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神獣国②★

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 観光から帰った僕達は来賓の間の、一番奥の離れに戻った。
 屋敷前でアレクシスはセオに何かを耳打ちして「それでは、また明後日に」と笑みを残して去っていった。

 外装は豪奢な白地に金色で統一されている。屋敷の内装は白地の壁紙に金箔で様々な神の姿絵の紋様が押してあった。
 リビングのテーブルや椅子などは白に金細工を施した猫足のアンティーク家具で揃えられている。ドア横には白いペガサスの跳ね馬像が置かれている。

 寝室にはパステルピンク色の毛足の長い絨毯に、まるでメリーゴーランドのような丸い天蓋付きベッドは、かぜん白地に金細工が施されている。リネンはパステルパープル色でハート型の枕が二つ……ユニコーンの背中に大理石が乗ったサイドテーブルがある……メルヘンだ。

 過密なスケジュールに疲弊してリビングで紅茶を頂きながらくつろいだ。

      ⭐︎

 バスルームは全面白く、バスタブは大きく猫足のついた白の陶器製で、真鍮製の天使の飾り蛇口がついている。
 
 二人で入浴をする。湯けむりの中、ドキドキしながらセオの彫刻のように引き締まった躯体を眺めていると早々と洗身洗髪を済ませ、ふふっと微笑み、頬に軽くキスを落とし「先に出る」と行ってしまった。

 以前なら何度も何度もキスをして、のぼせるくらい触れ合っていたのに……。素っ気ない態度に寂しく思い、倦怠期が来たのだろうかと不安に飲み込まれそうになりながら風呂から上がると……。

 寝室はきつい花の香りが充満していた。なんだこれ……、と思いながらも浴後のケアと明日の準備をしていると、顔や体が熱くなり、だんだんと息が荒くなる。

 頭がくらくらしてきて、ふと体が傾げた時だった。

 セオが咄嗟に支えてくれたのだが、彼も顔は紅潮し、紺青色の瞳は充血して表情は恍惣としていた。

「な…にか、し……たで……しょ」息があがって上手く口が回らない。

「媚薬……を、……ごめん、もう我慢出来ない」

 セオに横抱きされベッドに連れていかれ降ろされる。
 僕を見下げバスローブを脱ぎ捨てて、鍛え抜かれて引き締まった躯体が露わになる。

「大丈夫、この離れは防音の魔法がかかっているらしい」

 心配しているのはそこじゃない、まずは変な薬じゃないかとかでしょ、危機管理がなってない!いくら友好国だと言ったって、仮にも王子なのに……。さっき耳打ちしていたのはこの事だったのか。倦怠期どころか楽しみにしてたのかな……。嬉しいけど複雑。

 何か文句を言い返したくても、口がパクパク動くだけで声が出ない。

 息つく間もなく、口を塞ぐように濃厚なキスで、またたく間に舌が口内を蹂躙する。

「んっ……、ふッ……。はぁ」

 鼻で呼吸をするも苦しい。酸素が足りない、……圧倒的に酸素が足りない。高所に、媚薬に、息が出来ない程のキスーー
 
 もうギブ、降参ですという意味で背中を叩いてもやめてくれない。

 追い討ちで、いいかげんにしろ!と言わんばかりに猫爪で思い切り背中をひっ掻いた。

 やっと唇を離してくれた。

「い……きが、……でき……ない」息も絶え絶えに訴える、がニヤリと含み笑いで返される。

 あっという間に裸にされて、ドクドクと脈打つ中心を扱かれる。

「んっ、……ンッ」

 体中の血流が良くなっているせいで、余計に感じやすい、そんなに激しくされたら……。

「ひゃあ!」
 
 亀頭から雁首、裏筋へと蕩けるような熱い舌で丹念に舐め始める。

 気持ちいい……けど、僕も舐めたい。……ん!?僕まで思考がおかしくなってきた……。好きがあふれて止まらない……セオを食べちゃいたい……脳内が混沌とする。

 体を半回転して横向きになり、セオの大きく反り立った屹立を、裏筋から雁首は襞の隙間も満遍なく舌を入れ、亀頭は軽く甘噛みをするとセオの吐息が溢れて、滲んだ先走りを舐め取った。

 先端の割れ目を穿るように、ちろちろと丁寧に舐めると、扇状的な喘ぎ声が聞こえてきた。

 セオもいつもより感じやすいのかな?

 そうこうしている間に、セオの指が窄まりに宛てがわれ、するりと奥まで挿ってくる。香油であろう香りが混ざる。

 コリコリとした感じやすい場所をすぐに見つけ弄られる。ピリピリとした快感が背中を駆け抜け、仰け反る。

「んーー、はぁ……」

 後孔は指をきゅうきゅうと締め付けセオが欲しいと、ねだっているようだ。

 顔を覗き込み「エロいな……、早くお前の中に入りたい」欲情にまみれたセオの表情にゾクッと背筋が震えた。

 コクコクと頷くと、宛てがわれた陰茎が肉壁を押し広げ最奥まで貫いた。

「あぁ、ん……」

 常は馴染むまで待つが、欲しくて堪らなくなり。

「もう動いて……も……平気」

「今日は優しく出来ない……かも……」

 室内に腰を打ちつける音が鳴り響く……。

 本当に外に聞こえてないのだろうか?

 腰を揺さぶられ、激しく突き上げられる。

「アッ……ああ、…………アアッ!……ん」
 
 喘いだ咆哮が止まらない。

 高みが一気に押し上げられ、白濁を放った。

 呼吸を整えてぐったりしていると、腰を掴んで裏返され四つん這いで再び挿入される。僕の中のセオはまだ先程の質量を保ったままだった。

「もうちょっと付き合って……」と耳元で囁くと再びストロークが始まる。

「や、……もう!イッたってばぁ」

 背後から再び注挿が繰り返される。途中、胸の尖りを弄られたり、尻尾の付け根をトントンされたり強く押されたりするたび、きゅうきゅうと僕の中が収縮を繰り返す。

 快楽から逃げようとする腰を掴み、更に奥まで突き上げられ、身体中の熱が中心に集まってくる。終わらない絶頂に頭がおかしくなりそうだ。

 こんなに長く激しい注挿は猫型でした時以来だ。

 さらに律動は激しさを増し、力が入らなくなり額をシーツに押し付け、上半身はだらしなく身を投げると先程弄られた胸の尖りや亀頭はシーツに擦れて、さらに官能の熱は高みへと誘う。

「あんッ……ああぁ!……もう……でちゃう」

「おれ……も……」

 二人で絶頂へと登り詰めた時、僕だけいつもとは違う透明な液体が 迸ほとばしった。

       ⭐︎

 事後も、意識が戻ると媚薬の香を鼻腔が嗅ぎ入れる度、お互いの官能の熱が再燃して、朝影が差し込む頃まで悦楽に耽った。



 泥のように眠ったあと、正午ごろ目を覚ますと体中を疼痛が走った。
 枕元を見ると、元凶である媚薬の香が灰と化して横には香炉の蓋があった。
 
 僕の掌は順に、頭を抱えて猫耳を塞ぎ、顔を覆った。そうだ、蓋を閉じれば良かったのかぁ~~と項垂れた。明日から修行なのに満身創痍でいいんだろうか……。
 
 深い眠りから覚めない王子様を横目に、いつものようにシーツに散乱している、体から排出された魔石を回収すると、一部分シーツが濡れていて昨夜の惨状を思い出す。

 …………そうですよね、 透明な液体おもらしは魔石化しないんですね……。 空虚を感じて嘆息を漏らす。掃除するメイドを気の毒に思いチップとしてメッセージとともに魔石を置いた。



 

 






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