俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨

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1章 魔法少女とは出逢わない

1章38 THE DARK IN THE WALL ⑤

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 もしかして自分はイケてる女子ではないのではという疑問を抱くも、希咲はそれでもなにかあるはずと過去に縋る。


 すると、涙でぼんやりした視界の先に光に照らされる世界を幻視した。


 その先に見えたのは、公園でクレープを一緒に食べた時の愛苗ちゃん。
 ほっぺについたクリームをペロっとしてくれてドキドキしてきゃーっとなり、その後手を繋いで一緒に帰った。

 次に見えたのは、一緒にお風呂に入った時の愛苗ちゃん。
 何故か恥ずかしくなってきゃーっとなりドキドキして、あまり彼女の顔を見れなかった。

 さらに見えたのは、一緒のおふとんで寝た時の愛苗ちゃん。
 おんなじシャンプーの匂いにドキドキして、「え? どっち向いて寝たらいいんだろ? 背中向くのヘンだし、上かな? 横かな?」とオロオロしてきゃーっとなってたらギュッとしてくれてホッとした。


(――あれっ……? あたしのカレシって愛苗なのかな……?)


 女の子同士で何言ってんだと思いつつも、何故かドキドキしてきゃーっとなり、それも悪くないんじゃないかと思えてきた。


 先日も似たようなことを考えた気がするが、そもそも彼氏が出来たとして、自分に親友の愛苗ちゃんよりもその男を優先することが出来るのだろうか。いや出来ない。


(――反語っ!)


 むしろ偉そうに「俺を優先しろよ」とか言われたら速やかにキレ散らかす自信がある。

 やっぱ男とかいらねーな、モテないわけじゃなくて必要としてないだけだしと「うんうん」頷く。

 そんなのなくても青春的なキラキラは愛苗ちゃんがくれるしと、自分に有利な結論に終着しようとしていると、またもモヤモヤっと青春エピソードが浮かび上がる。



 昇降口から飛び出して、階段を降りずに勢いよく踏み切って世界に飛びこむ。


 入り口の屋根のひさしを越えると外には夕暮れ前の陽の光が広がっていて、宙に舞い踊る桜の花びらを乱反射させキラキラと輝き、自分たちを迎え入れた。

 その輝きを男の背中ごしに感じる。


 彼の肩と背中に手で触れて、半ば無理矢理押し出すようにして一緒にジャンプした男の子。


 もしかしたら1秒にも満たないほどの短いその瞬間を共有して、子供みたいに燥いで、ジュースをねだって、少しだけふざけあって、桜が降り注ぐ並木道を並んで歩く。

 そして、校門を出る前に二人で1年後の約束を――


「――にゃあぁぁぁーーーーっ‼‼」

「わっ――⁉」


 何やら物思いに耽っていたと思ったら、突然頭を抱えて絶叫したお姉さんに驚き、希咲の前にペタンと座っていた望莱はコテンとベッドを転がる。

 そんなみらいの様子に気付かずに、希咲は脳内に浮かんだイメージを振り払うようにブンブンと頭を振る。頭に被っていた枕カバーがどこかへ飛んでいく。


「違うちがうちがうしっ! なんであんなやつ……っ! 絶対そういうんじゃないしたまたま流れでそう見えなくもない感じになっちゃっただけでそんなつもりはないし実績も実態もないから実質セーフだしっ! てゆーか、そんなの色々だめだし! そうじゃなくってもそもそもあのクズヤローとか絶対ありえないし、つか、青春とかキラキラだって言ってんのになんであんなヤツとのことが浮かんで……っ! あのバカとか一番そういうのとは遠い存在というか、せっかく周りはキレイだったのにアイツのせいで色々台無しってゆーか……――ハッ⁉」


 誰も何も聞いていないのに突如言い訳のようなものを高速詠唱し始めた希咲だったが、暫く静かだった妹分の望莱がじーっと興味深そうに見つめていることに気が付き、慌てて体裁を取り繕う。


「んんっ」と喉を鳴らしてからにこーっと笑いかけると、幼馴染のみらいちゃんもにこーーっと笑ってくれた。


「過去の男性経験を思い出してたんですか?」

「ヘンな言い方すんな! そんなんじゃないわよ、あんなヤツっ!」

「あんなヤツ……? あれあれー? 一体誰のことなんでしょう?」

「うっさい!」

「んもぅ。七海ちゃんったら理不尽カワイイです」


 怒鳴りつけられたみらいさんは何故かご満悦だ。


「その口で言えぬのならばスマホに聞いてくれよう」


 そして希咲がほっぽり出したスマホをいつの間にか回収しており、画面の中の名前を探る。


「この中に『あんなヤツ』がいるかもしれません」

「……そんなのいないからっ」

「じゃあ『あんなヤツ』以外の面白いものを」

「そんなこと言われてもフツーのしかないし……、あっ、でも面白いのなら愛苗と――」

「――あ、それは結構です」

「なんでよぅ……」

「それ見たらわたしの脳が破壊されてしまいますので。今日はそっちの気分じゃないんです」

「いみわかんない」


 大好きな親友の愛苗ちゃんとの面白エピソードを妹分に自慢したかった七海ちゃんは唇を尖らせる。話を逸らしたい望莱は彼女を挑発することにした。


「でもわたしショックです。七海ちゃんが非モテ女子だったなんて……」

「うっ――⁉ べ、べつに全くモテないってわけじゃ……」


 強く否定をしたかったが、今しがた自分でもそのことを考えていたばかりだったので希咲は口ごもる。


「あーあ、カッコいいお姉さんの七海ちゃんがまさかなー。彼氏どころかメッセする男子もいないなんてなー。あーあ。高2なのに。ギャルなのに」

「あ、あたしギャルじゃ――っ⁉」


 言い返せるところがそこしかなかったのでとりあえず反論しようとするが、煽り性能の高い腹のたつ表情を造る望莱の人をバカにしきった目を見て、七海ちゃんはハッとなる。


 確かに望莱の言うとおり、自分には彼氏もいなければメッセをする男子も碌にいない。それは事実である。

 しかし――


 下顎を突き出してムカつく顔を向けてくる彼女の失望に満ちた目を見る。

 そして強い危機感を感じた。

 このままでは――


(――ナメられる……っ!)


――と。


 この紅月 望莱とは幼稚園の頃からの付き合いである。それくらいの小さい時からずっとこの子の面倒を見てきたのだ。

 彼女はちょっと目を離すと、先に挙げた『3年4組壁尻会場』のような意味のわからない事件を度々起こすようなちょっと頭のおかしい子だし、今もとてもムカつく顔をしているが、それでも自分の妹のような存在だ。


 先日の弥堂 優輝との揉め事を経験するまでは希咲の中での『あたおかランキング』で不動の1位だった女の子だし、今も弥堂とどっちが上の『あたおか』かは甲乙つけがたいところではあるが、それでも彼女は今月高校生になったばかりの女の子でもある。

 こんな彼女でも女の子だし、きっと高校生になったらこうなんだろうなという青春やキラキラに希望を抱いていたに違いない。


 なのに、彼女にとってのカッコいいお姉さんであるところの自分が、バイトと家事と子育てと各所への挨拶まわりに忙殺されて、碌に青春イベントを経験してもいなければ全くキラキラもしていないダサイ女子だと思われてしまうわけにはいかない。

 そうすれば、高校生活というものにも、またカッコいいお姉さんの希咲 七海に対しても、きっと彼女はガッカリしてしまうことになるだろう。


 彼女の為を考えてだけのことではなく、そうして「あ、このお姉さんずっと憧れてたけど、高校まで行くと実は周りと比べれば全然大した女じゃないんだ」などとナメられてしまえば、今以上に言うことを聞かなくなってしまう恐れもある。

 そうなってしまえば、きっと『3年4組壁尻会場』よりも凄惨な事件を起こすに違いない。


 そんな未来を想像して望莱の煽り顏に背筋を凍らせる。


「七海ちゃんはぁー、高2なのにー、男友達もいないんですかぁー?」

「…………い、いるから……」

「はぁ? なんですってー?」

「いるもんっ!」


 望莱は煽り顏をスッと真顔に戻してジッと希咲の顏を見る。

 七海ちゃんはサッと目を逸らした。


「へぇー? いるんですか?」

「い…………、いる……」


 苦しそうなその言葉にみらいさんはニコっと笑った。

 七海ちゃんもニコッと笑った。ただし頬には一筋の汗が。


 これは決して自分が見栄を張りたいわけではなくこの子の教育のためだと言い訳をしながら嘘をつき、心苦しく思いながらもどうにか誤魔化せたと安堵して汗を拭おうとしたところで、みらいさんの表情がまた煽り顏に戻り七海ちゃんはハッとなる。


「でもぉー、七海ちゃんはぁー、ギャルのくせにー、彼氏できたことないんですよねー」

「あっ……、あるから……っ!」

「え?」

「あるもんっ!」


 口を半開きにして耳に手を当てて掌を向けてくる望莱の仕草にカチンときて七海ちゃんはイキった。


「へぇー? 七海ちゃんの私生活にそんな気配は感じられませんでしたけど、これってわたしの勘違いですかー?」

「そっ、そうよっ……!」

「ふぅーん……」

「い、今はいないけど、前はいたから……っ」


 真顔で詰問してくる望莱から目を逸らして言い張る。


 色々と複雑なお年頃である七海ちゃんは、特別モテたいと思っているわけではないがイケてる女子ではありたいと考えており、さらに全然モテないと見られるのはダサイと思われるからイヤだと感じるので色々と難しいのだ。


「へぇー、それっていつですか?」

「えっ⁉ いっ……、色々よっ!」

「え?」

「あっ!」

「色々というのはそういう相手は一人ではなかったという意味ですか?」

「えっ? えと、その……、そ、そうよっ!」

「そうですか。色々ですもんね」

「そうよ。色々だもんっ」


 ダラダラと汗を流しながら墓穴を掘っていく幼馴染のお姉さんに、みらいさんはほっこりして笑顔を浮かべた。


「でもぉー、それってー、なんか気の弱そうな子が死にそうな顏で告白してきたから可哀想で断れなかったけど結局全然合わなくてすぐに自然消滅したとかー、しつこいチャラ男に合コンでグイグイこられてムカついたけど騒ぎにして他の人に迷惑かけたくないからとりあえずオッケーしといて即行でブロックからのバックレとかー、どうせそんなんですよねー?」

「はぁー? んなわけないでしょ。そんなんでオッケーとか絶対しないからっ」

「なるほど。では、それなりにちゃんとした付き合いを複数の男性としたと。そういうことですね?」

「そ、そうよっ!」

「じゃあー? そういう経験も当然ありますよねー?」

「……? そういう……?」

「もちろん『Hの経験』です!」

「えっ――⁉」


 ど直球を投げ込まれて動揺した七海ちゃんは、キョロキョロとお目めを動かしてどう答えるべきか考える。

 しかしその間を与えずと望莱が畳みかける。


「それだけ色々な男の子と付き合っていて、まさか未だに処女なわけないですよねー? 高2なのに」

「えっ? ま、まぁ……、そうね……っ」

「ですよねー。高校生にもなって男の子と付き合ってなにもないとか、そんなのダサすぎますもんねー。七海ちゃんはそんなダサダサ女子じゃないですもんね?」

「そっ、そうよっ、当たり前でしょっ!」

「ということは、Hしたことがあると?」

「も、もちろんよっ。てゆーか、それくらいフツーでしょっ」

「ですよねー! 普通ですよね! 彼氏もちのギャルが処女とかクソダサですもんね!」

「あ、当たり前でしょっ!」

「いやー、よかったです。わたしの憧れのお姉さんが経験済みの非処女の中古品で安心しました」

「は? う、うぅん……」


 歯切れの悪い返事だが強く否定もできない希咲の様子に望莱は一定の満足感を得る。

 簡単に口車にのってしまう見栄っ張りでイジると面白い幼馴染の可愛いお姉ちゃんに萌えてみらいさんはニッコニコだ。


「ところで何人くらいなんですか?」

「え?」

「人数ですよ。付き合った人数」

「えっと……、ごっ――じゃなくって、4っ! 4人よっ!」

「へぇー」


 高2で5人は多いという基準が彼女にはあるらしいと、みらいさんはプロファイリングする。

 色々と複雑なお年頃である七海ちゃんは、処女だと思われてナメられるのもイヤだが、かといって遊んでると思われるのもイヤらしく、多すぎないギリギリのラインを攻めて年下の幼馴染の女の子にイキった。

 そして高2になったばかりで4人は結構多いという基準を持つみらいさんは、いつも口煩い七海ちゃんは意外と性に寛容である可能性があると、俄かに興奮した。


「なるほど。七海ちゃんの経験人数は4人なんですね。わかりました」

「えっ……? あ、うん……」

「さすが七海ちゃんです。高2で4人の男の子とHしてるなんてモテ女です。キラキラ女子ですね!」

「うっ……、そ、そうよ……」


 耳を真っ赤にしながらも、どうにかマウントをとろうとする幼馴染のお姉ちゃんにみらいさんはほっこりし、希咲さんは妹分の前でいいカッコするために大分やらかしたのではと、今更ながら不安になってきた。
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