迷宮を管理することになったが目標は破壊です

れのひと

文字の大きさ
7 / 11

迷宮へ

しおりを挟む
「よし、わかった。もう訓練はやめて実践と行こうか」
「実践…『迷宮』入るんですか?」
「ああ、こうすぐスキルを覚えられるならもうどこでやっても同じだろう? というか実践の方がその状況にも慣れることが出来るからいいんじゃないか?」
「でもまだまだ触ったことのない武器もありますけど」
「あー遠距離とかか」

 違う。私が言っているのは中距離武器だ。近距離で今練習してたのにいきなり遠距離とか感覚が違いすぎる。こういったことがまだよくわかっていない私だってそのくらいはわかる。

「例えば弓なんだがな? 確かに桜なら弓術はすぐに取れるだろう。だが練習では相手は動かないし、明るい場所でやるから暗い場所では厳しくなる。つまり実戦で確実に当てられるようになるのはまた別問題ということなんだ」
「はあ…」

 私が求めていないことを勝手に説明された。まあ言いたいことはわかったけど。

「何が言いたいかというと、もうなんでも好きな武器持って現地で練習でもしろよっ と言いたい」

 思ってたのと違った…

「まあひとまず1時間、調査も兼ねて一緒に入ろうじゃないか」
「わかりました」

 古場さん一緒に入るのか…猛毒大丈夫なんだ。それは心強い。いくつか装備を手渡されたので家の中へと戻りそれを装備してくる。流石にその場で身に着けるのは無理なものがあったからだ。だけど私に装備をつけろと言うってことはモンスターが出たら戦えってことでいいのかな? 流石にまだあったこともないモンスターと対峙するのはちょっと緊張する。古場さんとやっていた練習とはきっと全然違うから。

 渡された装備は防刃スーツと短剣用の剣帯。それとちゃんと切れる短剣と金属と木と織り交ぜて作られている小さめな盾。まあどれも名前は知らない。防刃スーツだけは古場さんに聞いた。どう見ても前進タイツだったので…まあこれは中に着てこの上からジャージにしよう。本格的に始めるときには、少しづつ必要な物を用意すればいいだろう。

 準備を整えゲートのある庭へと行くと、変な人がいた…防護スーツっていうのかな?? それっぽいのを着て、顔にはガスマスクが。

「お、中に着てきたか」

 ガスマスクから古場さんの声が。

「ガスマスク…」
「ああ、これがないと流石に入れないからな」

 だめなのか。つまり今回はついて来てくれるけど毎回は来てくれそうもなくてちょっとだけがっかりした。ずっと1人とかになると流石に参ってしまいそうだ。

「おうそんな顔するな。猛毒耐性持ちは全くいないわけじゃないから、そのうちここに来てくれるやつもいるからさ」
「そうですね」

 やっぱり早いうちに壊そう。管理する時間がもったいないよ。私は何度目かの覚悟を決めた。

「ちゃんと冒険者カード持ってきたか?」
「はい」

 私は剣帯についているポケットを叩く。カードをしまうのにいいサイズだったのでここにしまってある。

「防刃スーツは中に着ているだろうし…盾だろう、武器…カード…そうだ、最後にこれを被ってくれ」

 渡されたのはヘルメットだ。中央に懐中電灯がついているやつ。確かに明かりがないと中は暗い。だからと言って手で持ってしまうと武器が使えなくなってしまうのだから、これが最適なんだろう。

「ははっ 中々似合うんじゃないか?」

 人のことを笑う前に自分を見たほうがいいんじゃないかと言いたかった。

 ゲートを古場さん、私の順番にくぐり中へと入っていく。やっぱり最初は下り坂。少しすると平坦に変わる。

「どこから猛毒地帯だ?」
「そこですね。今古場さんが立っているあたりから」

 裏を歩いていた私が前へと手を伸ばすと丁度のそのあたりに違和感を感じたからだ。

「っち。これ着てるとそのあたりが何もわからんな…」

 私が感じている違和感はどうやら生身で触れないとわからないもののようだ。古場さんは全身を覆っているからわからないらしい。

「まあいい。ひとまず脇道があっても入らず真っすぐ進むぞ」

 頷くことで返事として返すと、古場さんは歩き出した。あれ…? 明かりは私の頭の上だ。古場さんには私の姿がはっきりとは見えないはずだけど。ちょっとぶれる懐中電灯の明かりくらいじゃ判断が難しいと思う。何かスキルなのかな。

「おいてくぞーっ」

 そんなことを考えてたらおいていかれるところだった。慌てて追いかける。

「ん、そこ右に道があるな」

 少し前方に右へと曲がる道があった。それとは別に道はまだ真っすぐと前へと続いている。

「交差点は気をつけろよ。物陰からモンスターとかよくあるから」
「ほー」

 なるほど、流石冒険者の先輩だ。経験はだてではないと言うことか。私は右へと入る道を警戒しつつ古場さんの跡をついていく。

「まて…見えるか?」

 古場さんが指で示す場所…ぎりぎりこちらから見える右へと曲がる場所の足元当たり。何かがもぞもぞと動いていた。

「よりにもよってしょっぱながこいつかよ…こいつは、グリーンスライムだ」
「はあ…」

 名前だけ言われても私にはわからない。確かスライムというと…プルプルとしたゼリー状のモンスターで、よくゲームとかでも出てくるやつだったかな? それの名前の前にグリーンとついている。緑色のスライム??

「そりゃそうだよな~ ここのフィールドのことを考えれば当たり前だと考えるべきだったか」

 よくわからないが古場さんが難しい顔をした…気がする。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身

にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。  姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

akechi
ファンタジー
ルル8歳 赤子の時にはもう孤児院にいた。 孤児院の院長はじめ皆がいい人ばかりなので寂しくなかった。それにいつも孤児院にやってくる男性がいる。何故か私を溺愛していて少々うざい。 それに貴方…国王陛下ですよね? *コメディ寄りです。 不定期更新です!

処理中です...