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第弐部-Ⅰ:世界の中の
87.紫鷹 居場所
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背中にピリッと刺すような痛みがあった。
同時に、腕に抱いた小さな体から、小さくうめくような声がする。
痛みはそのままに、背中を撫でて汗の滲んだ額に口付けてやると、少しだけ、日向の表情が穏やかになった。
いいよ、そのまま寝てな。
いくらでも俺にしがみついていいから、ちゃんと俺の腕の中にいて、眠っていてくれ。
「それで?兄上が何だって?」
再び規則正しい寝息を立て始めた日向の頭を撫で、毛布の中に納めて顔をあげる。
机の向こうで、従僕に案内されてやってきた使者が、呆然とこちらを見ていた。
何だ。婚約の噂を聞いた朱華(はねず)に送られて、探りに来たかと思ったが違ったか?俺よりひと回り以上年上だろう大人が、みっともない。
「こ、皇太子殿下の生誕の宴に、第八皇子殿下の参加を望むと。」
「俺は未成年皇族だ。宴への参加に強制力はないな、」
「は、はあ。ですが、尼嶺(にれ)と婚約を結ばれると聞きました。ぜひ、お披露目の機会にしていただきたく、」
「正式な婚約はまだだ。披露目には早い、」
「失礼ながら、尼嶺との交渉に苦慮されていると伺っております。皇太子殿下の生誕祭に、お相手をお連れになれば、内外に知らしめる良い機会ともなりましょう、」
「交渉は、皇帝陛下と第三妃殿下が成すところだ。兄上や貴殿が口出しするものではないだろう、」
皇帝陛下の御名に、使者がたじろぐ。
俺が未だ成年ではないからな。建前上、婚約を主導するのは、父上や母上だ。
俺は、その威光を存分に使わせてもらう。
だが、手ぶらでは帰れないのだろう。
尚も食らいつこうとする使者に、少しばかり感心した。さすが、兄上が送るだけのことはある。
「お言葉ながら、宮城には、いささか不安の声が上がっております。皇子殿下のご婚約は喜ばしくはありますが、何せご婚約者様は、帝国へいらしてから、一度も社交の場にはおいでになられません、」
「王子もまだ成年ではないからな、その必要はない、」
「しかし、留学と伺っておりますが、学院にも姿を見せぬとあれば、どのようなお人柄か拝することも敵いません。これでは、内外にいらぬ詮索を、」
「目の前にいるだろう、お前が伝えてやればいい、」
「は、」
毛布の下に隠した水色の頭に、もう一度口付ける。
背中を擦り続けてやったからか、単に深く眠ったか、さっきよりも随分と穏やかな寝顔に安心した。
日向はな、魔法がうまくいかなくて泣いてたんだよ。
自分の足で歩き回ることが難しくなってから、昨日の鍛錬を本当に心待ちにしていたのに。
日向の魔法は、媒介を使った魔法を受け入れなかった。
歩けない、と絶望した日向の気持ちがお前や朱華に分かるか。
だが、1人で泣かずに、俺のところに来た。
離宮へ戻ると、亜白と遊んでいたはずの日向が、萩花(はぎな)に抱えられて俺の執務室に来た。
傍にいさせてくれと。
そわそわするから、抱きしめてくれと。
悔しいも、悲しいも、苦しいも、俺と分け合って生きることを選んでくれた。
そうやって、一生懸命、健気に生きる日向が俺の番いなんだよ。
赤く腫れた目元にもう一度口づけを落として、使者をみる。
「この通り、王子は体調が優れない。それを、好奇の目に晒すようなことはしない。兄上が祝って欲しいというなら、俺がいくよ。贈り物を抱えて、俺が祝ってやる。」
矢面に立つのは俺の役割だ。
日向はやらない。
お前たちにはやらない。
「兄上には、そう伝えろ。以上だ、」
腕の中の宝物は大事に抱いて、使者にはこれ以上聞く気はないと態度で示してやる。
軽く睨みつけてやると、男は開きかけた口を閉じた。
見計らった従僕が、扉を開けて使者を導く。
「流石に可哀想だな、」
扉が閉じ、気配が遠ざかるとともに、藤夜が呆れたように言った。
来訪者にも構わず、書類から視線を外さなかった男が、何を言う。
「まさか、婚約者を抱いた皇子が待っているなんて、誰も思わないだろう、」
「あいつのタイミングが悪い、」
「だとしても、断るなり、あるだろ、」
「俺が日向を溺愛していると分かったなら、ちょうどいいじゃないか、」
あの使者が、朱華に何をどう伝えるのかを想像すると、少し可笑しくなる。
婚約者に惚けた愚か者と取るか、王子を囲う痴れ者と取るか、はたまた宝物を奪われまいと足掻く子どもと見るか。
だが、おれの侍従は、眉をひそめてわずかに不安気になった。
「…お前がひなを溺愛していると知れたら、ひなを駒にしようとする連中が増えないか、」
増えるだろうな。実際、増えた。
朱華だけでなく、日向を介して俺に取り入ろうとする者、日向を俺の弱みとして攻撃する者、日向を使って俺を操ろうとする者、色々だろう。
日向への求婚が知れてから、半色乃宮には日向宛の招待状やら贈り物が山のように届いている。
全て日向の護衛と草に把握させているが、噂が広まるにつれ、ますます増えるだろうと、容易に予測できた。
「それを悪手だと思わせてやればいい。」
「言うだろうとは思ったけどな、」
「日向に手を出せば、俺は敵に回る。そう認識させるくらいでいい、」
「…お前、ますます陛下に似てきてないか。」
親子なんだから仕方ないだろう。
そういう意味でないことは百も承知の上で。
笑って見せると、わざとらしいため息が、俺の侍従から漏れた。
「さっきの使者、あんなに威圧されて、流石に同情した、」
「お前も威圧された?」
「されないよ。鍛錬でも俺に負けるくせに、そんなわけあるか、」
「ちっ。そのうち威圧してやるから、覚悟しておけよ、」
「官吏が可哀そうだから、ほどほどにしてやれ、」
「可哀想だと思うなら助けてやればいい、」
「やだよ。俺は、殿下のせいで忙しいんです。学院の宿題だって残っているのに、」
何だそれ。
宿題なんて、そんな心配、俺はしたことがない。
使える知識ばかりを求める俺と違って、お前は学ぶことが楽しいと言っていたな。
侍従なんぞやめて、学者にでもなればいい、と言ったら怒られたが。
ただでさえお前は、俺の侍従としての役割があるから他の学生とは異なるだろう。まして最近は、尼嶺への対応と婚約に向けたあれこれで、以前にもまして忙しい。
今日みたいな来客が、随分増えた。
尼嶺との折衝を実際に行っているのは草たちだが、表舞台に立つのは俺の役目だから。
その上、また課題が増えたしなあ。
腕の中の水色に視線を落とせば、藤夜もまた、日向に視線を送る。
使者に見せたくなくて毛布で隠していたから、お前には髪の毛一本見えないだろう。
それでも、毛布の中の小さな王子が泣いていたのを、お前なら分かるな。
「ひなの件、学院の教授か講師に相談しても構わないか、」
使者を無視して書類に視線を落とし、考えていたのはそれか。
「俺たちの常識でひなの魔法を考えるんじゃ、おそらく足りない。ひなの視点に立てる人間が必要だ。魔法を術や技としてでなく、根幹から理解できるくらいの知識が要ると思う、」
「心当たりは、」
「何人か、見当はついている、」
「信用できるか、」
「その辺は草に調べさせるよ。ひなの安全にもかかわるだろ、」
うん、お前はいつも日向のこともちゃんと考えてくれるよな。
だから、任せられる。
「頼む、」
「うん、」
何事かを考えだした藤夜はそのまま置いて、俺は俺の仕事を片付けた。
さっさと終わらせて、日向を甘やかそう。
腕の中で、またうなる声が聞こえる。口づけ、背中を擦って、大好きだよと囁いてやった。
俺の番い。俺の大事な大事な日向。
こんなに泣いているのに、俺は少し安心したよ。
ちゃんと俺のところに来たな。
一人で泣いたり、自分を傷つけたりせずに、ちゃんと俺の腕に抱かれに来た。
日向の過去は、何度も足を引っ張りに来るけど、日向は確かに前に進んでいる。
俺に頼っていいと、覚えてくれたな。
もうそれだけで、俺は安心して、有頂天になって、お前を離すまいと強くなれる。
誰にもやらないから、安心して眠れ。
朱華にも、腹に一物抱える貴族たちにも、尼嶺にも、誰にもやらない。
魔法にだって、やらないから。
安心して眠れ。
同時に、腕に抱いた小さな体から、小さくうめくような声がする。
痛みはそのままに、背中を撫でて汗の滲んだ額に口付けてやると、少しだけ、日向の表情が穏やかになった。
いいよ、そのまま寝てな。
いくらでも俺にしがみついていいから、ちゃんと俺の腕の中にいて、眠っていてくれ。
「それで?兄上が何だって?」
再び規則正しい寝息を立て始めた日向の頭を撫で、毛布の中に納めて顔をあげる。
机の向こうで、従僕に案内されてやってきた使者が、呆然とこちらを見ていた。
何だ。婚約の噂を聞いた朱華(はねず)に送られて、探りに来たかと思ったが違ったか?俺よりひと回り以上年上だろう大人が、みっともない。
「こ、皇太子殿下の生誕の宴に、第八皇子殿下の参加を望むと。」
「俺は未成年皇族だ。宴への参加に強制力はないな、」
「は、はあ。ですが、尼嶺(にれ)と婚約を結ばれると聞きました。ぜひ、お披露目の機会にしていただきたく、」
「正式な婚約はまだだ。披露目には早い、」
「失礼ながら、尼嶺との交渉に苦慮されていると伺っております。皇太子殿下の生誕祭に、お相手をお連れになれば、内外に知らしめる良い機会ともなりましょう、」
「交渉は、皇帝陛下と第三妃殿下が成すところだ。兄上や貴殿が口出しするものではないだろう、」
皇帝陛下の御名に、使者がたじろぐ。
俺が未だ成年ではないからな。建前上、婚約を主導するのは、父上や母上だ。
俺は、その威光を存分に使わせてもらう。
だが、手ぶらでは帰れないのだろう。
尚も食らいつこうとする使者に、少しばかり感心した。さすが、兄上が送るだけのことはある。
「お言葉ながら、宮城には、いささか不安の声が上がっております。皇子殿下のご婚約は喜ばしくはありますが、何せご婚約者様は、帝国へいらしてから、一度も社交の場にはおいでになられません、」
「王子もまだ成年ではないからな、その必要はない、」
「しかし、留学と伺っておりますが、学院にも姿を見せぬとあれば、どのようなお人柄か拝することも敵いません。これでは、内外にいらぬ詮索を、」
「目の前にいるだろう、お前が伝えてやればいい、」
「は、」
毛布の下に隠した水色の頭に、もう一度口付ける。
背中を擦り続けてやったからか、単に深く眠ったか、さっきよりも随分と穏やかな寝顔に安心した。
日向はな、魔法がうまくいかなくて泣いてたんだよ。
自分の足で歩き回ることが難しくなってから、昨日の鍛錬を本当に心待ちにしていたのに。
日向の魔法は、媒介を使った魔法を受け入れなかった。
歩けない、と絶望した日向の気持ちがお前や朱華に分かるか。
だが、1人で泣かずに、俺のところに来た。
離宮へ戻ると、亜白と遊んでいたはずの日向が、萩花(はぎな)に抱えられて俺の執務室に来た。
傍にいさせてくれと。
そわそわするから、抱きしめてくれと。
悔しいも、悲しいも、苦しいも、俺と分け合って生きることを選んでくれた。
そうやって、一生懸命、健気に生きる日向が俺の番いなんだよ。
赤く腫れた目元にもう一度口づけを落として、使者をみる。
「この通り、王子は体調が優れない。それを、好奇の目に晒すようなことはしない。兄上が祝って欲しいというなら、俺がいくよ。贈り物を抱えて、俺が祝ってやる。」
矢面に立つのは俺の役割だ。
日向はやらない。
お前たちにはやらない。
「兄上には、そう伝えろ。以上だ、」
腕の中の宝物は大事に抱いて、使者にはこれ以上聞く気はないと態度で示してやる。
軽く睨みつけてやると、男は開きかけた口を閉じた。
見計らった従僕が、扉を開けて使者を導く。
「流石に可哀想だな、」
扉が閉じ、気配が遠ざかるとともに、藤夜が呆れたように言った。
来訪者にも構わず、書類から視線を外さなかった男が、何を言う。
「まさか、婚約者を抱いた皇子が待っているなんて、誰も思わないだろう、」
「あいつのタイミングが悪い、」
「だとしても、断るなり、あるだろ、」
「俺が日向を溺愛していると分かったなら、ちょうどいいじゃないか、」
あの使者が、朱華に何をどう伝えるのかを想像すると、少し可笑しくなる。
婚約者に惚けた愚か者と取るか、王子を囲う痴れ者と取るか、はたまた宝物を奪われまいと足掻く子どもと見るか。
だが、おれの侍従は、眉をひそめてわずかに不安気になった。
「…お前がひなを溺愛していると知れたら、ひなを駒にしようとする連中が増えないか、」
増えるだろうな。実際、増えた。
朱華だけでなく、日向を介して俺に取り入ろうとする者、日向を俺の弱みとして攻撃する者、日向を使って俺を操ろうとする者、色々だろう。
日向への求婚が知れてから、半色乃宮には日向宛の招待状やら贈り物が山のように届いている。
全て日向の護衛と草に把握させているが、噂が広まるにつれ、ますます増えるだろうと、容易に予測できた。
「それを悪手だと思わせてやればいい。」
「言うだろうとは思ったけどな、」
「日向に手を出せば、俺は敵に回る。そう認識させるくらいでいい、」
「…お前、ますます陛下に似てきてないか。」
親子なんだから仕方ないだろう。
そういう意味でないことは百も承知の上で。
笑って見せると、わざとらしいため息が、俺の侍従から漏れた。
「さっきの使者、あんなに威圧されて、流石に同情した、」
「お前も威圧された?」
「されないよ。鍛錬でも俺に負けるくせに、そんなわけあるか、」
「ちっ。そのうち威圧してやるから、覚悟しておけよ、」
「官吏が可哀そうだから、ほどほどにしてやれ、」
「可哀想だと思うなら助けてやればいい、」
「やだよ。俺は、殿下のせいで忙しいんです。学院の宿題だって残っているのに、」
何だそれ。
宿題なんて、そんな心配、俺はしたことがない。
使える知識ばかりを求める俺と違って、お前は学ぶことが楽しいと言っていたな。
侍従なんぞやめて、学者にでもなればいい、と言ったら怒られたが。
ただでさえお前は、俺の侍従としての役割があるから他の学生とは異なるだろう。まして最近は、尼嶺への対応と婚約に向けたあれこれで、以前にもまして忙しい。
今日みたいな来客が、随分増えた。
尼嶺との折衝を実際に行っているのは草たちだが、表舞台に立つのは俺の役目だから。
その上、また課題が増えたしなあ。
腕の中の水色に視線を落とせば、藤夜もまた、日向に視線を送る。
使者に見せたくなくて毛布で隠していたから、お前には髪の毛一本見えないだろう。
それでも、毛布の中の小さな王子が泣いていたのを、お前なら分かるな。
「ひなの件、学院の教授か講師に相談しても構わないか、」
使者を無視して書類に視線を落とし、考えていたのはそれか。
「俺たちの常識でひなの魔法を考えるんじゃ、おそらく足りない。ひなの視点に立てる人間が必要だ。魔法を術や技としてでなく、根幹から理解できるくらいの知識が要ると思う、」
「心当たりは、」
「何人か、見当はついている、」
「信用できるか、」
「その辺は草に調べさせるよ。ひなの安全にもかかわるだろ、」
うん、お前はいつも日向のこともちゃんと考えてくれるよな。
だから、任せられる。
「頼む、」
「うん、」
何事かを考えだした藤夜はそのまま置いて、俺は俺の仕事を片付けた。
さっさと終わらせて、日向を甘やかそう。
腕の中で、またうなる声が聞こえる。口づけ、背中を擦って、大好きだよと囁いてやった。
俺の番い。俺の大事な大事な日向。
こんなに泣いているのに、俺は少し安心したよ。
ちゃんと俺のところに来たな。
一人で泣いたり、自分を傷つけたりせずに、ちゃんと俺の腕に抱かれに来た。
日向の過去は、何度も足を引っ張りに来るけど、日向は確かに前に進んでいる。
俺に頼っていいと、覚えてくれたな。
もうそれだけで、俺は安心して、有頂天になって、お前を離すまいと強くなれる。
誰にもやらないから、安心して眠れ。
朱華にも、腹に一物抱える貴族たちにも、尼嶺にも、誰にもやらない。
魔法にだって、やらないから。
安心して眠れ。
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