3 / 32
第一章
第2話:妹強火担のお兄ちゃん
しおりを挟む
「はぁ……やっぱりただ家にいるだけって退屈。……仕事見つけなきゃ」
智恵はベッドにボフン、と身体を沈めた。反動のようにため息が零れる。
倒産した職場を去ってから早五日が経った。捻挫をしたのであまり遠出できないし、せっかくだから少しのんびりしようかと、部屋の片づけをしたり、積読本を消化してみたりと、休暇を満喫していたつもりだったが、一週間も経たずに飽きてしまった。
友達と連絡を取ろうにも、無職の子なんていないので、平日はなかなか約束ができない。
「ハロワに行こうかなー」
そろそろ就職活動をするかとベッドから起き上がると、スマートフォンの呼び出し音が鳴った。
「……あ、お兄ちゃん」
一体何事だろうと、通話ボタンを押した。途端――
『智恵! お前の護符が割れた気配がしたんだが、大丈夫か?』
こちらが応答するより先に、鼓膜を突くような声が飛び込んできた。
智恵の兄・智真が、心配そうに尋ねてくる。
「もう五日も経ってるよ、お兄ちゃん」
護符が割れてしまったのは、職場を退職した日だ。つまりは五日前。それなのに、今頃連絡してくるなんて。
『すまん、北陸の山奥で修行していたから、外部と連絡が取れない状態だった』
「そっか。大変だったね」
『それで? 護符がなくて困ったことはなかったか?』
「言われてみると……特にはなかったかな」
『よかった。じゃあ、新しい護符をすぐに送るからな』
一応予備の護符があるので、急がなくても大丈夫そう。それを伝えると、兄は安心していた。
『――そういやニュースで見たけど、若い女の子が行方不明になる事件がたびたび起きてるらしいから、智恵も気をつけろよ? 護符はただの人間相手には効かないからな』
「そういえばそんな事件あったね。分かった、夜道には気をつけるから」
智真が言っているのは、去年辺りから起きている女性連続失踪事件のことだ。一ヶ月に一人ほどの割合で、首都圏の若い女性が行方不明になっているという。
事件かどうかは、実際のところは分からない。
何せ日本では毎年八万人もの人が失踪している。そんな状況下で、この連続失踪が数珠つなぎの事件であるのかは、まだ判断がつかないそうだ。
だからこそ、気をつけるに越したことはない。
『うん、何かあったら、すぐにお兄ちゃんに言うんだぞ? 智恵は美人だし、お兄ちゃんは心配してるんだからな』
「でもお兄ちゃん、修行修行でいつも連絡つかないじゃない」
たまに智真に電話をしても、ちゃんと繋がったためしがない。両親に聞けば「あぁ、修行に行ってるわ」という返事が、まるで定型文のように返ってくるのだ。
『う……そうだが。じゃあ、父さんに連絡しろ』
「分かった」
まだ電話を切りたくなさそうな智真に「じゃあね」とそっけなく言い残し、智恵は通話終了ボタンをタップした。
「お兄ちゃん、相変わらずだったな……」
電話で話す度に、智真は「智恵は可愛いんだから気をつけろ」などと注意してくる。妹強火担である兄の欲目で智真はそんなことを言っているのだと、以前は思っていた。
しかしどうやら、世間の美意識に当てはめてみても、智恵の見た目はそう悪くはないらしい。大学時代も前の会社でも、何度か告白をされていたから。
智恵は歯磨きをするため、洗面所に立った。ペーストをつけた歯ブラシをくわえながら、目の前の鏡に映る自分を見る。
先日美容室に行ったばかりなので、髪は肩につくくらいの長さできれいにそろっていた。今まで一度も染めたことはない。
まめにトリートメントをしている黒髪は、それなりにつやがある。
インドア派なので、あまり日焼けをしたことのない肌は白い。
目は大きい方ではある。鼻は小さく、くちびるは薄めだ。一時期流行ったぽってり感はまったくない。
背はあと一センチ高ければ一六〇だったのになぁと、今でも悔しく思っている。
そんな智恵は、両親と兄の愛情を一身に受けてきた自覚はある。特に智真はシスコンに片足を突っ込んだ過保護兄なので、頻繁に電話をしてくるのだ。
智恵は普通の会社員だが……もとい、だったが、智真は神職に従事している。
二人が生まれ育った成宮家は、関東地方K県西部の足濱山の中にある足濱智世神社の神主の家系だ。
先祖は知る人ぞ知る伝説の神職、成宮智嗣で、その昔、K県一帯で悪行の限りを尽くした悪鬼・足濱童子を封印したという。
智嗣は元々は山伏として各地で修行をしていたが、足濱童子を封印した後、それを維持するべく神主化し、足濱智世神社を建立した。
以来、成宮家の神職を継ぐ子孫は『智嗣の名を汚すなかれ』と、代々修験者として各地で修行を積み、自己研鑽する習わしになっている。
智恵の兄・智真も例外ではなく、修行の日々を送っており、帰省してもなかなか会えない。
父曰く、智真は智嗣と同等の力を持っているのだという。一体どんな力なのかは、智恵は分からない。
何せ智恵は、神社の運営や維持にほとんど関わっていない。お正月やお盆の祖霊祭など、繁忙期には手伝いとして社務所にかり出されていたものの、内部に関わる業務に携わったことはない。ましてや足濱童子封印の維持に関しては、母でさえよく知らないだろう。
智恵はいずれ誰かのもとに嫁ぐことになるはず。だから神社の機密事項は知る必要はないと、家族は考えているのだと思う。「智恵は普通の女の子として生活してほしい」と日頃から言ってくれて、進学も就職も自分の好きにさせてくれた。
ただ兄だけは、智恵が家を出るのをとても心配して相当ごねた。
『俺が毎日送り迎えしてやるから、家から通える大学にしなさい!』
そう言われたものの、その時にはすでに修行で多忙な日々を送っていた智真には無理なことだった。
結局、護符やらお札やらで身を護ることで、一人暮らしをなんとか許してもらえたのだった。
それほど智恵を大切に思ってくれているものの、かといって妹にかまけて神職としての生活をおざなりにすることなく、粛々と厳しい修行をこなしていく真面目な兄が、智恵も大好きだ。
「そういえば、護符が割れたのになんともなかったや……」
成宮家の一族は、いわば鬼退治をした家系ということになるので、当然といえば当然だが、鬼に嫌われている。
正確に言えば、この世に残っているであろう鬼の怨念から嫌われているのだ。残留思念の一種とでも言えばいいだろうか。
父や兄はよく鬼の憎悪のようなものを感じたりするらしいし、時には夢枕にすら立ってくるという。
智恵にまとわりついてくるそれも、おそらく足濱童子に関係した何かだ。
以前はうっすらと存在が分かる程度だったのに、ここ数年でだんだんとそれが輪郭を持ち出した。そしてそれが小さな鬼の形を成しているのに気づいたのは、今年に入ってからのことだ。
だから住んでいる部屋に設置している神棚には、兄謹製の御札が奉ってあるし、一年三六五日、兄から送られてくる護符を身に着けている。それが割れたり離れたりすれば、兄はすぐに連絡を寄越す。智恵に何かがあったのだと察知するそうだ。
智恵はその護符を『アナログなスマートタグ』と呼んでいた。
普段、智恵が護符を身体から外すのは、お風呂に入る時だけだ。家の中なら神棚の御札が効力を発揮するので、外しても問題ないからだ。
しかし過去に数度、外出中に身から離れたことがあるのだが、その時は背筋が凍るほどの怖気に襲われ、体調を崩し寝込んでしまった。
以来、護符を身に着けるのを忘れたことはなかったのだが、先日事故に遭った時に護符が割れてしまった後は、予備の存在すらすっかり忘れていた。
何故だろうと首を捻ったものの、それから少しして思い出した。
「……あ、そういえば」
智恵はバッグの中を探り、財布を取り出した。そこにあれがしまってある。
「……これのおかげ?」
あの満月の夜、鮮烈な印象を智恵に与えたあの青年――陣川湊からもらった名刺。
『さっき渡した名刺、あれを肌身離さず持っていれば、しばらくは護符と同じ役割をしてくれるはずだ。あれも結構な祈りが込められているから』
彼は確かこう言っていた。
「あれって本当だったの……?」
智恵は名刺を、矯めつ眇めつ眺めた。これが、兄からもらった護符と同じ働きをしてくれているのか。本当に?
こんな紙っぺらに、兄と同等の祈りを込められる人物って――
『異類生活支援案内所』への興味が、俄然湧いてきた。
『そこに来れば、多分いい仕事を紹介できる』
彼はこうも言っていなかったか。
「……ハロワだと思って、行ってみようかな」
智恵は名刺を持ったまま立ち上がった。
智恵はベッドにボフン、と身体を沈めた。反動のようにため息が零れる。
倒産した職場を去ってから早五日が経った。捻挫をしたのであまり遠出できないし、せっかくだから少しのんびりしようかと、部屋の片づけをしたり、積読本を消化してみたりと、休暇を満喫していたつもりだったが、一週間も経たずに飽きてしまった。
友達と連絡を取ろうにも、無職の子なんていないので、平日はなかなか約束ができない。
「ハロワに行こうかなー」
そろそろ就職活動をするかとベッドから起き上がると、スマートフォンの呼び出し音が鳴った。
「……あ、お兄ちゃん」
一体何事だろうと、通話ボタンを押した。途端――
『智恵! お前の護符が割れた気配がしたんだが、大丈夫か?』
こちらが応答するより先に、鼓膜を突くような声が飛び込んできた。
智恵の兄・智真が、心配そうに尋ねてくる。
「もう五日も経ってるよ、お兄ちゃん」
護符が割れてしまったのは、職場を退職した日だ。つまりは五日前。それなのに、今頃連絡してくるなんて。
『すまん、北陸の山奥で修行していたから、外部と連絡が取れない状態だった』
「そっか。大変だったね」
『それで? 護符がなくて困ったことはなかったか?』
「言われてみると……特にはなかったかな」
『よかった。じゃあ、新しい護符をすぐに送るからな』
一応予備の護符があるので、急がなくても大丈夫そう。それを伝えると、兄は安心していた。
『――そういやニュースで見たけど、若い女の子が行方不明になる事件がたびたび起きてるらしいから、智恵も気をつけろよ? 護符はただの人間相手には効かないからな』
「そういえばそんな事件あったね。分かった、夜道には気をつけるから」
智真が言っているのは、去年辺りから起きている女性連続失踪事件のことだ。一ヶ月に一人ほどの割合で、首都圏の若い女性が行方不明になっているという。
事件かどうかは、実際のところは分からない。
何せ日本では毎年八万人もの人が失踪している。そんな状況下で、この連続失踪が数珠つなぎの事件であるのかは、まだ判断がつかないそうだ。
だからこそ、気をつけるに越したことはない。
『うん、何かあったら、すぐにお兄ちゃんに言うんだぞ? 智恵は美人だし、お兄ちゃんは心配してるんだからな』
「でもお兄ちゃん、修行修行でいつも連絡つかないじゃない」
たまに智真に電話をしても、ちゃんと繋がったためしがない。両親に聞けば「あぁ、修行に行ってるわ」という返事が、まるで定型文のように返ってくるのだ。
『う……そうだが。じゃあ、父さんに連絡しろ』
「分かった」
まだ電話を切りたくなさそうな智真に「じゃあね」とそっけなく言い残し、智恵は通話終了ボタンをタップした。
「お兄ちゃん、相変わらずだったな……」
電話で話す度に、智真は「智恵は可愛いんだから気をつけろ」などと注意してくる。妹強火担である兄の欲目で智真はそんなことを言っているのだと、以前は思っていた。
しかしどうやら、世間の美意識に当てはめてみても、智恵の見た目はそう悪くはないらしい。大学時代も前の会社でも、何度か告白をされていたから。
智恵は歯磨きをするため、洗面所に立った。ペーストをつけた歯ブラシをくわえながら、目の前の鏡に映る自分を見る。
先日美容室に行ったばかりなので、髪は肩につくくらいの長さできれいにそろっていた。今まで一度も染めたことはない。
まめにトリートメントをしている黒髪は、それなりにつやがある。
インドア派なので、あまり日焼けをしたことのない肌は白い。
目は大きい方ではある。鼻は小さく、くちびるは薄めだ。一時期流行ったぽってり感はまったくない。
背はあと一センチ高ければ一六〇だったのになぁと、今でも悔しく思っている。
そんな智恵は、両親と兄の愛情を一身に受けてきた自覚はある。特に智真はシスコンに片足を突っ込んだ過保護兄なので、頻繁に電話をしてくるのだ。
智恵は普通の会社員だが……もとい、だったが、智真は神職に従事している。
二人が生まれ育った成宮家は、関東地方K県西部の足濱山の中にある足濱智世神社の神主の家系だ。
先祖は知る人ぞ知る伝説の神職、成宮智嗣で、その昔、K県一帯で悪行の限りを尽くした悪鬼・足濱童子を封印したという。
智嗣は元々は山伏として各地で修行をしていたが、足濱童子を封印した後、それを維持するべく神主化し、足濱智世神社を建立した。
以来、成宮家の神職を継ぐ子孫は『智嗣の名を汚すなかれ』と、代々修験者として各地で修行を積み、自己研鑽する習わしになっている。
智恵の兄・智真も例外ではなく、修行の日々を送っており、帰省してもなかなか会えない。
父曰く、智真は智嗣と同等の力を持っているのだという。一体どんな力なのかは、智恵は分からない。
何せ智恵は、神社の運営や維持にほとんど関わっていない。お正月やお盆の祖霊祭など、繁忙期には手伝いとして社務所にかり出されていたものの、内部に関わる業務に携わったことはない。ましてや足濱童子封印の維持に関しては、母でさえよく知らないだろう。
智恵はいずれ誰かのもとに嫁ぐことになるはず。だから神社の機密事項は知る必要はないと、家族は考えているのだと思う。「智恵は普通の女の子として生活してほしい」と日頃から言ってくれて、進学も就職も自分の好きにさせてくれた。
ただ兄だけは、智恵が家を出るのをとても心配して相当ごねた。
『俺が毎日送り迎えしてやるから、家から通える大学にしなさい!』
そう言われたものの、その時にはすでに修行で多忙な日々を送っていた智真には無理なことだった。
結局、護符やらお札やらで身を護ることで、一人暮らしをなんとか許してもらえたのだった。
それほど智恵を大切に思ってくれているものの、かといって妹にかまけて神職としての生活をおざなりにすることなく、粛々と厳しい修行をこなしていく真面目な兄が、智恵も大好きだ。
「そういえば、護符が割れたのになんともなかったや……」
成宮家の一族は、いわば鬼退治をした家系ということになるので、当然といえば当然だが、鬼に嫌われている。
正確に言えば、この世に残っているであろう鬼の怨念から嫌われているのだ。残留思念の一種とでも言えばいいだろうか。
父や兄はよく鬼の憎悪のようなものを感じたりするらしいし、時には夢枕にすら立ってくるという。
智恵にまとわりついてくるそれも、おそらく足濱童子に関係した何かだ。
以前はうっすらと存在が分かる程度だったのに、ここ数年でだんだんとそれが輪郭を持ち出した。そしてそれが小さな鬼の形を成しているのに気づいたのは、今年に入ってからのことだ。
だから住んでいる部屋に設置している神棚には、兄謹製の御札が奉ってあるし、一年三六五日、兄から送られてくる護符を身に着けている。それが割れたり離れたりすれば、兄はすぐに連絡を寄越す。智恵に何かがあったのだと察知するそうだ。
智恵はその護符を『アナログなスマートタグ』と呼んでいた。
普段、智恵が護符を身体から外すのは、お風呂に入る時だけだ。家の中なら神棚の御札が効力を発揮するので、外しても問題ないからだ。
しかし過去に数度、外出中に身から離れたことがあるのだが、その時は背筋が凍るほどの怖気に襲われ、体調を崩し寝込んでしまった。
以来、護符を身に着けるのを忘れたことはなかったのだが、先日事故に遭った時に護符が割れてしまった後は、予備の存在すらすっかり忘れていた。
何故だろうと首を捻ったものの、それから少しして思い出した。
「……あ、そういえば」
智恵はバッグの中を探り、財布を取り出した。そこにあれがしまってある。
「……これのおかげ?」
あの満月の夜、鮮烈な印象を智恵に与えたあの青年――陣川湊からもらった名刺。
『さっき渡した名刺、あれを肌身離さず持っていれば、しばらくは護符と同じ役割をしてくれるはずだ。あれも結構な祈りが込められているから』
彼は確かこう言っていた。
「あれって本当だったの……?」
智恵は名刺を、矯めつ眇めつ眺めた。これが、兄からもらった護符と同じ働きをしてくれているのか。本当に?
こんな紙っぺらに、兄と同等の祈りを込められる人物って――
『異類生活支援案内所』への興味が、俄然湧いてきた。
『そこに来れば、多分いい仕事を紹介できる』
彼はこうも言っていなかったか。
「……ハロワだと思って、行ってみようかな」
智恵は名刺を持ったまま立ち上がった。
6
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
神様、愛する理由が愛されたいからではだめでしょうか
ゆうひゆかり
キャラ文芸
【不定期投稿です】
退役軍人のラファエル・オスガニフは行きつけのバーで酒を浴びるほど飲んだ帰り、家路の路地裏で子どもがひとりでうずくまっているのをみつけた。
子どもの年の頃は四、五歳。
鳥の巣のような頭にボロボロの服から垣間見える浮き出た骨。
おそらくは土埃で黒くなった顔。
男児とも女児ともつかない哀れな風貌と傍らに親らしき人物がいないという事実に、ラファエルはその子は戦争孤児ではないかという疑念を抱くものの。
戦渦にみまわれ荒れ果てている我が国・アルデルフィアには戦争孤児は何処にでもいる。
だから憐んではいけないと頭ではわかっていたが、その子の顔は二十年前に死に別れた妹に似ていて--。
これは酒浸りおっさんと戦争孤児が織りなす子育てとカウンセリングの記録。
《ガイドライン》
⚪︎無印…ラファエル視点
⚪︎※印…ジェニファー視点
⚪︎◇印…ミシェル視点
⚪︎☆印…ステニィ視点
俺がママになるんだよ!!~母親のJK時代にタイムリープした少年の話~
美作美琴
キャラ文芸
高校生の早乙女有紀(さおとめゆき)は名前にコンプレックスのある高校生男子だ。
母親の真紀はシングルマザーで有紀を育て、彼は父親を知らないまま成長する。
しかし真紀は急逝し、葬儀が終わった晩に眠ってしまった有紀は目覚めるとそこは授業中の教室、しかも姿は真紀になり彼女の高校時代に来てしまった。
「あなたの父さんを探しなさい」という真紀の遺言を実行するため、有紀は母の親友の美沙と共に自分の父親捜しを始めるのだった。
果たして有紀は無事父親を探し出し元の身体に戻ることが出来るのだろうか?
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
こちら、あやかし移住就職サービスです。ー福岡天神四〇〇年・お狐社長と私の恋ー
まえばる蒔乃
キャラ文芸
転職活動中のOL菊井楓は、何かと浮きやすい自分がコンプレックス。
いつも『普通』になりたいと願い続けていた。ある日、もふもふの耳と尻尾が映えたどう見ても『普通』じゃない美形お狐様社長・篠崎に声をかけられる。
「だだもれ霊力で無防備でいったい何者だ、あんた。露出狂か?」
「露出狂って!? わ、私は『普通』の転職希望のOLです!」
「転職中なら俺のところに来い。だだもれ霊力も『処置』してやるし、仕事もやるから。ほら」
「うっ、私には勿体無いほどの好条件…ッ」
霊力『処置』とは、キスで霊力を吸い上げる関係を結ぶこと。
ファーストキスも知らない楓は篠崎との契約関係に翻弄されながら、『あやかし移住転職サービス』ーー人の世で働きたい、居場所が欲しい『あやかし』に居場所を与える会社での業務に奔走していく。
さまざまなあやかしの生き方と触れ、自分なりの『普通』を見つけていく楓。
そして篠崎との『キス』の契約関係も、少しずつ互いに変化が……
※ 土地勘や歴史知識ゼロでも大丈夫です。 ※ この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません
金蘭大夜総会 GoldenOrchidClub
ましら佳
キャラ文芸
震災後、母親の故郷の香港で初めて対面する祖母から語られる、在りし日の華やかな物語。
彼女の周囲を彩った人々の思い出。
今に続いていく物語です。
こちらは、恋愛ジャンルでアップしました、"仔猫のスープ"に関連したお話になります。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/84504822/42897235
グルメとファッション、庶民派王様一家とチヨちゃん
古寂湧水 こじゃくゆうすい
キャラ文芸
四越百貨店や高鳥屋に渋谷の西急本店、南武デパート池袋を買収し日本一に!
まもなく完結する”世界グルメ食べ歩き、庶民派王様一家とチヨちゃん”に続くものですので、毎日蒸かし芋を食べている庶民派の王様一家とチヨちゃんの、世界のグルメとファッションが中心です。前巻に関わらずにこちらからでもスンナリと、入って行けるように組み立てています。大手のデパートをほとんど買収するとともに、イトー羊羹堂にスーパーオゾンも傘下に収めます。
後宮出入りの女商人 四神国の妃と消えた護符
washusatomi
キャラ文芸
西域の女商人白蘭は、董王朝の皇太后の護符の行方を追う。皇帝に自分の有能さを認めさせ、後宮出入りの女商人として生きていくために――。 そして奮闘する白蘭は、無骨な禁軍将軍と心を通わせるようになり……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる