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7.訓練2
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クラウスは、大きな味方を手に入れた。リリーは、平民と馬鹿にされてきたが、ものすごい力の持ち主だった。多分2年の中で成績は1位だ。そんなリリーは、2年生で忙しいのにも関わらず、クラウスの訓練を手助けしてくれた。
クラウスもぐんと変わった。なかなか魔法を習得できない焦りもあったクラウスは、あらゆる時間を使って訓練することにした。
早朝、誰もいない時間に、クラウスは1人で訓練場に来た。
お目当ては、人型の的だ。これに向けて魔法を放ち、人と対戦する時の訓練に使用する。
クラウスが参考にしたのは、リリーおすすめ『魔法の基礎Ⅰ』という本で、実際に的に向けて魔法を練習することで、イメージがつきやすい、と書いてある。
…まぁ、正直、どの本も元々魔力のある者向けに書いているので、俺にはぼんやりとしか分からない。なにせこの世界の者は皆生まれた時から魔法が使えるんだからな。わざわざ言葉で説明しなくてもいいことさえ、俺はできないのだ。
さて、人型の的に向けて、クラウスは火の玉を出そうと手を出した。
…当然、何も起きない。
そもそも、魔力が体内にみなぎっているという感覚もよく分からん。モーリス先生やシリルたちは、体の奥から生まれるエネルギーを出す感覚で、とよく言うのだが、全く分からん。
しかし、クラウスはめげずに時間ギリギリまでひたすら練習した。
次が、放課後である。
クラウスはまた人気がなくなった寮の裏手にある空き地で、本を片手に訓練した。
今度の本は、『1分でできる魔法の練習』。
…別に名前に惹かれて選んだわけじゃないぞ。
だが、この本には、高いところから飛び降りて、瞬時に風魔法を発動させてみよう!という、なかなか感覚的なことが書かれていたため、参考にはできなかった。
俺には、もっと細かく説明されている方がいいようだ。
そこで手に取ったのが、『魔法の仕組み』という本だ。
そこには、自然界にある物質からエネルギーを集め、具現化させることが魔法である、と書いてある。
魔力は、その集める時のポンプみたいなイメージらしい。
魔力の量によって、使える魔法のレベルも変わる。そして、自分の属性なら、その必要量も最小限で済む。だから、自分の属性の魔法は得意魔法となるんだ。
分かりやすいな。
さらに、そこには有益な情報があった。
魔力を高めるには、精神力や体力を高めることも有効らしい。
実際、昔の大魔法使いたちは、精霊の山という世界各地にある険しい山に登って日々鍛錬していたとか。
なるほど。
確かに俺は、社畜生活が長くて、筋力のない体だ。まずは体力作りしよう。それに、もし万が一魔法が一生使えなくて、別の職に就くことになっても、体力があった方がいい。
クラウスは、手取り早く、学園でも教えている剣の練習をすることにした。この世界では剣が主な武器のため、訓練した方がいいだろう。
こうして、夜遅くまで、クラウスはひっそりと寮の裏手で剣の素振りに明け暮れた。
*
〈ギルバート視点〉
最近、日課である早朝の訓練をしていると、先客がいることに気がついた。
訓練場の隅の方、1人薄暗い中、剣の素振りをしているのは黒髪に黒い瞳を持つ編入生だ。確か名前はクラウス。
彼のことは入学した時に知ったが、「黒髪で黒い目で、魔力がない」という情報に、皆と同じように警戒心を抱いたことを覚えている。彼は1年で自分は3年。特に会うこともないだろうと思っいたが、妙な接点があるものだ。まさか早朝の訓練をしている者が、自分以外にいるとは。
クラウスという男は、最初チラっと見た時には印象に残らなかった。噂ばかりが先走りしている中、特に目立ったことをしない平凡な男。
しかし、次に遠くから見た時に、彼が赤髪の生徒たちに向かって魔法を放つのが見え、その魔法の珍しさがギルバートの記憶に強く残った。それは風魔法だったが、今じゃ使われない複雑な攻撃的な魔法だった。
クラウスという者は…確か魔法が使えないんじゃなかったか?
その騒動は誰か大人が来たようで収まり、ギルバートはその場へ行くことはしなかった。
周りは、すっかりそのクラウスという男を嫌悪しているようで、噂はとどまることを知らない。ギルバートは、元々平民差別、また魔力量の差によって生まれる魔力差別も嫌いで、将来は王族の権力を持ってその問題解決をしたいとまで思っていた。しかし、クラウスへ対する噂などは、嫌な記憶を蘇らせるため、それ自体を避けてしまっていた。
──そうすることで、彼は後にひどく後悔し、自分を責めることになるのだが。
ギルバートにとって嫌な記憶──それは、10年前に起きた事件に起因する。
10年前、黒髪黒い目の精霊、ゼトを信仰する者たちによって、大きな事件が起こる。
そこで、多くの当時の官職者たちが殺された。ギルバートが家族同然に慕っていた元騎士団長も。
──そして、母親も、殺された。
ギルバートは、目の前で自分を守って死んだ母を助けることができなかった。
自分のせいで…何度責めただろう。何度も何度も、自分への怒り、そして事件の首謀者への憎しみで心を埋め、眠れない夜を過ごした。
この事件が、ギルバートの心に深い傷を負わせた。
傷を負ったが立ち直った父と、兄のアーサーがギルバートを支えてくれた。
──ギルバートは、この事件から変わった。
もう目の前で誰かを助けられないことがないよう、厳しく訓練に打ち込み、必死で勉強して兄を支えられるよう騎士団長になることを目指した。
そして、冷徹、と言われるほど感情を殺して、強くなることを望んだ。もう大切なものを失わないため、判断を誤らないため…
兄は、そんなギルバートを、悲しそうな寂しそうな目で時折見つめた。弟にはただ笑っていて欲しかった、といつか酔っ払った時に話していたが、ギルバートは笑うことを久しくしていなかった。そのくらい、彼の心は事件で変わった。
心では、別人だとわかっている。
しかし、どうしても新しく編入してきたクラウスという男の容姿は、あの事件の首謀者のアイザックに似ていた。それが、知らず知らずのうちにギルバートの心をざわつかせた。
──その男が、ひっそりと誰にも気づかれずに訓練している。
ギルバートは、なぜかその姿に釘付けになった。
クラウスという男は、見た目は素朴な感じで、特徴はあまりない顔だ。しかし、彼のその瞳や表情は、どこか人を惹きつける。彼はどんな酷い噂をされていても、いつも透き通った目をしていた。つい最近の合同大会でチラッと見た時に、彼が魔法を使う生徒たちをキラキラした眼差しで見つめているのを見て、その新鮮な反応に一瞬周りを忘れて魅入ってしまった。
今も、真剣に訓練に励む姿は、凛としていて見ていて心地よい。
その目に見つめられたい…と一瞬頭をよぎり、ギルバートは愕然とした。
今までそんなことを誰かに思ったことはなかった。
彼は、どうしてここにいるんだろう。
なぜ、魔法が使えるのに、魔力がないと嘘をつくのか。
いつもちょっと目に隈があって、年齢も1年にしては年上に見えるが、本当は何歳なのか。
とか、色々聞いてみたくなり、そんな自分にも困惑した。
…もしかしたら、彼は噂とは違う人なのかもしれない。
…でも、彼がもし、あのゼト信仰者と何らかの関わりがあったら…ひどくショックだ。そのくらい、どうしても、彼が気になった。
ギルバートは、そうして、毎朝訓練に来るクラウスをこっそり見守る始めた。
クラウスもぐんと変わった。なかなか魔法を習得できない焦りもあったクラウスは、あらゆる時間を使って訓練することにした。
早朝、誰もいない時間に、クラウスは1人で訓練場に来た。
お目当ては、人型の的だ。これに向けて魔法を放ち、人と対戦する時の訓練に使用する。
クラウスが参考にしたのは、リリーおすすめ『魔法の基礎Ⅰ』という本で、実際に的に向けて魔法を練習することで、イメージがつきやすい、と書いてある。
…まぁ、正直、どの本も元々魔力のある者向けに書いているので、俺にはぼんやりとしか分からない。なにせこの世界の者は皆生まれた時から魔法が使えるんだからな。わざわざ言葉で説明しなくてもいいことさえ、俺はできないのだ。
さて、人型の的に向けて、クラウスは火の玉を出そうと手を出した。
…当然、何も起きない。
そもそも、魔力が体内にみなぎっているという感覚もよく分からん。モーリス先生やシリルたちは、体の奥から生まれるエネルギーを出す感覚で、とよく言うのだが、全く分からん。
しかし、クラウスはめげずに時間ギリギリまでひたすら練習した。
次が、放課後である。
クラウスはまた人気がなくなった寮の裏手にある空き地で、本を片手に訓練した。
今度の本は、『1分でできる魔法の練習』。
…別に名前に惹かれて選んだわけじゃないぞ。
だが、この本には、高いところから飛び降りて、瞬時に風魔法を発動させてみよう!という、なかなか感覚的なことが書かれていたため、参考にはできなかった。
俺には、もっと細かく説明されている方がいいようだ。
そこで手に取ったのが、『魔法の仕組み』という本だ。
そこには、自然界にある物質からエネルギーを集め、具現化させることが魔法である、と書いてある。
魔力は、その集める時のポンプみたいなイメージらしい。
魔力の量によって、使える魔法のレベルも変わる。そして、自分の属性なら、その必要量も最小限で済む。だから、自分の属性の魔法は得意魔法となるんだ。
分かりやすいな。
さらに、そこには有益な情報があった。
魔力を高めるには、精神力や体力を高めることも有効らしい。
実際、昔の大魔法使いたちは、精霊の山という世界各地にある険しい山に登って日々鍛錬していたとか。
なるほど。
確かに俺は、社畜生活が長くて、筋力のない体だ。まずは体力作りしよう。それに、もし万が一魔法が一生使えなくて、別の職に就くことになっても、体力があった方がいい。
クラウスは、手取り早く、学園でも教えている剣の練習をすることにした。この世界では剣が主な武器のため、訓練した方がいいだろう。
こうして、夜遅くまで、クラウスはひっそりと寮の裏手で剣の素振りに明け暮れた。
*
〈ギルバート視点〉
最近、日課である早朝の訓練をしていると、先客がいることに気がついた。
訓練場の隅の方、1人薄暗い中、剣の素振りをしているのは黒髪に黒い瞳を持つ編入生だ。確か名前はクラウス。
彼のことは入学した時に知ったが、「黒髪で黒い目で、魔力がない」という情報に、皆と同じように警戒心を抱いたことを覚えている。彼は1年で自分は3年。特に会うこともないだろうと思っいたが、妙な接点があるものだ。まさか早朝の訓練をしている者が、自分以外にいるとは。
クラウスという男は、最初チラっと見た時には印象に残らなかった。噂ばかりが先走りしている中、特に目立ったことをしない平凡な男。
しかし、次に遠くから見た時に、彼が赤髪の生徒たちに向かって魔法を放つのが見え、その魔法の珍しさがギルバートの記憶に強く残った。それは風魔法だったが、今じゃ使われない複雑な攻撃的な魔法だった。
クラウスという者は…確か魔法が使えないんじゃなかったか?
その騒動は誰か大人が来たようで収まり、ギルバートはその場へ行くことはしなかった。
周りは、すっかりそのクラウスという男を嫌悪しているようで、噂はとどまることを知らない。ギルバートは、元々平民差別、また魔力量の差によって生まれる魔力差別も嫌いで、将来は王族の権力を持ってその問題解決をしたいとまで思っていた。しかし、クラウスへ対する噂などは、嫌な記憶を蘇らせるため、それ自体を避けてしまっていた。
──そうすることで、彼は後にひどく後悔し、自分を責めることになるのだが。
ギルバートにとって嫌な記憶──それは、10年前に起きた事件に起因する。
10年前、黒髪黒い目の精霊、ゼトを信仰する者たちによって、大きな事件が起こる。
そこで、多くの当時の官職者たちが殺された。ギルバートが家族同然に慕っていた元騎士団長も。
──そして、母親も、殺された。
ギルバートは、目の前で自分を守って死んだ母を助けることができなかった。
自分のせいで…何度責めただろう。何度も何度も、自分への怒り、そして事件の首謀者への憎しみで心を埋め、眠れない夜を過ごした。
この事件が、ギルバートの心に深い傷を負わせた。
傷を負ったが立ち直った父と、兄のアーサーがギルバートを支えてくれた。
──ギルバートは、この事件から変わった。
もう目の前で誰かを助けられないことがないよう、厳しく訓練に打ち込み、必死で勉強して兄を支えられるよう騎士団長になることを目指した。
そして、冷徹、と言われるほど感情を殺して、強くなることを望んだ。もう大切なものを失わないため、判断を誤らないため…
兄は、そんなギルバートを、悲しそうな寂しそうな目で時折見つめた。弟にはただ笑っていて欲しかった、といつか酔っ払った時に話していたが、ギルバートは笑うことを久しくしていなかった。そのくらい、彼の心は事件で変わった。
心では、別人だとわかっている。
しかし、どうしても新しく編入してきたクラウスという男の容姿は、あの事件の首謀者のアイザックに似ていた。それが、知らず知らずのうちにギルバートの心をざわつかせた。
──その男が、ひっそりと誰にも気づかれずに訓練している。
ギルバートは、なぜかその姿に釘付けになった。
クラウスという男は、見た目は素朴な感じで、特徴はあまりない顔だ。しかし、彼のその瞳や表情は、どこか人を惹きつける。彼はどんな酷い噂をされていても、いつも透き通った目をしていた。つい最近の合同大会でチラッと見た時に、彼が魔法を使う生徒たちをキラキラした眼差しで見つめているのを見て、その新鮮な反応に一瞬周りを忘れて魅入ってしまった。
今も、真剣に訓練に励む姿は、凛としていて見ていて心地よい。
その目に見つめられたい…と一瞬頭をよぎり、ギルバートは愕然とした。
今までそんなことを誰かに思ったことはなかった。
彼は、どうしてここにいるんだろう。
なぜ、魔法が使えるのに、魔力がないと嘘をつくのか。
いつもちょっと目に隈があって、年齢も1年にしては年上に見えるが、本当は何歳なのか。
とか、色々聞いてみたくなり、そんな自分にも困惑した。
…もしかしたら、彼は噂とは違う人なのかもしれない。
…でも、彼がもし、あのゼト信仰者と何らかの関わりがあったら…ひどくショックだ。そのくらい、どうしても、彼が気になった。
ギルバートは、そうして、毎朝訓練に来るクラウスをこっそり見守る始めた。
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