息子に縁を切られました

青い縞猫

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社交界デビューまで

お披露目式とその後

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「本日は、我が息子クタルの1歳の誕生を祝いお集まりいただきありがとうございます…」


挨拶の口上を述べ、パーティーが始まれば様々な人が声をかけに来る。
今日の主役はクタルではあるけれど
まだ1歳であり、しゃべることもできないし
自分の力で立ち続けることも困難だ。

その為、サニエスにずっと抱かれたまま会場内にいるわけだが…

最初は物珍しいのか
きょろきょろあたりを見回していたのが
パーティーが始まって早2時間
やはり眠くなってきたのか、頭がぐらぐら揺れている。

「旦那様、坊ちゃまはもう就寝の時間でございます。
おさがりしてもよろしいでしょうか。」

サニエスに声を掛けられ、改めてクタルの様子をみたロンタールは

「わかった、下がってよい。」

と返事をした。


その後、ほどなくしてパーティーは終了し
恙なくすべてが終わってロンタールも自室に戻った。

就寝前、部屋にサニエスを呼んだロンタールは

「クタルはアテニアに似たのだな。」

「髪の色と瞳の色は奥様似でございますね。」

「魔力量は、どうだ?」

「レントラント家に伝わる、嫡男の条件を満たしていると思われます。」

「そうか…
教会へは連れていけそうか?」

「そこは、日程をしっかり選んだ方がよさそうですね。
本日のパーティーでの感じですと、どうやらお二方
気にかかる方がおられましたから。」

「やはり…
まぁ、よい。
3歳の誕生日までには、教会で測定させてきてくれ。」

「畏まりました、旦那様。」

「下がっていいぞ。」

「はい、ゆっくりお休みください旦那様。」


1人になった部屋で、我が子の姿を思い出しながら
ロンタールはため息をこぼした。
ほとんど家に帰れない間に、息子は1歳になっていた。

そして…
生まれた直後にはわからなかったが
息子は自分と同じ色をしていなかった。


「本当に、レントラント家を継げるのか…。」

ターテスト王国内で、大きな役割を担うレントラント家
必ず、次の世代に渡さなければならない役目を自分の代で終わらせることはできない。

今更、どうすることもできないのだが…
政略結婚のアテニアは2人目の子供を作ることに難色を示している。

しかし、このまま
というわけにはいかない。
どうにかして、もう1人は確実に跡継ぎを用意しておかなければならない。

ロンタールは、今日目の当たりにした息子の姿に少し焦りを感じていた。

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