どうして俺だったんだ

拘束

右京が家を出た直後
龍兒は陵を荷物のように肩に担いで地下への階段を下りていた。

本当は、このまま襲ってしまいたい。
だけど…

「龍城に連絡されるのは困るんだよね～。
やっと見つけた陵をこのまま逃がしたくないし。」

誰に聞かせるともない、独り言が出てしまう。

地下室には2つの扉。
ハードSM用の部屋とソフトSM用。
龍兒は迷わずソフトSM用の部屋のドアを開ける。

仕方ない、自分の右手と陵の左手を手錠でつないでベッドに転がる。

「早く眼を覚まして、陵」

旋毛にそっとキスをして龍兒も目を閉じた。


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そのころ、駅へと急ぐ右京だったが、担がれて連れてこられた男の子が心配で龍城を呼び出すために電話を手に取っていた。

「龍城？今大丈夫？」

「右京？どうしたの、突然電話とか。」

「いや～、俺1週間出張なんだけどさ。さっき龍兒が男の子、荷物みたいに肩に担いで家に来たのよ。
部屋使いたいってさ。 だから… 龍城に様子見てきてほしいんだよね。。。」

「う～ん…？ カメラ付いてんじゃなかったっけ？ あの部屋。」

「確かにカメラはあるんだけど…、龍兒の暴走止められなかったらカメラあっても無駄だろ？」

「それは… 確かにそうかもしれない。。。」

「悪いけど、頼むよ龍城。」

「了解。気を付けていって来いよ、右京。」

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電話を切ってから30分。
龍城は右京の家に着いた。

部屋の中に人の気配はなかったから、そのまま地下へ降りる。
明かりはソフトSM用の部屋から漏れていた。

そっと中をうかがうと…

2人はベッドに転がっていた。
その手首には手錠。

「う～ん… これは… どういうことだろうね？」

担がれて連れてこられたと言っていた男の子は服を着ていたし、何かをされた様子はない。
強いて言えば、手錠くらいなものなんだけど…。

「ま、とりあえず龍兒を拘束しておくか。」

こっそり手錠のカギを外し、龍兒の服を脱がせていく。
全裸にしたら、両手を背中側に回させ手首を縄で結ぶ。

右足首と右足の太もも、左足首と左足の太ももをそれぞれ縄で結び、ひざ裏にパイプを通してM字に開いて固定。

とりあえず、暴れないように首輪も付けておく。