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第3話 【イズンの林檎】~黄金の果実~
第1章 ハミウリの花
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北欧神話の神々は、若さを維持する為にイズンの林檎という果実を食べる。この林檎は、いわゆるアップルではなく、果実全般を差すことが定説のようだ。
婚約者と二人でシルクロードを旅行した際に、立花佳樹は新疆ウイグル自治区でハミウリという果物に出会った。
ラグビーボールのような形で、食感はスイカのようにシャクシャクとしていて、発する香りはメロンのように芳醇だった。
帰国後、立花は自宅の裏庭にハミウリの種を植えた。日本ではあまりお目にかかれないこの思い出の果実を、婚約者である由美子と毎年育てていきたいと思ったから。
「毎年、夏にはハミウリの花が見られるといいね。」
立花の家に遊びに来ていた由美子は、ぽつぽつと姿を現したハミウリの芽に嬉しそうに水をやりながら、そう呟いた。
「え?毎年食べられると、の間違いじゃなくて?」
驚いたように返事をした僕に、由美子は優しい笑みで答える。
「花が咲くということは、その子の才能を無事開花してあげられたってことでしょう?生まれたからって花が咲かずにダメになっちゃうこともある。天候が悪かったり天敵に芽を摘まれたりして。だから、今年も無事に育ってくれて、花を見せてくれてありがとうって気持ちで毎年黄色い花を見たいわ。」
婚約者と二人でシルクロードを旅行した際に、立花佳樹は新疆ウイグル自治区でハミウリという果物に出会った。
ラグビーボールのような形で、食感はスイカのようにシャクシャクとしていて、発する香りはメロンのように芳醇だった。
帰国後、立花は自宅の裏庭にハミウリの種を植えた。日本ではあまりお目にかかれないこの思い出の果実を、婚約者である由美子と毎年育てていきたいと思ったから。
「毎年、夏にはハミウリの花が見られるといいね。」
立花の家に遊びに来ていた由美子は、ぽつぽつと姿を現したハミウリの芽に嬉しそうに水をやりながら、そう呟いた。
「え?毎年食べられると、の間違いじゃなくて?」
驚いたように返事をした僕に、由美子は優しい笑みで答える。
「花が咲くということは、その子の才能を無事開花してあげられたってことでしょう?生まれたからって花が咲かずにダメになっちゃうこともある。天候が悪かったり天敵に芽を摘まれたりして。だから、今年も無事に育ってくれて、花を見せてくれてありがとうって気持ちで毎年黄色い花を見たいわ。」
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