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フランモネで仕事をする

190. 冒険者ギルドへ

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 ここがフランモネか。
 あれから何事もなく目的地に着いた。町について宿を目指し今は歩きながらシズクが町を案内してくれている。町を歩く人はやはり獣人が多く、次にエルフが多いかな。人はほとんど見かけない。たまーに人かも? という見た目の人とすれ違うくらいだ。

「ここがお勧めの宿な。部屋も綺麗だし、飯もうまい。そして各施設にも近くて便利なんだ。まあその分少しだけ宿代が高めかな」
「うーん…宿は別にいいとこじゃなくて安いとこでいいんだが」
「何言ってんだよ、高いっつってもほんの少しだぜ?」
「あのさあ、人数分お金を出すことを考えたらその少しが大きくなるんだが」
「けち臭いな」

 うるさいわ。最近稼げてないからお金がないんだよ! 食べるものに困らないけど、消費出来るお金は少ないからケチりたくもなるわ。

「あ、それでしたら私先に里に一度戻って報告と許可を貰いにいきますので、数日留守にしますが」
「ルーは泊まらないってこと?」
「はい、許可がないとエルフ以外森を通過できませんので」

 へーそういうものなんだ?

「戻ってきましたらこれで連絡します、あっ その間ジエルをお願いしてもいいですか? あそこから出さないでくれればいいですので」
「適当に何か食べさせておけばいいのかな」
「はい、後お風呂も忘れず入るように厳しくいっておいてくださいね」

 あーあれか。ポーションづくりとかやってると薬草で臭くなるもんな。しかもジエルの場合夢中になると食事は忘れないけど、お風呂は面倒になるってことか。

「まあ風呂はシズクと一緒に入ってもらえばいいだろう」
「ん? 俺か、いいぜっ」
「では行ってきますのでよろしくお願いします」

 ルーが町の北の方へと向かった。残った俺たちは再び安い宿を探すのだった。やっぱり普通にその宿で寝るわけじゃないし、安い方が絶対いいもんな。

 というわけで一人銅貨8枚で泊まれる宿を見つけて決定。まあ食事も期待できないらしいが、自分たちで作って食べればいいから問題ない。問題があるとすれば数日ルーが戻るまで何をしているかってくらいだが…

「なあシズク」
「ん~?」
「ルーが戻るまで俺はここで仕事しようかと思うんだが、お前はどうする?」
「仕事ってギルドのか?」
「ああ」

 どうせアスの登録に向かうからそのついでに仕事を見て来ようかと思ってね。

「そうだな…だったら俺もやろうかな。路銀はあったほうがいいし」
「んじゃ今からいくか?」
「え…めし食ってからだろう?」

 そういえばそろそろ昼だっけ…ルー食べてから向かえばよかったのにな。

 箱庭の中へ入り3人と2匹で食事を済ませた後ジエルの鞄におやつの補充をし、俺とシズクは冒険者ギルドへと足を運んだ。

 この町のギルドは王都よりは大きくない。でもフィレーネよりは大きいかもしれない建物だった。まあその分冒険者が多い町ってことなのかもしれない。

「おいぼさっとしてんなじゃまだぞっ」
「おっと…」

 えー…この町でも冒険者ギルドの出入り口では人とぶつかる仕様なのか? 建物を見上げていたら後ろからぶつかってきた人がいた。

「何してんだリョータ早く行こうぜ?」

 先に中に入っていたらしいシズクが建物の中から顔を出し声をかけてきた。

「ああ今行く」
「ごめんよーっ」
「……」

 今度は中から出てきた人とぶつかりかけた…気のせいかフィレーネのときよりひどいな!
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