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帰宅
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「あなた昨日どこに行ってたの!?まさか夜遊びじゃないでしょうね?」
最悪だ。静かに帰ってきたのに母親に気付かれてしまった。
「友達の家に行っていました。」
「あなたが何をしようが構わないけど、私の評価が下がるようなことはしないでちょうだい。」
「はい。すみませんでした、お母さん。」
何をしようと構わないなら俺のことなんて放っておけばいいのに…
「何よ、その顔。…何か不満があるわけ!?」ガンッ
思いっきり頭を殴られた。
「ごめんなさい…」
頭がグラグラする。
「本当に生意気な子ね。早く部屋に行ってちょうだい。目障りだわ。」
ーーーーーーーーーーーーーー
部屋に入り、カギを閉めてベッドに倒れ込む。そこでやっと息ができた気がした。
今日は多分部屋から出ることは許されないだろう。
夕飯やお風呂どころかトイレに行くことすら叶わないかもしれない。
もう寝るしかないな。電話しようにも音が聞こえたら危ない。
今日はもうこれ以上怒られたくはない。
「はぁー」
携帯をいじることすら億劫になって、まだ早いが寝ることにした。
どうせ明日は親が起きるより先に家を出ないといけないだろうし。
「ごめんなさい」
早く1人前になってここを出ていく許可が欲しい。
「どうしよう」
家庭のことだけじゃない。
あいつのことも…
嫌いじゃない。でも好きかと言われたら分からない。
愛された記憶がない俺にとって難易度が高すぎる。
「ごめんな…」
俺はダメだよ。
怖がりで、怒られてばっかり。
なのに何でなんだろう。
何であの顔が頭から離れないんだろう。
「幸樹」
口にした名前に何故か鼓動が早くなったような気がした。
「…?疲れてるのかもな」
おやすみなさい、とそう呟いて目を瞑った。
明日に期待はしていないけど…
二人がいる日常が明日も無事に来ることを願いながら眠りについた。
最悪だ。静かに帰ってきたのに母親に気付かれてしまった。
「友達の家に行っていました。」
「あなたが何をしようが構わないけど、私の評価が下がるようなことはしないでちょうだい。」
「はい。すみませんでした、お母さん。」
何をしようと構わないなら俺のことなんて放っておけばいいのに…
「何よ、その顔。…何か不満があるわけ!?」ガンッ
思いっきり頭を殴られた。
「ごめんなさい…」
頭がグラグラする。
「本当に生意気な子ね。早く部屋に行ってちょうだい。目障りだわ。」
ーーーーーーーーーーーーーー
部屋に入り、カギを閉めてベッドに倒れ込む。そこでやっと息ができた気がした。
今日は多分部屋から出ることは許されないだろう。
夕飯やお風呂どころかトイレに行くことすら叶わないかもしれない。
もう寝るしかないな。電話しようにも音が聞こえたら危ない。
今日はもうこれ以上怒られたくはない。
「はぁー」
携帯をいじることすら億劫になって、まだ早いが寝ることにした。
どうせ明日は親が起きるより先に家を出ないといけないだろうし。
「ごめんなさい」
早く1人前になってここを出ていく許可が欲しい。
「どうしよう」
家庭のことだけじゃない。
あいつのことも…
嫌いじゃない。でも好きかと言われたら分からない。
愛された記憶がない俺にとって難易度が高すぎる。
「ごめんな…」
俺はダメだよ。
怖がりで、怒られてばっかり。
なのに何でなんだろう。
何であの顔が頭から離れないんだろう。
「幸樹」
口にした名前に何故か鼓動が早くなったような気がした。
「…?疲れてるのかもな」
おやすみなさい、とそう呟いて目を瞑った。
明日に期待はしていないけど…
二人がいる日常が明日も無事に来ることを願いながら眠りについた。
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