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転の流星
二人の師
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「蒼龍の恐ろしさを知りながら、その身を危険に晒しながらも、他者の為に危険に飛び込めるとは……」
祠の奥へと消えて行ったアウラの仲間達を見送りながら、アルマクは感嘆の声を漏らす。
「どうやら、素敵な仲間に出会えたようですね」
「うん。みんな私の、大切な人達なんだ。誰も失いたくない」
アウラは、目に溜まっていた涙を拭い、笑顔で答える。
「良い目をするようになりましたね。貴女と別れてからおよそ七年。その間、貴女は多くの事を学び、経験してきた。喜び、怒り、哀しみ、楽しみ……。得た物もあれば、逆に失った物もある。本来なら経験する事も無かったであろうそれら全てを、もう一度手にする技量が、今の貴女にはありますか?」
アルマクは微笑みながらも、真剣な眼差しでそう問うた。
今のアウラは、ボレアリスとしての記憶をほとんど持っていない。
つまり、王女として、城内で安穏と暮らしていた彼女そのもの。
戦いとは無縁の幼子が、自身の過酷な歴史と向き合えるのか、アルマクはそれを確認していた。
それに対してアウラは、暫く黙った後、しっかりとした口調で答えた。
「うん。……みんな、私の為に頑張ってくれてる。私の事なのに、私だけ怖がってるなんて、そんなのおかしいよね?それにね、よく分からないけど、私は今の私でいちゃダメな気がするんだ。早くボレアリスを知らないといけない、そんな感じがする。だから、やらなきゃダメなんだ」
決意を固めた瞳。
王女の身でありながら、そこには確かに、アルマクの知る強い彼女の姿がある。
どうやら、杞憂のようでしたね。
「どこまでいっても、アウラはアウラですね。何も変わらない……。受け取りなさい。私から貴女へ還す、大切な記憶です」
アルマクが泉に手をかざすと、透き通った水底から、青紫色の光を放つガラス玉のような物が浮き上がってきた。
それは、ゆっくりとアウラの前まで飛んでいき、一段と強い光を放つと音も無く弾け、光の粒子がアウラの頭上から降り注がれた。
それは、アルマクに関するアウラの記憶の一部。
主に、アウラがこの祠でアルマクとの修行を終え、旅立ちを決めた頃の物だ。
そんな部分的で突拍子の無い記憶を取り戻したアウラは、当たり前だが何の事やらときょとんとしている。
「アルマク。今のは……」
「それは、貴女が戦う事を決めた記憶。世界での生き方を決めた瞬間。それに対して、私が朗報を知らせた物。今の貴女にはまだ理解出来ないでしょうが、試練が終わる頃には、その意味が分かるはず」
瞬間、アウラの表情が暗くなる。
「大丈夫かな?私、ちゃんとやれるかな?」
仲間の前では気丈に振る舞ってはいたが、やはり不安はあるようだ。
そんなアウラを励ますように、アルマクは彼女の頬にそっと手を触れる。
「大丈夫。風の申し子である貴女には、何てことのない内容です。ただ今回はボレアリスの記憶が入り混じっているので、多少複雑化しているとは思いますが、自信を持ってお行きなさい」
「うん。でも、私はどこで何をすればいいの?」
アルマクは無言で、彼女が行くべき道を指し示す。
それは、アウラの仲間達が行ったどの道とも異なり、よじ登るか、空でも飛べない限り入れない高さにある、小さな穴だった。
「あれらの道は、全て同じ場所に繋がっています。……しばらくすれば少しずつ記憶が還ってくるでしょう。さぁ、仲間を信じて進みなさい。その先で、貴女との再会を楽しみにしています」
「あそこから……よし!」
アウラは気合いを入れてふわりと浮かび上がり、何の苦もなく入口の前へと降り立つ。
そして思い出したようにこちらを振り返った。
「ねえ、そういえばエルは?先に来てるはずなんだけど」
「彼女なら、自分の任務に就いています。いずれ会えるでしょう」
「そっか。それじゃアルマク、また後でね。行ってきます!」
手を振り、風のように駆けて行くのを、アルマクは微笑みながら見送った。
一人になった広間に、一時の静寂が訪れる。
ふと、若草の香りがアルマクの鼻をくすぐり、泉に波紋が広がった。
後ろで巻き起こる風が、透けた人体を形成すると、それは自分とよく似た出で立ちをしていた。
近衛師団の軽鎧、右翼隊師団長を示す蒼のスカーフ。
その人物との違いを挙げるなら、アルマクが髪を纏める為にサークレットを装着しているのに対して、彼女のそれは結ぶ必要がないくらいに短い事と、透明度が自分とは比べようのない程に高く、顔がはっきり見えない事だ。
アルマクのように聖霊として魂の形が定まっていないが故であろう。
本来であれば聖霊としてこの世に留まる事が出来たであろうが、例の事件で自決を選んだ哀れな愛弟子、エラルド。
今までどこに隠れていたのかは定かではないが、アウラ達がいなくなってから現れた彼女は、迷うような、悲しむような声色で言う。
「……本当に、これでよろしいのでしょうか?」
「愚問を」
アルマクは顔色一つ変えず、エラルドに向き直る事も無く斬り捨てる。
彼女が言っている事はあまりにも愚かで、討論する必要の無いものだ。
しかし、同時に彼女の気持ちは理解出来るからこそ、向き合う事はしなかった。
「離れてしまった迷い子を、主の元に還すのは至極当然の事。過去を切り離す事など、自然の摂理に反している」
「それは、そうですが……。私は、アウラ様は今のままの方が幸せなのではないかと。記憶を取り戻し、バスターとなったあの方に待ち受ける未来は、戦いの日々。その先に、あの方の笑顔があるのだとしても、その対価が妥当ななのかどうか……。それならばいっそこのまま、アウラ様のままの方が、平穏に暮らせるのではないでしょうか?」
歯切れが悪いながらも、そう自分の想いを口にする。
優しいエラルド。しかし、愚かなエラルド。……いえ。本当は気付いているのに、それを認める事が出来ていない。アウラを強く想う優しさ故に、自分自身さえも傷付けてしまっている。
弟子の過ちを正すのは、師の努め。
そこでアルマクはようやく振り返り、エラルドを真っ直ぐに見つめる。
そして彼女に、重く鋭い一言を浴びせた。
「ならばお前は、あの子に再び死ねと申すのか」
はっ、と表情の窺えないエラルドから、明らかに息を呑む音が漏れた。
「あの子は、アウラは世界的に一度死んだ身の上。そして貴女から貰ったボレアリスという名で、新たな人生を歩んできた。それすら奪われたあの子は今、はたして生きていると言えるのか。一体何者なのか。失う痛みを知っている貴女なら、これがどれだけ辛い事なのか、理解出来るはず。それに……」
聡いエラルドにこれ以上言う必要は無かっただろうが、もう一言、留めの言葉を添える。
「貴女はボレアリスを、二度も殺されて平気なの?」
「……」
ここまで言っても何も反発してこないのは、まだ迷っているからだろうか?
真意を確かめる為、アルマクはわざと挑発する言葉を選ぶ。
「もし、お前の独断でアウラに記憶を還すのを拒むような事があれば、その時は私が、お前を完全なる風に還しましょう」
「そのような事は!」
即座に反応する。
そして、一拍置いて続ける。
「アウラ様が心からそう願われているのであれば、私はそれに従います。私の願いは、アウラ様と、息子のルクバットが笑顔でいてくれる事ですから」
それは、慈愛に満ち溢れた声だった。
「先程の貴女の意見だと、アウラとルクバットが今までに築いてきた関係すらも、奪う事になりますね」
「はい。私が愚かでした」
迷いが消えたように、はっきりとそう答える。
断ち切れたようですね。
「私達近衛師団は、王国の盾。襲い来る敵から主を護るのが役目。私達が、主の道を妨げるような事はしてはならない。主がどのような道を歩んだとしても、それを護り抜くのが私達の誇り。解りますね?」
「はい。これでも私も、師団長を務めてきましたから」
「ならば、これ以上は言いません。これから貴女が取るべき行動は、分かりますね?」
エラルドは穏やかに、凛とした声で答える。
「アウラ様の元に、還ります」
そしてエラルドは、溶けるようにこの場から消え去った。
ふぅ、と一つ、アルマクは大きく息を吐く。
恐らくこの試練、今までの例と比べ物にならない程、難しいものになる。
あの子が気付く前に、頼みますよ、エラルド。
度々、試練に向かった者達がいる通路の奥から、大きな地鳴りが響いてくる。
誰かがアウラの記憶と戦っているのか、それとも……。
「……私も、そろそろ向かわねば」
一つ呟き、アルマクも風となってその場から姿を消した。
祠の奥へと消えて行ったアウラの仲間達を見送りながら、アルマクは感嘆の声を漏らす。
「どうやら、素敵な仲間に出会えたようですね」
「うん。みんな私の、大切な人達なんだ。誰も失いたくない」
アウラは、目に溜まっていた涙を拭い、笑顔で答える。
「良い目をするようになりましたね。貴女と別れてからおよそ七年。その間、貴女は多くの事を学び、経験してきた。喜び、怒り、哀しみ、楽しみ……。得た物もあれば、逆に失った物もある。本来なら経験する事も無かったであろうそれら全てを、もう一度手にする技量が、今の貴女にはありますか?」
アルマクは微笑みながらも、真剣な眼差しでそう問うた。
今のアウラは、ボレアリスとしての記憶をほとんど持っていない。
つまり、王女として、城内で安穏と暮らしていた彼女そのもの。
戦いとは無縁の幼子が、自身の過酷な歴史と向き合えるのか、アルマクはそれを確認していた。
それに対してアウラは、暫く黙った後、しっかりとした口調で答えた。
「うん。……みんな、私の為に頑張ってくれてる。私の事なのに、私だけ怖がってるなんて、そんなのおかしいよね?それにね、よく分からないけど、私は今の私でいちゃダメな気がするんだ。早くボレアリスを知らないといけない、そんな感じがする。だから、やらなきゃダメなんだ」
決意を固めた瞳。
王女の身でありながら、そこには確かに、アルマクの知る強い彼女の姿がある。
どうやら、杞憂のようでしたね。
「どこまでいっても、アウラはアウラですね。何も変わらない……。受け取りなさい。私から貴女へ還す、大切な記憶です」
アルマクが泉に手をかざすと、透き通った水底から、青紫色の光を放つガラス玉のような物が浮き上がってきた。
それは、ゆっくりとアウラの前まで飛んでいき、一段と強い光を放つと音も無く弾け、光の粒子がアウラの頭上から降り注がれた。
それは、アルマクに関するアウラの記憶の一部。
主に、アウラがこの祠でアルマクとの修行を終え、旅立ちを決めた頃の物だ。
そんな部分的で突拍子の無い記憶を取り戻したアウラは、当たり前だが何の事やらときょとんとしている。
「アルマク。今のは……」
「それは、貴女が戦う事を決めた記憶。世界での生き方を決めた瞬間。それに対して、私が朗報を知らせた物。今の貴女にはまだ理解出来ないでしょうが、試練が終わる頃には、その意味が分かるはず」
瞬間、アウラの表情が暗くなる。
「大丈夫かな?私、ちゃんとやれるかな?」
仲間の前では気丈に振る舞ってはいたが、やはり不安はあるようだ。
そんなアウラを励ますように、アルマクは彼女の頬にそっと手を触れる。
「大丈夫。風の申し子である貴女には、何てことのない内容です。ただ今回はボレアリスの記憶が入り混じっているので、多少複雑化しているとは思いますが、自信を持ってお行きなさい」
「うん。でも、私はどこで何をすればいいの?」
アルマクは無言で、彼女が行くべき道を指し示す。
それは、アウラの仲間達が行ったどの道とも異なり、よじ登るか、空でも飛べない限り入れない高さにある、小さな穴だった。
「あれらの道は、全て同じ場所に繋がっています。……しばらくすれば少しずつ記憶が還ってくるでしょう。さぁ、仲間を信じて進みなさい。その先で、貴女との再会を楽しみにしています」
「あそこから……よし!」
アウラは気合いを入れてふわりと浮かび上がり、何の苦もなく入口の前へと降り立つ。
そして思い出したようにこちらを振り返った。
「ねえ、そういえばエルは?先に来てるはずなんだけど」
「彼女なら、自分の任務に就いています。いずれ会えるでしょう」
「そっか。それじゃアルマク、また後でね。行ってきます!」
手を振り、風のように駆けて行くのを、アルマクは微笑みながら見送った。
一人になった広間に、一時の静寂が訪れる。
ふと、若草の香りがアルマクの鼻をくすぐり、泉に波紋が広がった。
後ろで巻き起こる風が、透けた人体を形成すると、それは自分とよく似た出で立ちをしていた。
近衛師団の軽鎧、右翼隊師団長を示す蒼のスカーフ。
その人物との違いを挙げるなら、アルマクが髪を纏める為にサークレットを装着しているのに対して、彼女のそれは結ぶ必要がないくらいに短い事と、透明度が自分とは比べようのない程に高く、顔がはっきり見えない事だ。
アルマクのように聖霊として魂の形が定まっていないが故であろう。
本来であれば聖霊としてこの世に留まる事が出来たであろうが、例の事件で自決を選んだ哀れな愛弟子、エラルド。
今までどこに隠れていたのかは定かではないが、アウラ達がいなくなってから現れた彼女は、迷うような、悲しむような声色で言う。
「……本当に、これでよろしいのでしょうか?」
「愚問を」
アルマクは顔色一つ変えず、エラルドに向き直る事も無く斬り捨てる。
彼女が言っている事はあまりにも愚かで、討論する必要の無いものだ。
しかし、同時に彼女の気持ちは理解出来るからこそ、向き合う事はしなかった。
「離れてしまった迷い子を、主の元に還すのは至極当然の事。過去を切り離す事など、自然の摂理に反している」
「それは、そうですが……。私は、アウラ様は今のままの方が幸せなのではないかと。記憶を取り戻し、バスターとなったあの方に待ち受ける未来は、戦いの日々。その先に、あの方の笑顔があるのだとしても、その対価が妥当ななのかどうか……。それならばいっそこのまま、アウラ様のままの方が、平穏に暮らせるのではないでしょうか?」
歯切れが悪いながらも、そう自分の想いを口にする。
優しいエラルド。しかし、愚かなエラルド。……いえ。本当は気付いているのに、それを認める事が出来ていない。アウラを強く想う優しさ故に、自分自身さえも傷付けてしまっている。
弟子の過ちを正すのは、師の努め。
そこでアルマクはようやく振り返り、エラルドを真っ直ぐに見つめる。
そして彼女に、重く鋭い一言を浴びせた。
「ならばお前は、あの子に再び死ねと申すのか」
はっ、と表情の窺えないエラルドから、明らかに息を呑む音が漏れた。
「あの子は、アウラは世界的に一度死んだ身の上。そして貴女から貰ったボレアリスという名で、新たな人生を歩んできた。それすら奪われたあの子は今、はたして生きていると言えるのか。一体何者なのか。失う痛みを知っている貴女なら、これがどれだけ辛い事なのか、理解出来るはず。それに……」
聡いエラルドにこれ以上言う必要は無かっただろうが、もう一言、留めの言葉を添える。
「貴女はボレアリスを、二度も殺されて平気なの?」
「……」
ここまで言っても何も反発してこないのは、まだ迷っているからだろうか?
真意を確かめる為、アルマクはわざと挑発する言葉を選ぶ。
「もし、お前の独断でアウラに記憶を還すのを拒むような事があれば、その時は私が、お前を完全なる風に還しましょう」
「そのような事は!」
即座に反応する。
そして、一拍置いて続ける。
「アウラ様が心からそう願われているのであれば、私はそれに従います。私の願いは、アウラ様と、息子のルクバットが笑顔でいてくれる事ですから」
それは、慈愛に満ち溢れた声だった。
「先程の貴女の意見だと、アウラとルクバットが今までに築いてきた関係すらも、奪う事になりますね」
「はい。私が愚かでした」
迷いが消えたように、はっきりとそう答える。
断ち切れたようですね。
「私達近衛師団は、王国の盾。襲い来る敵から主を護るのが役目。私達が、主の道を妨げるような事はしてはならない。主がどのような道を歩んだとしても、それを護り抜くのが私達の誇り。解りますね?」
「はい。これでも私も、師団長を務めてきましたから」
「ならば、これ以上は言いません。これから貴女が取るべき行動は、分かりますね?」
エラルドは穏やかに、凛とした声で答える。
「アウラ様の元に、還ります」
そしてエラルドは、溶けるようにこの場から消え去った。
ふぅ、と一つ、アルマクは大きく息を吐く。
恐らくこの試練、今までの例と比べ物にならない程、難しいものになる。
あの子が気付く前に、頼みますよ、エラルド。
度々、試練に向かった者達がいる通路の奥から、大きな地鳴りが響いてくる。
誰かがアウラの記憶と戦っているのか、それとも……。
「……私も、そろそろ向かわねば」
一つ呟き、アルマクも風となってその場から姿を消した。
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