実、身体の健康も、若さも、魔力も、何も衰えてはいないらしい。
人間の身体のままだが、その存在の強度が高すぎるおかげで、全てを最盛期のままで維持出来ているようだ。
初見の彼の雰囲気がまるで廃人のように感じられたから、俺としたことが失念していたのだが、改めて魔眼で彼を視てみる。
すると、その“魂の設計図”からはこれまでに視たことがない程の、悪魔や天使と比べても圧倒的な強さが感じられた。
「だけどな。枯れちまうみたいなんだわ」
魔王は苦笑いを浮かべてそう語った。
長く生き、あらゆることを経験してしまうと、外部からの刺激に何も反応しなくなってしまうのだそうだ。全てが既知のことのように感じられて。
彼の廃人のようだった様子は、脳の機能が低下してボケてしまったわけではなく、枯れた心の不感症のせいなのだそうだ。
その話を聞いて俺はゾッとした。
俺はこの時まだ20年程度しか生きていなかったが、その感覚に共感してしまったのだ。
「お前のは恐らく“魂の設計図”の復元のせいだ」
表情には出していないはずだ。
しかし二代目は見透かしたように俺にそう教えた。
俺に反論はない。
同じことを思った。
死んで、戻ると――
死ぬ前までの記憶を持った状態でまた生が再開される。
その自分の記憶がどこか他人事のように感じられるのだ。
それは『死に戻り』を重ねるごとに強くなっている気がしていた。
また何度も死ぬことと殺すことを繰り返しているせいか、以前の似た記憶と目の前の現状を見比べないと、これが現実の出来事なのか過去の記憶の再生なのか区別がつかなくなる時がある。
そして新たに眼にするものに対する感動が薄れていく。
新たな死に怯えることはなくなり。
新たな死を惜しむこともなくなり。
全ての痛みは既に知っているから。
何もかもに感動が喪われてしまう。
魔王が実は日本人で先代の英雄だなんて、突拍子もないことが起こらない限りは――
ノートにも書かれていなかったこの世界の歴史を語り、魔王は水晶玉を握りしめながら、次に現在のことに触れた。この水晶玉は彼が外部から受ける刺激を増幅させている魔道具だそうだ。
「まるでボケ老人みたいでザマァねェぜ」
そう嘯いて彼は語り続ける。
現状、この魔族の首都に軍はいない。
まるで抜け殻のようだと俺が感じたのは気のせいではなく、まんまその通りだったようだ。
魔族の軍隊は人間のそれとは違う。
人間のように王を守る為に存在するわけではなく、攻撃の為だけに存在しているそうだ。
この首都の防衛は魔王一人居れば十分で、むしろ魔王が首都に居る軍や一般人を守る存在となっている。そのくらい魔王とは次元の違う存在なのだそうだ。
そのせいで完全に神格化されていると彼は笑う。
それにはどこか寂しげな色があった。
数千年もの間、きっと友となるような存在がいなかったのだろう。
それを「わかる」とは言えなかった。
ともあれ、現在は魔族の全軍が人間を攻めているというのが要点だ。
「おかげでここまで入ってきやすかっただろ?」
彼は片目を瞑ってみせる。
二代目は俺の動向をずっと監視していたそうだ。
その気になれば俺などいつでも殺せただろうに一体何のためにと――そう考える間もなく、一切勿体つけもせず、彼は結論を告げた。
「お前と同じことを考えている」
ギクリと心臓が撥ねた。
「戦争を終わらせるためには、もうどちらかを滅ぼすしかない」
彼は数千年の戦いをそう結論づけた。
1年と少し前、エルフィーネを死なせたことで全てを諦めた俺がこの国で暴れた時の様子を見て、俺の考えを見抜いたそうだ。
同じことを考えていると。
彼はずっと戦争を終わらせるよう尽力していた。
どちらかを滅ぼすというのはもう千年以上も前から思いついていて、だがそれは最後の手段として、ずっと他の方法を模索していたらしい。
しかし、心が枯れてきたせいで、まともに政務に関わることの出来る時間も減り、魔族の中の過激派を抑えきることも難しくなってきたそうだ。
今回の大侵攻も、その過激派の声の方が大きいせいで、もはや自分には止めることが出来なかったと、そう語った。
「これを見ろ」
二代目は魔法で空中に映像を映し出す。
それはグレッドガルドの皇都の外を囲む魔族の軍勢の様子だった。
「これは――」
俺は瞠目する。
城壁の外で、魔族と魔族が殺し合いをしていた。
そこへ人間の軍勢も襲いかかっている。
「内部分裂をさせたのさ」
過激派と穏健派がここで決裂するように工作をしていたようだ。
そんなことが可能なのかと疑うが、この男なら可能なのだろう。
魔族の全軍が一枚岩となって攻めかかったら、おそらくグレッドガルドは堕ちる。
だが人間を皆殺しにすることは出来ない。人間の方が数は多いからだ。
だからしばらくすれば態勢を整えた両者はまた次の戦争を始めるだろう。
それではこれまでと何も変わらない。
「長いこと悩んでたんだが、お前を見て決心したんだ」
自分と同じ考えで動いている後輩を見て、それがきっかけになったらしい。
一部の自分の信仰者に内紛を起こさせて魔族の戦力を削れば、人間が勝つことも可能だと二代目は考えた。
「滅ぶのはどちらでもいい。だがどちらかを選ぶのなら?」
「……少ない方を殺す方が効率がいい」
「そういうこった」
どこか自嘲するような笑みを彼は浮かべた。
俺はそれに関して何も思わない。
俺も同じことを考えていたし、それに彼ほどの優秀な人物が何千年も試行錯誤して出した結論なら、きっとそれが正しいのだろう。
「別に俺がちょっとやる気出して人間を滅ぼしてもよかったんだが――」
俺の姿を見たことでそう決めたそうだ。
「お前、そんなに弱いのによぉ。そんなんでここまでよく頑張ったな」
「――っ」
その言葉に息が詰まった。
心臓が止まったように錯覚した。
「まぁ、やってることかなりムチャクチャで笑っちまったけどよ」
そう笑いかけてくる彼に何を言っていいかわからなかった。
どう思っていいかわからなかった。
「お前はよくやったよ。だから俺のことは恨め」
よくやってなどいない。
ただの一度もよくやれてなどいない。
全て喪った。
何もかも失って、誰も彼も死なせてしまった。
その殺しの記憶以外には何も残っていない。
この男が居なければ俺はこの世界に来ることなどなかった。
この男を殺すために召喚などされなかった。
わからない。
繰り返される召喚の中で結局喚ばれることになったのかもしれない。
その際、彼の残したノートがなければ、俺はきっとここまで辿り着けなかった。
だが、逆にもっと早くに俺が死んでいれば、彼女たちはもう少し長く生きられたかもしれない。
わからない。
彼のことをどう思っていいのかわからなかった。
何も答えず固まる俺の前に、ティーカップが差し出される。
カップに添えられた手を辿ると、気遣わしげな顔で少女がお茶を渡してくれた。
彼女は魔王の娘だそうだ。
「お前に頼みがある」
二代目は――魔王は俺にそう言った。
「だがその前に、ちょっと2、3日付き合え――」
彼は俺との対話を望んだ。
いつもだったら「用件をさっさと言え」と、そう答えるところだ。
だが、俺は何も言わずに、彼の話を聞く。
なんとなく何を頼まれるか、わかってしまったからだ。
彼は楽しそうな顔で俺に色々と語った。
頭のいい男だろうに、その話はあっちこっちに飛んで、時系列が滅茶苦茶になったり、取り留めのないものも多かった。
何千年も生きてきた男が悪ガキみたいな顔をして、時に自慢げに、時にばつが悪そうに、何でも語る。
まるで卒業生が久々に訪れた母校で後輩に武勇伝を語るように。
俺の方からも彼に色々と聞いた。
自分のことはあまり話さず、彼のことを聞いた。
主に『世界』の仕組みやノートに書かれていたことを多く聞いた。
もうずっと何年もしていなかった他人との会話を積極的に自発的に行った。
自分で言うのもなんだが、まったく俺に似つかわしくない行動だ。
きっと俺では彼の出来ることを1割も出来ない。
彼の知ることを1割も理解出来ない。
だが、憶えておくことだけは出来る。
だから聞かなければならないと思った。
ここで聞いておかなければならないと思った。
少しでも長く続くように。
そして2日ほど経って、彼はやがて疲れたように息を吐いた。
あぁ、やっぱりか。
あぁ、もうか。
俺はそんな風に諦めた。
「さて、そろそろ頼みを聞いてもらおうか」
魔王は話を切り上げる。
俺は彼には答えず、ずっと黙って隣に座っていた魔王の娘を見た。
彼女は俺と同様、諦めたように、寂しそうに笑った。
もうとっくに説得済みのようだ。
俺が視線を戻すと、魔王は口を動かす。
「俺を殺してくれ――」
俺は何も感動を得なかった。
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