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転の流星
微風と清水
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水の王国のお気に入りの秘湯でシェアトと遭遇してから約三週間、ボレアリスはとえも穏やかな時間を過ごしていた。
雪がひどく降り積もり、何日か外に出られなかったが、国からの使いが誰も来ないという事は、シェアトがまだ迷っているという事だろう。
……退屈だな。
自分から待つと言った手前、いつ来るとも知れない者をひたすらに待つというのは、なかなかの苦痛を伴う。
どこか他に行く所があるなら良いが、秘湯に行く以外は特に用も無い。
ルクバットの修行報告も、一週間程前から止めている。
ツグミ達が、彼の言葉を聞き取れるようになってきたと聞き、ここから先は次に会った時の楽しみにしようと決めたからだ。
「もうピスケスに入ったし、会いにいけるまであと数日の辛抱、かな?」
待つと決めたシェアトの誕生日がいつかまでは聞いていなかったので、あまり確証の無い希望を抱いて部屋から窓の外を眺める。
ここ数日で雪の量はだいぶ減ったが、今も断続的に雪が降り続き、美しい銀世界を創りあげている。
風の王国なら、もう花が咲く頃だな。
ぼんやり思うのは、故郷の景色。
グルミウムでももちろん雪は降るが、基本的にアクエリアスまでで、仮にピスケスに降ったとしても積もる事は無い。
今頃は草花が花開き、蜜蜂達が花の蜜を求めて忙しなく動き回る。
そして、桜の花びらやタンポポの綿毛が風と共に舞い踊り、鳥達が唄を添える。
その光景は、今でも変わらない。
最初の数年は廃墟同然だったが、聖霊や元素に還った、エラルドが率いる近衛師団の化身達が国を守り、育ててくれたおかげで、草花はその命を根強く広げていった。
グルミウムはまだ生きている。人さえ入れば、必ず芽吹く。死なせたりは、しない!
「―壊ソウ」
「……っ!?」
突如、頭の中で狂気に満ちた声が囁く。
自身の中に宿る、蒼龍の声だ。
普段はノトスが抑えてくれているおかげで大人しくしているが、時々嘲笑うかのように隙を突いて現れる。
「此処ハ生命ニ満チ溢レテイル。ウヌニハ似合ワヌ。サア、壊ソウ。我ニ身ヲ委ネ、共ニ楽シモウ……」
「う、るさい。黙れ……!」
常に破壊を求める蒼龍は、永久の闇へ引きずり込もうと甘く囁きかけてくる。
「今は……お前に、用は無い」
だから、失せろ……!
口には出せず、心の中で叫び、必死に抵抗する。
「ボレアリスさん!?」
突然、今此処に居るべきではない人間が声を挙げた。
「しぇ、あと……」
まずい、こんな時に……。
「どうしたんですか?どこか具合でも……」
そう身を案じてくれるのは嬉しいが、今はただ煩わしいだけだ。
思わず、壊してしまいたくなる程に。
落ち着け……。自分に、負けるな!
「だい、じょうぶ」
駆け寄ろうとするシェアトを片手で制し、気を静める事に専念する。
幸いにも、蒼龍の狂気は薄れ始めており、溢れんばかりの破壊衝動も数秒のうちに無くなった。
「……ふぅ」
一度、大きく息を吐くと、いつもの体調に戻ったのが感じとれた。
「本当に大丈夫ですか?医者に診てもらった方が良いんじゃ」
「ああ、うん。平気だよ。よくある発作だから。もう治ったし」
そう適当に誤魔化すが、シェアトはまだ心配そうな顔を浮かべていて、強引に話題を変えた。
「それより、何しにここへ?」
「……先日の使者の件ですが、最初の予定通り、私に決まりました。お待たせして、すみません」
シェアトはまだ納得出来ていないようだったが、そう答えてくれた。
「そう。決めたんだね。覚悟は出来た?」
「正直、覚悟はまだ出来ていません。だけど、あれから色々と考えたんです。沢山の本を読み返したり、家族と話し合ったり。でも、どんどん自分の気持ちが分からなくなっちゃって……。だから、一度考えるのは止めました。それで、何日かいつも通り過ごしていたら、ある思いに気付いたんです。……学びたいって」
口を挟まずにいると、シェアトは先を続けた。
「世界には、私の知らない事がたくさんある。本を読むだけじゃなくて、自分の足で歩いて、目で見て、身体全体で感じないと気付けない物が無限に広がっている。旅の危険性を考えるとやっぱり怖いけど、恐れてばかりでは何も得られない。……この気持ちを母に話したら、いってらっしゃいって、笑顔で言ってくれたんです。こんな理由であなたの使者になるのはおかしいかもしれないけれど、それでもどうか、私を一緒に連れて行って下さい。お願いします!」
深々と頭を下げるシェアトからは、相当の熱意と覚悟が伺え、ボレアリスは思わず笑みを零した。
「お願いするのはこっちの方だよ。危険な旅なのに、引き受けてくれてありがとう。これからよろしくね、シェアト」
「はい、よろしくお願いします!」
彼女に見えるよう左手を差し出すと、シェアトはぱっと顔を上げて両手で握り返し、満面の笑みで答えた。
ボレアリスも微笑み返し、ずっと気になっていた事を話題にする。
「よし、それじゃもう止めようか。敬語」
「え?」
きょとんとするシェアトを見る限り、あまり自覚していなかったようだ。
「これから一緒にあちこち回るのに、敬語じゃ堅苦しいからね。それに私の方が年下だし。名前もアリスで良いよ。仲間はそう呼んでくれてる」
「え、と……じゃあ……よろしく、アリス」
多少なりとも戸惑いがあったようだが、それでもシェアトは照れくさそうに、はにかみながらそう言った。
「うん。よろしくね、シェアト」
「なんだか、急だと照れるな」
「すぐ慣れるよ。ところで、もう出発しても良いのかな?王宮に寄った方がいい?」
「あ、ううん。天子様にはもう挨拶してきたから。行っても多分、取り次いでもらえないと思う。それに、こんなの戴いちゃって……」
と、恥ずかしそうに身に着けている服を見下ろす。
シェアトの服装が前回までと違うのはもちろん気付いていた。
前までは水の王国の学舎の制服である、全身を覆う黒いローブだった。
しかし今は桃色のワンピース仕立てで、肩から二の腕部分が大きく開き、胸元も少なからず見え、スカート丈が短い故に、編み上げブーツの上から覗く膝頭から太腿の半分以上が露出している。
サーペンのシンボルカラーである黒はどこにあるかというと、中指に指輪を嵌めて留める手袋のみだ。
「随分と寒そうな格好だね」
薄着の自分が言うのもどうかと思うが、学生服と比べるとあまりにも差がありすぎて、思わず口が滑る。
「私もそう思ったんだけど、天子様が『サーペンよりも寒い国は無いのだから、これくらいが丁度良いのじゃ』て。それに一応、使者としての制服らしいけど……」
「嘘でしょ」
最後の言葉は流石に即答で斬る。
「やっぱり、そうだよね」
苦笑気味に言うシェアトを見て、その時のやりとりが何となく目に浮かぶ。
完全に天子様の趣味だろうな。シェアトが断れるわけ、ないもんな。
「じゃあ、シェアトが風邪を引く前にさっさと出るとしようか」
思わずボレアリスも苦笑してそう言うと、シェアトも大きく頷いたので、早々に宿を出る事にした。
†
「次は何処の国へ行くの?」
首都ルーハクを出てしばらくしてからシェアトが尋ねる。
「雷の帝国に行こうと思ってる。風の王国はいつでも行けるし、火の帝国は……もう少し時間が欲しい」
「そっか……。カメロパダリスはサーペンの同盟国ね。あそこは機械科学が発達した先進国で、サーペンもいくつかその恩恵を受けているわ」
気を使ったのか、聞いてもいないのにシェアトは国の説明をしてくれた。
本当に優しいな。
「そういう話は、仲間を迎えに行ってからまた聞かせてよ」
「仲間?……ああ、そういえば、連れがいるって言ってたね」
最初シェアトは小首を傾げるが、すぐに理解した。
「そう。私と同じで、あの事件の生き残り。私よりも少し年下だから、あの日の事はほとんど覚えてないけどね。私も一ヶ月近く会ってないんだ。今はあの洞窟で一人修行を……?」
そう指差す先の光景に違和感を覚えた。
小高い丘にある洞窟から、幾筋の煙が上がっている。
「煙、だよね?あそこにいるの?」
シェアトもそれに気付き、そう尋ねてくるが、ボレアリスも答えられなかった。
薪にしては煙が多い。あいつが何かしてるのか?
煙で結びついたのは火。そして、グラフィアスの存在。
そう思案を巡らせていると、洞窟から轟音と共に何十羽もの鳥が飛び出してきた。
「様子がおかしい。行こう!」
シェアトを見る事なく言い放ち、一目散に駆け出した。
雪がひどく降り積もり、何日か外に出られなかったが、国からの使いが誰も来ないという事は、シェアトがまだ迷っているという事だろう。
……退屈だな。
自分から待つと言った手前、いつ来るとも知れない者をひたすらに待つというのは、なかなかの苦痛を伴う。
どこか他に行く所があるなら良いが、秘湯に行く以外は特に用も無い。
ルクバットの修行報告も、一週間程前から止めている。
ツグミ達が、彼の言葉を聞き取れるようになってきたと聞き、ここから先は次に会った時の楽しみにしようと決めたからだ。
「もうピスケスに入ったし、会いにいけるまであと数日の辛抱、かな?」
待つと決めたシェアトの誕生日がいつかまでは聞いていなかったので、あまり確証の無い希望を抱いて部屋から窓の外を眺める。
ここ数日で雪の量はだいぶ減ったが、今も断続的に雪が降り続き、美しい銀世界を創りあげている。
風の王国なら、もう花が咲く頃だな。
ぼんやり思うのは、故郷の景色。
グルミウムでももちろん雪は降るが、基本的にアクエリアスまでで、仮にピスケスに降ったとしても積もる事は無い。
今頃は草花が花開き、蜜蜂達が花の蜜を求めて忙しなく動き回る。
そして、桜の花びらやタンポポの綿毛が風と共に舞い踊り、鳥達が唄を添える。
その光景は、今でも変わらない。
最初の数年は廃墟同然だったが、聖霊や元素に還った、エラルドが率いる近衛師団の化身達が国を守り、育ててくれたおかげで、草花はその命を根強く広げていった。
グルミウムはまだ生きている。人さえ入れば、必ず芽吹く。死なせたりは、しない!
「―壊ソウ」
「……っ!?」
突如、頭の中で狂気に満ちた声が囁く。
自身の中に宿る、蒼龍の声だ。
普段はノトスが抑えてくれているおかげで大人しくしているが、時々嘲笑うかのように隙を突いて現れる。
「此処ハ生命ニ満チ溢レテイル。ウヌニハ似合ワヌ。サア、壊ソウ。我ニ身ヲ委ネ、共ニ楽シモウ……」
「う、るさい。黙れ……!」
常に破壊を求める蒼龍は、永久の闇へ引きずり込もうと甘く囁きかけてくる。
「今は……お前に、用は無い」
だから、失せろ……!
口には出せず、心の中で叫び、必死に抵抗する。
「ボレアリスさん!?」
突然、今此処に居るべきではない人間が声を挙げた。
「しぇ、あと……」
まずい、こんな時に……。
「どうしたんですか?どこか具合でも……」
そう身を案じてくれるのは嬉しいが、今はただ煩わしいだけだ。
思わず、壊してしまいたくなる程に。
落ち着け……。自分に、負けるな!
「だい、じょうぶ」
駆け寄ろうとするシェアトを片手で制し、気を静める事に専念する。
幸いにも、蒼龍の狂気は薄れ始めており、溢れんばかりの破壊衝動も数秒のうちに無くなった。
「……ふぅ」
一度、大きく息を吐くと、いつもの体調に戻ったのが感じとれた。
「本当に大丈夫ですか?医者に診てもらった方が良いんじゃ」
「ああ、うん。平気だよ。よくある発作だから。もう治ったし」
そう適当に誤魔化すが、シェアトはまだ心配そうな顔を浮かべていて、強引に話題を変えた。
「それより、何しにここへ?」
「……先日の使者の件ですが、最初の予定通り、私に決まりました。お待たせして、すみません」
シェアトはまだ納得出来ていないようだったが、そう答えてくれた。
「そう。決めたんだね。覚悟は出来た?」
「正直、覚悟はまだ出来ていません。だけど、あれから色々と考えたんです。沢山の本を読み返したり、家族と話し合ったり。でも、どんどん自分の気持ちが分からなくなっちゃって……。だから、一度考えるのは止めました。それで、何日かいつも通り過ごしていたら、ある思いに気付いたんです。……学びたいって」
口を挟まずにいると、シェアトは先を続けた。
「世界には、私の知らない事がたくさんある。本を読むだけじゃなくて、自分の足で歩いて、目で見て、身体全体で感じないと気付けない物が無限に広がっている。旅の危険性を考えるとやっぱり怖いけど、恐れてばかりでは何も得られない。……この気持ちを母に話したら、いってらっしゃいって、笑顔で言ってくれたんです。こんな理由であなたの使者になるのはおかしいかもしれないけれど、それでもどうか、私を一緒に連れて行って下さい。お願いします!」
深々と頭を下げるシェアトからは、相当の熱意と覚悟が伺え、ボレアリスは思わず笑みを零した。
「お願いするのはこっちの方だよ。危険な旅なのに、引き受けてくれてありがとう。これからよろしくね、シェアト」
「はい、よろしくお願いします!」
彼女に見えるよう左手を差し出すと、シェアトはぱっと顔を上げて両手で握り返し、満面の笑みで答えた。
ボレアリスも微笑み返し、ずっと気になっていた事を話題にする。
「よし、それじゃもう止めようか。敬語」
「え?」
きょとんとするシェアトを見る限り、あまり自覚していなかったようだ。
「これから一緒にあちこち回るのに、敬語じゃ堅苦しいからね。それに私の方が年下だし。名前もアリスで良いよ。仲間はそう呼んでくれてる」
「え、と……じゃあ……よろしく、アリス」
多少なりとも戸惑いがあったようだが、それでもシェアトは照れくさそうに、はにかみながらそう言った。
「うん。よろしくね、シェアト」
「なんだか、急だと照れるな」
「すぐ慣れるよ。ところで、もう出発しても良いのかな?王宮に寄った方がいい?」
「あ、ううん。天子様にはもう挨拶してきたから。行っても多分、取り次いでもらえないと思う。それに、こんなの戴いちゃって……」
と、恥ずかしそうに身に着けている服を見下ろす。
シェアトの服装が前回までと違うのはもちろん気付いていた。
前までは水の王国の学舎の制服である、全身を覆う黒いローブだった。
しかし今は桃色のワンピース仕立てで、肩から二の腕部分が大きく開き、胸元も少なからず見え、スカート丈が短い故に、編み上げブーツの上から覗く膝頭から太腿の半分以上が露出している。
サーペンのシンボルカラーである黒はどこにあるかというと、中指に指輪を嵌めて留める手袋のみだ。
「随分と寒そうな格好だね」
薄着の自分が言うのもどうかと思うが、学生服と比べるとあまりにも差がありすぎて、思わず口が滑る。
「私もそう思ったんだけど、天子様が『サーペンよりも寒い国は無いのだから、これくらいが丁度良いのじゃ』て。それに一応、使者としての制服らしいけど……」
「嘘でしょ」
最後の言葉は流石に即答で斬る。
「やっぱり、そうだよね」
苦笑気味に言うシェアトを見て、その時のやりとりが何となく目に浮かぶ。
完全に天子様の趣味だろうな。シェアトが断れるわけ、ないもんな。
「じゃあ、シェアトが風邪を引く前にさっさと出るとしようか」
思わずボレアリスも苦笑してそう言うと、シェアトも大きく頷いたので、早々に宿を出る事にした。
†
「次は何処の国へ行くの?」
首都ルーハクを出てしばらくしてからシェアトが尋ねる。
「雷の帝国に行こうと思ってる。風の王国はいつでも行けるし、火の帝国は……もう少し時間が欲しい」
「そっか……。カメロパダリスはサーペンの同盟国ね。あそこは機械科学が発達した先進国で、サーペンもいくつかその恩恵を受けているわ」
気を使ったのか、聞いてもいないのにシェアトは国の説明をしてくれた。
本当に優しいな。
「そういう話は、仲間を迎えに行ってからまた聞かせてよ」
「仲間?……ああ、そういえば、連れがいるって言ってたね」
最初シェアトは小首を傾げるが、すぐに理解した。
「そう。私と同じで、あの事件の生き残り。私よりも少し年下だから、あの日の事はほとんど覚えてないけどね。私も一ヶ月近く会ってないんだ。今はあの洞窟で一人修行を……?」
そう指差す先の光景に違和感を覚えた。
小高い丘にある洞窟から、幾筋の煙が上がっている。
「煙、だよね?あそこにいるの?」
シェアトもそれに気付き、そう尋ねてくるが、ボレアリスも答えられなかった。
薪にしては煙が多い。あいつが何かしてるのか?
煙で結びついたのは火。そして、グラフィアスの存在。
そう思案を巡らせていると、洞窟から轟音と共に何十羽もの鳥が飛び出してきた。
「様子がおかしい。行こう!」
シェアトを見る事なく言い放ち、一目散に駆け出した。
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