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イルドダス
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「あの、賢者さま」
「ん?」
「昨日の小屋、賢者さまも住んでいたんですか?」
エルフの集落を探すべく、イルドダスの森に入ってから暫くして、ラーシュがそう尋ねてくる。
「どうしてそう思うんだい?」
「いや、あの……賢者さまに似た人の絵も、あったので……。ごめんなさい」
聞いてはまずかったと思ったのか、最後にそう付け足す。
聞かれた私としては、そんな絵残ってたかな?と思案していただけなので、可哀想な事をした。
「別に謝らなくてもいいよ。君の言う通り、私も少しの間だけど、あそこに住んでいたよ。子供の頃にね」
「じゃあ、あの絵の人に恋をしたというのは、賢者さまのお父さん?」
「いいや。彼は私の師匠だよ。魔法について教えを受けていたんだ」
「賢者さまのししょー!強い?」
昨日、特急で作製した抑制剤の効果でいつもの調子に戻ったカメリアが聞いてくるが、私は笑って首を横に振る。
「いやいや、それが全く。神の御業が扱えるという事以外は、てんで駄目だったよ。私に魔法を教えてくれたのは、あそこに並んでいた魔導書だったよ。そんなだから、国からもぞんざいな扱いを受けてしまったんだろうね」
本来は重宝されるべき存在だが、癒やし手として以外の取り得を持たない彼は、魔王との抗争時、最前線で回復士として魔力が枯れるまで働かされ、あっという間に見放された悲しき男だった。
私が彼についたのは、そんな枯れた後の状態で、魔法を教わるなんて事は無かった。
「……賢者さま?」
「っと。ごめんごめん。感傷に浸っている場合じゃないね。とりあえず今は、ラーシュの事について話そうか」
ほんのちょっぴりナーバスになったが、今は目の前の問題を片付けるのが先だ。
「ラーシュはエルフについてどれだけの事を知ってるのかな?」
単刀直入に尋ねる。
今から行くのはエルフしかいない集落。
母親に会いたいという理由で目指してはいるが、今まで人間である父親と生きてきた彼にとってそこは、未知の世界に等しいかもしれない。
ラーシュもそれを自覚してか、浮かない表情で答える。
「それが、あんまり……。父さんも、あまり知らないみたいで」
「なるほど。だとするとエルフの住む世界は、君にとって生きにくい場所かもしれない。彼らは元々、外界との交流を求めない種族だからね。正直、ハーフエルフの君を受け入れてくれるかどうかも分からない」
「僕は、どうしたら良いんでしょう?」
「それを決めるのは君だ。母親と共に暮らしたいのであれば、認めてもらえるよう努力するしかないし、顔を見るだけでいいのなら、その後は一人で生きたって良い」
彼にも時間は沢山ある。
何をどうするかは、自分自身で決めれば良い。
その時、不意にカメリアが話の輪に加わってきた。
「カメリア達と一緒じゃダメなの?」
「ん?」
フェロモンの効果は関係無しに、カメリアはラーシュの事を気に入っているようだ。
私は純真無垢な瞳を向けてくる彼女を見て、伝える。
「そういう訳にはいかないよ。それにカメリア。私達だって、ずっと一緒にいるわけじゃないんだよ?」
「え、賢者さま。カメリアとバイバイするの?」
「いずれはね。でもそれはまだ先の話だよ。とりあえず今は……」
「やだ!カメリア、賢者さまのヨメだもん。ずっと一緒にいるもん!」
「カメリア……」
しまったな。余計な事を言った。……というより、嫁の意味分かってたのか。
そんな事よりも、イヤだイヤだと私のローブの裾を千切れんばかりに引っ張って駄々を捏ねるカメリアを宥めるのが先だ。
「わ、分かったら。私が悪かった。カメリアとは離れないよ」
「……ほんと?」
じ、と疑わしい目で見つめられるとついたじろいでしまう。
「ああ、約束するよ」
君が旅立つ、その日まではね。
心の中でそう付け加え、彼女の頭を優しく撫でる。
「さあ、もう行こう。森の中は暗くなるのが早い」
カメリアの手を引き、私達は再びエルフの住む場所を探す。
「……あ、あそこ」
イルドダスの森を適当にさ迷って半日程経った頃、不意にラーシュがとある空間を指差した。
「なんだか、景色がぐにゃぐにゃしてます」
彼がそう示す場所は、私の目からではなんの変哲も無い木々の間だった。
「カメリア。あそこから何か匂うかい?」
「……ううん。なんにも」
カメリアに尋ねてみても同様の答えで、ラーシュにしか認識出来ていない。
「ふむ。どうやらあそこが入口ではあるみたいだけど、私達は歓迎されていないようだね」
近くへ行って手を伸ばしてみるも、温度の変化も何も感じない。
「どうやら私達はここまでみたいだ。結界が見えたと言うことは、君の母親はこの向こうにいるよ」
「この先に……」
「行くかい?」
「……はい。せっかく、連れてきてもらいましたから」
ほんの少しだけ考えた後、ラーシュは力強く頷く。
「ん、分かったよ。それじゃあラーシュ。君に私から、最後の忠告をしておこう」
「忠告、ですか?」
「ああ。君はエルフであり人間でもある。一方、この向こうにいる者は全員、ただのエルフだ。彼らは人間を恐れている。故に君を恐れるかもしれない。もしかしたら母親に出会う事なく、追い出されるかもしれない。酷い目にあうかもしれない。何が起きても君を守ってくれる人はいない。君を守れるのは、君自身だけだ。怖いかもそれないけれど、勇気を持って進むんだよ」
ほとんど脅しのような激励。
ここまで連れてきてなんだが、エルフとの交渉諸々全てをラーシュ一人でやらなければならない為、私に出来るのはこんな言葉を掛けてやる事だけしかない。
それを理解したラーシュは、私の言葉を噛み締めるように深く頷いた。
「……分かりました。賢者さま、短い間でしたが、ここまで連れてきてくださり、ありがとうございます」
「ラーシュ……」
名残惜しそうにカメリアが声をかければ、ラーシュは笑って彼女の頭を撫でる。
「カメリアも。僕を見つけてくれてありがとね。君がいなかったら、僕はまだ鎖に繋がれたままだったよ」
「また会える?」
「うん。いつかまた会おう」
「……うん!」
ぶんぶんと、何度も力強く頷くカメリア。
そんな彼女を私が静かに引き寄せれば、ラーシュは決意の籠もった表情で結界の入口に立つ。
「それじゃ、行ってきます」
「ああ。お母さんと仲良くね」
「はい!」
私達に背を向け一歩踏み出せば、彼の身体は半分消え、エルフの森へと進んで行く。
「ラーシュ!」
「あっ」
堪えきれなくなったカメリアが飛び出し、ラーシュを引き留めようとするが、彼の身体は彼女から逃げるように結界の中へ消え、空を掴んだカメリアは勢いそのままに地面へと倒れ込んでしまう。
「大丈夫かい?私達がついていくのは無理なんだよ」
私はカメリアを抱き起こし、顔や身体についた土や汚れを払う。
エルフの結界は他者を拒む。
例え私でも、招かれていない限り中へ入るのは不可能だ。
「……賢者さま」
「うん?」
ローブの、出来るだけ綺麗な部分でカメリアの汚れた顔を拭っていると、彼女の瞳から零れる涙でそれが湿る。
そしてカメリアは、思いも寄らない言葉を口にする。
「カメリアのおかーさんも、どこかにいるのかな?」
「…………」
突然の質問に、言葉が詰まる。
「カメリア、昔のこと、あんまり覚えてなくて。みんなといた頃は、おとーさん、いたと思う。でも、おかーさんは分からない」
ラーシュの母親探しに刺激されたカメリアが、記憶に無い母親の像を求めている。
カメリアの母親は人間だ。
コボルトの産まれる特性上、それは間違いない。
けれど、その母親がどういった人物で、現在どうしているかなど、私も知る由も無い。
おそらく、既にこの世には存在していないだろうという憶測しか立たない。
私はカメリアにどう答えていいのか分からなず、暫く無言で彼女の顔を拭い続ける。
「……カメリア。私にも、君の母親の事は分からないんだ。ごめんよ」
結局、そう謝るので精一杯だった。
そう答えられると分かっていたのか、カメリアは何も言わない。
だから私はもう一言付け足す。
「でもね、私がカメリアと出逢った日の事は、ちゃんと覚えているよ」
「……カメリアと?」
「ああ。カメリアは覚えているかい?」
「うん……まっしろいせかいだった」
ぽつりと答えるカメリアに、私は微笑みかける。
「そうだね。あの日は、随分と雪が積もっていたものね」
カメリアと出逢ったのは、一昨年のとある雪の日だ。
「ん?」
「昨日の小屋、賢者さまも住んでいたんですか?」
エルフの集落を探すべく、イルドダスの森に入ってから暫くして、ラーシュがそう尋ねてくる。
「どうしてそう思うんだい?」
「いや、あの……賢者さまに似た人の絵も、あったので……。ごめんなさい」
聞いてはまずかったと思ったのか、最後にそう付け足す。
聞かれた私としては、そんな絵残ってたかな?と思案していただけなので、可哀想な事をした。
「別に謝らなくてもいいよ。君の言う通り、私も少しの間だけど、あそこに住んでいたよ。子供の頃にね」
「じゃあ、あの絵の人に恋をしたというのは、賢者さまのお父さん?」
「いいや。彼は私の師匠だよ。魔法について教えを受けていたんだ」
「賢者さまのししょー!強い?」
昨日、特急で作製した抑制剤の効果でいつもの調子に戻ったカメリアが聞いてくるが、私は笑って首を横に振る。
「いやいや、それが全く。神の御業が扱えるという事以外は、てんで駄目だったよ。私に魔法を教えてくれたのは、あそこに並んでいた魔導書だったよ。そんなだから、国からもぞんざいな扱いを受けてしまったんだろうね」
本来は重宝されるべき存在だが、癒やし手として以外の取り得を持たない彼は、魔王との抗争時、最前線で回復士として魔力が枯れるまで働かされ、あっという間に見放された悲しき男だった。
私が彼についたのは、そんな枯れた後の状態で、魔法を教わるなんて事は無かった。
「……賢者さま?」
「っと。ごめんごめん。感傷に浸っている場合じゃないね。とりあえず今は、ラーシュの事について話そうか」
ほんのちょっぴりナーバスになったが、今は目の前の問題を片付けるのが先だ。
「ラーシュはエルフについてどれだけの事を知ってるのかな?」
単刀直入に尋ねる。
今から行くのはエルフしかいない集落。
母親に会いたいという理由で目指してはいるが、今まで人間である父親と生きてきた彼にとってそこは、未知の世界に等しいかもしれない。
ラーシュもそれを自覚してか、浮かない表情で答える。
「それが、あんまり……。父さんも、あまり知らないみたいで」
「なるほど。だとするとエルフの住む世界は、君にとって生きにくい場所かもしれない。彼らは元々、外界との交流を求めない種族だからね。正直、ハーフエルフの君を受け入れてくれるかどうかも分からない」
「僕は、どうしたら良いんでしょう?」
「それを決めるのは君だ。母親と共に暮らしたいのであれば、認めてもらえるよう努力するしかないし、顔を見るだけでいいのなら、その後は一人で生きたって良い」
彼にも時間は沢山ある。
何をどうするかは、自分自身で決めれば良い。
その時、不意にカメリアが話の輪に加わってきた。
「カメリア達と一緒じゃダメなの?」
「ん?」
フェロモンの効果は関係無しに、カメリアはラーシュの事を気に入っているようだ。
私は純真無垢な瞳を向けてくる彼女を見て、伝える。
「そういう訳にはいかないよ。それにカメリア。私達だって、ずっと一緒にいるわけじゃないんだよ?」
「え、賢者さま。カメリアとバイバイするの?」
「いずれはね。でもそれはまだ先の話だよ。とりあえず今は……」
「やだ!カメリア、賢者さまのヨメだもん。ずっと一緒にいるもん!」
「カメリア……」
しまったな。余計な事を言った。……というより、嫁の意味分かってたのか。
そんな事よりも、イヤだイヤだと私のローブの裾を千切れんばかりに引っ張って駄々を捏ねるカメリアを宥めるのが先だ。
「わ、分かったら。私が悪かった。カメリアとは離れないよ」
「……ほんと?」
じ、と疑わしい目で見つめられるとついたじろいでしまう。
「ああ、約束するよ」
君が旅立つ、その日まではね。
心の中でそう付け加え、彼女の頭を優しく撫でる。
「さあ、もう行こう。森の中は暗くなるのが早い」
カメリアの手を引き、私達は再びエルフの住む場所を探す。
「……あ、あそこ」
イルドダスの森を適当にさ迷って半日程経った頃、不意にラーシュがとある空間を指差した。
「なんだか、景色がぐにゃぐにゃしてます」
彼がそう示す場所は、私の目からではなんの変哲も無い木々の間だった。
「カメリア。あそこから何か匂うかい?」
「……ううん。なんにも」
カメリアに尋ねてみても同様の答えで、ラーシュにしか認識出来ていない。
「ふむ。どうやらあそこが入口ではあるみたいだけど、私達は歓迎されていないようだね」
近くへ行って手を伸ばしてみるも、温度の変化も何も感じない。
「どうやら私達はここまでみたいだ。結界が見えたと言うことは、君の母親はこの向こうにいるよ」
「この先に……」
「行くかい?」
「……はい。せっかく、連れてきてもらいましたから」
ほんの少しだけ考えた後、ラーシュは力強く頷く。
「ん、分かったよ。それじゃあラーシュ。君に私から、最後の忠告をしておこう」
「忠告、ですか?」
「ああ。君はエルフであり人間でもある。一方、この向こうにいる者は全員、ただのエルフだ。彼らは人間を恐れている。故に君を恐れるかもしれない。もしかしたら母親に出会う事なく、追い出されるかもしれない。酷い目にあうかもしれない。何が起きても君を守ってくれる人はいない。君を守れるのは、君自身だけだ。怖いかもそれないけれど、勇気を持って進むんだよ」
ほとんど脅しのような激励。
ここまで連れてきてなんだが、エルフとの交渉諸々全てをラーシュ一人でやらなければならない為、私に出来るのはこんな言葉を掛けてやる事だけしかない。
それを理解したラーシュは、私の言葉を噛み締めるように深く頷いた。
「……分かりました。賢者さま、短い間でしたが、ここまで連れてきてくださり、ありがとうございます」
「ラーシュ……」
名残惜しそうにカメリアが声をかければ、ラーシュは笑って彼女の頭を撫でる。
「カメリアも。僕を見つけてくれてありがとね。君がいなかったら、僕はまだ鎖に繋がれたままだったよ」
「また会える?」
「うん。いつかまた会おう」
「……うん!」
ぶんぶんと、何度も力強く頷くカメリア。
そんな彼女を私が静かに引き寄せれば、ラーシュは決意の籠もった表情で結界の入口に立つ。
「それじゃ、行ってきます」
「ああ。お母さんと仲良くね」
「はい!」
私達に背を向け一歩踏み出せば、彼の身体は半分消え、エルフの森へと進んで行く。
「ラーシュ!」
「あっ」
堪えきれなくなったカメリアが飛び出し、ラーシュを引き留めようとするが、彼の身体は彼女から逃げるように結界の中へ消え、空を掴んだカメリアは勢いそのままに地面へと倒れ込んでしまう。
「大丈夫かい?私達がついていくのは無理なんだよ」
私はカメリアを抱き起こし、顔や身体についた土や汚れを払う。
エルフの結界は他者を拒む。
例え私でも、招かれていない限り中へ入るのは不可能だ。
「……賢者さま」
「うん?」
ローブの、出来るだけ綺麗な部分でカメリアの汚れた顔を拭っていると、彼女の瞳から零れる涙でそれが湿る。
そしてカメリアは、思いも寄らない言葉を口にする。
「カメリアのおかーさんも、どこかにいるのかな?」
「…………」
突然の質問に、言葉が詰まる。
「カメリア、昔のこと、あんまり覚えてなくて。みんなといた頃は、おとーさん、いたと思う。でも、おかーさんは分からない」
ラーシュの母親探しに刺激されたカメリアが、記憶に無い母親の像を求めている。
カメリアの母親は人間だ。
コボルトの産まれる特性上、それは間違いない。
けれど、その母親がどういった人物で、現在どうしているかなど、私も知る由も無い。
おそらく、既にこの世には存在していないだろうという憶測しか立たない。
私はカメリアにどう答えていいのか分からなず、暫く無言で彼女の顔を拭い続ける。
「……カメリア。私にも、君の母親の事は分からないんだ。ごめんよ」
結局、そう謝るので精一杯だった。
そう答えられると分かっていたのか、カメリアは何も言わない。
だから私はもう一言付け足す。
「でもね、私がカメリアと出逢った日の事は、ちゃんと覚えているよ」
「……カメリアと?」
「ああ。カメリアは覚えているかい?」
「うん……まっしろいせかいだった」
ぽつりと答えるカメリアに、私は微笑みかける。
「そうだね。あの日は、随分と雪が積もっていたものね」
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