女神さまの尻ぬぐい

冒険者生活

知りたいことは無限大

こっそりと抜け出したつもりが、しっかりとバレてて詰所ってところに連れていかれた。

「何があったか、最初から話してくれ。」

赤髪の男に言われたから

「道端にお爺さんが座ってて。具合悪そうだから誰か呼んでこようかって言ったんだ。
そしたら、草履屋で水貰ってきてくれって。
草履屋とは知り合いで、さっきまでそこに居たって言ってた。
俺が行くと、座り込んでるのバレるけど直接行くよりはいいから。ってさ」

「なるほど。で、なんで道の真ん中でウロウロしてたんだ？」

「…… いや～、俺、今まで店とか行ったことなくて。
正直、どれが草履屋かわかんなかったんだ。」

「は………？ 」

「大抵の買い物は屋台でしてたんだよ。
だから、どの店がなに売ってるかなんて知らなくて!!
そもそも、草履って何なんだよ…」

「いやいや…… それ解らなくて、そのままウロウロしてたのかよ…」

「誰か人に聞けば、わからなくてもいいかって思ったんだよ。
でも、道に出てる人もいないし。」

「まぁ、そのお陰て誘拐の実行犯捕まえられたしな。
協力、感謝する。」

「どういうこと？」

「最近、子ども目当ての誘拐が増えててな。
お前、この辺通るの初めてだろ？
狙われるんじゃないかって、見張ってたんだよ。」

「え？？？ 俺のとこ見てたの？」

「お前だけじゃなくて、通り3つ分くらいを見回って子どもの確認してたんだよ。
大人と一緒なら大丈夫だが、1人で歩いてる奴は気を付けないとヤバいからな。」

「へぇ… アリガトウゴザイマス？」

「なんにせよ、未遂だったからいいようなものの…
次から気を付けろよ!!
あと、報告書書かなくちゃいけないから名前と年齢教えろ。」

「…今頃ですか？ 
はい、これ。 冒険者証 リベル 10歳」

「はいはい、リベルな。
俺は護衛隊長 ジギス・ルボルドだ。
もう帰っていいぞ～。」

「はい。失礼します。」

はぁ、図書館でどれだけいられるかな…。
本の貸し出しって出来るんだろうか。

とにかく、急がなくっちゃ!!!

小走りで詰所から図書館へ。
まだ閉館までに3時間ほどあるらしい。
でも、貸し出しの手続きは閉館30分前までだって言ってたから、早めに探さなきゃ。

貸し出ししてもらえるのは1度に5冊まで、専門書は3冊まで。
だから、魔法学の基礎と錬金術の基礎、薬草系の図鑑1冊ずつを貸し出ししてもらうことにした。

宿舎へ帰る道すがら

「シーグム、ついてきたけど何にもしてくれなかったじゃん。
これなら、お留守番でよかったよね？」

って言ったら、そのままふて寝された。
なぜだ…