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公爵邸にて【兄と私】
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王宮から公爵邸に帰ってきた私は、婚約解消があまりにもうれしく、舞い上がりすぎてしまいお茶会のドレスのままお父様の執務室に向かっていました。
そんな私の姿を見咎めた執事のジェムに
「お嬢様、先にお召し替えを」
と呼び止められます。
「まだ、旦那様はお戻りではありません。お戻りになられましたらお呼びいたしますので、お部屋でお待ちください。」
「そうね。この時間は、まだお父様はお仕事ですわね。
それではエドガルドお兄様はいらっしゃるかしら?」
「エドガルド様はご在室でございますよ。お嬢様がお着替えになられたころにテラスの方へご案内いたしましょうか?」
「ええ、よろしくお願いしますね。」
私は動きやすいドレスに着替えてテラスへ向かいます。
お兄様は先に来ていらっしゃいました。
「ブランシュが僕を呼び出すなんて、一体何があったんだい?」
2つ上の兄は小首を傾げて聞いてきます。
「まだ、お父様にもお話をしていないのですが、先ほどヴァーミリアン様に婚約解消を言い渡されました。
お父様がこちらにお戻りになる前には、多分…お耳に入ることになるのではないかともいますが…」
「ふむ… 最近ヴァーミリアン様とお会いになったのはいつ?毎月定例のお茶会は開かれていたのだろう?」
「はい。お茶会はありましたが、ここ数か月ヴァーミリアン様にお会いすることはありませんでした。」
「父上はこのことを?」
「はい。すべて話しておりますから、婚約解消は確実かと思います。」
「それで?僕にその話をする理由は?」
「私はヴァーミリアン様と婚姻を結ばない場合、ほかのどなたかと婚約を結ぶ必要がありますか?」
そんな私の姿を見咎めた執事のジェムに
「お嬢様、先にお召し替えを」
と呼び止められます。
「まだ、旦那様はお戻りではありません。お戻りになられましたらお呼びいたしますので、お部屋でお待ちください。」
「そうね。この時間は、まだお父様はお仕事ですわね。
それではエドガルドお兄様はいらっしゃるかしら?」
「エドガルド様はご在室でございますよ。お嬢様がお着替えになられたころにテラスの方へご案内いたしましょうか?」
「ええ、よろしくお願いしますね。」
私は動きやすいドレスに着替えてテラスへ向かいます。
お兄様は先に来ていらっしゃいました。
「ブランシュが僕を呼び出すなんて、一体何があったんだい?」
2つ上の兄は小首を傾げて聞いてきます。
「まだ、お父様にもお話をしていないのですが、先ほどヴァーミリアン様に婚約解消を言い渡されました。
お父様がこちらにお戻りになる前には、多分…お耳に入ることになるのではないかともいますが…」
「ふむ… 最近ヴァーミリアン様とお会いになったのはいつ?毎月定例のお茶会は開かれていたのだろう?」
「はい。お茶会はありましたが、ここ数か月ヴァーミリアン様にお会いすることはありませんでした。」
「父上はこのことを?」
「はい。すべて話しておりますから、婚約解消は確実かと思います。」
「それで?僕にその話をする理由は?」
「私はヴァーミリアン様と婚姻を結ばない場合、ほかのどなたかと婚約を結ぶ必要がありますか?」
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