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第3話 みたことのないもの
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音のした方へボクらは走っていった。
音のした方からは人々が走って逃げてくる。
そこでボクらが見たのは、燃えている人だった。
いや、正確には人じゃない。人̀み̀た̀い̀な̀何̀か̀
だった。
見たことのないものにボクは言葉を失った。
なんだこれ。ここはグランデリア。欲しいものはなんでも揃う。そしてあんなに楽しそうな人たちがさっきまでいっぱいいて。それなのに、今ボクの目の前にあるのは、よくわからないな̀に̀か̀。夢でも見てるのかなボクは。
どうすることも出来ないままボクは立ち尽くしていた。
「ナノ!!!」
その声に気づいたときにはすでに遅かった。
目の前にはもう燃えている"なにか"が目の前にいた。
怖くて咄嗟に瞑った。それだけじゃどうしようもないのに。
次の瞬間、体がふわっと浮いた。
不思議な感覚に驚いて目を開ける。
「ふーっ、危ない危ない…」
誰かがボクのことを抱えている。
同じくらいの歳の黒のキャスケットを被った男の子。
助けて…くれた……?
「そんなとこ突っ立ってたら危ないよ、キミ。早く遠くへ行った方がいい」
そう言ってボクをおろす。
そして、"なにか"に向かって彼は歩き始めた。
「ちょっ…!それじゃ君も危ないよ!」
すると少年はくるっとこっちを見てニコッと笑って言った。
「大丈夫だよ、そんなに心配しなくても」
その笑顔と言葉に偽りは感じなかった。
ボクはただただ彼の背中を眺めるしかなかった。
すると、今度はまた別のなにかがぶわっとボクの全身に走った。
目の前の少年が次の瞬間、勢いよく地面を蹴った。
風のように彼は"なにか"に向かっていった。
そして。
燃えている"なにか"は次の瞬間バラバラになっていた。
あまりの信じられない状況に言葉をまた失う。
「ナノ!大丈夫か!?」
アオさんが走ってそばに来てくれた。
「うん…大丈夫……」
少し先にいる少年をじっと見ていた。
あの子、何者なんだ…?
「ちょっとーーー!!!」
上の方から声がする。今度は空から少女が降りてきた。
「なんで先に倒しちゃうのよ!私も戦うって言ったじゃない!」
マゼンタのような派手な髪色をしたその少女は怒り気味に少年に言った。
「ごめんごめん。結構危ない状況だったからさ」
するとボクはあるひとつの共通点に気づく。
彼らの腕には、【Astral】の文字。
「あすとらる…?」
ふと声に出して読んでみた。
アオさんがビクッと震えた。
「?…アオさんどうしたの?」
アオさんは何も言わずにすっと立ち上がってボクの腕を握って走り始めた。
「ちょっとアオさん!何、どうしたの?!」
「やばい…逃げないと…」
アオさんはそんな風にボソボソ何かを言っている。
どんどん走るスピードが速くなっていく。どういう状況なのかボクにはよく分からなかった。
すると、ぐいっとアオさんに握られていない方の腕が引っ張られた。
「ぐえっ!」
あまりにも急なことで変な声が出てしまう。もちろんアオさんも引っ張られた。
「ア~オッ」
引っ張られた腕の方向を見る。
「もーひどいなー。ここに来てるなら一言連絡してくれればいいのに」
そこには銀髪のポニーテールの中性的な人がいた。
その人とふと目が合う。
「…アオさんと知り合いですか」
そうボクが言うとその人はキョトンとして
「知り合いも何も、同じ研究所で働いてたもん」
「同じ研究所ではたらいて…」
ん?ちょっと待って。
ボクはもう一度その人の顔を見る。
「あ、もしかして、君がナノちゃん?」
突然名前を呼ばれる。
「なんで知って……」
不気味な笑顔を浮かべながらその人は言う。
「だって有名だから、君らのこと」
音のした方からは人々が走って逃げてくる。
そこでボクらが見たのは、燃えている人だった。
いや、正確には人じゃない。人̀み̀た̀い̀な̀何̀か̀
だった。
見たことのないものにボクは言葉を失った。
なんだこれ。ここはグランデリア。欲しいものはなんでも揃う。そしてあんなに楽しそうな人たちがさっきまでいっぱいいて。それなのに、今ボクの目の前にあるのは、よくわからないな̀に̀か̀。夢でも見てるのかなボクは。
どうすることも出来ないままボクは立ち尽くしていた。
「ナノ!!!」
その声に気づいたときにはすでに遅かった。
目の前にはもう燃えている"なにか"が目の前にいた。
怖くて咄嗟に瞑った。それだけじゃどうしようもないのに。
次の瞬間、体がふわっと浮いた。
不思議な感覚に驚いて目を開ける。
「ふーっ、危ない危ない…」
誰かがボクのことを抱えている。
同じくらいの歳の黒のキャスケットを被った男の子。
助けて…くれた……?
「そんなとこ突っ立ってたら危ないよ、キミ。早く遠くへ行った方がいい」
そう言ってボクをおろす。
そして、"なにか"に向かって彼は歩き始めた。
「ちょっ…!それじゃ君も危ないよ!」
すると少年はくるっとこっちを見てニコッと笑って言った。
「大丈夫だよ、そんなに心配しなくても」
その笑顔と言葉に偽りは感じなかった。
ボクはただただ彼の背中を眺めるしかなかった。
すると、今度はまた別のなにかがぶわっとボクの全身に走った。
目の前の少年が次の瞬間、勢いよく地面を蹴った。
風のように彼は"なにか"に向かっていった。
そして。
燃えている"なにか"は次の瞬間バラバラになっていた。
あまりの信じられない状況に言葉をまた失う。
「ナノ!大丈夫か!?」
アオさんが走ってそばに来てくれた。
「うん…大丈夫……」
少し先にいる少年をじっと見ていた。
あの子、何者なんだ…?
「ちょっとーーー!!!」
上の方から声がする。今度は空から少女が降りてきた。
「なんで先に倒しちゃうのよ!私も戦うって言ったじゃない!」
マゼンタのような派手な髪色をしたその少女は怒り気味に少年に言った。
「ごめんごめん。結構危ない状況だったからさ」
するとボクはあるひとつの共通点に気づく。
彼らの腕には、【Astral】の文字。
「あすとらる…?」
ふと声に出して読んでみた。
アオさんがビクッと震えた。
「?…アオさんどうしたの?」
アオさんは何も言わずにすっと立ち上がってボクの腕を握って走り始めた。
「ちょっとアオさん!何、どうしたの?!」
「やばい…逃げないと…」
アオさんはそんな風にボソボソ何かを言っている。
どんどん走るスピードが速くなっていく。どういう状況なのかボクにはよく分からなかった。
すると、ぐいっとアオさんに握られていない方の腕が引っ張られた。
「ぐえっ!」
あまりにも急なことで変な声が出てしまう。もちろんアオさんも引っ張られた。
「ア~オッ」
引っ張られた腕の方向を見る。
「もーひどいなー。ここに来てるなら一言連絡してくれればいいのに」
そこには銀髪のポニーテールの中性的な人がいた。
その人とふと目が合う。
「…アオさんと知り合いですか」
そうボクが言うとその人はキョトンとして
「知り合いも何も、同じ研究所で働いてたもん」
「同じ研究所ではたらいて…」
ん?ちょっと待って。
ボクはもう一度その人の顔を見る。
「あ、もしかして、君がナノちゃん?」
突然名前を呼ばれる。
「なんで知って……」
不気味な笑顔を浮かべながらその人は言う。
「だって有名だから、君らのこと」
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