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8話 獣人の村で
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「春菜ちゃん!」
私は家に入るなり春菜ちゃんに抱きついた。そんな気分だったのです。だって、だって、あれをなんとかするんでしょう。しばらくして、落ち着いた私は椅子に座ってティーテーブルになついた。
「はい、桜子さん、お茶」
カップをソーサーごと私の前に置いた春菜ちゃんもため息をつく。
あの村はひどい、なんにもないんだもの。畑にはろくな作物がないし、家は小さくてすすけているし、ないないづくしの生活をしている。
ついでに私たちが村に入ったとたんに襲ってきたのは臭い、今は死語となった田舎の香水です。「クリーン」を3度もかけたけれど、まだにおう気がする。春菜ちゃんは自分の腕の臭いをかいでいる。
「トイレがなかった・・・」
「お風呂もです」
いや、お風呂は望みすぎか。それにしても信じられない生活をしている。
「「あーぁ」」
「ねえ、春菜ちゃん、ライトノベルが好きだって、言ってたわよね。内政とか・・・」
「私、社会経験がないし、そこはチェリー様に譲ります」
春菜ちゃんはすばやく私の言葉を打ち返してきた。そういえば思い出した。
「ねえ、チェリーってなんなのよ。トライデントって。ついでに私だけフォンをつけることないでしょう!」
「それはね、桜子さんだからチェリーでしょう」
「じゃあ、トライデントは?」
「三田村だから、三叉の矛のトライデント、かっこいいし、似合っているでしょう」
春菜ちゃんはぐいっと親指を立てた。全然関係ないじゃない、3の数字が合っているだけで」
「もしや春菜ちゃんは厨二病・・・」
彼女はまたしても素早く否定した。
「そ、そんなわけないじゃない。14歳の乙女の趣味はハーブよ」
いいけどね、否定したければすれば。でも私は心の中で彼女に厨二病のラベルを貼っておいた。要注意だな。
「それでですね、フォンは土地持ちの貴族につけるから、桜子さん、ここの土地の持ち主でしょう」
「いや、いらないんだけど。いつでもこの砂漠は春菜ちゃんに進呈します」
「私もいらないから、ほら、神様のご指名だから、断っちゃ悪いよ」
そうだよね、砂漠を欲しがる女性なんて聞いたことがない。
「それでですね、私の名前のアンズはですね、春の花なんです」
「春菜は春の葉っぱの意味じゃないの?」
「葉っぱなんて可愛くないじゃないですか、だから花にしました。ついでに庭、ガーデンを少しもじって、ガーラント」
ガーデンとガーラント・・・突っ込むのは止めておこう。
私はミルフィーユを出した。甘いものが食べたい。
翌日、私の出したコーンスープと、ホットケーキもどきに春菜ちゃんは変な顔をした。
「桜子さん、これ白いんですけど」
「うん、お水と塩と小麦粉で作ったから」
春菜ちゃんはホットケーキもどきをフォークでつつく。
「もう、卵と牛乳が無くなったんですか」
「うんにゃ、まだ沢山あります、今日は小麦粉の気分だっただけ」
「小麦粉の気分って・・・前のはあれでも膨らんでいたんだ。・・・・・うっ、不味くはないけど、味も素っ気もない」
「いいじゃない、たまには」
私も口にそれを入れて・・・美味しくない!不味くないけど美味しくない。2人してもそもそとホットケーキもどきを食べる。あぁ、コーンスープが美味しい。
春菜ちゃんが私をちらっと見る。
「ねえ、桜子さん、昨日彼らが食べてた食事を見て、気にしてる」
う~ん、ここは素直になろうかしら。
「気にしてます。実は超気にしてます」
私はホットケーキもどきをつつく。
「こんなのを私が食べても彼らには関係ないのだけれど、贅沢をするのに気がとがめちゃって・・・」
「それじゃあ、桜子さんがばんばん魔法を使って、彼らにまともな生活をさせてあげるとか」
「それは駄目」
春菜ちゃんは不思議そうな顔をする。
「あのね、資源は有限なのよ。他の人はどうするの。それにあの大砂漠は?」
私は旅の途中で試して、6大属性と鑑定とかの魔法が使えるけれど、魔力に限度がある。そして私の持っている薬珠は効果範囲が狭い。いや1キロ平方を狭いといっては撥が当たるだろうけれど、この大砂漠に較べたら、ささやかなものだ。だから後先考えずに使うと直ぐになくなって、後で後悔しそうである。よって、どこまで使うか思案中なのです。
私たちが家の外に出ると、そこには昨日の7人が待っていた。イケメンもいるけれど、田舎の香水がほのかに香るので、彼らは問題外だと、顔を見合わせたときに春菜ちゃんの目が語っていた。私?私はそんな失礼なことは思わない・・・多分。
「「「「「おはようごさいます」」」」」
「「おはようございます」」
今日は私にプランが1つある。まずは海へGO。
海に面した4つの村は、まず2つの村、間に湾があって、また村が2つ。この湾とそこに続く陸地はどこの村にも属していない。湾は幅1キロはある広さだ、多分。長さは?分からないけど、もっとありそう。
そこの真ん中あたりの波打ち際に皆を残して、一人で歩いていく。春菜ちゃんたちを振り返りにかっと笑うと、こっそりと薬珠をだして振りかぶって投げた。薬珠はふらふらと飛び、3メートルぐらいのところにぽちゃんと落ちた。えっ、かっこよく飛んでいくと思ったのに・・・小さくて軽いのが敗因だったか。私はORZした。薬珠は海を数百メートル銀色に輝かせて終った。
春菜ちゃんの目が痛い、そんな冷たい目をしないでください。ほら、魚が飛び跳ねているじゃない。
しかし獣人の人たちは歓声を上げている。やさしい。春菜ちゃんも見習って欲しい。彼女は私の側まで来ると、肩を叩いて指差した。後ろ?後ろには森?林?すかすかの森が出来ていた。それをみて獣人の人は喜んでいる。
そうだ、いましかない。背を向けている獣人たちを良いことに、私は再度薬珠を出すと、風魔法を使って今度こそ湾のど真中に落とした。
「うわぁ、すごいですね、桜子さん」
春菜ちゃんが歓声を上げている。海は薬珠が落ちたところから銀色に輝き、その波紋は湾一杯に広がっていった。ところどころ魚が飛び跳ねているのもいい。私は手をはたいて砂を落とし、最初から計画していたかのように知らん顔をして海を眺めた。
獣人の人たちが海を振り返って歓声を上げている。うん、私をどんどん褒め称えるといいよ。
「ねえ、桜子さん、浜鍋をやりましょうよ。魚があんなに飛び跳ねているし」
それはいい考えね、私も砂漠を抜けたのでぱーっとやりたい。
「ねえ、皆は魚をさばける?」
ジョナサンが嬉しそうに答える。
「はい、うろこを取って、内臓をぬくくらいなら」
なんだか分からないけれど、できるのね。
「じゃあ、皆を呼んできて。大きな鍋とおわんとスプーンとかも持ってきて。わたくしたちはここにいるから大丈夫」
皆は喜んで各々の村へ走っていった。
皆が去った後、私たちは森(仮)に入っていった。なんで仮なのかって。この森はちょっとすかすかしすぎていて、日の光が存分に差し込んでいる。
「なにをするの桜子さん?」
「土を調べようかと思って。私は腐葉土を持っているから同じことをしようかなと」
私は少し奥に入ると、直系2メートルほどの穴を土魔法を使って掘り始めた。大分、10メートルは掘っただろうか、まだそこは黒い土だった。私は穴を埋め戻すと、海岸へ戻った。薬珠すごい、ちょっと真似できそうにない。
「さあ、魚を獲ろうか」
気分を変えて、ブレスレットから取り出だしましたのは定置網です。風魔法で設置します。
「なんでそんなもんが入っているのよ!」
それは誠一君に言って欲しい。春菜ちゃんがうっとりしていた王子様の物なのよ。
私たちが海辺で座って待っていると、次々に村人たちが集まってくる。かまどは土魔法で作る。彼らがもってきた大鍋はなんと21個。普段から薪の節約のために食事は纏めて作っているそうです。大きな石のテーブルも7つ作ります。そこに野菜をごろごろと出していく。春菜ちゃんは一杯ある桶にどんどん水を作っていれていきます。そろそろいいかな。男の人に頼んで定置網を引き上げてもらうと、網が引き上げられていくにつれ、お魚がぴちぴち跳ねて集まってきた。もちろん手のひらより小さい魚はリリースするように言っておきました。網はたたんでもらって、海の水を汚れと認識してクリーンをかけると、あら不思議、乾いたものが目の前にありました。
お腹がすいた、異世界で初めてのご飯、浜鍋のお味はどんなんだろう?
私は家に入るなり春菜ちゃんに抱きついた。そんな気分だったのです。だって、だって、あれをなんとかするんでしょう。しばらくして、落ち着いた私は椅子に座ってティーテーブルになついた。
「はい、桜子さん、お茶」
カップをソーサーごと私の前に置いた春菜ちゃんもため息をつく。
あの村はひどい、なんにもないんだもの。畑にはろくな作物がないし、家は小さくてすすけているし、ないないづくしの生活をしている。
ついでに私たちが村に入ったとたんに襲ってきたのは臭い、今は死語となった田舎の香水です。「クリーン」を3度もかけたけれど、まだにおう気がする。春菜ちゃんは自分の腕の臭いをかいでいる。
「トイレがなかった・・・」
「お風呂もです」
いや、お風呂は望みすぎか。それにしても信じられない生活をしている。
「「あーぁ」」
「ねえ、春菜ちゃん、ライトノベルが好きだって、言ってたわよね。内政とか・・・」
「私、社会経験がないし、そこはチェリー様に譲ります」
春菜ちゃんはすばやく私の言葉を打ち返してきた。そういえば思い出した。
「ねえ、チェリーってなんなのよ。トライデントって。ついでに私だけフォンをつけることないでしょう!」
「それはね、桜子さんだからチェリーでしょう」
「じゃあ、トライデントは?」
「三田村だから、三叉の矛のトライデント、かっこいいし、似合っているでしょう」
春菜ちゃんはぐいっと親指を立てた。全然関係ないじゃない、3の数字が合っているだけで」
「もしや春菜ちゃんは厨二病・・・」
彼女はまたしても素早く否定した。
「そ、そんなわけないじゃない。14歳の乙女の趣味はハーブよ」
いいけどね、否定したければすれば。でも私は心の中で彼女に厨二病のラベルを貼っておいた。要注意だな。
「それでですね、フォンは土地持ちの貴族につけるから、桜子さん、ここの土地の持ち主でしょう」
「いや、いらないんだけど。いつでもこの砂漠は春菜ちゃんに進呈します」
「私もいらないから、ほら、神様のご指名だから、断っちゃ悪いよ」
そうだよね、砂漠を欲しがる女性なんて聞いたことがない。
「それでですね、私の名前のアンズはですね、春の花なんです」
「春菜は春の葉っぱの意味じゃないの?」
「葉っぱなんて可愛くないじゃないですか、だから花にしました。ついでに庭、ガーデンを少しもじって、ガーラント」
ガーデンとガーラント・・・突っ込むのは止めておこう。
私はミルフィーユを出した。甘いものが食べたい。
翌日、私の出したコーンスープと、ホットケーキもどきに春菜ちゃんは変な顔をした。
「桜子さん、これ白いんですけど」
「うん、お水と塩と小麦粉で作ったから」
春菜ちゃんはホットケーキもどきをフォークでつつく。
「もう、卵と牛乳が無くなったんですか」
「うんにゃ、まだ沢山あります、今日は小麦粉の気分だっただけ」
「小麦粉の気分って・・・前のはあれでも膨らんでいたんだ。・・・・・うっ、不味くはないけど、味も素っ気もない」
「いいじゃない、たまには」
私も口にそれを入れて・・・美味しくない!不味くないけど美味しくない。2人してもそもそとホットケーキもどきを食べる。あぁ、コーンスープが美味しい。
春菜ちゃんが私をちらっと見る。
「ねえ、桜子さん、昨日彼らが食べてた食事を見て、気にしてる」
う~ん、ここは素直になろうかしら。
「気にしてます。実は超気にしてます」
私はホットケーキもどきをつつく。
「こんなのを私が食べても彼らには関係ないのだけれど、贅沢をするのに気がとがめちゃって・・・」
「それじゃあ、桜子さんがばんばん魔法を使って、彼らにまともな生活をさせてあげるとか」
「それは駄目」
春菜ちゃんは不思議そうな顔をする。
「あのね、資源は有限なのよ。他の人はどうするの。それにあの大砂漠は?」
私は旅の途中で試して、6大属性と鑑定とかの魔法が使えるけれど、魔力に限度がある。そして私の持っている薬珠は効果範囲が狭い。いや1キロ平方を狭いといっては撥が当たるだろうけれど、この大砂漠に較べたら、ささやかなものだ。だから後先考えずに使うと直ぐになくなって、後で後悔しそうである。よって、どこまで使うか思案中なのです。
私たちが家の外に出ると、そこには昨日の7人が待っていた。イケメンもいるけれど、田舎の香水がほのかに香るので、彼らは問題外だと、顔を見合わせたときに春菜ちゃんの目が語っていた。私?私はそんな失礼なことは思わない・・・多分。
「「「「「おはようごさいます」」」」」
「「おはようございます」」
今日は私にプランが1つある。まずは海へGO。
海に面した4つの村は、まず2つの村、間に湾があって、また村が2つ。この湾とそこに続く陸地はどこの村にも属していない。湾は幅1キロはある広さだ、多分。長さは?分からないけど、もっとありそう。
そこの真ん中あたりの波打ち際に皆を残して、一人で歩いていく。春菜ちゃんたちを振り返りにかっと笑うと、こっそりと薬珠をだして振りかぶって投げた。薬珠はふらふらと飛び、3メートルぐらいのところにぽちゃんと落ちた。えっ、かっこよく飛んでいくと思ったのに・・・小さくて軽いのが敗因だったか。私はORZした。薬珠は海を数百メートル銀色に輝かせて終った。
春菜ちゃんの目が痛い、そんな冷たい目をしないでください。ほら、魚が飛び跳ねているじゃない。
しかし獣人の人たちは歓声を上げている。やさしい。春菜ちゃんも見習って欲しい。彼女は私の側まで来ると、肩を叩いて指差した。後ろ?後ろには森?林?すかすかの森が出来ていた。それをみて獣人の人は喜んでいる。
そうだ、いましかない。背を向けている獣人たちを良いことに、私は再度薬珠を出すと、風魔法を使って今度こそ湾のど真中に落とした。
「うわぁ、すごいですね、桜子さん」
春菜ちゃんが歓声を上げている。海は薬珠が落ちたところから銀色に輝き、その波紋は湾一杯に広がっていった。ところどころ魚が飛び跳ねているのもいい。私は手をはたいて砂を落とし、最初から計画していたかのように知らん顔をして海を眺めた。
獣人の人たちが海を振り返って歓声を上げている。うん、私をどんどん褒め称えるといいよ。
「ねえ、桜子さん、浜鍋をやりましょうよ。魚があんなに飛び跳ねているし」
それはいい考えね、私も砂漠を抜けたのでぱーっとやりたい。
「ねえ、皆は魚をさばける?」
ジョナサンが嬉しそうに答える。
「はい、うろこを取って、内臓をぬくくらいなら」
なんだか分からないけれど、できるのね。
「じゃあ、皆を呼んできて。大きな鍋とおわんとスプーンとかも持ってきて。わたくしたちはここにいるから大丈夫」
皆は喜んで各々の村へ走っていった。
皆が去った後、私たちは森(仮)に入っていった。なんで仮なのかって。この森はちょっとすかすかしすぎていて、日の光が存分に差し込んでいる。
「なにをするの桜子さん?」
「土を調べようかと思って。私は腐葉土を持っているから同じことをしようかなと」
私は少し奥に入ると、直系2メートルほどの穴を土魔法を使って掘り始めた。大分、10メートルは掘っただろうか、まだそこは黒い土だった。私は穴を埋め戻すと、海岸へ戻った。薬珠すごい、ちょっと真似できそうにない。
「さあ、魚を獲ろうか」
気分を変えて、ブレスレットから取り出だしましたのは定置網です。風魔法で設置します。
「なんでそんなもんが入っているのよ!」
それは誠一君に言って欲しい。春菜ちゃんがうっとりしていた王子様の物なのよ。
私たちが海辺で座って待っていると、次々に村人たちが集まってくる。かまどは土魔法で作る。彼らがもってきた大鍋はなんと21個。普段から薪の節約のために食事は纏めて作っているそうです。大きな石のテーブルも7つ作ります。そこに野菜をごろごろと出していく。春菜ちゃんは一杯ある桶にどんどん水を作っていれていきます。そろそろいいかな。男の人に頼んで定置網を引き上げてもらうと、網が引き上げられていくにつれ、お魚がぴちぴち跳ねて集まってきた。もちろん手のひらより小さい魚はリリースするように言っておきました。網はたたんでもらって、海の水を汚れと認識してクリーンをかけると、あら不思議、乾いたものが目の前にありました。
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