女の子を拾ったら毎日楽しくなりました。

山中波音

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2話

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食後、エルザは物置に行き昔の服がないか探し出し、何着か選びそれを手に持って外の洗い場まで出た。そこに立てかけていた盥を使い、生活魔法で水を出しそこに洗剤を付けまた生活魔法で綺麗に洗い絞り乾燥させた。すべての服を洗い終わったときに玄関の扉が開く音が聞こえたのでそちらを見ると、女の子が家から出てきていた。

「どうしたの?食べ終わったの?」

 無言で女の子は頷く。

「そう、今私が昔着ていた服がちょうど洗い終わったから着替えてみる?…っとその前に体ふかないといけないわね……体拭く?」

 そうエルザが聞くと女の子は何度も何度も頷いた。
 さっきまで服を洗っていた盥と服を持って家に2人は入っいた。
 寝室の床に盥を置きベッドに服を置き女の子にここで待っているように伝え、エルザはいつも体を拭くときに使っている桶と手が汚れたときに使う石けんと綺麗なタオルを持って寝室に向かった。
 部屋に戻ると女の子はジッと立って待っていた。

「お待たせ、とりあえず服を脱いでこの盥に入れて…」

 女の子は言われたとおりに服を脱ぎ始めたので、エルザは桶に温かい水をだし石けんを溶き入れた。

「とりあえず顔を洗いましょうか……どうしたの?」

 女の子は盥と自分の体を交互に見てこっちを見た。

「……私ここに入るから同じのここに作って」

 そう言って服を盥から出し盥に入って、膝を抱えて座った。エルザは服を洗うために持ってきたが女の子はそれなりに汚れているのでこちらの方が早いかと思い言われたとおりにした。

 女の子の髪が濡れないように束ねると首筋に親指ほどのハートの痣があった。エルザは体を洗おうとタオルを取ると、「さっき作った水を頭にかけて洗って」っと女の子が言うので、エルザは驚き「頭にかけてどうするの?」聞くと女の子は頭を傾げ「……髪の毛を洗う以外何があるの?」っと言うので、エルザは束ねていた髪を解き訝しげに言われたとおりにすることにした。

「石けん水頭にかけるね」

 女の子は頷くと顔を下に向けたのでゆっくりと頭に石けん水かけた。爪を立てたら痛いだろうと思い指のお腹で優しく洗うのだが全く泡が立たない。石鹸が少なかったのかと思い、先程より少なめの温水に石鹸を入れまたかけた。先程より泡立つがまだまだ足りない。もう一度少なめの温水に先程より多めの石鹸を入れ、かけて洗うと、だいぶ泡立つようになったので髪を全体的に洗い、温めた水で髪を洗い流した。

「ふう…こんな物かしら?…あら御免なさい、冷めてきてるわね温め直すわ」

 そう言って先に水が溢れ出しそうだった水を半分程度をキッチンへの扉を開けてシンクに飛ばし盥の水を温め直した。

(水かなり黒いわ……)

 とにかく泡がまだ頭に着いているので頭の上からゆっくりと温かい水を出し泡を綺麗に洗い流した。

「やっぱり水を一度張り替えましょ?タオルを敷くからそこに少し立っててくれるかな?」

 女の子はこくりと頷き敷いたタオルの上に立たせタオルを羽織らせて急いで水をシンクに流した。急いで戻りまた温かい水を張ると女の子は入った。

「次は顔をふきましょうか」

 こくりと頷いたので、綺麗なタオルを取り桶に水を張り顔をふいた。少し泥がついていたので優しく念入りに拭いた。

(あら、この子とっても可愛い……)

「次は体ね?」

 そう言ってまた少し冷めてきた水を温め、顔をふいたタオルで体を洗っていった。体は痩せており骨が浮いており足も腕もとても細く大人のエルザが力を入れたら折れるのでは?っと思い優しくでもしっかりと綺麗にしていった。
 体も頭と同じで苦戦したがだいぶ綺麗になり、女の子を綺麗なタオルで拭いてエルザの昔の服を着せた。下着はなかったので、さっきまで女の子が履いてたのを急いで洗って乾かし履かせた。女の子の顔が真っ赤になったが気付かないふりをし、汚れた服と盥と桶を持って洗いに出てくるから先に寝てて良いと伝え外に出た。

 洗濯を終え、寝室に戻ると女の子はまだ立ったままだった。

「どうしたの?眠たくないの?」

 そう聞くと女の子は横に顔を振って下を向いた。

「……あ…ありがとう」

 耳まで真っ赤にしてとても可愛く、エルザはほっこりした気持になった。

「どういたしまして…そうだわ香油を塗りましょう?せっかく髪を綺麗にしたのだから」

 女の子はこくりと頷いたので、机に置いていた香油を取り女の子の髪に塗ると洗うまで灰色だった髪はとても綺麗で銀色の髪のように輝いていた。

「この香油、とっても良い香りでしょう?私はよく疲れたときに塗って寝るの、さ、お休み、私は隣の部屋にいるからね」

 女の子は焦り何かを言おうとしたが諦めて、静にベッドに入っていった。頭を数回撫で、エルザが昔履いていた下履きをベッドの横下に置きエルザは扉を閉めた。

 エルザはキッチンに行き明日の朝食の仕込みをいつもより多くし、机に伏せて眠った。



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