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それから、カイたちは魔王に全てを話した。そして、魔王と魔族たちを攻撃しないことを誓い、魔王も共存することを望んだ。
その後、すぐに世界中に事実が知れ渡った。
魔王は、イーブルが消えたため、本来の力を取り戻し、世界中にいた暴走したモンスターを保護することに努めているらしい。
一方カイたちは、アンナと共に帰路についた。
途中、カイたちは再びアランの故郷にやってきた。
アランとアンナが2人で村の跡地に入っていくのを、カイは見送ってその場を後にした。2人には積もる話がたくさんあるだろう。
*
「お兄ちゃん、これからどうするの?」
アンナと2人で、昔の家の前に座って一通り話した後、ぽつりとアンナが言った。
「…もう世界からは冒険者はいなくなるけど、勇者である俺は、魔王も言った通り、まだやれることがたくさんあると思う。俺は、これからも世界を回りながら、人々の助けになりたい。…アンナはどうしたい?」
「私、やっぱりドラゴンたちと離れたくないの。ワイバーンも、私の使い魔になりたいって言ってくれて…私は使い魔じゃなくて、相棒としてこれからもワイバーンと一緒にいるつもりだけど。私の生活から、ドラゴンがなくなることはないわ。私、北の地にあるドラゴン使いの生き残りの人たちの所へ行って、もっと修行してみたいの」
アランは妹の胸の内の願いを聞くと、微笑んだ。
「うん。アンナの生きたいように生きるべきだ。また離れてしまっても、俺たちは家族だ。いつでも会いにいくよ」
「お兄ちゃんも、生きたいように生きてね。──あと、結婚したら教えて」
アンナがいたずらっぽく笑って言う。
?!
「…え?」
「え、気づいてないと思った?お兄ちゃん、カイさんのこと好きでしょ。めっっっちゃ見てるもん」
バレバレなことに、かぁっと顔が熱くなる。
「お兄ちゃんがこんなに1人の人のこと好きになるなんて、びっくりよ!お兄ちゃん、博愛って感じだったから。…それだけ、カイさんのこと大事なんだね」
「…うん。大事だよ」
アンナは嬉しそうに笑った。
「私、カイさんのこと好きよ。命の恩人でもあるけど…話を聞いて、感動したもん。呪縛に抗って、お兄ちゃんのこと助けようとしてくれたんだよね。それ聞いて、カイさんも、お兄ちゃんのことすごく大事なんだなって思った」
「カイが俺のこと大事…?」
「そうよ。…え。まさか、お兄ちゃんとカイさんって、まだ付き合ってないの?!」
アランは項垂れた。
「…告白もしてない」
「……。まさか告白してないなんて…。絶対両想いなのに…」
「そうかな…。だって俺、昔はカイに嫌われてたんだ。イーブルの洗脳といえども…」
「絶対大丈夫だって!オンナノカンよ!」
絶対告白して!とアンナに揺さぶられながら、アランはぼんやり考えた。
もちろん、告白したい。というか、最早プロポーズの言葉まで考えていた。
だが、改めてアランを優しく見つめてくれるカイを前に、怖気付いていたのも事実だ。
──よし。旅が終わったら、カイに告白する。あの、願いが叶うという、『水の都』の『古代樹の下』で。
*
カイたちは、アランの故郷に墓石を建てた。やっと全てが終わり、アランとアンナもこの故郷に顔を見せることができた。
カイは、村を眺めるアランとアンナの横顔を見ながら、安堵した。2人は、何かを決意したような、晴れやかな顔をしていた。2人はこれからも、過去の事を抱えながらも、前に進めるだろう。
カイも、もう悪夢は見なかった。
俺も、これからのことを考えなくてはならない。
俺が生まれ変わった、ゲームの世界。
これからのことは、シナリオにはない、俺の物語だ。
その後、すぐに世界中に事実が知れ渡った。
魔王は、イーブルが消えたため、本来の力を取り戻し、世界中にいた暴走したモンスターを保護することに努めているらしい。
一方カイたちは、アンナと共に帰路についた。
途中、カイたちは再びアランの故郷にやってきた。
アランとアンナが2人で村の跡地に入っていくのを、カイは見送ってその場を後にした。2人には積もる話がたくさんあるだろう。
*
「お兄ちゃん、これからどうするの?」
アンナと2人で、昔の家の前に座って一通り話した後、ぽつりとアンナが言った。
「…もう世界からは冒険者はいなくなるけど、勇者である俺は、魔王も言った通り、まだやれることがたくさんあると思う。俺は、これからも世界を回りながら、人々の助けになりたい。…アンナはどうしたい?」
「私、やっぱりドラゴンたちと離れたくないの。ワイバーンも、私の使い魔になりたいって言ってくれて…私は使い魔じゃなくて、相棒としてこれからもワイバーンと一緒にいるつもりだけど。私の生活から、ドラゴンがなくなることはないわ。私、北の地にあるドラゴン使いの生き残りの人たちの所へ行って、もっと修行してみたいの」
アランは妹の胸の内の願いを聞くと、微笑んだ。
「うん。アンナの生きたいように生きるべきだ。また離れてしまっても、俺たちは家族だ。いつでも会いにいくよ」
「お兄ちゃんも、生きたいように生きてね。──あと、結婚したら教えて」
アンナがいたずらっぽく笑って言う。
?!
「…え?」
「え、気づいてないと思った?お兄ちゃん、カイさんのこと好きでしょ。めっっっちゃ見てるもん」
バレバレなことに、かぁっと顔が熱くなる。
「お兄ちゃんがこんなに1人の人のこと好きになるなんて、びっくりよ!お兄ちゃん、博愛って感じだったから。…それだけ、カイさんのこと大事なんだね」
「…うん。大事だよ」
アンナは嬉しそうに笑った。
「私、カイさんのこと好きよ。命の恩人でもあるけど…話を聞いて、感動したもん。呪縛に抗って、お兄ちゃんのこと助けようとしてくれたんだよね。それ聞いて、カイさんも、お兄ちゃんのことすごく大事なんだなって思った」
「カイが俺のこと大事…?」
「そうよ。…え。まさか、お兄ちゃんとカイさんって、まだ付き合ってないの?!」
アランは項垂れた。
「…告白もしてない」
「……。まさか告白してないなんて…。絶対両想いなのに…」
「そうかな…。だって俺、昔はカイに嫌われてたんだ。イーブルの洗脳といえども…」
「絶対大丈夫だって!オンナノカンよ!」
絶対告白して!とアンナに揺さぶられながら、アランはぼんやり考えた。
もちろん、告白したい。というか、最早プロポーズの言葉まで考えていた。
だが、改めてアランを優しく見つめてくれるカイを前に、怖気付いていたのも事実だ。
──よし。旅が終わったら、カイに告白する。あの、願いが叶うという、『水の都』の『古代樹の下』で。
*
カイたちは、アランの故郷に墓石を建てた。やっと全てが終わり、アランとアンナもこの故郷に顔を見せることができた。
カイは、村を眺めるアランとアンナの横顔を見ながら、安堵した。2人は、何かを決意したような、晴れやかな顔をしていた。2人はこれからも、過去の事を抱えながらも、前に進めるだろう。
カイも、もう悪夢は見なかった。
俺も、これからのことを考えなくてはならない。
俺が生まれ変わった、ゲームの世界。
これからのことは、シナリオにはない、俺の物語だ。
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