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御神木様の気配とケーキ屋

242. 勇者の情報

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 試食は無事に終わりある程度どんなものなのかエルナとミイにわかってもらえたと思う。そんなことをしている間に船も港につき外は赤く染まっていた。今日はこのまま港町トリィで休憩し、再び朝になったら王都へとテレポートを繰り返す予定だ。

 夕食も食べ終わり各自部屋へと戻る。俺は一人湖のある南西の森へとやって来ていた。

「ル~?」
「ネコルーはこんな時間にも魚を食べているのか?」
「ルッ」
「キュー」

 ぼんやりとネコルーとアスが魚を食べているのを眺めながら明日以降のことを考えると、少しだけ不安になった。王都方面でということだったので王都に向かうが王都だとは言っていない。だけどひとまず向かうのは王都だ。つまり王都による以上たけたちを放置するわけにはいかないわけで…

「ダンジョンの中にいるのかな~」

 たしかもうじき攻略が終わるところだったとかいっていたよな。つまり40階くらいはすでに潜っているわけだ。もしダンジョンからまだ戻って来ていないのならそこまで行って獣魔の腕輪を外さないといけないわけだ。どうやって2人の居場所を探ろうかね~ まずは冒険者ギルドで情報集めかな。案外簡単に勇者たちの行動を教えてくれるかもしれないし。それに周りの冒険者たちの口を完全に抑えることも出来ないだろうから、ダンジョンの周辺で帰ってくる冒険者から話を聞けたりするかもだしな。このへんのことは後で響子にも聞いてみるか。ただ問題は…

「勇者が姿を消したらどうなるか…だよな」

 もしかしたら用意されているかもしれない召喚魔法を再びつかわれてしまうかもしれないってことなんだが…ないといいんだけどね。さらにややこしいことになってしまう。

「ふぅ…まあなんでもやってみないとわからないか」

 まだ魚を食べているネコルーとアスを見ていたら考えているのもあほらしくなってきた。あれだ力が抜けたってやつ。

「お前らもあまり食べてばかりいると太るぞ~?」

 湖を後にし俺は自転車で家へと戻った。

 次の日朝食を食べ終えると俺は王都へ向けて出発することにした。まだ知り合いにあまりケーキ屋のことを教えていないけど、響子やシズクもいるので好きな時間に店を開けるようにエルナとミイにいっておく。

「さていきますか」

 まずは刻みながらフィレーネへとテレポート。町の中を歩いて抜け東門から外へと進む。そこから森を北に抜けいくつか村を通過。村は狭いのでそれほど時間がかからないのがいいところ。そしてテレポートを繰り返し俺は王都の前へとついた。相変わらず人が多くてこの中を歩くのかと思うとちょっとだけ憂鬱な気分になる。

「とりあえず冒険者ギルドかな」

 人の間を縫って歩きまずは冒険者ギルドへ。ここも相変わらずにぎわっているようで建物の中も人が多い。カウンターへと向かい以前ダンジョンに入る時に会話をした職員さんにたずねてみることにした。

「すみません~」
「はいなんでしょうか?」
「この間俺がここで受けたダンジョンの荷物持ちのパーティって、今日もダンジョンに行ってるんでしょうか?」
「あー勇者様のパーティですね。えーと普通なら情報は教えられないのですが、勇者様なら教えられますよ。確か今日はまだギルドへ顔を出していませんが…昨日はダンジョンへいくと言っておりましたね」
「そうなんですか」
「はい、やはりみなさん勇者様のことは気になるようでこのように大雑把な情報だけは教えているんですよ」
「ありがとうございます」

 どうやら勇者のファンか何かと間違えられたみたいだ。まあ教えてくれるならなんでもいいけども。うーん…ちょっとよくわからなかったな。これはまだダンジョンから帰ってきていないのか…?
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