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CHAPTER Ⅴ
第231話 新キョウト都市奪還戦争 Ⅰ-⑨ 敵陣
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「ワイズのみなさん。オレは佐々木セイです、よろしくお願いします」
オレはスカイベースに乗り込んできたワイズのメンバーに一応挨拶を交わした。
みんな以前にユキの側に控えていたメンバーだから見覚えはある。
「挨拶か? そんなものは不要だ。君は指揮を取りつつ人型グールを見つけてくれればいい」
そう答えるのは綺羅びやかな金色の刺繍が入った濃紺の軍服を身にまとう楢地だ。
元東京ギルドのメンバーで伊達、相馬、最上たちとも古い付き合いのはずの人物だ。
「ユキさんの兄ちゃんて割には律儀なやつだな」
オレに物珍しそうに目を向けているのは黒いスラックスに白衣を来た医師風の男だ。
オレより大分若く見えるが、髪の毛が赤いせいなだけでオレと同じくらいの年齢かも知れない。
「オレとハイルはソラさんの付き添いだろう。いずれにしろグール共をぶっ倒しまくらねえと帰った時に何言われるかわからねえ」
もう一人は金髪に薄緑色のセットアップを来たおしゃれな印象の男性だ。やはり年齢はオレと同じくらいか少し下に見える。
そしてもう一人、着物を着込んだ壮年の男性。紋付き袴と言うのだったか、昔の正装に身を包んでいる。
その全身から放たれる気配がただならない。
以前にユキと謁見の間で会ったときも気になっていた。おそらく、ワイズの全幹部中でこの人が最強だろう。
「だが名前くらいは伝えておこう。オレは楢地ソラだ。こっちが葉月ハイル、長月ミロクだ」
楢地がみんなの紹介をしてくれた。医者風が葉月、おしゃれさんが長月と言うらしい。
「そして、こちらがワイズ兵最強の睦月クラウドだ」
睦月は少し目配せをしただけで、何も喋らなかった。
(やっぱりか……)
「人型グールはオレとクラウドで倒す。それまでは君たちに任せよう。ああ、ハイルとミロクも雑魚の対応をしておけよ」
葉月と長月が不機嫌そうに眉をひそめた。
「佐々木さん! A級からの攻撃密度が上がってきてます! 対応願います!!」
ここで志布志からの叫びが木霊した。
オレたちはスカイベースに乗りすでに敵陣の上空を飛行している。
志布志班、鏑木班、欄島班などがすでに戦闘を行っていた。
眼下に並み居るグールたちが一気にこちらへ魔素を練り込んだ砲弾を雨のようにぶつけてきていた。
「ナナ! ユウナ!」
「了解! 超防御結界!!」
「三重神級防御結界!!」
オレの声を受けてナナとユウナがスカイベースに強固な結界を構築した。
「よし! オレとアオイは敵を牽制するぞ!」
「おお!」
オレたちはスカイベースのデッキに飛び出すと地表にびっしりといるグールに向けて攻撃を始めた。
すぐ横には鏑木班と志布志が既に飛行型グールに攻撃していた。
「佐々木くん! あなた本当に無茶するのが好きなのね!」
鏑木がグールに攻撃をしながら話し掛けてきた。
「いや! そういうわけじゃないですよ! でもこれは誰かがやらなきゃ!」
「さすがは佐々木さんです! 尊敬しますよ!」
志布志もこちらは見ずに、大声だけ張り上げた。
「そんな立派なもんじゃないよ! それに本当に無茶っていうのはああいう人たちだろ!?」
オレが目で指した先には欄島と千城が空中で激しく動きながらグールを撃ち落としていた。
あの2人は空中に飛び出し、スカイベースに群がってくるグールを機体に被害が出ないように接近戦で倒し続けていた。
「あの人も変わらないわね!」
そういう鏑木は何故か笑顔だった。
オレたちはそうして何とかスカイベースの飛行を続け、敵陣の中を進んだ。
ユキが提示した目的地まではおよそ2キロだ。
何もなければほんの数十分で辿り着ける。
今回は東軍から佐々木班、欄島班、鏑木班、志布志班が参戦しているが、実はスカイベースの操縦役、砲撃役として別に数班も参加している。
『むう! 安原、金城、柳原、轟! 敵への弾幕が薄くなっているぞ!』
通信装置から千城の砲撃役への叱責の声が飛ぶ。
この4人の班長たちと千城は実は北部開拓戦争からの付き合いで、結構な信頼関係がある。
もちろんオレもみんなとは顔馴染みだ。
スカイベースの飛行は割と順調ではあるが、夥しいグールたちからの攻撃でまるで気は休まらない。
ナナとユウナが繰り返し繰り返し結界を張り続けているが、早く人型を見つけて討伐を済まさないと大変なことになりそうだ。
『佐々木班長! もうそろそろワイズ総統の示した座標に到着します!』
東軍を出てすでに1時間近く経った。
早くしないと日も暮れそうだ。
「分かりました……!」
オレは索敵に意識と魔素を集中した。
(どこだ……!?)
しばらく敵を探し続けたが、それらしい反応は見つけられない。
『見つからないのか? ユキさんの兄上』
通信を入れてきたのは楢地だ。
「な、楢地さん。もう少し待ってください。この辺りを旋回してもらいます。必ずこのあたりにいるはずだ……!」
『了解だ。なるべく急げよ』
(分かってるよ!)
オレはスカイベースの操縦役に連絡を取って目標の地点を中心にぐるぐると旋回してもらうように頼んだ。
ちょうど蚊取り線香のような形の航路になる。
「ぐぐう……! ど、どこだ?」
もう10分は索敵を続けているが、敵の気配は見当たらない。
寡兵でグールの群れと戦い続けるみんなの疲労もかなりのものになっている。
(そ、そんな……、もしかしてもうこの辺には居ないのか?)
『佐々木殿。こちらは睦月だ』
不意に渋い声が耳に響いた。
『敵は地上にいるとは限らんぞ。空中や地中も調べてみてくれ』
「あ……、分かりました!」
オレは再度意識を集中した。
さっきまでは無意識に地上ばかりを索敵してしまっていた。確かに霜月の言うとおり、グールなら空でも地下でも隠れている可能性がある。
(それにしても渋かったな。殿って……)
「!!」
索敵をしながらどうでもいいことを考えていると、ついにオレは悪寒と共に凶悪な気配を捉えた。
「見つけた! みんなスカイベースから6時方向、距離600! そして上空へ900だ! 霜月さんの言うとおり空に隠れてたぞ!」
『よくやってくれた。確認した。オレと楢地殿できやつは始末してこよう』
『この場は任せたぞ。ユキさんの兄上』
「わ、わかりました!」
スカイベースから2人が飛び出したのが分かった。
睦月と楢地は正に精鋭だ。あの2人ならば特に増援がなくともきっと人型グールを倒せるだろう。
「よし! オレたちはこの場を維持するぞ!」
オレは索敵を止めて地上のグールと戦うために視線を落としたが、空から新手のグールが近づいてくるのを感じ取った。
(これは……、さすがに人型の方も増援を呼んだな!)
「みんな! 9時方向上空から特級グールが来てるぞ! 人型グールのところへ行く気だ! オレたちで倒すぞ!!」
スカイベースのデッキに出ると、欄島や千城、志布志と鏑木が揃っていた。
「佐々木! 良くやった! 上空の特級はオレたちが行くぞ!」
「3、4、5体か……、佐々木くんも一緒に来てよ」
千城と欄島は既に空中を駆けているSS級グールに目を向けている。
「千城さん、欄島さん! はい! 行きましょう!」
「ちょっと兄ちゃん! ウチラはどーすんの!?」
「ナナたちは志布志くん、鏑木さんたちと一緒に地上のグールを! そっちにも特級が来てるぞ!」
「え!?」
地上にはスカイベースの精鋭が居なくなったことを察してか、DS級、BS級グールの10体ほどがA級グールに紛れてこちらへ向かってきていた。
「見つけた! セイさん! こっちは私たちに任せて!」
「佐々木! 上のやつはお前が倒せよ!」
ユウナとアオイが即座にオレの言葉に反応した。
「ああ! じゃあ行ってくる!」
オレは空に飛び上がり一気に上昇した。
すぐ後ろに欄島と千城が着いてきている。
「佐々木! あそこだ!」
千城が示した先には陣形を組んだSS級グールが5体いた。
「はい! 人型の所には行かせません!」
オレたちに気付いたグールたちが飛行の足を止めてこちらへ向き直った。
「オレから行くよー! 八集拡大連続弾丸! 四半秒連弾!!」
ドルルルルル!!!
欄島が操る銃操環から数え切れない光の弾丸が放たれた。
(凄い! まるでマシンガンだ!)
しかしグールは背光陣を全面に押し出し欄島の攻撃を防いでいた。
「むう! これではどうだ! 究極爆風飛拳!!」
ズドオオオオオオ!!!
千城の飛ぶ拳もまるで光の津波のように巨大化してグールたちを直撃したが、完全に防御されてしまっていた。
「さすがに5体もいると守りが硬い! バラけて崩しましょう!」
「うむ!」
オレの声に千城が大きく頷くと、そのまま敵陣へと突っ込んで行った。
(おいおい!!)
「大丈夫だよ、佐々木くん。一厘秒連弾!!」
ドオオルルルルル!!!
欄島が銃弾の連射速度を上げた。
だがその銃弾の雨はなんと千城にも突き刺さっている。
「え!? 欄島さん何を!!?」
オレは目を見開いたが、千城は欄島の銃撃をその身に受けても全く動じていない。
「ええ!?」
「オレの銃撃はどうしても面で敵を捉えるからね。接近戦が得意な千城さんには無効化するように調整したんだ。いや、苦労したよー」
欄島が背中から伸びる6丁と両手の2丁から熾烈な銃撃を放ちながら軽く言った。
「そ、そんなこと出来るんですか!?」
「何とかねー」
欄島の口調は軽いが、激しく攻撃は続けている。
「佐々木くん。君も銃撃でグールを攻撃して」
「あ! すいません!!」
改めてグールを見ると欄島の連射と千城の攻撃でかなり隊形が崩れている。
オレは1番端に外れているグールを狙った。
「二重超新星弾狙撃付与!!」
ドッギャウウ!!!
オレの弾丸はSS級の胴体を光の法陣ごと貫いた。
オレはスカイベースに乗り込んできたワイズのメンバーに一応挨拶を交わした。
みんな以前にユキの側に控えていたメンバーだから見覚えはある。
「挨拶か? そんなものは不要だ。君は指揮を取りつつ人型グールを見つけてくれればいい」
そう答えるのは綺羅びやかな金色の刺繍が入った濃紺の軍服を身にまとう楢地だ。
元東京ギルドのメンバーで伊達、相馬、最上たちとも古い付き合いのはずの人物だ。
「ユキさんの兄ちゃんて割には律儀なやつだな」
オレに物珍しそうに目を向けているのは黒いスラックスに白衣を来た医師風の男だ。
オレより大分若く見えるが、髪の毛が赤いせいなだけでオレと同じくらいの年齢かも知れない。
「オレとハイルはソラさんの付き添いだろう。いずれにしろグール共をぶっ倒しまくらねえと帰った時に何言われるかわからねえ」
もう一人は金髪に薄緑色のセットアップを来たおしゃれな印象の男性だ。やはり年齢はオレと同じくらいか少し下に見える。
そしてもう一人、着物を着込んだ壮年の男性。紋付き袴と言うのだったか、昔の正装に身を包んでいる。
その全身から放たれる気配がただならない。
以前にユキと謁見の間で会ったときも気になっていた。おそらく、ワイズの全幹部中でこの人が最強だろう。
「だが名前くらいは伝えておこう。オレは楢地ソラだ。こっちが葉月ハイル、長月ミロクだ」
楢地がみんなの紹介をしてくれた。医者風が葉月、おしゃれさんが長月と言うらしい。
「そして、こちらがワイズ兵最強の睦月クラウドだ」
睦月は少し目配せをしただけで、何も喋らなかった。
(やっぱりか……)
「人型グールはオレとクラウドで倒す。それまでは君たちに任せよう。ああ、ハイルとミロクも雑魚の対応をしておけよ」
葉月と長月が不機嫌そうに眉をひそめた。
「佐々木さん! A級からの攻撃密度が上がってきてます! 対応願います!!」
ここで志布志からの叫びが木霊した。
オレたちはスカイベースに乗りすでに敵陣の上空を飛行している。
志布志班、鏑木班、欄島班などがすでに戦闘を行っていた。
眼下に並み居るグールたちが一気にこちらへ魔素を練り込んだ砲弾を雨のようにぶつけてきていた。
「ナナ! ユウナ!」
「了解! 超防御結界!!」
「三重神級防御結界!!」
オレの声を受けてナナとユウナがスカイベースに強固な結界を構築した。
「よし! オレとアオイは敵を牽制するぞ!」
「おお!」
オレたちはスカイベースのデッキに飛び出すと地表にびっしりといるグールに向けて攻撃を始めた。
すぐ横には鏑木班と志布志が既に飛行型グールに攻撃していた。
「佐々木くん! あなた本当に無茶するのが好きなのね!」
鏑木がグールに攻撃をしながら話し掛けてきた。
「いや! そういうわけじゃないですよ! でもこれは誰かがやらなきゃ!」
「さすがは佐々木さんです! 尊敬しますよ!」
志布志もこちらは見ずに、大声だけ張り上げた。
「そんな立派なもんじゃないよ! それに本当に無茶っていうのはああいう人たちだろ!?」
オレが目で指した先には欄島と千城が空中で激しく動きながらグールを撃ち落としていた。
あの2人は空中に飛び出し、スカイベースに群がってくるグールを機体に被害が出ないように接近戦で倒し続けていた。
「あの人も変わらないわね!」
そういう鏑木は何故か笑顔だった。
オレたちはそうして何とかスカイベースの飛行を続け、敵陣の中を進んだ。
ユキが提示した目的地まではおよそ2キロだ。
何もなければほんの数十分で辿り着ける。
今回は東軍から佐々木班、欄島班、鏑木班、志布志班が参戦しているが、実はスカイベースの操縦役、砲撃役として別に数班も参加している。
『むう! 安原、金城、柳原、轟! 敵への弾幕が薄くなっているぞ!』
通信装置から千城の砲撃役への叱責の声が飛ぶ。
この4人の班長たちと千城は実は北部開拓戦争からの付き合いで、結構な信頼関係がある。
もちろんオレもみんなとは顔馴染みだ。
スカイベースの飛行は割と順調ではあるが、夥しいグールたちからの攻撃でまるで気は休まらない。
ナナとユウナが繰り返し繰り返し結界を張り続けているが、早く人型を見つけて討伐を済まさないと大変なことになりそうだ。
『佐々木班長! もうそろそろワイズ総統の示した座標に到着します!』
東軍を出てすでに1時間近く経った。
早くしないと日も暮れそうだ。
「分かりました……!」
オレは索敵に意識と魔素を集中した。
(どこだ……!?)
しばらく敵を探し続けたが、それらしい反応は見つけられない。
『見つからないのか? ユキさんの兄上』
通信を入れてきたのは楢地だ。
「な、楢地さん。もう少し待ってください。この辺りを旋回してもらいます。必ずこのあたりにいるはずだ……!」
『了解だ。なるべく急げよ』
(分かってるよ!)
オレはスカイベースの操縦役に連絡を取って目標の地点を中心にぐるぐると旋回してもらうように頼んだ。
ちょうど蚊取り線香のような形の航路になる。
「ぐぐう……! ど、どこだ?」
もう10分は索敵を続けているが、敵の気配は見当たらない。
寡兵でグールの群れと戦い続けるみんなの疲労もかなりのものになっている。
(そ、そんな……、もしかしてもうこの辺には居ないのか?)
『佐々木殿。こちらは睦月だ』
不意に渋い声が耳に響いた。
『敵は地上にいるとは限らんぞ。空中や地中も調べてみてくれ』
「あ……、分かりました!」
オレは再度意識を集中した。
さっきまでは無意識に地上ばかりを索敵してしまっていた。確かに霜月の言うとおり、グールなら空でも地下でも隠れている可能性がある。
(それにしても渋かったな。殿って……)
「!!」
索敵をしながらどうでもいいことを考えていると、ついにオレは悪寒と共に凶悪な気配を捉えた。
「見つけた! みんなスカイベースから6時方向、距離600! そして上空へ900だ! 霜月さんの言うとおり空に隠れてたぞ!」
『よくやってくれた。確認した。オレと楢地殿できやつは始末してこよう』
『この場は任せたぞ。ユキさんの兄上』
「わ、わかりました!」
スカイベースから2人が飛び出したのが分かった。
睦月と楢地は正に精鋭だ。あの2人ならば特に増援がなくともきっと人型グールを倒せるだろう。
「よし! オレたちはこの場を維持するぞ!」
オレは索敵を止めて地上のグールと戦うために視線を落としたが、空から新手のグールが近づいてくるのを感じ取った。
(これは……、さすがに人型の方も増援を呼んだな!)
「みんな! 9時方向上空から特級グールが来てるぞ! 人型グールのところへ行く気だ! オレたちで倒すぞ!!」
スカイベースのデッキに出ると、欄島や千城、志布志と鏑木が揃っていた。
「佐々木! 良くやった! 上空の特級はオレたちが行くぞ!」
「3、4、5体か……、佐々木くんも一緒に来てよ」
千城と欄島は既に空中を駆けているSS級グールに目を向けている。
「千城さん、欄島さん! はい! 行きましょう!」
「ちょっと兄ちゃん! ウチラはどーすんの!?」
「ナナたちは志布志くん、鏑木さんたちと一緒に地上のグールを! そっちにも特級が来てるぞ!」
「え!?」
地上にはスカイベースの精鋭が居なくなったことを察してか、DS級、BS級グールの10体ほどがA級グールに紛れてこちらへ向かってきていた。
「見つけた! セイさん! こっちは私たちに任せて!」
「佐々木! 上のやつはお前が倒せよ!」
ユウナとアオイが即座にオレの言葉に反応した。
「ああ! じゃあ行ってくる!」
オレは空に飛び上がり一気に上昇した。
すぐ後ろに欄島と千城が着いてきている。
「佐々木! あそこだ!」
千城が示した先には陣形を組んだSS級グールが5体いた。
「はい! 人型の所には行かせません!」
オレたちに気付いたグールたちが飛行の足を止めてこちらへ向き直った。
「オレから行くよー! 八集拡大連続弾丸! 四半秒連弾!!」
ドルルルルル!!!
欄島が操る銃操環から数え切れない光の弾丸が放たれた。
(凄い! まるでマシンガンだ!)
しかしグールは背光陣を全面に押し出し欄島の攻撃を防いでいた。
「むう! これではどうだ! 究極爆風飛拳!!」
ズドオオオオオオ!!!
千城の飛ぶ拳もまるで光の津波のように巨大化してグールたちを直撃したが、完全に防御されてしまっていた。
「さすがに5体もいると守りが硬い! バラけて崩しましょう!」
「うむ!」
オレの声に千城が大きく頷くと、そのまま敵陣へと突っ込んで行った。
(おいおい!!)
「大丈夫だよ、佐々木くん。一厘秒連弾!!」
ドオオルルルルル!!!
欄島が銃弾の連射速度を上げた。
だがその銃弾の雨はなんと千城にも突き刺さっている。
「え!? 欄島さん何を!!?」
オレは目を見開いたが、千城は欄島の銃撃をその身に受けても全く動じていない。
「ええ!?」
「オレの銃撃はどうしても面で敵を捉えるからね。接近戦が得意な千城さんには無効化するように調整したんだ。いや、苦労したよー」
欄島が背中から伸びる6丁と両手の2丁から熾烈な銃撃を放ちながら軽く言った。
「そ、そんなこと出来るんですか!?」
「何とかねー」
欄島の口調は軽いが、激しく攻撃は続けている。
「佐々木くん。君も銃撃でグールを攻撃して」
「あ! すいません!!」
改めてグールを見ると欄島の連射と千城の攻撃でかなり隊形が崩れている。
オレは1番端に外れているグールを狙った。
「二重超新星弾狙撃付与!!」
ドッギャウウ!!!
オレの弾丸はSS級の胴体を光の法陣ごと貫いた。
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