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第弍部ーⅤ:二人で歩く
189.藤夜 皇子と襲撃とデートの予定
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「浅はかだよなあ…、」
馬車の外の喧騒に慌てる様子もなく、窓の外を眺めて紫鷹が呟いた。
「馬車を狙ったところで、傷一つつかないのにな、」
「うん、まあ、そうなんですけど。一応、窓からは離れてくださいね、」
「日向の加護もあるのにかあ?さっきお前も感じてたろ。尼嶺の王子の魔法、完璧に遮断してた、」
呑気なことを言うけどなあ。
一応襲撃を受けたわけだから、多少は危機感を持ってほしい。
とりあえず、楽観的な皇子を窓から引き離し、両側を俺と楽駄(らくだ)で固めてから、カーテンをきつく閉じた。
襲撃を受けたのは、金剛宮の外宮を出て、半色乃宮へとしばらく走った頃だ。
ちょうど神殿の守護が及ぶ範囲を出た辺りだから、間違いなく待ち伏せしていたのだろう。
先の会議で、尼嶺の王子が要求を通せず退けられたから、その意趣返しだろうか。にしては、手が早いとは思う。
その一方で、これほど正確に紫鷹の馬車が通過するのを把握しているとなると、会議の関係者か、それに繋がる者がやはり疑わしい。
いずれにしても、襲撃の手が紫鷹に届くことはなかった。
先行していた草が異常を察して知らせていたし、警護も抜かりはない。その上、馬車にも同行の者にも、堅固な守りが施されていたから、襲撃の手が紫鷹どころか警護の者へ届くことさえなかった。
結果、離宮へ帰る足を止めることもなく、喧騒も今はずいぶんと遠くに聞こえるばかりだ。
「ひなの加護の威力は、理解してるよ。あれはいいね、心地よかった、」
「だろ?日向のやつ、あちこち歩き回って色々やらかすから、俺は笑いを堪えるのが大変だったよ、」
「……それは、お前だけだと思うが、」
「へえ、」
ひなの加護についてはまだ未知数の部分もあるが、萩花(はぎな)と共に研究した那賀角(なかつの)によれば、加護の顕れ方は一人ひとり違うらしい。
つい先刻、外宮で尼嶺の王子と対峙した時も、ひなの加護は顕れていたが、俺が見たのは紫鷹とは異なる光景だ。
延々と続く藤棚と、ほのかに香る藤の香り。
俺の勘違いでなければ、あれは実家近くの藤棚だ。
幼少から、俺が一番心安らぎ落ち着く場所だった。
その光景と、香りが、尼嶺の王子の態度と魔法に荒ぶる心をしんっと鎮める。
おそらく、その人の魂が最も安らげる形をとると言うことだろう。
その形がひなだと言うなら、隣に座った男は、いよいよ魂までひなに染まっているのかと呆れる。
「日向のお陰で想定より随分早く帰れるな。あいつ、そろそろベッドに飽きて、そわそわし出してるんじゃないかな、」
呆れた傍から始まった。
この男の頭の中は、つい数十分前の協議も、たった今起こった襲撃も抜け落ちて、ひなしかない。
「日向のやつ、わんわん泣くから何かと思ったら、俺とデートがしたいんだと。」
「……行きの馬車でも散々聞きましたけど。忘れたか、」
「忘れてないけど、聞けよ。あいつ、完全に小説の王子と令嬢がやったのがデートだと思い込んでて、それができないと嫌だって言うの。物語のデートなんて夢物語だろ、馬鹿々々しいとは思うんだけどな。日向の願いだし?ある程度はその通りにしてやってもいいかなって思うんだよ、」
ごそごそと懐を探るから何かと思えば、ひながいつも読んでいる本が出て来る。確か、ときめきの練習をすると言い出した頃にひなの友人が贈った。
「ひなの本だろ、それ、」
「日向の物に手は出さないよ。でも、日向がやりたいデートと言うのを学んでやる必要はあるだろ、」
つまりは、緊迫した会議の裏側で使いを走らせ、手に入れたわけだ。
普段は何事も面倒くさがるくせに、ひなのこととなるとどうしてこうも手際がいいんだ。
先ほどの会談でも感じたが、この馬鹿皇子はひなと言う理由さえ与えてやれば、帝国一の皇子になれるんじゃないだろうか。
「王子が令嬢を迎えに行った後、二人は庶民の服に着替えて、町に繰り出したらしい、」
「護衛なしでは無理だからな。たった今襲撃にあったばかりなのに、ひなをそんな危険に晒せない、」
「分かってるよ。町に出るのは日向も初めてだ。多分、見知った顔があった方がいい。だから相談してるんだろ。協力しろって、」
馬鹿は馬鹿なりに考えているようで、護衛の配置やひなの服装、訪ねる店の候補まで色々と上げて来る。
たまたま立ち寄った店で買ったものを王子と令嬢が贈り合ったところ、お揃いになったというのがひなの一番のお気に入りらしい。それだけは何としても実現してやらねばならないと、紫鷹は意気込んだ。
「そのためにも、まずは日向に買い物が何かを教えなきゃいけないんだが、」
「確かに、」
「小説の中では、購入した、とあるだけで具体的なやり取りがないんだよ。日向にはまず分からない。せっかく町に出るなら、買い物はさせてやりたいだろ、」
「そうだな、」
小さな財布を握りしめて、ほくほく顔で買い物をするひなが浮かんだ。
あるいは初めての買い物に緊張して今にも泣きだしそうな顔かもしれない。
どちらにしろ、ひなには貴重な体験になることは確かだ。離宮で暮らす分にはひな自身の手で買い物をする機会は数えるほどしかないだろうけど、ひなはきっと初めて買い物ができたことに大喜びするだろう。
そう思ったら、途端に紫鷹の計画に乗ってやろうと言う気が沸いた。
「利狗(りく)の領地から出てる店がありましたよね。木工細工が有名だし、玩具も作ってるから、ひなは気に入ると思うけど、」
「ああ、いいな。ついでに新学期に向けて日向が気に入るものがあれば、揃えたい、」
「俺としては近くの書店にも連れて行ってやりたいんだけど。ひな自身に絵本を選ばせてやったら喜ぶんじゃないかな、」
「喜ぶのは確実だが……動かなくなるだろうなあ、」
「初めてなんだから、いくつも見るより、一つか二つゆっくり回る方が、ひなには良いと思うけど?」
「まあ、そうか、」
「買い物の練習は、ひなのためだと言えば侍女も騎士もいくらでも付き合ってくれるでしょう。帰ったら早速話そう、」
多分、数日中には裏庭か西庭辺りに、仮設の商店街が設けられるんじゃないだろうか。
侍女や騎士が商人に扮して、ひなの買い物を見守る。
俺や紫鷹が幼少の頃にもそんなことをしてくれた記憶があるから、きっとお手の物だ。
ひながトコトコと商店を練り歩いて目を輝かせる―――そんな姿を想像して、一日も早くその姿が見たいと思った。
同時に、俺も大概紫鷹のことは言えないなあ、とも思ったが。
思ったところで止める気はなく、店やひなに見せてやりたい場所の候補を散々提案してやった。
お陰で、襲撃があったことなど、ほとんど思考の外だ。この馬車が、つい先刻、重大な会議を終えて帰る帰途だと言うことも、少し忘れた。
紫鷹はどうだっただろう。
「…日向が、自分は自由じゃないとか言うんだ、」
間もなく離宮と言うところで、そんなことを呟いたから、忘れてはいなかったのかもしれない。
「不自由なのは確かだとしても、もう日向は自由だろ。何とかして、それを自覚させてやりたい、」
そのために、ひなを尼嶺から引き離すための会議だった。
その目的を忘れず、理性を持っていかれることもなく紫鷹はよく闘った。たまには手放しで褒めてやっても良いんじゃないかとは思うよ。
婚約が済み、婚姻が成れば、ひなは尼嶺から解き放たれ自由だ。
だから、「デートの最後は丘の上で、夕暮れの町を見下ろしながら口づけだと、」と鼻の下を伸ばした紫鷹のことは、見て見ぬふりをしてやった。
馬車が離宮の門をくぐり、車寄せにたどり着く。
離宮の警備が万全なのは確かだったが、すぐにもひなの元へと駆けようとする紫鷹を押しとどめ、先に降りて安全の確認はした。
帰って来た、と言う安心感を感じたから、いくらか緊張はしていたのだろう。
あるいはひなの癒しの魔法が、ここまで届いているのかもしれない。
だが、同時に不穏な空気も感じた。
あくまでいつも通りの穏やかな離宮の奥から、静かに出てくるのは、晴海(はるみ)の元で動く草だ。
「殿下はご無事ですか、」
「つつがなく。何かありましたか、」
「殿下、」
俺には頷くだけで答えて、草の声と視線は馬車の中に向かう。
「董子殿下が、」
ああ、ひな。ごめんね。
もうちょっとだけ、紫鷹は帰れそうにない。
馬車の外の喧騒に慌てる様子もなく、窓の外を眺めて紫鷹が呟いた。
「馬車を狙ったところで、傷一つつかないのにな、」
「うん、まあ、そうなんですけど。一応、窓からは離れてくださいね、」
「日向の加護もあるのにかあ?さっきお前も感じてたろ。尼嶺の王子の魔法、完璧に遮断してた、」
呑気なことを言うけどなあ。
一応襲撃を受けたわけだから、多少は危機感を持ってほしい。
とりあえず、楽観的な皇子を窓から引き離し、両側を俺と楽駄(らくだ)で固めてから、カーテンをきつく閉じた。
襲撃を受けたのは、金剛宮の外宮を出て、半色乃宮へとしばらく走った頃だ。
ちょうど神殿の守護が及ぶ範囲を出た辺りだから、間違いなく待ち伏せしていたのだろう。
先の会議で、尼嶺の王子が要求を通せず退けられたから、その意趣返しだろうか。にしては、手が早いとは思う。
その一方で、これほど正確に紫鷹の馬車が通過するのを把握しているとなると、会議の関係者か、それに繋がる者がやはり疑わしい。
いずれにしても、襲撃の手が紫鷹に届くことはなかった。
先行していた草が異常を察して知らせていたし、警護も抜かりはない。その上、馬車にも同行の者にも、堅固な守りが施されていたから、襲撃の手が紫鷹どころか警護の者へ届くことさえなかった。
結果、離宮へ帰る足を止めることもなく、喧騒も今はずいぶんと遠くに聞こえるばかりだ。
「ひなの加護の威力は、理解してるよ。あれはいいね、心地よかった、」
「だろ?日向のやつ、あちこち歩き回って色々やらかすから、俺は笑いを堪えるのが大変だったよ、」
「……それは、お前だけだと思うが、」
「へえ、」
ひなの加護についてはまだ未知数の部分もあるが、萩花(はぎな)と共に研究した那賀角(なかつの)によれば、加護の顕れ方は一人ひとり違うらしい。
つい先刻、外宮で尼嶺の王子と対峙した時も、ひなの加護は顕れていたが、俺が見たのは紫鷹とは異なる光景だ。
延々と続く藤棚と、ほのかに香る藤の香り。
俺の勘違いでなければ、あれは実家近くの藤棚だ。
幼少から、俺が一番心安らぎ落ち着く場所だった。
その光景と、香りが、尼嶺の王子の態度と魔法に荒ぶる心をしんっと鎮める。
おそらく、その人の魂が最も安らげる形をとると言うことだろう。
その形がひなだと言うなら、隣に座った男は、いよいよ魂までひなに染まっているのかと呆れる。
「日向のお陰で想定より随分早く帰れるな。あいつ、そろそろベッドに飽きて、そわそわし出してるんじゃないかな、」
呆れた傍から始まった。
この男の頭の中は、つい数十分前の協議も、たった今起こった襲撃も抜け落ちて、ひなしかない。
「日向のやつ、わんわん泣くから何かと思ったら、俺とデートがしたいんだと。」
「……行きの馬車でも散々聞きましたけど。忘れたか、」
「忘れてないけど、聞けよ。あいつ、完全に小説の王子と令嬢がやったのがデートだと思い込んでて、それができないと嫌だって言うの。物語のデートなんて夢物語だろ、馬鹿々々しいとは思うんだけどな。日向の願いだし?ある程度はその通りにしてやってもいいかなって思うんだよ、」
ごそごそと懐を探るから何かと思えば、ひながいつも読んでいる本が出て来る。確か、ときめきの練習をすると言い出した頃にひなの友人が贈った。
「ひなの本だろ、それ、」
「日向の物に手は出さないよ。でも、日向がやりたいデートと言うのを学んでやる必要はあるだろ、」
つまりは、緊迫した会議の裏側で使いを走らせ、手に入れたわけだ。
普段は何事も面倒くさがるくせに、ひなのこととなるとどうしてこうも手際がいいんだ。
先ほどの会談でも感じたが、この馬鹿皇子はひなと言う理由さえ与えてやれば、帝国一の皇子になれるんじゃないだろうか。
「王子が令嬢を迎えに行った後、二人は庶民の服に着替えて、町に繰り出したらしい、」
「護衛なしでは無理だからな。たった今襲撃にあったばかりなのに、ひなをそんな危険に晒せない、」
「分かってるよ。町に出るのは日向も初めてだ。多分、見知った顔があった方がいい。だから相談してるんだろ。協力しろって、」
馬鹿は馬鹿なりに考えているようで、護衛の配置やひなの服装、訪ねる店の候補まで色々と上げて来る。
たまたま立ち寄った店で買ったものを王子と令嬢が贈り合ったところ、お揃いになったというのがひなの一番のお気に入りらしい。それだけは何としても実現してやらねばならないと、紫鷹は意気込んだ。
「そのためにも、まずは日向に買い物が何かを教えなきゃいけないんだが、」
「確かに、」
「小説の中では、購入した、とあるだけで具体的なやり取りがないんだよ。日向にはまず分からない。せっかく町に出るなら、買い物はさせてやりたいだろ、」
「そうだな、」
小さな財布を握りしめて、ほくほく顔で買い物をするひなが浮かんだ。
あるいは初めての買い物に緊張して今にも泣きだしそうな顔かもしれない。
どちらにしろ、ひなには貴重な体験になることは確かだ。離宮で暮らす分にはひな自身の手で買い物をする機会は数えるほどしかないだろうけど、ひなはきっと初めて買い物ができたことに大喜びするだろう。
そう思ったら、途端に紫鷹の計画に乗ってやろうと言う気が沸いた。
「利狗(りく)の領地から出てる店がありましたよね。木工細工が有名だし、玩具も作ってるから、ひなは気に入ると思うけど、」
「ああ、いいな。ついでに新学期に向けて日向が気に入るものがあれば、揃えたい、」
「俺としては近くの書店にも連れて行ってやりたいんだけど。ひな自身に絵本を選ばせてやったら喜ぶんじゃないかな、」
「喜ぶのは確実だが……動かなくなるだろうなあ、」
「初めてなんだから、いくつも見るより、一つか二つゆっくり回る方が、ひなには良いと思うけど?」
「まあ、そうか、」
「買い物の練習は、ひなのためだと言えば侍女も騎士もいくらでも付き合ってくれるでしょう。帰ったら早速話そう、」
多分、数日中には裏庭か西庭辺りに、仮設の商店街が設けられるんじゃないだろうか。
侍女や騎士が商人に扮して、ひなの買い物を見守る。
俺や紫鷹が幼少の頃にもそんなことをしてくれた記憶があるから、きっとお手の物だ。
ひながトコトコと商店を練り歩いて目を輝かせる―――そんな姿を想像して、一日も早くその姿が見たいと思った。
同時に、俺も大概紫鷹のことは言えないなあ、とも思ったが。
思ったところで止める気はなく、店やひなに見せてやりたい場所の候補を散々提案してやった。
お陰で、襲撃があったことなど、ほとんど思考の外だ。この馬車が、つい先刻、重大な会議を終えて帰る帰途だと言うことも、少し忘れた。
紫鷹はどうだっただろう。
「…日向が、自分は自由じゃないとか言うんだ、」
間もなく離宮と言うところで、そんなことを呟いたから、忘れてはいなかったのかもしれない。
「不自由なのは確かだとしても、もう日向は自由だろ。何とかして、それを自覚させてやりたい、」
そのために、ひなを尼嶺から引き離すための会議だった。
その目的を忘れず、理性を持っていかれることもなく紫鷹はよく闘った。たまには手放しで褒めてやっても良いんじゃないかとは思うよ。
婚約が済み、婚姻が成れば、ひなは尼嶺から解き放たれ自由だ。
だから、「デートの最後は丘の上で、夕暮れの町を見下ろしながら口づけだと、」と鼻の下を伸ばした紫鷹のことは、見て見ぬふりをしてやった。
馬車が離宮の門をくぐり、車寄せにたどり着く。
離宮の警備が万全なのは確かだったが、すぐにもひなの元へと駆けようとする紫鷹を押しとどめ、先に降りて安全の確認はした。
帰って来た、と言う安心感を感じたから、いくらか緊張はしていたのだろう。
あるいはひなの癒しの魔法が、ここまで届いているのかもしれない。
だが、同時に不穏な空気も感じた。
あくまでいつも通りの穏やかな離宮の奥から、静かに出てくるのは、晴海(はるみ)の元で動く草だ。
「殿下はご無事ですか、」
「つつがなく。何かありましたか、」
「殿下、」
俺には頷くだけで答えて、草の声と視線は馬車の中に向かう。
「董子殿下が、」
ああ、ひな。ごめんね。
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