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転の流星
思わぬ再会
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……ああ、そうだ。私が大怪我した時、ベナトの奴、嬉しそうに介抱してたっけ。
人一人が通るのがやっとの幅の、時折屈んだりもしくは飛ばなければいけない程狭く、入り組んだ道を、アウラは次々と戻ってくる記憶を楽しみながら順調に進んでいた。
療養には温泉が良いって薦めてきたのも彼だ。
おかげで世界中の名湯や秘湯を巡らされ、今ではすっかり温泉通だ。
身を屈めて進んだ先は、通路一杯に木の根が降りてきていて、これ以上の進行を拒んでいた。
「巡礼者がいなくなって、誰も通らなくなったからな……。仕方ない。悪いけど、斬らせてもらうよ」
どうにかして避けれないか試してみたが、大木の根のようでビクともせず、もったいない気持ちを抑えながら一言詫びを入れ、一歩後ろへ下がる。
そしてゆっくりと目を閉じ、右腕に魔力を込め想像する。
どんなに堅い物でも簡単に切り裂く、シルフの羽根のように薄い刃。
その見た目に反して頑丈な強度を持つ腹。
そして、普通の刀であれば柄に当たる部分が自由に動く、アウラだけの刀。
ベナトシュが、風の使いから名付けた刀、ハルピュイア。
「蒼裂斬!」
ハルピュイアを構え、真空の刃を飛ばすと、道を塞いでいた根は、まるで細い糸を切るかのようにあっさりと切れた。
ハルピュイアを元の腕に戻して数歩も進まないうちに、一つの幻影がアウラの前に現れた。
アウラという人格を形成してきた、核とも呼べる重要な記憶だ。
「……ノトス様」
それは、鷹と大差ない大きさの蒼龍で、アウラの曾祖父であり、主語聖霊でもあったノトスだ。
自分の記憶が正しければ、今はアウラの蒼龍を抑える為の、蓋のような役割をしているはずだ。
「アウラよ。私の声が聞こえるか?」
「はい。あなたの声は聞こえます。でも、私の中のノトス様の声は、聞こえません」
「やはりそうか……。ではアウラよ。私がお前の前に姿を現した理由は分かるか?」
「はい、多分。……戦うんですよね?私自身と」
答えに対し、ノトスは静かに頷く。
「記憶が抜け落ちた後、お前の蒼龍を抑えるのは困難を極めた。近い未来、私の精神は焼き切れ、お前一人の力で己を制する時が来よう。そして何より、この先あやつと戦うつもりなら、己に屈しているわけにはいくまい」
身を呈してアウラを守り続けていたノトスに限界が訪れている。
この戦いで、アウラ自身が、蒼龍を制する術を学ばなければいけない。
この先のどこかで待つ、ヴァーユの記憶に備える為にも。
「……分かりました。ノトス様、今まで本当に、ありがとうございました」
アウラは心の底から感謝の言葉を述べ、右手にハルピュイアを、左手にエラルドの腰刀を構える。
そしてノトスも、涙を流すアウラに、最後の言葉を伝えた。
「アウラ。どこまでも、強くありなさい」
†
私は今、悪い夢でも見ているのだろうか?
もう何年も家に帰ってこない父が今、目の前にいる。
勿論これはアウラの記憶の一部で、現実ではない。
それでもシェアトにとっては、長い年月を経ての再会だ。
それはとても喜ばしい事だったが、この状況は、とても受け入れられる物ではなかった。
邪竜となった父が、アウラと対峙している場面など……。
「お父さん!」
「危ない!」
ベイドに突き飛ばされた直後、今まで立っていた場所を、巨大な水の塊が地面を抉りながら通過していく。
「ここは危険です。一旦離れましょう!」
「でもお父さんが……」
「過去の記憶です!しかも、邪竜になってしまった。貴女も聞いたでしょ?彼の別れの言葉を」
聞いた。確かに聞いた。
まだ人の姿をしていた父が、アウラと、おそらく父の友人であろう、童話ジパングの主人公のような格好をした、ベナトシュという男性に、すまないと詫びたのを。
その記憶は、大事な部分を掻い摘まむように場面がころころと変わっていった。
アウラとは初対面らしいベナトシュが、バスターになったばかりのアウラを、邪竜の討伐に誘う所から始まっている。
「今からやる邪竜は、多分お前が今まで見てきたのとは別格だ。だから無理強いはしない。敵わないと思ったら大人しく退けよ」
協会からの特別要請という事もあって、ベナトシュはそうアウラに釘を打つ。
「火の帝国の連中は、なんでみんな上からなんだろうな?それで、あんた何者なんだ?スレイヤーって言ってたけど、バスターと何が違う?」
敵意を向けながらもついてくるアウラに、ベナトシュは何でもなさそうに答える。
「スレイヤーってのは、転生式を終えているバスターの事さ。龍の力に目覚めてる分、普通のバスターには回ってこないような、より難度の高い依頼も受けられる」
「それが今回の討伐対象か。……まさか、蒼竜じゃないよな?」
「いやいやまさか。ま、行けば分かるさ」
そこで背景が変わり、二人はその討伐対象と向き合っていた。
人の姿をしたシェアトの父、ヴェガ・サダルスードと。
「よお、悪かったなベナト。こんな事頼めるの、お前しか思い浮かばなくてよ」
ヴェガは穏やかな顔でそう話し掛ける。
対するベナトシュも穏やかだ。
「気にすんなよヴェガ。俺が逆の立場でも、お前に頼んでたよ。だから、もう謝んな」
「……もう、保ちそうにない。新人にまで迷惑掛けるが、俺の為に、死んだりするなよ。本当にすまない。ありがとう」
そう言い残したヴェガは、突然胸を掴んで苦しみだし、その姿を黒い邪竜へと変えていった。
転生式を経て見せる黒龍ではなく、正気を失い、破壊衝動のままに動く邪竜へと。
そして、アウラ達と父の激しい戦いはいまだに続いている。
アウラは、目の前で人が邪竜に堕ちたのがショックだったのか、動きが鈍く防戦一方で、時折ベナトシュの激励が飛んでくる。
「どうした!そんなんじゃ死ぬぞ。お前が試練をクリアした時に見せた覚悟はその程度か?それとも、周りが言うように、やっぱりまぐれなのか?」
「くっ……。黙れ!このくらい、やってやるさ!」
覚悟を決めたアウラは、横払いに飛んでくる尻尾を飛んで避け、邪竜の懐に飛び込んで一気に仕掛ける。
「明月閃」
腰刀を逆手に構え、下から上へと三日月を描くように斬り上げると、大量の鮮血と共に邪竜の悲鳴が響き渡る。
その一瞬、父と目が合った気がした。
その悲痛な叫びが、シェアトに助けを求めているように聞こえる。
お父さん……。
「……っ。もう、止めて……!」
アウラとベナトシュ。そして邪竜となった父。
三人の激しい戦いが続く中、シェアトは絞り出すように叫ぶ。
激闘の中へ飛び込んでいかないよう、抱き締めて抑えているベイドの腕に、自分の爪が深く食い込んでいるが、彼は一層力強く抱き締めてくれた。
この記憶の行く先は、最後まで見なくても分かっている。
父は未だに行方知れずで、アウラは自分達と共に旅をしている。
それが結果。
お父さんは、このままアウラ達に……。
その答え合わせをするかのように、戦いも終盤に向かっていく。
ベナトシュが抑えている間、アウラは空中で距離を取り、呪文の詠唱を始める。
「砂塵よ。風と共に舞い踊れ。砂塵嵐!」
砂嵐で邪竜の視界を奪うと、その正面でベナトシュが居合いの構えを取る。
止めて……。
「これでお別れだ。今までありがとな、ヴェガ」
お願いだから……。
「お父さんを、殺さないで!」
その想いは、誰に届くわけでもなく、全てが赤い炎に包まれた。
中心にいた父も含め、アウラもベナトシュも、そしてシェアト達も爆風に呑まれ……。
気付いた時には元の洞窟の中で、二人は無傷のまま横たわっていた。
「どうやら、戻ってきたようですね。大丈夫ですか?」
「……はい」
そう答えたものの、ベイドを見る事は出来なかった。
「……シェアト」
肩に手を置かれ、反射的に振り向いた顔は、涙でぐちゃぐちゃに濡れていたから。
「お父さんが、お父さん……!」
涙は止まる事を知らず、シェアトはそのまま泣き続けた。
自分で何を言っているのかもわからないまま喚くのを、ベイドは何も言わず、ただ背中をさすってくれた。
それからどれくらい時間が経ったのか、落ち着きを取り戻した頃には、涙もすっかり枯れ尽きた。
「すみません、もう大丈夫です」
「いえ、気にする必要はありませんよ」
「少しびっくりしたけど、お父さんの事が分かって良かったです」
「無理はしない方が良いですよ。この一件が終わって、まだわだかまりが残っているようなら、本人に直接聞くのも手だと思います。あれでは、断片的すぎますから」
気丈に振る舞ってはみたものの、そう諭されてしまう。
「……今は、どうすれば良いのか答えが出そうにありません。だから、とりあえず先に進みましょう」
心の中は、今までにない程混乱している。
父の身に何が起きたのか、何故あの二人が父と戦う事になったのか。
何故アウラは、嘘をついていたのか……。
今は、気持ちを整理する時間が欲しい。
そう思い、とにかく先へ急ごうとしたその矢先、
「二人共、逃げて!」
「え、フォーさん?」
突如、通路の壁を溶かすようにして現れたフォーマルハウトが、シェアト達を見るなりそう叫んだ。
「どうしたんですか?そんな所から」
「説明は後です。いいから走って!」
「え?あの、ちよっと」
訳も分からず後を追うが、その数秒後、彼が現れた壁が激しく損壊し、その音に振り返った瞬間、背筋が凍りついた。
最初に目に映ったのは、風を纏い、武器を構えたアルマク。
そしてシェアトとベイドを震撼させたのは、アルマクに鋭い牙を向ける、蒼い邪竜だった。
人一人が通るのがやっとの幅の、時折屈んだりもしくは飛ばなければいけない程狭く、入り組んだ道を、アウラは次々と戻ってくる記憶を楽しみながら順調に進んでいた。
療養には温泉が良いって薦めてきたのも彼だ。
おかげで世界中の名湯や秘湯を巡らされ、今ではすっかり温泉通だ。
身を屈めて進んだ先は、通路一杯に木の根が降りてきていて、これ以上の進行を拒んでいた。
「巡礼者がいなくなって、誰も通らなくなったからな……。仕方ない。悪いけど、斬らせてもらうよ」
どうにかして避けれないか試してみたが、大木の根のようでビクともせず、もったいない気持ちを抑えながら一言詫びを入れ、一歩後ろへ下がる。
そしてゆっくりと目を閉じ、右腕に魔力を込め想像する。
どんなに堅い物でも簡単に切り裂く、シルフの羽根のように薄い刃。
その見た目に反して頑丈な強度を持つ腹。
そして、普通の刀であれば柄に当たる部分が自由に動く、アウラだけの刀。
ベナトシュが、風の使いから名付けた刀、ハルピュイア。
「蒼裂斬!」
ハルピュイアを構え、真空の刃を飛ばすと、道を塞いでいた根は、まるで細い糸を切るかのようにあっさりと切れた。
ハルピュイアを元の腕に戻して数歩も進まないうちに、一つの幻影がアウラの前に現れた。
アウラという人格を形成してきた、核とも呼べる重要な記憶だ。
「……ノトス様」
それは、鷹と大差ない大きさの蒼龍で、アウラの曾祖父であり、主語聖霊でもあったノトスだ。
自分の記憶が正しければ、今はアウラの蒼龍を抑える為の、蓋のような役割をしているはずだ。
「アウラよ。私の声が聞こえるか?」
「はい。あなたの声は聞こえます。でも、私の中のノトス様の声は、聞こえません」
「やはりそうか……。ではアウラよ。私がお前の前に姿を現した理由は分かるか?」
「はい、多分。……戦うんですよね?私自身と」
答えに対し、ノトスは静かに頷く。
「記憶が抜け落ちた後、お前の蒼龍を抑えるのは困難を極めた。近い未来、私の精神は焼き切れ、お前一人の力で己を制する時が来よう。そして何より、この先あやつと戦うつもりなら、己に屈しているわけにはいくまい」
身を呈してアウラを守り続けていたノトスに限界が訪れている。
この戦いで、アウラ自身が、蒼龍を制する術を学ばなければいけない。
この先のどこかで待つ、ヴァーユの記憶に備える為にも。
「……分かりました。ノトス様、今まで本当に、ありがとうございました」
アウラは心の底から感謝の言葉を述べ、右手にハルピュイアを、左手にエラルドの腰刀を構える。
そしてノトスも、涙を流すアウラに、最後の言葉を伝えた。
「アウラ。どこまでも、強くありなさい」
†
私は今、悪い夢でも見ているのだろうか?
もう何年も家に帰ってこない父が今、目の前にいる。
勿論これはアウラの記憶の一部で、現実ではない。
それでもシェアトにとっては、長い年月を経ての再会だ。
それはとても喜ばしい事だったが、この状況は、とても受け入れられる物ではなかった。
邪竜となった父が、アウラと対峙している場面など……。
「お父さん!」
「危ない!」
ベイドに突き飛ばされた直後、今まで立っていた場所を、巨大な水の塊が地面を抉りながら通過していく。
「ここは危険です。一旦離れましょう!」
「でもお父さんが……」
「過去の記憶です!しかも、邪竜になってしまった。貴女も聞いたでしょ?彼の別れの言葉を」
聞いた。確かに聞いた。
まだ人の姿をしていた父が、アウラと、おそらく父の友人であろう、童話ジパングの主人公のような格好をした、ベナトシュという男性に、すまないと詫びたのを。
その記憶は、大事な部分を掻い摘まむように場面がころころと変わっていった。
アウラとは初対面らしいベナトシュが、バスターになったばかりのアウラを、邪竜の討伐に誘う所から始まっている。
「今からやる邪竜は、多分お前が今まで見てきたのとは別格だ。だから無理強いはしない。敵わないと思ったら大人しく退けよ」
協会からの特別要請という事もあって、ベナトシュはそうアウラに釘を打つ。
「火の帝国の連中は、なんでみんな上からなんだろうな?それで、あんた何者なんだ?スレイヤーって言ってたけど、バスターと何が違う?」
敵意を向けながらもついてくるアウラに、ベナトシュは何でもなさそうに答える。
「スレイヤーってのは、転生式を終えているバスターの事さ。龍の力に目覚めてる分、普通のバスターには回ってこないような、より難度の高い依頼も受けられる」
「それが今回の討伐対象か。……まさか、蒼竜じゃないよな?」
「いやいやまさか。ま、行けば分かるさ」
そこで背景が変わり、二人はその討伐対象と向き合っていた。
人の姿をしたシェアトの父、ヴェガ・サダルスードと。
「よお、悪かったなベナト。こんな事頼めるの、お前しか思い浮かばなくてよ」
ヴェガは穏やかな顔でそう話し掛ける。
対するベナトシュも穏やかだ。
「気にすんなよヴェガ。俺が逆の立場でも、お前に頼んでたよ。だから、もう謝んな」
「……もう、保ちそうにない。新人にまで迷惑掛けるが、俺の為に、死んだりするなよ。本当にすまない。ありがとう」
そう言い残したヴェガは、突然胸を掴んで苦しみだし、その姿を黒い邪竜へと変えていった。
転生式を経て見せる黒龍ではなく、正気を失い、破壊衝動のままに動く邪竜へと。
そして、アウラ達と父の激しい戦いはいまだに続いている。
アウラは、目の前で人が邪竜に堕ちたのがショックだったのか、動きが鈍く防戦一方で、時折ベナトシュの激励が飛んでくる。
「どうした!そんなんじゃ死ぬぞ。お前が試練をクリアした時に見せた覚悟はその程度か?それとも、周りが言うように、やっぱりまぐれなのか?」
「くっ……。黙れ!このくらい、やってやるさ!」
覚悟を決めたアウラは、横払いに飛んでくる尻尾を飛んで避け、邪竜の懐に飛び込んで一気に仕掛ける。
「明月閃」
腰刀を逆手に構え、下から上へと三日月を描くように斬り上げると、大量の鮮血と共に邪竜の悲鳴が響き渡る。
その一瞬、父と目が合った気がした。
その悲痛な叫びが、シェアトに助けを求めているように聞こえる。
お父さん……。
「……っ。もう、止めて……!」
アウラとベナトシュ。そして邪竜となった父。
三人の激しい戦いが続く中、シェアトは絞り出すように叫ぶ。
激闘の中へ飛び込んでいかないよう、抱き締めて抑えているベイドの腕に、自分の爪が深く食い込んでいるが、彼は一層力強く抱き締めてくれた。
この記憶の行く先は、最後まで見なくても分かっている。
父は未だに行方知れずで、アウラは自分達と共に旅をしている。
それが結果。
お父さんは、このままアウラ達に……。
その答え合わせをするかのように、戦いも終盤に向かっていく。
ベナトシュが抑えている間、アウラは空中で距離を取り、呪文の詠唱を始める。
「砂塵よ。風と共に舞い踊れ。砂塵嵐!」
砂嵐で邪竜の視界を奪うと、その正面でベナトシュが居合いの構えを取る。
止めて……。
「これでお別れだ。今までありがとな、ヴェガ」
お願いだから……。
「お父さんを、殺さないで!」
その想いは、誰に届くわけでもなく、全てが赤い炎に包まれた。
中心にいた父も含め、アウラもベナトシュも、そしてシェアト達も爆風に呑まれ……。
気付いた時には元の洞窟の中で、二人は無傷のまま横たわっていた。
「どうやら、戻ってきたようですね。大丈夫ですか?」
「……はい」
そう答えたものの、ベイドを見る事は出来なかった。
「……シェアト」
肩に手を置かれ、反射的に振り向いた顔は、涙でぐちゃぐちゃに濡れていたから。
「お父さんが、お父さん……!」
涙は止まる事を知らず、シェアトはそのまま泣き続けた。
自分で何を言っているのかもわからないまま喚くのを、ベイドは何も言わず、ただ背中をさすってくれた。
それからどれくらい時間が経ったのか、落ち着きを取り戻した頃には、涙もすっかり枯れ尽きた。
「すみません、もう大丈夫です」
「いえ、気にする必要はありませんよ」
「少しびっくりしたけど、お父さんの事が分かって良かったです」
「無理はしない方が良いですよ。この一件が終わって、まだわだかまりが残っているようなら、本人に直接聞くのも手だと思います。あれでは、断片的すぎますから」
気丈に振る舞ってはみたものの、そう諭されてしまう。
「……今は、どうすれば良いのか答えが出そうにありません。だから、とりあえず先に進みましょう」
心の中は、今までにない程混乱している。
父の身に何が起きたのか、何故あの二人が父と戦う事になったのか。
何故アウラは、嘘をついていたのか……。
今は、気持ちを整理する時間が欲しい。
そう思い、とにかく先へ急ごうとしたその矢先、
「二人共、逃げて!」
「え、フォーさん?」
突如、通路の壁を溶かすようにして現れたフォーマルハウトが、シェアト達を見るなりそう叫んだ。
「どうしたんですか?そんな所から」
「説明は後です。いいから走って!」
「え?あの、ちよっと」
訳も分からず後を追うが、その数秒後、彼が現れた壁が激しく損壊し、その音に振り返った瞬間、背筋が凍りついた。
最初に目に映ったのは、風を纏い、武器を構えたアルマク。
そしてシェアトとベイドを震撼させたのは、アルマクに鋭い牙を向ける、蒼い邪竜だった。
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