女神さまの尻ぬぐい

青い縞猫

文字の大きさ
上 下
13 / 48
神殿生活

孤児院で成長

しおりを挟む
神託の日から俺は神殿の隣に併設されている孤児院へと移された。

移動の前に、大神様から言われていた仮面を用意してもらう。
俺の髪は銀色に薄い青と紫のアッシュが入り、目の色は藤色だった。
この色はヒウス王国では、ダグマリーの生家であるファルター公爵家にのみ伝わる色なのだそうだ。
若干父様の血の影響か青味の強い藤色だそうだが。

髪は青色に染め、仮面は目元から額の洗礼紋までを隠すものを選んだ。

そして、黒猫には”クロ”と名付けようとしたのだが…
クーランがものすごく嫌がったのでシーダムと名付けた。

大神様から自由に生きてよいと言われた俺は、自分の人生を考えた。
お兄様に1度あってみたい。

しかし、隣国と言われてもどこの国かもわからない。
貴族の養子である兄さまに平民の俺が簡単に会えるとも思えない。
ましてや…
1度も顔を見たこともなければ、声を聴いたこともないのである。

さらに俺は死産になったと言われている。

だけれども、生きていればどこかで会えるかもしれない。
そんな微かな期待を胸に、ヒウス王国で自由に生きるために冒険者になることにした。

孤児は洗礼を受けられる8歳から冒険者ギルドに登録が許されている。
受けられる依頼は危険性の少ないものだけに限られているが、早くから自立をしないといけない子供たちのためのセーフティネットの役割をしている。

ランクが上がるような依頼を受けられるようになるのは12歳から。
8歳から4年間、地味に薬草採取などをこなしていれば12歳になったと同時にランクが上がり、報酬の良い依頼を受けることが出来るようなシステムとなっているのである。

俺の勉強はクーランが教えてくれた。
そして8歳を迎えた俺は、孤児院を出て独り立ちを迎えるのである。

1人はさみしいような気もするが、自由に生きられることが楽しみでもある。
新たな始まりに、とてもワクワクした気持ちが抑えられないでいた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

わるいむし

おととななな
BL
新汰は一流の目を持った宝石鑑定士である兄の奏汰のことをとても尊敬している。 しかし、完璧な兄には唯一の欠点があった。 「恋人ができたんだ」 恋多き男の兄が懲りずに連れてきた新しい恋人を新汰はいつものように排除しようとするが…

短編集

田原摩耶
BL
地雷ない人向け

処理中です...