10 swords

 君にしかできないことがある。そんな声が滝壺から聞こえた気がして、少年は十二月終わりの冷水に飛び込んだ。

 気がつくと全長二mと少し、右目蓋には決して消えない傷跡。隆々とした肉体に、そして傍らには十本の剣。
 一つを鞘から引き抜けば、弱々しい掠れ声でどこからか『私は失敗した。…………剣を手放すな』という声と、確かに真っ二つになって息絶えようとしている水面に映る自分の姿が直接脳内に浮かんできた。

 どんな理由でこの世界に誘われたのか、十本の剣が何を意味するかも分からないまま、太刀未来(一浪中十九歳)は今までの全てを捨て置き未来を切り開いていく。 


なろうでも連載中です。初めてなので至らない点もあると思いますが、楽しんでいただけたら幸いです。
 
 
24h.ポイント 0pt
0
小説 193,183 位 / 193,183件 ファンタジー 44,413 位 / 44,413件

あなたにおすすめの小説

あなたの子ですが、内緒で育てます

椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」  突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。  夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。  私は強くなることを決意する。 「この子は私が育てます!」  お腹にいる子供は王の子。  王の子だけが不思議な力を持つ。  私は育った子供を連れて王宮へ戻る。  ――そして、私を追い出したことを後悔してください。 ※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ ※他サイト様でも掲載しております。 ※hotランキング1位&エールありがとうございます!

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません

abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。 後宮はいつでも女の戦いが絶えない。 安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。 「どうして、この人を愛していたのかしら?」 ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。 それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!? 「あの人に興味はありません。勝手になさい!」

婚約者の浮気相手が子を授かったので

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。 ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。 アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。 ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。 自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。 しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。 彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。 ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。 まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。 ※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。 ※完結しました

召喚されし帝国

特等
ファンタジー
死した魂を新たな世界へと送り出す事を使命とするある一人の神は、来る日も来る日も似たような人間を転生させることに飽き飽きした。 そんな時、神はある事を思いついた。 それは、死する運命にある国家を異世界へと転送させると言う、とんでも無い計画であった。 そして、その異世界転送国家として選ばれたのは、現代日本でも、アメリカでも無く、まさかの世界史に大きな悪名を轟かせた地獄の帝国 悪魔の独裁者の一人、アドルフ・ヒトラー率いるナチス第三帝国、そしてそんな地獄の帝国に追随する国々により支配され、正にこの世の地獄と化した1944年、ノルマンディー上陸作戦直前の、ヨーロッパであった。 果たして、狂気と差別にまみれ、殺戮の大地と化したヨーロッパの大地を向かい入れた世界は、果たしてどこに向かうのか。 ※この作品は、自分がハーメルンで同名のペンネームとタイトルで投稿している、二次作からインスピレーションを得た作品です。 なお、なろうとカクヨムにても、同じ作品を投稿中です。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。