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9話

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すみません、寝坊でバタバタで遅くなりました。
よろしくお願いします。


―――――――
 食器を片した後、ベアトリスが仕事終わりにアクセサリー作りを手伝いたいと言ってきたのを思い出し、エルザは軽く仕事をするがやったみるかとベアトリスに聞くと、「今からまた仕事するの?」っと言うのでエルザは苦笑した。流石に子供が夜に仕事をするのは良くないかと思い物置に昔の絵本があったことを思い出し物置に絵本を数冊取りに行った。

「これ、私が昔見ていた絵本なんだけど読む?」

「…文字読めない…」

「絵本だから文字が少ないし、私が読むから、どうかな?」

 ベアトリスは少し考えてコクリと頷いた。片付けて綺麗になったテーブルに絵本を置きその隣に仕事道具を置き2人は並んで座った。エルザは作らないといけないものの一式を出して並べ、ベアトリスはページを巡り始めました。

「ココは動物が集まる公園。
 体がみんなより少し大きい狐君はとても意地悪で色んな子に悪戯をします。
 今日はブランコにペンギン君を乗せ後ろからついて遊んでいるように見えますが……」

 集中してるのかベアトリスは黙ってエルザの声に集中する。視線は絵とイラストの上に書かれている字を目で追っている。エルザは文字をちらりと見つつ手はアクセサリー作りを始めた。

 一度読み終えた後、もう一度というのでエルザは微笑みつつもう一度読み始めた。次はベアトリスは気になることを聞き始めた。「この文字はきつね?これは……」っと確認するように。確認した後はじっと目で見て指をわずかに動かす。

 明日は文房具でも揃えた方が良いのかもしれない、靴もピッタリなのを…少し出費がかさむが蓄えが全くないわけではない。そう考えながらエルザはアクセサリーを仕上げて行く。
 ふとベアトリスを見ると欠伸をし瞼が少し下がってきている。寝るには少し早い気もするが、今日は色々あって疲れたのだろう。

「そろそろ寝ようか?」

 っとエルザが声をかけるとベアトリスはコクリと頷き、本を閉じ胸に抱えのそのそと椅子を降りる。ゆっくり歩き始めたが足がおぼつかない。
 エルザはベアトリスをゆっくり抱き抱え寝室への扉を開ける。エルザの肩に頭を預けたベアトリスは片手はしっかり本を持ち片手はエルザの服を握りしめるがもう意識はほぼ無い。
 ゆっくりとベアトリスをベッドに下ろすが本もエルザの服も離さない。エルザはベアトリスの頭を撫でゆっくりと服から指を一本づつ離すとベアトリスは本を抱き抱えた。呼吸はゆっくりでもう眠りは深まっていっているようだ。
 エルザは寝室の扉を閉め、テーブルの上に残った仕事を終わらしにかかった。


 エルザは仕事を終えた後、幼い頃使っていたが今は置物部屋と化した2階の部屋に行った。2階には二つの部屋があり片方は完全物置状態。エルザは窓を開けて軽く魔法で掃除を行うが、最近全く掃除をしていないので誇りがすごい。綺麗にするのは諦めて昔使っていたベッドにかけていた布を取り、物置部屋にある収納箱から掛け布団を取りベッドに横になり被った。流石に幼い頃のなので小さいし、ベッドもギシギシと音がなる。寿命なのかもしれない。この部屋を片付けてベアトリスの部屋にするのもありかもしれない、部屋の配置や物は相談して、だと考えていたらだんだんウトウトしてきて眠りについた。



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