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第弍部ーⅤ:二人で歩く

195.紫鷹 はじめてのおつかい

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「日向さんに、おつかいを頼みたいんだけど、良いかしら、」
「おつかい、」

母上の寝室で、日向とともに朝食を摂っていると、母上が言う。
俺の膝の上で母上の蜜柑の皮を剥こうと奮闘していた日向は、驚いたのだろう。動きを止めると、きょとんと目を丸くして固まった。

「今日の午後に紫樹(しじゅ)さんが来るとお話したのは、覚えてる?」
「しおうの、姉上、」
「そう。紫鷹さんのお姉様が帰ってくるから、お出迎えの支度をしたいの。でも、私はこの通りでしょう?だから、代わりに日向さんにお買い物をしてきてほしいのよ、」
「かわり、おかいもの、」

小さな手の中から、ぼたぼたと蜜柑の汁が垂れるが、日向に気にする余裕はなかったらしく、ズボンに蜜柑色のシミが次々できる。
どうした、と覗き込むとすごい顔だ。
白目がなくなって黒目ばかりの困惑顔。ぎゅっと眉を寄せて口もへの字に結ぶものだから、神楽に使う鬼面が思い出された。

「…僕?」
「ん。俺には日向に頼んだように聞こえたけど、」
「しおう、じゃなくて?」
「俺は別の支度があるからなあ、」
「みかん、できないのに?」
「皮は剥けただろ。手、離してごらん。潰れちまう、」
「ご飯も、こぼした、」
「でも、他は全部食べただろ、」

母上の世話がうまくできなかった、と自分では思ってるんだよな。
俺も母上も日向は十分すぎるほど、良くやってくれていると思っているが、日向は皆のようにできない自分をなかなか認められない。
それなのに、母上に頼み事をされて戸惑ったんだろう。
大きな黒目が解けたかと思うと、今度は泣き出しそうな顔になって、そわそわと体が動き出した。

戸惑いと、不安と、葛藤。
色んなものが、日向の体から溢れてくるのを、触れた場所で感じる。
でも、その中に、小さな期待が混じっているのが、俺には分かったよ。それがだんだんと大きくなっていくのも。

「……僕で、いい?」
「うん、俺は忙しいから、日向が頼まれてくれると助かるけど、」
「僕、すみれこさまの、おつかい、できる?」
「日向さんがしてくださると、とても助かります、」
「僕…!」

次の瞬間、膝の上の小さな体が跳ね上がって、床へと飛んでいくから思わず笑った。

「僕、やる!すみれこさまの、おつかい、僕がやる!」

今の今まで胸の中を占めていただろう困惑を放り投げて、日向は母上のベッドへと飛びついていく。
母上が、お願いしますね、と笑うと、蜜柑だらけの両手を振り回すものだから、あちこちに飛び散って汚れた。
だが、日向はもうそんなもの見えやしない。

「僕の、おつかい!すみれこさまが、僕に、頼む!しおうじゃな、くて、僕!」

おつかいが何かも知らないくせにな。
水色の瞳をキラキラと輝かせて、日向は踊った。

お陰で、部屋中、蜜柑まみれだよ。
後で掃除が大変じゃないかとは、頭をよぎった。
だが、部屋の主も、掃除をする侍女たちも、ニコニコと奇妙な踊りを眺めるだけだ。
だから俺も、へんてこな喜びの舞を眺めて、声を立てて笑った。



日向の夏休みを充実させてやろうとは、母上と話し合った決め事だ。

だが、母上が倒れて以来、日向の不安が強くなっているのも事実で、おそらく日向は、母上のことは気にせず遊んでおいでと言ったところで、できない。
実際、寝る前はほとんど泣き通しで今日も目元が真っ赤だし、起きてからも母上の元へ行きたがって、朝食は共に摂ることになった。さらには朝食が運ばれてきた後も、自分の食事は放って、母上の世話をするんだと蜜柑に飛びつく始末だ。

多分、無理に引き離せば日向の不安を煽る。
俺でさえ、日向と一緒に夏休みを満喫してほしいと母上に言われても、素直に受け入れるのが難しかったんだから、日向なら尚更だろう。

だから、日向には理由をつけてやろうと、母上と話した。
それで「おつかい」を企てたわけだが。


「あおじは、おさいふ。おさいふの中は、おかね。おみせに行ったら、白茶を探して、おかねと交換。おかねと交換は、おかいもの!」
「ええ、その通りです。白茶の他には、何を頼まれたか、覚えていますか、」
「はなやに行って、むくげを買う、」
「はい。紫樹殿下のお花です。綺麗な紫色の花が咲きますから、一番元気なのを選んで買ってくださいね、」
「一番、元気。わかった!」

青空(そら)の言葉を復唱した日向は、勢いよく東(あずま)へ飛びついて行って、早く行こうと大はしゃぎだ。
抱き上げられた後も、あっち、あっち、と目的の西庭を指して身を乗り出し、腕からこぼれ落ちそうな勢いで東を急かす。危ないから大人しくしてくださいと叱られて少し落ち着きはしたが、それでも込み上げる喜びを抑え切れないのか、体はあちこちに揺れて忙しなかった。

「おつかい!僕が、すみれこさまの、おつかい!」

部屋を出た後は、すれ違う人間に片っ端から自慢して回る。
それで、偉いですね、と褒められれば自慢げに腹を反らし、頑張ってください、と応援されると東の腕の中で飛び跳ねて喜びを表現した。多分、あれは踊ってるんだろう。財布を振り、頭をふり、くねくねと体を振るのが、遠目にもおそろしく可愛かった。

だからこそ、俺の心中は複雑だ。

「何で東だ、俺でいいだろう、」
「それじゃあ、おつかいにならないじゃないですか。殿下じゃなくて、日向様に頼まれた、と言うのが大事なのに、」
「俺が日向を手伝うってことで、いいだろ、」
「殿下はすぐに手出しするから、ダメなんですよ。日向様も、殿下がいると甘えてしてもらおうとするところがありますし、」

日向を部屋から送り出した後、俺と共に日向の後を追った青空が言う。
日向に「一人でできた、」と思わせたいと言うのが青空の主張だ。東がいるなら、一人じゃないだろうと反抗してみたが、東は日向の手足だから、そこは問題じゃないと一蹴された。むしろ、日向は東に対しては見栄を張るところがあるから、ちょうどいいらしい。

だからって、日向の初めてのおつかいを、こそこそと隠れてつけ回すだけだなんて悔しすぎる。
おつかいを初めて依頼するのは母上に譲ったんだ。せめて、おつかいそのものは付き添わせろ。

「……殿下って、本当、日向様のことになると、気持ち悪くなりますね、」
「はあ?」
「今はまだ良いですけど、日向様も少しずつ自律心が芽生えているところなんですから、あんまり束縛して嫌われても知りませんからね、」

青空の冷ややかな視線がチクチクと痛かったが、見なかったことにして日向の後を追った。
気持ち悪くったって何だって、俺は日向の初めてが全部欲しいんだ。なのに依頼も、付き添いも他に奪われる。悔しいったらないだろ。
だからせめて、日向の後ろをつきまとってでも、初めての瞬間を見逃すまいと必死に足掻いているんだ。放って置いてくれ。

大体、俺にはああだこうだ言うくせについてくるのは、青空だって日向のおつかいを見届けたいからだろう?
さっきから、可愛い日向を一目見よう、あわよくば自慢されようとうろついている使用人や草たちもそうだ。普段は、俺や母上の生活を邪魔しないよう風景に溶け込むように働く使用人たちが、今日はやたらと自己主張が強い。草なんて、隠密行動が基本だろう。それが廊下のど真ん中で井戸端会議をする目的は、日向以外にない。

日向相手には、俺も青空も使用人も草も、離宮中が気持ち悪くなるんだ。諦めろ。


「おみせ、」


そんな阿呆な言い合いをしているうちに、西庭の扉をくぐった日向は声を上げた。
普段は庭園が広がる場所に、小さな町並みができているのを見て驚いたのだろう。小さな口をぽかんと開いて、庭を見つめたまま固まる。

すごいだろ?
離宮の職人たちが、一晩で作り上げたんだ。
日向の買い物の練習だと言ったら、意気揚々と小屋を立て装飾を施し、内装も立派に設えて、あっという間に小さな通り一つ分の町並みが完成だ。
帝国最高峰の技術が、日向のためだけに惜しみなく注がれた。


だから、日向が歓声を上げて喜ぶのを期待したんだけどな。
おつかいを頼まれた時のように舞い踊るか、浮かれて兎のようにぴょんぴょん跳ね回るか。

ーーーだが、日向が見せたのはどちらでもなかった。

「……おつかい、」
「……怖かったら、抱っこしますけど、」
「だいじょぶ、できる、」
「初めてですから、無理しなくていいんですよ、」
「無理、ちがう。やるから、あずま、言わない、」

そうは言うくせに、絞り出した声は硬くて、離れていても日向が怯えているのが分かる。
東が地に降ろせば一歩は踏み出したものの、それ以上は躊躇われたのだろう。踏み出した形のまま固まっていた。

馬車の中から街を眺めた時は、馬車が揺れるほど飛び跳ねて楽しそうだったのにな。
作り物とは言え、初めて踏み出す町は、怖いか。

「足、行く。言うこと聞いて、」

焦った日向が、ばんばんと足を叩き出すものだから、東が止めた。
簡単に腕を押さえられ、抱きかかえられそうになって、日向は暴れる。

「……まだ、駄目ですよ、」
「分かってる、」

柱の陰から飛び出しそうになるのを青空に咎められたが、分かってはいるよ。
本当なら今すぐ駆けて行って、抱き上げてやりたい。だから体は無意識に動くし、握った拳に力がこもる。
だが、柱の影から見守る役目を言い渡された理由を、忘れた訳じゃない。

これは、日向のおつかいだ。


「僕は、代わり。すみれこさま、の、おつかい。できる、だいじょぶ、」


暴れたお陰で、動くようになったのだろう。
東が押さえる手を緩めると、日向は固まった足を持ち上げるように踏み出した。
何かを跨ぐように膝を高く上げて歩くのは、まだ足が竦むせいだろうか。腫れは引いたがまだ痛みは残る足だ。おかしな歩き方をしてまた酷くしないかと不安が過ぎる。

だが、一歩は二歩になり、三歩になって、日向は歩んで行った。

「あおじは、さいふ。さいふのおかねで、白茶を買う。むぐげも買う。買ったら、届けて、すみれこさまは、元気、」

調子はずれの歌を歌うように小さく繰り返すのは、自分を鼓舞するためか。


自分が母上の役に立つんだ。世話をするんだ。
元気にするんだ。
だから、やるんだ。


いつもそうだな、とその歌を聴いて思う。
自分だって不安なのに、俺が泣くときは自分が抱きしめるんだと言って、譲らなかった。
泣き虫で怖がりで、自分の不安だってうまくは処理できないくせに、いつもそうやって自分の足で一生懸命に歩こうとする。

日向は抱っこされるのが好きだし、まだ抱っこが必要だけど、抱かれるだけの子じゃないと、俺は知ってるよ。
青空もそうだと分かるから、おつかいを日向に任せようと言ったんだと思う。

「足、行って。あれがおみせ。もうちょっと、」

遠目にもぷるぷると震えるのが分かる。
だが、転ばないように気を配るだけで、東が手を出さないのも日向を信じているからだろう。

10メートルもない店までの短い距離を、たっぷり時間をかけて日向は進んだ。
途中、地団駄を踏むように足踏みしたが、恐怖も不安も全部歌って吐き出すとまた歩き出す。同じ場所から動けなくなる度に、動け、動け、と足に叫んで暴れるから、あっという間に汗だくだ。
本当は泣きたいだろうに、目に力をこめて堪えているから、顔はずっと鬼のような形相だったな。
店の扉の前に立った時は、小さく丸くなって、うずくまりもした。

だが、何度も何度も葛藤して、最後には必ず立ち上がる。

「すみれこさま、のおつかい。白茶は、どれ、」

飛びこんで行った店内で、日向は店主に白茶が欲しいと言えた。
初めてみる店の様子に驚いて、白茶を包むのを待つ間は、棚と棚の間に隠れて縮こまりもしたが、支払いの段には自分から出てきて財布を開く。
不器用な手で小銭を掴み、一個、二個、と数えながら、言われた通りの代金を自分で出した。途中で落とした小銭を拾おうとして、財布の中身を全部ぶちまけた時はさすがに焦ったよ。だが、泣きそうになるのを鬼のような形相で堪えて、東と店主と一緒に拾えたのは偉かった。

「はい、確かにお代をいただきました、」
「白茶、買った?」
「ええ、お買い上げいただきましたよ、」

「僕が、買った、」

包みを抱えて店を出てきた時の日向の顔は、一生忘れないと思う。

堪えていたものが全部こぼれて、汗と涙と鼻水でぐちゃぐちゃだ。それなのに、満足げに腕の中の包みを見下ろしていた。
蕩けるような水色が綺麗で、俺は見惚れたよ。

その瞳が、迷うことなく俺を見る。

「しおう、できた、」

建物の陰に隠れていたから、姿は見えないはずなのにな。
まあ、気配に聡い日向に隠し通せるとは端から思っていないが。

俺を見て、もぐもぐと口を動かした後、あはっ、っとぐちゃぐちゃの顔で笑う。
青空に襟首を捕まえられていなかったら飛び出してたよ。
それくらい可愛くて、綺麗で、愛しい笑顔だった。

日向も多分、俺が我慢できずに飛び出してくるのを期待したんじゃないかな。少し首を傾げて眉を下げるのが、俺の心臓を射抜いて鼓動を早くさせる。

「僕、できた、よ。おつかい、」
「……まだ、槿(むくげ)が残ってるだろ、」
「そうだった、」
「終わったら、ご褒美をやるから、あと少し頑張れるか、」
「ごほうび、」
「ブランコでも、すべり台でも何でも、」
「しおうが、一緒に、やる?」
「そ。俺がやってやる、」
「わかった!」

まだいろんなものを垂れ流しているのにな。
さっきまでの不安や怯えも何もかもなかったかのように、小さな体が飛び跳ねる。

「おつかい!」

その途端に、閉め忘れた財布から小銭が溢れて転がるから、俺もさっきまでの焦りや心配はすっかり忘れて笑った。




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