【BL】異世界転移したら猫獣人の国でした〜魔石食べたらチートになりました〜

アベンチュリン

文字の大きさ
38 / 53

猫又②

しおりを挟む
 しばらくお世話になるので、早起きをして朝食を用意する。これぞ日本の朝食!な献立だ。囲炉裏端でいただく。

「おめぇ日本からの転生者だろう?」
 
「え!何で、……あ……和食か……」

「俺も此処の生まれじゃねぇからな」

 ぼそりと呟いて、それ以上は言及されなかった。



「師匠とお呼びして良いですか?」

「おう!好きに呼んでくれや」

 師匠は食後のお茶を啜りながら話し出す。

「略奪のスキルには何が必要だと思う?」

「ん──、……技術とか?」

「必要なのは『人となり』だ。要は気に入られなきゃテイムも略奪もできねぇ。どんなに強力な魔力で無理矢理しても、長くて1年契約出来るかどうかだ。契約を破棄すると従魔は代償を支払う必要がある。代償を払ってでもお前にテイムされたいと思わせる技量が必要だ。 隷従れいじゅうの首輪って言うチートアイテムもあるが、ありゃ良くねぇ。いわば奴隷だ」

 奴隷という言葉に、尻尾はピンと立ち、顔を歪めてしまった。

「とりあえず魔獣でも怪物でも妖精でもいい、100種テイムしてみろ。一種一種、性質も性格も全然違ぇからな。そうして己のカリスマ性を磨きあげりゃいい。おめぇの親父なんかは魔獣が好き過ぎて『この人なら大切にしてくれるかも』って魔獣から寄って来たぞ、アレも一種のカリスマだな」

 父の様子が目に浮かんで、思わず口元がほころぶ。

「この辺りの山はアジア系の怪物しかいねぇから、他の場所に転移しても良いぞ。転移魔法は使えるか?何処に行ってもわかるように探知魔法もかけたからな」

「ありがとうございます、頑張ってみます」

      ☆

 まずは近場の山中を散策する。

 サササササッと草葉をすり抜ける音がして、見返ると人面の大きな土蜘蛛がいた。
 気持ち悪かったが、すぐにテイムできた。下級魔獣は念話は出来ないのでそのままテイムできるが、中級以上は念話が出来るので交渉可能だ。

 進んでいくと池があり、河童が水浴びをして岸に座り込んでいた。河童は中級だ、話しかけてみよう。

〈初めまして河童さん、唐突でごめんね。僕の従魔になって欲しいんだ〉と丁寧に懇願すると。

〈やーだよ〉と言い捨て、河童は池に飛び込んだ。

 ハッハッハッと高笑いが聞こえて振り返ると、師匠が横腹をはたきながらキセルを咥え直して、一服吐き出す。

 し、師匠が見てる。このまま諦めるわけにはいかない。

〈河童さ~ん!ゲームしない?〉池に向かって大きな声を出す。

〈何のゲーム?〉河童が水面から顔を出し訊く。

〈水鉄炮を遠くに飛ばしたほうが勝ちだよ!僕が勝ったら従魔になってくれる?〉

〈水鉄炮!?やるやる!……んー、万が一負けたらその時は従魔になるよ〉

 水鉄炮のやり方を教えて勝負をする。1本、2本と負け続いて、……最後の5本目も負けた。

…………無理。河童の水かきは高性能過ぎた。涙目の僕を見た河童は。

〈なーんか、面白い奴だから従魔になってやってもいいよ〉フフンと鼻をならす河童。

〈ありがとう~〉と涙、鼻水を垂らしたまま河童に抱きつく。

〈わー!抱きつくなよ、なんか色々つくじゃんよぉー〉



 一部始終眺めていた師匠が「おめぇは、お人好し過ぎるな。……なんで魔法をつかわなかった?」

「あっっ!そうか……」バツの悪そうな顔になる。

 大きく溜め息をついた師匠は「おめーさんはよぉ、色気もカリスマ性もないが、人の良さだけは随一だ。
お前の武器は『泣き落とし』だな」

 え!?それって武器になるの?

「まあ精進しろや」師匠は何処かに消えてしまった。

 それから天狗のおじい様と力比べをしたり、神獣白澤様には従魔になるのは戦争が終わるまででいいのでと哀願した。
 この山付近のアジア系魔獣は50種に届かず場所を変えて、やっと100種テイム出来た頃には一週間が過ぎていた。



「鑑定」師匠は低い声音で唱えて、難しい顔で確認する。

「ん……、おう!100種確認できたぞ、お疲れさん。これで修行はお終いだ」笑みを浮かべて僕の肩を叩く。



「師匠!一週間お世話になりました」

「おう!おとこをあげて来いよ、ネルザンドを頼んだ。俺もこの場所で応戦するぜ」

 出立の時、火打石で切り火を切り「ご武運を!」威勢の良い師匠の声が響いた。
 
 そうして僕は茅葺き屋根を後にした。




 


 



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

魔王に転生したら、イケメンたちから溺愛されてます

トモモト ヨシユキ
BL
気がつくと、なぜか、魔王になっていた俺。 魔王の手下たちと、俺の本体に入っている魔王を取り戻すべく旅立つが・・ なんで、俺の体に入った魔王様が、俺の幼馴染みの勇者とできちゃってるの⁉️ エブリスタにも、掲載しています。

触手生物に溺愛されていたら、氷の騎士様(天然)の心を掴んでしまいました?

雪 いつき
BL
 仕事帰りにマンホールに落ちた森川 碧葉(もりかわ あおば)は、気付けばヌメヌメの触手生物に宙吊りにされていた。 「ちょっとそこのお兄さん! 助けて!」  通りすがりの銀髪美青年に助けを求めたことから、回らなくてもいい運命の歯車が回り始めてしまう。  異世界からきた聖女……ではなく聖者として、神聖力を目覚めさせるためにドラゴン討伐へと向かうことに。王様は胡散臭い。討伐仲間の騎士様たちはいい奴。そして触手生物には、愛されすぎて喘がされる日々。  どうしてこんなに触手生物に愛されるのか。ピィピィ鳴いて懐く触手が、ちょっと可愛い……?  更には国家的に深刻な問題まで起こってしまって……。異世界に来たなら悠々自適に過ごしたかったのに!  異色の触手と氷の(天然)騎士様に溺愛されすぎる生活が、今、始まる――― ※昔書いていたものを加筆修正して、小説家になろうサイト様にも上げているお話です。

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

【完結】異世界転移で落ちて来たイケメンからいきなり嫁認定された件

りゆき
BL
俺の部屋の天井から降って来た超絶美形の男。 そいつはいきなり俺の唇を奪った。 その男いわく俺は『運命の相手』なのだと。 いや、意味分からんわ!! どうやら異世界からやって来たイケメン。 元の世界に戻るには運命の相手と結ばれないといけないらしい。 そんなこと俺には関係ねー!!と、思っていたのに… 平凡サラリーマンだった俺の人生、異世界人への嫁入りに!? そんなことある!?俺は男ですが!? イケメンたちとのわちゃわちゃに巻き込まれ、愛やら嫉妬やら友情やら…平凡生活からの一転!? スパダリ超絶美形×平凡サラリーマンとの嫁入りラブコメ!! メインの二人以外に、 ・腹黒×俺様 ・ワンコ×ツンデレインテリ眼鏡 が登場予定。 ※R18シーンに印は入れていないのでお気をつけください。 ※前半は日本舞台、後半は異世界が舞台になります。 ※こちらの作品はムーンライトノベルズにも掲載中。 ※完結保証。 ※ムーンさん用に一話あたりの文字数が多いため分割して掲載。 初日のみ4話、毎日6話更新します。 本編56話×分割2話+おまけの1話、合計113話。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

竜の生贄になった僕だけど、甘やかされて幸せすぎっ!【完結】

ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。

【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました

ざっしゅ
BL
異世界に転移してから一年、透(トオル)は、ゲームの知識を活かし、薬師としてのんびり暮らしていた。ある日、突然現れた洞窟を覗いてみると、そこにいたのは冷酷と噂される騎士団長・グレイド。毒に侵された彼を透は助けたが、その毒は、キスをしたり体を重ねないと完全に解毒できないらしい。 タイトルに※印がついている話はR描写が含まれています。

処理中です...