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幽霊妓女
第五話 謝霊、死んだ妓女について探ること
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オベールは謝霊と謝伸を見比べると、「兄弟か?」とつっけんどんに聞いた。謝伸がそうだと答えると、オベールはフンと鼻を鳴らして
「まさか報酬を上乗せしろなどとは言わないだろうな」
と謝伸を睨みつけた。
「ご安心を、オベール大使。私が最初に提示した額で十分です」
謝伸がよどみなく答えたが、オベールは疑わしげな目を謝伸から外そうとしない。
「その額が元から多めにされているということはないのかね?」
「ありません。弟が自ら設定した探偵事務所の依頼料と同等のものです」
一方の謝伸もオベールから目線を外すことをしない。彼は軽く息を吸うと、ただの漢人ならとても言い出せないことを真っ向からオベールにぶつけた。
「大使殿が事を解決するためには何物をも惜しまないと言われ、私は上海でこの手の事象に最も明るい者を連れてきた。普通であれば彼が報酬として指定したものを何でも二つ返事でくれてやるのが道理ではないですかな。その彼が過剰な報酬を望まないことを知っていたので最初から事務所の依頼料を提示したというのに、この後に及んでそれを覆そうとされるのですか?」
謝伸の言葉にオベールの眉がぴくりと跳ねる。すると謝伸はそれすらも見逃さず、ぴしゃりと言い切った。
「言っておきますが、私を現地の漢人だからと甘く見ているのであれば今すぐ改めた方が身のためですぞ。無論、私が思い通りに動かせないからと弟に手を出すこともしないでいただきたい。私はこの租界の要人全てと繋がっていますから、その気になればいつでも彼らを通じてあなたに圧力をかけることができます」
沈黙が流れる中、オベールは眉を苛立たしげに震えさせている。私はじっと黙ったまま、謝伸の胆力に密かに舌を巻いていた。たしかに彼は過保護な兄かもしれないが、同時に弟の風よけになることを厭わないだけの根性も持ち合わせているのだ。
オベールはやがて観念したようにため息をつくと、下女に立て掛けさせた枕(これも枕なのかと疑いたくなるくらい大きくて柔らかかった)に背中を預けた。
「まあ良い。その代わり、必ず真相を突き止めろ」
オベールは謝霊をじとりと見て言った。謝霊は動じることなく笑顔を作り、「もちろんです」と答える。
「ですが、そのためにはあなたの協力が不可欠です。まずお聞きしますが、小妃が変化していたという髑髏はちゃんと保管していますね?」
「ああ。気味が悪いから倉庫に仕舞わせたが」
オベールが答えると、謝霊は満足そうに笑って「良いでしょう」言った。
「では、その髑髏をここに持って来させてください。まずはそれで悪戯かどうか確かめます」
謝霊がそう言うと、オベールは部屋の隅に控えていた下女に何やら言いつけた。下女が軽く膝を折ってから部屋を出ていったところを見るに、どうやら件の髑髏を彼女が取りに行くらしい。
「待っている間に、弟に事のあらましでも聞かせてやってください。簡単には伝えましたが、やはりあなたの口から詳しく聞くのが一番でしょう」
謝伸が横から口を挟む。その途端、オベールは急に色を失ってブルリと体を震わせた。
「あのことか。……うう、今思い出してもおぞましい。小妃は私が妓楼からもらってきた娘でな、大人しくて実に可愛らしかった。他の妓女は寵愛を得ていると自覚するとどんどんつけ上がるものだが、小妃はそうではなかった。いつでも私に尽くし、私を癒すことに全力を尽くしてくれた」
「そうですか。彼女を身請けしたのはいつですか?」
「一か月前だ。本当はもっと早くに話がまとまっていたのだが、突然病気になったとかで半年顔を見せてくれなくなって、それがひと月前にようやく引き取れたのだ。正直破談にしようとも考えたのだが、いたいけな小妃に懇願されては私が折れるしかなかったのだよ。それに金も払っていたから、反故にするには彼女が哀れでな」
オベールの答えに謝霊はふむと頷いた。
「何の病だったかはご存知ですか?」
「いや。彼女の看病をしているという妓女に治るまでは外に出せないとだけ言われ、会おうとしても追い返された」
オベールは一瞬だけ過去を懐かしむような遠い目をしたが、謝霊の次の問いにすぐさま意識を引き戻された。
「身請けしてからの一か月、彼女に変わったところはありましたか? たとえば今までに見せたことのない素振りをするようになったとか、今まで言わなかったことを言うようになったりとか。その他どんなことでも、彼女が今までと違うように感じられたことは?」
オベールは考え込むように眉をひそめて「いいや」と答えた。
「とんちんかんなことはよくやっていたが、それ以外は普通だった。もちろんそれだって西洋の暮らしに慣れていないというだけで、二週間もすればおかしなへまも減っていた」
「それでは、彼女が髑髏になる前の夜のことをお聞きしましょう。何か変わったことはありましたか?」
オベールはこの質問にも否と答えた。次に謝霊が彼女と何か食い違うことがあったかと聞かれても否と答え、大人しく従順な彼女が自分と衝突することなどなかったと断言してみせた。
謝霊は全ての答えに頷くと、ちょうど戻ってきて戸口で待っていた下女を入れるようオベールに頼んだ。
下女は持っていた箱をそそくさと謝霊に渡すと扉の脇に引っ込んだ――彼女の目は隠しきれない恐怖と嫌悪感をたたえながら、何の抵抗もなく中の髑髏を取り出して手の上に乗せ、目線の高さに掲げている謝霊に注がれている。
「もしこれが誰か別の者や作り物の髑髏だったらこの件は小妃が企てた一種の反乱ということになります。だがこれが本当に小妃自身のものだったら――」
「待て。まさか私が小妃を殺したと言うのか⁉」
オベールが叫ぶように謝霊を遮った。しかし謝霊は落ち着いてその言葉を否定する。
「そうは申しません、ムッシュー・オベール。たった一晩で生首が髑髏になるなど不可能です。私は、もしこの髑髏が小妃自身のものだったら、それはあなたが身請けした時点で彼女が死んでいたことになると言いたかったのですよ」
この一言に扉の脇で控えていた下女が息を飲んだ。オベールも謝伸もぎょっと目を見開き、謝霊ただ一人が平然と笑みを絶やさず立っている。かく言う私も驚きを隠せていなかっただろう――身請けした妓女が実はもう死んでいたなんて、それこそ怪談の中の出来事ではないか。
「皆さんそう驚かずとも、聞けば明らかになることです」
謝霊はそう言うと右手を振り、取り出した呪符を髑髏の額に貼りつけて例の呪文を三回唱えた。部屋の温度がすっと下がり、髑髏が内側から淡く光を放つ。ところが、その光が人の形を取りかけたとき、一所に集まっていた蛍が一斉に散らばるようにぱっと霧散してしまった。
このときばかりは謝霊の目が驚きに見開かれた。私も少なからず驚いたし、ちらりと盗み見た謝伸の顔など今にも目が飛び出してしまいそうだ。訝しげに眉を持ち上げたオベールが見ている中、謝霊はもう一枚呪符を取り出して招魂術を試した。同じ手順に同じ呪文、しかし謝霊の集中力は一回目の比ではない。その甲斐あってか今度は人の形が現れたが、ふわふわと明滅していつ消えてもおかしくないほどおぼろげだった。
現れたのは若い娘だった。あどけない顔に反して豊満で成熟した体つき、そしてあまり意志の感じられない視線。何よりも、娘が現れた途端にオベールが一声叫んだ。
「小妃!」
小妃は名を呼ばれるとゆっくりと声の主を探し、オベールに向かって小首をかしげて笑いかけた。ふにゃりと頼りない笑みだったが、たしかに従順なことには間違いなさそうだ。
「では、あなたは本当に死んでいたというわけだ。いつ、どうして死んだのか覚えていますか?」
謝霊が尋ねると、小妃はこてんと首をかしげて「何のこと?」と聞き返した。
「私、病気だってお友だちが言ったわ。だけど元気になったからルネーのところに行ってもいいって。私、ルネーが大好きよ。お金があって、大きなおうちがあって、着るものも食べるものもたくさんあって、ルネーといるととっても幸せ」
「……それはつまり、病死したことに気付いていないということか」
謝伸がぼそりと呟くのが聞こえた。小妃はそれを聞きつけたのか謝伸に向かってへらりと笑いかけたが、次に彼女が言ったのは脈略のあるようなないような一言だった。
「病死? 私病気だったけど、死んではいないわ。ルネーと一緒になるためにがんばって治したもの」
「何の病気だったかは覚えていますか?」
謝霊が改めて尋ねると、小妃は「病気?」とおうむ返しに聞いてきた。
「友だちは私が病気だって。だから治るまではルネーのところに行けないって」
「まさか報酬を上乗せしろなどとは言わないだろうな」
と謝伸を睨みつけた。
「ご安心を、オベール大使。私が最初に提示した額で十分です」
謝伸がよどみなく答えたが、オベールは疑わしげな目を謝伸から外そうとしない。
「その額が元から多めにされているということはないのかね?」
「ありません。弟が自ら設定した探偵事務所の依頼料と同等のものです」
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謝伸の言葉にオベールの眉がぴくりと跳ねる。すると謝伸はそれすらも見逃さず、ぴしゃりと言い切った。
「言っておきますが、私を現地の漢人だからと甘く見ているのであれば今すぐ改めた方が身のためですぞ。無論、私が思い通りに動かせないからと弟に手を出すこともしないでいただきたい。私はこの租界の要人全てと繋がっていますから、その気になればいつでも彼らを通じてあなたに圧力をかけることができます」
沈黙が流れる中、オベールは眉を苛立たしげに震えさせている。私はじっと黙ったまま、謝伸の胆力に密かに舌を巻いていた。たしかに彼は過保護な兄かもしれないが、同時に弟の風よけになることを厭わないだけの根性も持ち合わせているのだ。
オベールはやがて観念したようにため息をつくと、下女に立て掛けさせた枕(これも枕なのかと疑いたくなるくらい大きくて柔らかかった)に背中を預けた。
「まあ良い。その代わり、必ず真相を突き止めろ」
オベールは謝霊をじとりと見て言った。謝霊は動じることなく笑顔を作り、「もちろんです」と答える。
「ですが、そのためにはあなたの協力が不可欠です。まずお聞きしますが、小妃が変化していたという髑髏はちゃんと保管していますね?」
「ああ。気味が悪いから倉庫に仕舞わせたが」
オベールが答えると、謝霊は満足そうに笑って「良いでしょう」言った。
「では、その髑髏をここに持って来させてください。まずはそれで悪戯かどうか確かめます」
謝霊がそう言うと、オベールは部屋の隅に控えていた下女に何やら言いつけた。下女が軽く膝を折ってから部屋を出ていったところを見るに、どうやら件の髑髏を彼女が取りに行くらしい。
「待っている間に、弟に事のあらましでも聞かせてやってください。簡単には伝えましたが、やはりあなたの口から詳しく聞くのが一番でしょう」
謝伸が横から口を挟む。その途端、オベールは急に色を失ってブルリと体を震わせた。
「あのことか。……うう、今思い出してもおぞましい。小妃は私が妓楼からもらってきた娘でな、大人しくて実に可愛らしかった。他の妓女は寵愛を得ていると自覚するとどんどんつけ上がるものだが、小妃はそうではなかった。いつでも私に尽くし、私を癒すことに全力を尽くしてくれた」
「そうですか。彼女を身請けしたのはいつですか?」
「一か月前だ。本当はもっと早くに話がまとまっていたのだが、突然病気になったとかで半年顔を見せてくれなくなって、それがひと月前にようやく引き取れたのだ。正直破談にしようとも考えたのだが、いたいけな小妃に懇願されては私が折れるしかなかったのだよ。それに金も払っていたから、反故にするには彼女が哀れでな」
オベールの答えに謝霊はふむと頷いた。
「何の病だったかはご存知ですか?」
「いや。彼女の看病をしているという妓女に治るまでは外に出せないとだけ言われ、会おうとしても追い返された」
オベールは一瞬だけ過去を懐かしむような遠い目をしたが、謝霊の次の問いにすぐさま意識を引き戻された。
「身請けしてからの一か月、彼女に変わったところはありましたか? たとえば今までに見せたことのない素振りをするようになったとか、今まで言わなかったことを言うようになったりとか。その他どんなことでも、彼女が今までと違うように感じられたことは?」
オベールは考え込むように眉をひそめて「いいや」と答えた。
「とんちんかんなことはよくやっていたが、それ以外は普通だった。もちろんそれだって西洋の暮らしに慣れていないというだけで、二週間もすればおかしなへまも減っていた」
「それでは、彼女が髑髏になる前の夜のことをお聞きしましょう。何か変わったことはありましたか?」
オベールはこの質問にも否と答えた。次に謝霊が彼女と何か食い違うことがあったかと聞かれても否と答え、大人しく従順な彼女が自分と衝突することなどなかったと断言してみせた。
謝霊は全ての答えに頷くと、ちょうど戻ってきて戸口で待っていた下女を入れるようオベールに頼んだ。
下女は持っていた箱をそそくさと謝霊に渡すと扉の脇に引っ込んだ――彼女の目は隠しきれない恐怖と嫌悪感をたたえながら、何の抵抗もなく中の髑髏を取り出して手の上に乗せ、目線の高さに掲げている謝霊に注がれている。
「もしこれが誰か別の者や作り物の髑髏だったらこの件は小妃が企てた一種の反乱ということになります。だがこれが本当に小妃自身のものだったら――」
「待て。まさか私が小妃を殺したと言うのか⁉」
オベールが叫ぶように謝霊を遮った。しかし謝霊は落ち着いてその言葉を否定する。
「そうは申しません、ムッシュー・オベール。たった一晩で生首が髑髏になるなど不可能です。私は、もしこの髑髏が小妃自身のものだったら、それはあなたが身請けした時点で彼女が死んでいたことになると言いたかったのですよ」
この一言に扉の脇で控えていた下女が息を飲んだ。オベールも謝伸もぎょっと目を見開き、謝霊ただ一人が平然と笑みを絶やさず立っている。かく言う私も驚きを隠せていなかっただろう――身請けした妓女が実はもう死んでいたなんて、それこそ怪談の中の出来事ではないか。
「皆さんそう驚かずとも、聞けば明らかになることです」
謝霊はそう言うと右手を振り、取り出した呪符を髑髏の額に貼りつけて例の呪文を三回唱えた。部屋の温度がすっと下がり、髑髏が内側から淡く光を放つ。ところが、その光が人の形を取りかけたとき、一所に集まっていた蛍が一斉に散らばるようにぱっと霧散してしまった。
このときばかりは謝霊の目が驚きに見開かれた。私も少なからず驚いたし、ちらりと盗み見た謝伸の顔など今にも目が飛び出してしまいそうだ。訝しげに眉を持ち上げたオベールが見ている中、謝霊はもう一枚呪符を取り出して招魂術を試した。同じ手順に同じ呪文、しかし謝霊の集中力は一回目の比ではない。その甲斐あってか今度は人の形が現れたが、ふわふわと明滅していつ消えてもおかしくないほどおぼろげだった。
現れたのは若い娘だった。あどけない顔に反して豊満で成熟した体つき、そしてあまり意志の感じられない視線。何よりも、娘が現れた途端にオベールが一声叫んだ。
「小妃!」
小妃は名を呼ばれるとゆっくりと声の主を探し、オベールに向かって小首をかしげて笑いかけた。ふにゃりと頼りない笑みだったが、たしかに従順なことには間違いなさそうだ。
「では、あなたは本当に死んでいたというわけだ。いつ、どうして死んだのか覚えていますか?」
謝霊が尋ねると、小妃はこてんと首をかしげて「何のこと?」と聞き返した。
「私、病気だってお友だちが言ったわ。だけど元気になったからルネーのところに行ってもいいって。私、ルネーが大好きよ。お金があって、大きなおうちがあって、着るものも食べるものもたくさんあって、ルネーといるととっても幸せ」
「……それはつまり、病死したことに気付いていないということか」
謝伸がぼそりと呟くのが聞こえた。小妃はそれを聞きつけたのか謝伸に向かってへらりと笑いかけたが、次に彼女が言ったのは脈略のあるようなないような一言だった。
「病死? 私病気だったけど、死んではいないわ。ルネーと一緒になるためにがんばって治したもの」
「何の病気だったかは覚えていますか?」
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