14 / 20
序章
#14 裏路地
しおりを挟む
レティシアと一緒に、声を揃えたのはアルストだ。
レティシアは、あまりに衝撃的なレオンのひと言に、思わず涙が引っ込んだ。
急に現実に引き戻されたのである。
一国の王女が、現実逃避したくなって城を抜け、そこで出会った冒険者達と、冒険の旅に向かうなど、許される筈もない。あり得ない話だ。
そして、この二人が牢に入れられる姿まで、脳裏に思い浮かべたレティシアは、ふっと呆れたように微笑んだ。
「ふふっ……。旅、してみたい気持ちはある。でも、そんなことしたら、レオン達に迷惑がかかるから、私は行けない。それに……本当は、逃げたっていつかは向き合わなきゃいけないことだって、ちゃんとわかっている。今日は逃げてしまったけど……あはは。なんか、話したら……少しスッキリした。だから、聞いてくれてありがとう。私、そろそろ、行くね」
レティシアは、そう言って二人に微笑んだ。
「え~行こうよ~。可愛い女の子が旅の仲間に加わってくれたら、絶対楽しくなると思ったのに~」
「お前な……」
レオンはどうやら本気で言ってくれたいたようで、アルストに怒られていた。
「やれやれ、レシル行くのか……? 送ろうか? さっきもコイツが言ったけど、最近、女の子を狙う物騒な事件が多発してるから、レシルみたいに可愛い子が、ひとりで歩くのは危険だ」
「物騒……?」
「女の子が乱暴されて無理矢理……な」
「何だと? そんな者、早く捕まえてやらないとだな……」
「ははは。レシル、捕まえてくれって言ってるんじゃなくて、だから帰り道は気を付けてって言ってるんだぞ? 女の子が無茶したら危険だから、犯人探しは俺達に任せて」
「……そ、そうか。それにしても、兵は何をしているのだ」
「兵――って……レシル? じゅ、巡回兵が一応、見回りしてくれてはいるみたいだけど、なかなか姿を現さないらしいな」
「そうなのか……ふぅん」
「でも、犯人でもそうじゃなくても、レシル、見れば見るほど目を引くよなぁ。本当に気を付けないと。俺達に会うまで、見知らぬ男に声かけられなかった?」
レティシアは、きょとんとして声をかけられたけど、徹底的に無視したことと、それが執事からの忠告であったことを話した。
予想通りの回答に、二人は溜め息を吐いた。
「「……だろうな」」
「?」
レティシアは、首を傾げた。
「レシル、良い執事がいて良かったな。それが良い」
「えっと……てことは、俺達とも本来なら話すつもりはなかったわけだよな? 偶然、レシルの前にコイツがいて、レシルに背中を貸してなかったら、俺達もレシルとこうして話すこともなかったわけだ。ま、強引に連れて来られて、例外になってしまったんだろうけど。ははは、これも何かの縁だな。良かったらお友達になろうぜ」
その言葉に、レティシアは顔が曇る。
「トモ……ダチ……? でも……」
「――いつ会えるかわからないって? レシル~? 俺達は、いつまたこの町に来るかわからない。レシルも、いつこっそりおうちを抜け出して、町に来るかもわからない。だから、確かに次、いつ会えるかなんて、全然わかんない。でも、人生何があるかわからない。レシルもずっとココにいるとも限らない。引っ越すかもしれないし、長旅に出るかもしれないし? 今はこの国の外に、誰も知っている人はいないかもしれない。でも、俺らという友達がいれば、たった二人だけでも世界のどこかに、知っている人ができるだろう? いつか偶然、どこかで再会した時、声かけろよ。俺達も見かけたら声かけるし。そんでさ、この今日の思い出話とかしようぜ」
「レオン……う、うん! じゃあ、友達……っ」
レティシアは、少し照れ臭そうに言った。
「め……珍しくまともなこと言うなよ。俺が言おうと思ってたのに……はぁ。コイツの言う通り、俺も、そう思ってるから……レシル、また会おうな。しばらくはこの町にもいるしさ。ま、そんなちょくちょくは抜けられないだろうけどな。はは」
「レオン……。アルスト……。うん……色々とありがとう。私、じゃあ行くね。送りは大丈夫だから。じゃ、またね」
レオンとアルストに微笑まれ、見送られたレティシアは、冒険者の集いの場を後にした。途中、レティシアは、もう一度、冒険者の集いの場の方は振り返ると、二人はいい人だったなと、口元を微笑ませた。
(さて……。怒られる覚悟もできたから、城へ戻るか……!)
空は、もうすっかり夕方から夜になりそうになっていた。
時計を見ると十七時二五分。夕食は十九時だ。
城に向かわなくてはならない時間としては、ちょうどいい頃合いだった。
レティシアは、キョロキョロと見回すと、遠くに城の方角が見える方へと歩みを進めた。
しかし、城が見える方に進んでいる筈が、道が曲がっていて、道を逸れて反対方向に出てしまったり、全然違う方向へ出たり……レティシアは、どうやら道に迷ったようだった。
そういえば、アルスト達に連れられている間、レティシアは考え事をしていた。ちっとも道順を覚えることもなく、気が付いたら冒険者の集いの場に到着していたのである。
(ちゃんと行き方、見ておけば良かった……)
城は遠くに見えているのに、その方向に進んでもちっとも近付かないこの辺の道は、レティシアが全く通ったことのない通りであった。
あまり人通りがなく、誰にも道を訊ねることもできない。
ザッ……という音が、離れた後方から聞こえた気がして、レティシアは息を呑んだ。立ち止まって、そして振り返る。そこには誰もいなかった。
「…………」
目の前の道は二手に分かれている。
レティシアは、右に歩みを進めてみることにしたが、やはり何故か後方が気になり、少し怖くもなった。
『最近、物騒な事件が――』
『女の子が――』
アルストとレオンの言葉を思い出し、レティシアは心臓の鼓動が速くなってしまい、落ち着けるために立ち止まった。
(夜道……何でこんなに人通りがないんだ……余計に怖いではないか……っ)
レティシアが再び歩みを進めるも、後方からの気配も相変わらずで、レティシアは意を決して振り返ることにした。
建物の陰にスッと、誰かが隠れたのが見えた気がした――。
レティシアは、震えそうになる声で言った。
「――だ、誰だ……!」
しかし、反応がないことに不気味さを感じて後退りすると、レティシアは道なりに走った――。
やはり誰か潜んでいたのだろう。誰かが走ってくる足音がする。レティシアは振り返るもこともなく走り、とにかく夢中で地理のわからない路地を進む。
(う……まただ……。どっちなんだ……?)
また分かれ道である――。
「はぁ……はぁ……はぁっ」
レティシアはいい加減うんざりして、結構走ったこともあり息を切らし、立ち止まった時だった。
「はぁ……はあ……あ、あれ~? 偶然だねぇ……はあ、はぁ……こんな所で……またっ……会えるなんて……ぜぇ、はぁ……」
レティシアは、その声にぞくっと背筋が凍るようだった。聞き覚えのある声に、後ろをゆっくりと振り返る。レティシアは目を疑った――。そこにいたのは、今日、地図を片手に話しかけてきた変な輩だったのである。
偶然とか言いつつ、明らかに疲れている所を見ると、走ったレティシアを追って来たに違いない。レティシアより息を切らしているようだ。
しかし、無視するには不自然である。
「ぐ……偶然? 追いかけて来たの……間違いだろう? はぁ……はぁ……」
レティシアは、嫌悪した表情で変な輩を見た。ずっと背後に感じていた気配の正体が、この人物だったことを考えると、レティシアは恐怖を感じた。
「運命の……はぁ……はぁ……相手とは……よく会うって……はぁ……い、言うだろう? はー……」
「そんなに息を切らして、必死に運命にしようとして、バカバカしい……。はぁ……じゃあ、さようならっ」
変な輩は、何が何でもレティシアと運命の糸を結びたいようだ。レティシアが先を再び走るのを、また追いかけてくる。分かれ道も適当に進むけど、やはり道を知らないレティシアと、道を知っている変な輩……どちらが有利かは明らかだった。
次第に息が切れてきたレティシアは、先程の変な輩と同じくらいには、もう疲れて果てていた。
そして、再び分かれ道――。
後ろを振り返ると、変な輩もかなり息を切らしながら、かなり遠くをもう歩いているようだ。
(……もう……走れない……のは向こうも同じ筈だ。イチかバチかで進むしかない)
レティシアは、意を決して左へと進むことにした。
念のため振り返って変な輩を見ると、ゆっくりとこちらに歩き、先程の分かれ道の地点まで差し掛かった所で、変な輩は立ち止まったかと思うと座り込み、休憩しているようだ。
何故立ち止まったのか不思議に思いながらも、レティシアは肩を撫で下ろして、ゆっくりと歩いて前を進んでいった。
しかし、あれだけレティシアを付けていた変な輩が、レティシアを見失う可能性があるというのに、休憩などするだろうか。
もしかしてこの先は……という、嫌な予感が脳裏を掠めた。振り返ると変な輩は立ち上がり、再びゆっくりと歩みを再開している。
恐る恐る進んだレティシアは、ついに前方の行方が見える箇所まで歩みを進めた。
「!」
進む先のその終着地点は、行き止まりだった――。
「…………」
正解は、右だったのだろうか。いや、それも行き止まりではないという保証はどこにもない。
やはり、このことを知っていた変な輩は、勝利を確信してその歩みを止めたのだろう。
背後から足音が、笑いを堪えたような声が、どんどん近づいてくる。
「くっくっく……。君、この町の人間じゃないみたいだね。こんな裏路地に入っちゃうなんて。僕の地図、あげようか? あっはっは。右に行ってくれてたら、もう少し鬼ごっこして遊べたんだけどねぇ。それとも……こんな、人があまり来ない好都合な場所に、君の方から誘ってくれたのかなぁ? 嬉しいなぁ」
「……な、何を言って……?」
レティシアは、変な輩の思考に狂気を感じた。
(何……コイツ、本当にヤバい……奴じゃん)
背中がいつ壁の感触を感じてしまうのか――。レティシアは、変な輩と視線を合わせたまま、後方を確認せずに後退していった。
変な輩が、一歩近付く速さと同じ速度で、一歩ずつ、一歩ずつ――。
変な輩を払い退け、来た道を戻ることも考えたが、もう走れる体力もない。あまり近付くのも、危険を感じる。
余裕を見せながら、変な輩はどんどんレティシアとの距離を詰めてくる。
「はぁ……どうして逃げるのかな? 仲良くなりたいだけなのに……。それなのに、皆……」
「え? 皆…………?」
レティシアは、変な輩の言動に眉を顰めた。変な輩は立ち止まると言った。
「……この街の人間じゃないから、君は知らないかな? 今、君みたいな可愛い子が夜道で狙われてるって、物騒な事件が起きててねぇ。でも……、その子達が悪いんだよ……? 仕方ないんだ……だって、皆、俺をムカつかせるから……」
「!」
レティシアは、驚愕して目を見開いた――。目の前のこの変な輩は、まるで自分が犯人みたいな発言をしている。
エンブレミアの巡回兵も、アルストやレオンも追っているという……今、話題の事件の犯人。なかなか捕まらずに野放しになっている犯人。それが、目の前にいる変な輩なのかと思うと、急に恐怖がレティシアを襲い、声が奥に押し込まれ、出て来なくなった。顔は、青褪めているに違いない。
足が――すくむ――。勝手に大きく騒ぎ始めたレティシアの心臓の音だけが、どくんどくんと音を立てて耳に響かせていた。
「あ……れ? 知らなかった? いい顔になったね……。もう後ろもないことだし、遊びはここまでだ」
変な輩の言う通り、レティシアの背中は次の瞬間、冷たいコンクリートに当たる――。
心臓がゾクッと凍てつくように冷え、すくみそうだった足は、本当にすくんでしまい、レティシアはその場に座り込んだ。
焦る気持ちを落ち着けようと、レティシアは胸元を押さえた。
(仕方がない……)
レティシアは、仕方なく簡易魔法の異次元空間から、細身の剣を取り出そうとした。
(あ……あれ?)
レティシアの収納魔法の異次元空間に、剣の感触がないことに、レティシアは背中がひやりとする。
そういえば、昨日、滅多にしないくせに、珍しく異次元空間の中を整理したことを思い出した。
(しまった、部屋だ――――!)
レティシアは最悪、剣という保険があったからこそ、平常心を保っていた――。全身から血の気が抜けていき、動揺は隠せなくなった。
まさに絶体絶命とは、今のこと。
レティシアは、魔剣のクロードと教育係兼目付け役リュシファーに脳内で詫びる。
そして、できることなら今すぐ助けに来てくれと、頭の中で二人に土下座して訴えていた。
(付いて来たいと言われても、いつも付いて来るなと命令して悪かった! 魔法の特訓からつい逃げ出しちゃってごめんなさい! これまでのことも、全部、全部謝るから……! 助けて……! どっちでも良いから気付いて……! うわぁぁん)
レティシアは一応立ち上がったものの、もう手も足も出ずに、近づいてくる変な輩に、すっかり怯えた目を向ける。レティシアの怯える様を、変な輩は愉しむように、あくまでも優しい声色で話しかけながら近付いて来る。
「ぅ……ぁ…………い……や…………」
(これは、本当の本当に、たった今、起きていること? ど…………うしよう…………どうしたら。頭が……回らない…………!)
変な輩の距離が、もう自分に手を掛けられる程に近付いた。その時、レティシアはその目に、じわっと涙が浮かぶのを感じて、口が悲鳴を上げそうになった。
「あれ? 泣いちゃった? さーて、そろそろ状況、わかったよね? こんな人通りのない路地に迷い込んだら最後、――――誰も、来ねーからなぁっ!!!」
急に変えられた乱暴な声色と、乱暴に掴まれた腕の痛みに、レティシアはついに耐えられなくなり、ついに悲鳴を上げた。
「いっ……いやぁぁぁぁぁーー!」
かろうじて耐えていた恐怖心が、こんなに一気に襲って来るなんて、レティシアは思っていなかったのだ。
(……リュシファー……!)
きつく目を閉じてその身を引いた、次の瞬間だった――――。
ザバーーーーーーーーーーッッ……!
「!?」
滝の様な凄い勢いの水の柱―――。
突然の音とともに、レティシアの腕を掴んでいた変な輩の手は離れ、レティシアはただ、目の前の水柱に目を見張る。
レティシアも顔や髪、服が結構濡れてしまい、髪からは水の雫がポタポタ落ちていた。しかしそんなこと気にならない程に、ただただ目をぱちぱちとして、その様子を見ていた。
変な輩が身体を支えているのがやっとというの程の水圧に、変な輩は後退りしている。
濡れた髪を前に垂らして、髪からは水の雫がポタ……ポタ……と雫に変わるまで、目を真ん丸にして愕然としていた。
変な輩と距離ができたので、レティシアが立ち上がった所で、変な輩は我に返ったようだ。
「な、な……んだコレ……! お前か……?」
「⁉︎」
レティシアは、ぶんぶんと首を横に勢いよく振った。
レティシアにこんな魔法の使用経験などない。しかし、もしかしたら、窮地に立たされた事で眠っていた魔力が、身を守るために発動した可能性が頭を掠めたため、レティシアは苦笑いを浮かべた。
「……はぁ? お前以外に誰がこんなこと――」
そう言って、目が見えるように前髪を掻き分けた変な輩が、レティシアを睨み付けた瞬間だった。
スッとレティシアの目の前に、一人の青年が上から降り立ってきた。
「!」
突然、降ってきた男にレティシアは驚いて、思わず再び、ぺたんとその場に座り込んでしまった。
その青年が身に纏っているのは、吟遊詩人の様な白い地に薄紫色の配色が綺麗な衣装。赤銅色の髪の毛は、長い部分は顎の辺り程度で、毛先は動きのある髪型だ。
(だ、誰?)
謎の男は、スマートで背が高く、その雰囲気は、どこかで感じたことがある気がした。
只者ではない者のオーラが漂っている。空気が凍てつくようなこの雰囲気は、どこかで感じたことのある空気感だった。
謎の男は沈黙したまま、ただ溜め息を吐いた。
何とも言えない緊張感がレティシアを襲う。
ピリつくような空気感を漂わせたとある人に、本当は言いたい事があるが、沈黙という威圧感を与えられ、少しずつ精神を削るように、半分脅迫のような言葉を、あくまでも穏やかに吐かれ、お説教されている時のような――そんな雰囲気に似ていた。その時、レティシアは、怒らせてはいけない相手を怒らせてしまったと、心底後悔するのだ。
(う……こ、この人……絶対に今、怒ってる……)
魔法が使えない者であっても、感じることが出来る圧倒的な何かに、レティシアは声も出ない。
(味方……なのか? わ……私も水ちょっと被ったし……味方にしては、ちょっと手荒ではないか? 敵……いや、うーん。どちらにしても、変な輩はともかくとして、敵だとしたら天この者からは絶対に逃げられない、ということだけはわかる……ど、どうしよう……)
レティシアは二人を交互に見つめて、少し後退りしておいた。変な輩は、突然現れたその謎の男に向かって、ついにお決まりの台詞を言った。
「……だ、誰だっ!」
レティシアは、あまりに衝撃的なレオンのひと言に、思わず涙が引っ込んだ。
急に現実に引き戻されたのである。
一国の王女が、現実逃避したくなって城を抜け、そこで出会った冒険者達と、冒険の旅に向かうなど、許される筈もない。あり得ない話だ。
そして、この二人が牢に入れられる姿まで、脳裏に思い浮かべたレティシアは、ふっと呆れたように微笑んだ。
「ふふっ……。旅、してみたい気持ちはある。でも、そんなことしたら、レオン達に迷惑がかかるから、私は行けない。それに……本当は、逃げたっていつかは向き合わなきゃいけないことだって、ちゃんとわかっている。今日は逃げてしまったけど……あはは。なんか、話したら……少しスッキリした。だから、聞いてくれてありがとう。私、そろそろ、行くね」
レティシアは、そう言って二人に微笑んだ。
「え~行こうよ~。可愛い女の子が旅の仲間に加わってくれたら、絶対楽しくなると思ったのに~」
「お前な……」
レオンはどうやら本気で言ってくれたいたようで、アルストに怒られていた。
「やれやれ、レシル行くのか……? 送ろうか? さっきもコイツが言ったけど、最近、女の子を狙う物騒な事件が多発してるから、レシルみたいに可愛い子が、ひとりで歩くのは危険だ」
「物騒……?」
「女の子が乱暴されて無理矢理……な」
「何だと? そんな者、早く捕まえてやらないとだな……」
「ははは。レシル、捕まえてくれって言ってるんじゃなくて、だから帰り道は気を付けてって言ってるんだぞ? 女の子が無茶したら危険だから、犯人探しは俺達に任せて」
「……そ、そうか。それにしても、兵は何をしているのだ」
「兵――って……レシル? じゅ、巡回兵が一応、見回りしてくれてはいるみたいだけど、なかなか姿を現さないらしいな」
「そうなのか……ふぅん」
「でも、犯人でもそうじゃなくても、レシル、見れば見るほど目を引くよなぁ。本当に気を付けないと。俺達に会うまで、見知らぬ男に声かけられなかった?」
レティシアは、きょとんとして声をかけられたけど、徹底的に無視したことと、それが執事からの忠告であったことを話した。
予想通りの回答に、二人は溜め息を吐いた。
「「……だろうな」」
「?」
レティシアは、首を傾げた。
「レシル、良い執事がいて良かったな。それが良い」
「えっと……てことは、俺達とも本来なら話すつもりはなかったわけだよな? 偶然、レシルの前にコイツがいて、レシルに背中を貸してなかったら、俺達もレシルとこうして話すこともなかったわけだ。ま、強引に連れて来られて、例外になってしまったんだろうけど。ははは、これも何かの縁だな。良かったらお友達になろうぜ」
その言葉に、レティシアは顔が曇る。
「トモ……ダチ……? でも……」
「――いつ会えるかわからないって? レシル~? 俺達は、いつまたこの町に来るかわからない。レシルも、いつこっそりおうちを抜け出して、町に来るかもわからない。だから、確かに次、いつ会えるかなんて、全然わかんない。でも、人生何があるかわからない。レシルもずっとココにいるとも限らない。引っ越すかもしれないし、長旅に出るかもしれないし? 今はこの国の外に、誰も知っている人はいないかもしれない。でも、俺らという友達がいれば、たった二人だけでも世界のどこかに、知っている人ができるだろう? いつか偶然、どこかで再会した時、声かけろよ。俺達も見かけたら声かけるし。そんでさ、この今日の思い出話とかしようぜ」
「レオン……う、うん! じゃあ、友達……っ」
レティシアは、少し照れ臭そうに言った。
「め……珍しくまともなこと言うなよ。俺が言おうと思ってたのに……はぁ。コイツの言う通り、俺も、そう思ってるから……レシル、また会おうな。しばらくはこの町にもいるしさ。ま、そんなちょくちょくは抜けられないだろうけどな。はは」
「レオン……。アルスト……。うん……色々とありがとう。私、じゃあ行くね。送りは大丈夫だから。じゃ、またね」
レオンとアルストに微笑まれ、見送られたレティシアは、冒険者の集いの場を後にした。途中、レティシアは、もう一度、冒険者の集いの場の方は振り返ると、二人はいい人だったなと、口元を微笑ませた。
(さて……。怒られる覚悟もできたから、城へ戻るか……!)
空は、もうすっかり夕方から夜になりそうになっていた。
時計を見ると十七時二五分。夕食は十九時だ。
城に向かわなくてはならない時間としては、ちょうどいい頃合いだった。
レティシアは、キョロキョロと見回すと、遠くに城の方角が見える方へと歩みを進めた。
しかし、城が見える方に進んでいる筈が、道が曲がっていて、道を逸れて反対方向に出てしまったり、全然違う方向へ出たり……レティシアは、どうやら道に迷ったようだった。
そういえば、アルスト達に連れられている間、レティシアは考え事をしていた。ちっとも道順を覚えることもなく、気が付いたら冒険者の集いの場に到着していたのである。
(ちゃんと行き方、見ておけば良かった……)
城は遠くに見えているのに、その方向に進んでもちっとも近付かないこの辺の道は、レティシアが全く通ったことのない通りであった。
あまり人通りがなく、誰にも道を訊ねることもできない。
ザッ……という音が、離れた後方から聞こえた気がして、レティシアは息を呑んだ。立ち止まって、そして振り返る。そこには誰もいなかった。
「…………」
目の前の道は二手に分かれている。
レティシアは、右に歩みを進めてみることにしたが、やはり何故か後方が気になり、少し怖くもなった。
『最近、物騒な事件が――』
『女の子が――』
アルストとレオンの言葉を思い出し、レティシアは心臓の鼓動が速くなってしまい、落ち着けるために立ち止まった。
(夜道……何でこんなに人通りがないんだ……余計に怖いではないか……っ)
レティシアが再び歩みを進めるも、後方からの気配も相変わらずで、レティシアは意を決して振り返ることにした。
建物の陰にスッと、誰かが隠れたのが見えた気がした――。
レティシアは、震えそうになる声で言った。
「――だ、誰だ……!」
しかし、反応がないことに不気味さを感じて後退りすると、レティシアは道なりに走った――。
やはり誰か潜んでいたのだろう。誰かが走ってくる足音がする。レティシアは振り返るもこともなく走り、とにかく夢中で地理のわからない路地を進む。
(う……まただ……。どっちなんだ……?)
また分かれ道である――。
「はぁ……はぁ……はぁっ」
レティシアはいい加減うんざりして、結構走ったこともあり息を切らし、立ち止まった時だった。
「はぁ……はあ……あ、あれ~? 偶然だねぇ……はあ、はぁ……こんな所で……またっ……会えるなんて……ぜぇ、はぁ……」
レティシアは、その声にぞくっと背筋が凍るようだった。聞き覚えのある声に、後ろをゆっくりと振り返る。レティシアは目を疑った――。そこにいたのは、今日、地図を片手に話しかけてきた変な輩だったのである。
偶然とか言いつつ、明らかに疲れている所を見ると、走ったレティシアを追って来たに違いない。レティシアより息を切らしているようだ。
しかし、無視するには不自然である。
「ぐ……偶然? 追いかけて来たの……間違いだろう? はぁ……はぁ……」
レティシアは、嫌悪した表情で変な輩を見た。ずっと背後に感じていた気配の正体が、この人物だったことを考えると、レティシアは恐怖を感じた。
「運命の……はぁ……はぁ……相手とは……よく会うって……はぁ……い、言うだろう? はー……」
「そんなに息を切らして、必死に運命にしようとして、バカバカしい……。はぁ……じゃあ、さようならっ」
変な輩は、何が何でもレティシアと運命の糸を結びたいようだ。レティシアが先を再び走るのを、また追いかけてくる。分かれ道も適当に進むけど、やはり道を知らないレティシアと、道を知っている変な輩……どちらが有利かは明らかだった。
次第に息が切れてきたレティシアは、先程の変な輩と同じくらいには、もう疲れて果てていた。
そして、再び分かれ道――。
後ろを振り返ると、変な輩もかなり息を切らしながら、かなり遠くをもう歩いているようだ。
(……もう……走れない……のは向こうも同じ筈だ。イチかバチかで進むしかない)
レティシアは、意を決して左へと進むことにした。
念のため振り返って変な輩を見ると、ゆっくりとこちらに歩き、先程の分かれ道の地点まで差し掛かった所で、変な輩は立ち止まったかと思うと座り込み、休憩しているようだ。
何故立ち止まったのか不思議に思いながらも、レティシアは肩を撫で下ろして、ゆっくりと歩いて前を進んでいった。
しかし、あれだけレティシアを付けていた変な輩が、レティシアを見失う可能性があるというのに、休憩などするだろうか。
もしかしてこの先は……という、嫌な予感が脳裏を掠めた。振り返ると変な輩は立ち上がり、再びゆっくりと歩みを再開している。
恐る恐る進んだレティシアは、ついに前方の行方が見える箇所まで歩みを進めた。
「!」
進む先のその終着地点は、行き止まりだった――。
「…………」
正解は、右だったのだろうか。いや、それも行き止まりではないという保証はどこにもない。
やはり、このことを知っていた変な輩は、勝利を確信してその歩みを止めたのだろう。
背後から足音が、笑いを堪えたような声が、どんどん近づいてくる。
「くっくっく……。君、この町の人間じゃないみたいだね。こんな裏路地に入っちゃうなんて。僕の地図、あげようか? あっはっは。右に行ってくれてたら、もう少し鬼ごっこして遊べたんだけどねぇ。それとも……こんな、人があまり来ない好都合な場所に、君の方から誘ってくれたのかなぁ? 嬉しいなぁ」
「……な、何を言って……?」
レティシアは、変な輩の思考に狂気を感じた。
(何……コイツ、本当にヤバい……奴じゃん)
背中がいつ壁の感触を感じてしまうのか――。レティシアは、変な輩と視線を合わせたまま、後方を確認せずに後退していった。
変な輩が、一歩近付く速さと同じ速度で、一歩ずつ、一歩ずつ――。
変な輩を払い退け、来た道を戻ることも考えたが、もう走れる体力もない。あまり近付くのも、危険を感じる。
余裕を見せながら、変な輩はどんどんレティシアとの距離を詰めてくる。
「はぁ……どうして逃げるのかな? 仲良くなりたいだけなのに……。それなのに、皆……」
「え? 皆…………?」
レティシアは、変な輩の言動に眉を顰めた。変な輩は立ち止まると言った。
「……この街の人間じゃないから、君は知らないかな? 今、君みたいな可愛い子が夜道で狙われてるって、物騒な事件が起きててねぇ。でも……、その子達が悪いんだよ……? 仕方ないんだ……だって、皆、俺をムカつかせるから……」
「!」
レティシアは、驚愕して目を見開いた――。目の前のこの変な輩は、まるで自分が犯人みたいな発言をしている。
エンブレミアの巡回兵も、アルストやレオンも追っているという……今、話題の事件の犯人。なかなか捕まらずに野放しになっている犯人。それが、目の前にいる変な輩なのかと思うと、急に恐怖がレティシアを襲い、声が奥に押し込まれ、出て来なくなった。顔は、青褪めているに違いない。
足が――すくむ――。勝手に大きく騒ぎ始めたレティシアの心臓の音だけが、どくんどくんと音を立てて耳に響かせていた。
「あ……れ? 知らなかった? いい顔になったね……。もう後ろもないことだし、遊びはここまでだ」
変な輩の言う通り、レティシアの背中は次の瞬間、冷たいコンクリートに当たる――。
心臓がゾクッと凍てつくように冷え、すくみそうだった足は、本当にすくんでしまい、レティシアはその場に座り込んだ。
焦る気持ちを落ち着けようと、レティシアは胸元を押さえた。
(仕方がない……)
レティシアは、仕方なく簡易魔法の異次元空間から、細身の剣を取り出そうとした。
(あ……あれ?)
レティシアの収納魔法の異次元空間に、剣の感触がないことに、レティシアは背中がひやりとする。
そういえば、昨日、滅多にしないくせに、珍しく異次元空間の中を整理したことを思い出した。
(しまった、部屋だ――――!)
レティシアは最悪、剣という保険があったからこそ、平常心を保っていた――。全身から血の気が抜けていき、動揺は隠せなくなった。
まさに絶体絶命とは、今のこと。
レティシアは、魔剣のクロードと教育係兼目付け役リュシファーに脳内で詫びる。
そして、できることなら今すぐ助けに来てくれと、頭の中で二人に土下座して訴えていた。
(付いて来たいと言われても、いつも付いて来るなと命令して悪かった! 魔法の特訓からつい逃げ出しちゃってごめんなさい! これまでのことも、全部、全部謝るから……! 助けて……! どっちでも良いから気付いて……! うわぁぁん)
レティシアは一応立ち上がったものの、もう手も足も出ずに、近づいてくる変な輩に、すっかり怯えた目を向ける。レティシアの怯える様を、変な輩は愉しむように、あくまでも優しい声色で話しかけながら近付いて来る。
「ぅ……ぁ…………い……や…………」
(これは、本当の本当に、たった今、起きていること? ど…………うしよう…………どうしたら。頭が……回らない…………!)
変な輩の距離が、もう自分に手を掛けられる程に近付いた。その時、レティシアはその目に、じわっと涙が浮かぶのを感じて、口が悲鳴を上げそうになった。
「あれ? 泣いちゃった? さーて、そろそろ状況、わかったよね? こんな人通りのない路地に迷い込んだら最後、――――誰も、来ねーからなぁっ!!!」
急に変えられた乱暴な声色と、乱暴に掴まれた腕の痛みに、レティシアはついに耐えられなくなり、ついに悲鳴を上げた。
「いっ……いやぁぁぁぁぁーー!」
かろうじて耐えていた恐怖心が、こんなに一気に襲って来るなんて、レティシアは思っていなかったのだ。
(……リュシファー……!)
きつく目を閉じてその身を引いた、次の瞬間だった――――。
ザバーーーーーーーーーーッッ……!
「!?」
滝の様な凄い勢いの水の柱―――。
突然の音とともに、レティシアの腕を掴んでいた変な輩の手は離れ、レティシアはただ、目の前の水柱に目を見張る。
レティシアも顔や髪、服が結構濡れてしまい、髪からは水の雫がポタポタ落ちていた。しかしそんなこと気にならない程に、ただただ目をぱちぱちとして、その様子を見ていた。
変な輩が身体を支えているのがやっとというの程の水圧に、変な輩は後退りしている。
濡れた髪を前に垂らして、髪からは水の雫がポタ……ポタ……と雫に変わるまで、目を真ん丸にして愕然としていた。
変な輩と距離ができたので、レティシアが立ち上がった所で、変な輩は我に返ったようだ。
「な、な……んだコレ……! お前か……?」
「⁉︎」
レティシアは、ぶんぶんと首を横に勢いよく振った。
レティシアにこんな魔法の使用経験などない。しかし、もしかしたら、窮地に立たされた事で眠っていた魔力が、身を守るために発動した可能性が頭を掠めたため、レティシアは苦笑いを浮かべた。
「……はぁ? お前以外に誰がこんなこと――」
そう言って、目が見えるように前髪を掻き分けた変な輩が、レティシアを睨み付けた瞬間だった。
スッとレティシアの目の前に、一人の青年が上から降り立ってきた。
「!」
突然、降ってきた男にレティシアは驚いて、思わず再び、ぺたんとその場に座り込んでしまった。
その青年が身に纏っているのは、吟遊詩人の様な白い地に薄紫色の配色が綺麗な衣装。赤銅色の髪の毛は、長い部分は顎の辺り程度で、毛先は動きのある髪型だ。
(だ、誰?)
謎の男は、スマートで背が高く、その雰囲気は、どこかで感じたことがある気がした。
只者ではない者のオーラが漂っている。空気が凍てつくようなこの雰囲気は、どこかで感じたことのある空気感だった。
謎の男は沈黙したまま、ただ溜め息を吐いた。
何とも言えない緊張感がレティシアを襲う。
ピリつくような空気感を漂わせたとある人に、本当は言いたい事があるが、沈黙という威圧感を与えられ、少しずつ精神を削るように、半分脅迫のような言葉を、あくまでも穏やかに吐かれ、お説教されている時のような――そんな雰囲気に似ていた。その時、レティシアは、怒らせてはいけない相手を怒らせてしまったと、心底後悔するのだ。
(う……こ、この人……絶対に今、怒ってる……)
魔法が使えない者であっても、感じることが出来る圧倒的な何かに、レティシアは声も出ない。
(味方……なのか? わ……私も水ちょっと被ったし……味方にしては、ちょっと手荒ではないか? 敵……いや、うーん。どちらにしても、変な輩はともかくとして、敵だとしたら天この者からは絶対に逃げられない、ということだけはわかる……ど、どうしよう……)
レティシアは二人を交互に見つめて、少し後退りしておいた。変な輩は、突然現れたその謎の男に向かって、ついにお決まりの台詞を言った。
「……だ、誰だっ!」
0
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
食うために軍人になりました。
KBT
ファンタジー
ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。
しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。
このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。
そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。
父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。
それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。
両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。
軍と言っても、のどかな田舎の軍。
リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。
おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。
その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。
生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。
剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。
底辺おっさん異世界通販生活始めます!〜ついでに傾国を建て直す〜
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
学歴も、才能もない底辺人生を送ってきたアラフォーおっさん。
運悪く暴走車との事故に遭い、命を落とす。
憐れに思った神様から不思議な能力【通販】を授かり、異世界転生を果たす。
異世界で【通販】を用いて衰退した村を建て直す事に成功した僕は、国家の建て直しにも協力していく事になる。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる