第八皇子は人質王子を幸福にしたい

アオウミガメ

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第弐部-Ⅳ:尼嶺

168.紫鷹 壊れた鎧

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「…か、殿下、起きてください、」

体を揺すられ、意識が浮上する。
片目だけ薄く開くと、薄暗い部屋の中で弥間戸(やまと)が俺の顔を覗いていた。外もまだ暗い様子だ。起きるには早い。
俺が一度寝たらなかなか起きられないのは、長年世話をしてきた従僕なら知っているだろうに。

「……無理、寝る、」
「殿下、日向様が、」

すぐにもまどろみの中に沈んでしまおうとした。
だが、たった一言が俺の意識を覚醒させる。

そうだ、まだ暗い。
それなのに、いつも腹の上で寝ている日向がいなかった。
昨晩、就寝する時には腕の中にいたはずだ。指輪の騒動で疲れ切ってはいたが、俺の左手に指輪があることを確認すると、満足したように笑って眠りに落ちた。

「何で、」
「大丈夫です、お怪我などをされたわけではありませんから。ただ、しばらく前に起きていらして、ずっと落ち着かれないようで、」

跳ね起きてすぐにも駆けだそうとするのを、弥間戸に押しとどめられる。
多分、焦ってひどい顔をしていたんだと思う。落ち着け、と宥められた。

弥間戸の話では、随分前に起きた日向は一人で寝室を出て、しばらくは図鑑を広げたり字の練習をしたりして過ごしていたらしい。それ自体はいつものことだから、護衛たちも特に心配せずに扉の外から見守っていたのだろう。
それが突然、部屋の中を歩き出して落ち着かなくなった。
歩き回るのは、日向が不安になった時の癖だ。

「もう1時間ほど、歩かれていて、」
「はあ?何でもっと早く呼ばない、」
「日向様が拒まれていましたので、」

どういうことだ、と弥間戸を責めたくなる気持ちはあったが、とにかく日向だ。

寝間着の上に上着だけ羽織って寝室を出た。
扉を抜けるとすぐに、明るい部屋の中をひょこひょこと歩き回る小さな塊が見える。
それが日向だとはすぐにわかったが、異様な光景に固まってしまった。

部屋のあちこちに服が散らばっているのは何だ。
俺の紋が入っているから、日向の通学用の服か。その服が床やソファ、日向の遊び場にも散らばっていて、歩き回る日向がつまづかないように宇継(うつぎ)と官兵(かんべ)が拾って回っている。

くるくると忙しなく動き回る塊も、水色の寝間着が見えるから日向だと分かるが、異様だった。
なぜ頭から学院用の服を被っているのだろう。よくよく見たら、頭が帽子の形に膨らんでいるから、いつもの麦わら帽子を被っているのかもしれない。
垂れた服の裾からは、学院用の鞄とうさぎの人形を抱えているのが見えた。どちらもほとんど床に引きずっていて抱えきれていないが、気にする余裕もないのか、日向はそのままくるくると部屋の中を歩き回る。


何より、気配に聡いはずの日向が俺の気配に気づかないのは何故だ。


「日向、」


名前を呼ぶと、日向は今初めて俺に気付いたようで、驚いたように跳びあがった。ちょうど遊び場を歩いていたから、床に転がった玩具に足を引っかけて尻餅をつく。
慌てて駆け寄り抱き起こすと、頭から被った服の隙間から、驚いて丸くなった水色が俺を見上げた。

「しぉ、なん、で、」

何で、じゃないだろう。お前こそ、どうした。

抱き起した体が震えている。
いつものぷるぷるとした震えではなく、体全体ががくがくと揺さぶられるほど震えていて、一体どうしてこんなになっているんだと愕然とした。

「や、だ、」
「やだ、って何だ。震えているだろ。おいで、」
「行か、ない、一人で、できる。しおう、あっち行って、だいじょぶ、」
「日向、」
「できる、の!」

思いがけず拒絶されて困惑する。
それなのに、小さな手は俺の寝間着を握って離さないから、余計に混乱した。

抱き上げて膝の上に乗せても小さな体は抵抗一つしない。それどころか、頭は縋り付くように胸を押した。手も足も俺の体に巻きついて、そのままぐずぐずと泣き出す始末だ。

「できぅ、のに、」

いよいよ本格的に泣き出した日向の背中を擦ってあやしながら、嗚咽の合間に聞こえる訴えを聞いた。

昨日、仕事をすっぽかしたから、今日は頑張るつもりで準備したんだと。
言われて見ると、ソファの上には日向の仕事用の服が綺麗に置いてある。
だが、急に怖くなって何とかしようと一人で頑張ったらしい。
床に散らばった服や日向のおかしな格好は、その努力の末の結果だった。
印が欲しかったのか、と尋ねるとまたわんわん泣き出したから、そうだったんだろう。

「できぅ、と、ぉもった、のに、」
「…うん、」
「ぜんぶ、ゃっても、こぁいが、なくならなぃ、くて、」
「うん、」
「がまん、できなぃ、くて、」
「我慢なんてするなよ、」

真夜中に一人で葛藤していたんだと思うと、たまらなかった。
何でそんな我慢をするかなあ。

「我慢しないで、俺のとこにおいで。日向に起こされるなら何時だって構わない、」
「やぁだぁ、しおぉが、いたら、ぼくは、またなきむし、」
「俺だって嫌だよ、」

日向が泣き虫を卒業しようと頑張っているのは知っている。
その努力が愛しいし、成長していく日向を応援したいのも本心だ。だから、多少は目を瞑るけど、こんなになるまで我慢するのはダメだ。

正直なところ、日向がいきなり泣き虫を卒業するのは無理があると思っていた。
劣っているとは思わないが、未熟で、俺たちと同じようにできないのは仕方がない。
成長だって始まったばかりだ。それでなくたって傷が大きすぎて、今すぐに塞げるものでもない。この先、完全に癒える日が来るのかも分からない。
昨日だって、指輪一つで傷を広げてしまったんだ。

日向一人の努力で超えられるものじゃない。

だが、そう言ったところで、日向はきっと「できない」ことを責めるだろう。
そう思ったから、少し狡い手を使った。


「何で俺をのけ者にしようとするんだ。日向が俺を頼らないと、俺は寂しい、」


俺が寂しがったり、怖がったりしたら、日向は無碍にできないのを俺は知ってる。

「さび、しぃ、」
「そうだよ。日向の番いは俺だろう。怖いのも全部俺にくれるって約束したはずだ、」
「やく、そく、」
「朝起きて、一人で我慢してたんだって聞かされる方が俺は辛い。頼むから、勝手に独り立ちして俺を置いてけぼりにするな、」

「約束」も、俺が思う以上に重いと、昨日散々思い知らされた。
あんなに泣かせた俺がその約束を語るのは卑怯だと思う。
それでも壊れる程の我慢を日向にさせたくない。

視線を落とすと、服の隙間から覗く水色と目があった。
まだ涙は止まらないし、嗚咽を繰り返して言葉も上手くつなげないが、案の定、水色の瞳は俺を案じるように見上げる。

やさしいな。
こんなにボロボロになっても、日向はいつも俺が大事だ。
思えば、指輪が壊れて混乱したのだって、日向が俺とのつながりを大切に思っていてくれるからだ。
こんな風に一人で頑張るのも、俺に甘えれば強がれなくなると自覚しているから。

俺は、俺が思う以上に日向に執着されてる。
悪く言えば依存かもしれないが、寝起きの俺の馬鹿な頭は、それを愛だと思った。
そう思うと、急激に愛しさと弱みに付け込んだ申し訳なさが湧きあがって、たまらない。

「日向が頑張ってるのは分かるけど、俺と一緒に生きるんだろ。一人でやろうとしないで、俺んとこにきて。」
「いっしょ、」
「うん、お願い、」

腕の中で、時々しゃくりあげながら、小さな体がもがくのを感じた。
何となく、日向の中の葛藤がそのまま体に現れているのだと思ったが、馬鹿になった俺は、もう狡い手を引っ込められない。
お願い、と繰り返してもがく体を強く抱いて逃がさなかった。


「…………………わかった、」


散々苦悩した後、日向はようやく頷く。
ごめんなあ。

でも、腕の中の水色を見下ろすと、どこかほっとしたようにも見えたから、日向自身、甘えたくて仕方なかったのだろうと思う。

「次はちゃんと起こしてくれる?」
「……ぅん、」
「泣くのが嫌なら、泣きたくなるほど我慢するな。俺だって、日向が泣かずに済むならその方が良いよ。だから、怖くなったら、ちゃんと甘えな、」
「……うん、」

頭を撫でてやると、すりすりとすり寄って来たから、一応納得はしてくれたか、と安堵する。
こんな風に甘えてくれるなら、夜中に起こされたって構わない、と本気で思った。

朝までまだ時間がある。
俺の大事な番いを抱いて、もうひと眠りできるだろうか。

だが、日向がいくら甘えても、俺がいくら体を撫でても、日向の震えは治まらなかった。


「……震え、おさまらないなあ、」
「ごめ、ん、」
「いや、いいよ。何が怖いか、分かるか?
「……まちがい、」
「うん?」
「僕の、かんちがい。怖いは、何もない。だいじょぶ、僕がまちがった、」
「いや、何も間違ってないだろう。こんなに震えてるのに、」
「約束、はなくならない。僕は、いらなぃ、くない。だいじょぶ、わかる、だいじょぶ、」

「……なんの話だ、」

安堵したのも束の間、急激に背中が冷えていく。

そもそも何でこんなに怯えているんだ。
またいやな夢を見たか?しんどい記憶を呼び起こす何かに遭遇したか?
そう思案するが、同時に違和感も感じた。

焦って日向が頭にかぶった服と帽子を剥ぐ。
一瞬、日向の小さな手は奪われた服を追ったが、すぐに俺の寝間着にしがみついて、体を小さく丸くした。
その姿が、なぜか離宮に来たばかりの頃の日向とダブる。

何一つ安心できるものがなく、唯一見つけた隠れ場所で小さく丸まっていた。
食事で釣って隠れ家から引っ張り出した後も、こんな風に体を震わせていつも怯えていた。

言葉一つ出なかった頃の日向とは違う。
それなのに、あの頃に戻ってしまったような感覚が湧きおこって、冷たい汗が流れた。

既視感がある。
つい最近、同じような感覚を覚えた。
学院に通い出した頃、できない自分を突きつけられて隠れ家に困った時期があった。あの頃か?違う。
自分の価値を見失って、どこかに行きたいと全て投げ出しかけた時か?いや、もっと最近だ。

そう思って記憶の中を探ると、ふと工房の隅で指輪を守っていた姿が脳裏をよぎった。
昨日も、こんな風に背中を丸めて小さくなっていた。


「……指輪か?」


まさか、と思った。
大丈夫だった、と笑っていたはずだ。

だが、口をついて出た言葉に、小さく丸まった体は大きく跳ねてた。

「ちがう、まちがい、指輪は、直った、僕のかんちがい、」

そう言った傍から荒くなっていく呼吸に、確信してしまう。
昨日の指輪の混乱は、日向の中でまだ終わっていなかった。

「日向、」
「ちがう、だいじょぶ、まちがい、怖いは、ない、」
「間違いじゃないよ。指輪が壊れて日向が怖かったのは本当だろう、」
「まちがった、僕が、まちがって、勝手に、こわく、なった、」
「日向、間違いじゃない。なあ、ちゃんとこっち見て、」
「ごめ、ん、」

謝ったかと思うと、腕の中に抱いた体が大きく震えて、腹の中のものを吐き出す。
悲鳴を上げて宇継が駆け寄ってきたときには、日向はもう意識を失くして膝の上で震えるだけになった。
昨日、学院で壊れた指輪に混乱した時と同じように。


なぜ、と頭の中で嵐のように問う。


左手の薬指が熱かったから、本当は分かっていたかもしない。

日向の中で、指輪の混乱は終わっていなかった。
指輪は直ったし、約束がなくならないことも、分かってはいるのだろう。昨日、大丈夫だった、と笑った表情は本物だった。何より日向は嘘も取り繕うこともできないことを俺はよく知っている。
なら、なぜ。


間違い。勘違い。間違った。
日向はそう言ったけれど。


壊れた指輪を見た時に日向が感じた恐怖は本物だ。
たとえ指輪が直っても、その恐怖がなかったことにはならない。


指輪は約束だった。
日向が俺と一緒にいる約束。日向が尼嶺(にれ)に帰らない約束。
「いらない」と言われない印。
日向を恐ろしいものから守る鎧。
その全てが、あの瞬間に日向の中では壊れたんだ。
そして、戻らなかった。



「なんで、」


そのことに思い至らなかった。

意識を失くして尚、がくがくと震える体を抱いて、ただ茫然とその事実に打ちのめされるしかできなかった。





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