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入学試験ですか?
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気が重い…朝になってしまった。今日は入学試験なんだよね…
ベッドから体を半分起こして僕はぼんやりと何もない空間を眺めている。起きなければ…いやだけど。
「はぁ~~…」
「ユウ様おはようございます。朝からそのようなため息をつかれていますと幸せが逃げていきますよ?」
彼女の名前はルリアンナ。僕の性別を知ったうえでお世話をしてくれる専属のメイドだ。むしろ嬉々として楽しんでやっている当たりあのメイクルームにいた人たちを思い出される。どうみても同族である。
「さあ今日もしっかりと身だしなみを整えますよぉ~」
「はぁ~~…」
「いえ、いつも以上に張り切らなくてはっ」
…そんな気合はいらない。確かに学院で色々勉強させてもらえるのはとてもいいことなんだが、僕は髪の毛の色の都合上ウィッグを被ってすごさなればいけないんだ。つまり常時女装。そのうえ学院は全寮制。ため息をつかずにはいられない。
「はあ~~…」
本当にため息しかでないよ。
「どうだ支度は出来たか~」
「まああ…シエル様、女性の部屋に許可なく入ってはいけませんっ」
「…女性?」
「一般的にユウ様は女性と扱うのでしょう? そういいだした本人がそのような行動はしてはいけません」
「あーそうか…わるい。ついな」
「はぁ…」
そうか、これからはシエルも外では僕のことを女性として相手するんだ…想像をするだけで眩暈がするよ。
支度が終わると馬車に乗り込み試験会場でもある学院へと向かう。今回乗り込んだ馬車は僕が一緒にいるということであまり目立たないようにシンプルな見た目なものにしてくれた。まあそれでも馬車で向かう当たりそれなりの身分には見られているかもしれないのだけど…
「さあついたよ」
「…大きいですね」
馬車から降りると門から大きく見上げてしまった。ポカーンとバカみたいに口を開けていたら周りからクスクスと笑う声が聞こえてくる。田舎者丸出しで恥ずかしい…っ
「さてと…ここからは私達だけで向かわなければならない。まずは試験の受付からだ」
シエルの言葉にうなずいて返し後をついて歩く。門をくぐると割とすぐにわかるように文字が書かれていた。読み書きをちゃんと覚えておいてよかったと実感。
「試験の受付はこちらになりまーす」
「受付を済ませた方は受け取った番号の部屋へとお願いしまーす」
受付付近で声をあげている人がいる。文字が読めなくても場所だけはなんとかなったみたいだね。
「試験を受けに来られた方ですか? でしたらこちらに名前を記入の上試験料をお支払いください」
あ…早速文字が必要だった。もしかしたらここからすでに試験が始まっているのかもしれないね。最低限自分の名前が書けないとだめなのかもだ。
「6か…ユウは?」
「11です…」
結構部屋の数字が離れてしまっている。こんなシエルでもいないよりはいたほうが安心するのに部屋が違うなんて出だしから不安がやばい。渡された地図によるとシエルが2階で僕が3階の同じ建物。階段を上がればすぐなので近いと言えば近いけど。
「こればかりはどうしようもないな」
「ははっ」
笑うしかないね。
ベッドから体を半分起こして僕はぼんやりと何もない空間を眺めている。起きなければ…いやだけど。
「はぁ~~…」
「ユウ様おはようございます。朝からそのようなため息をつかれていますと幸せが逃げていきますよ?」
彼女の名前はルリアンナ。僕の性別を知ったうえでお世話をしてくれる専属のメイドだ。むしろ嬉々として楽しんでやっている当たりあのメイクルームにいた人たちを思い出される。どうみても同族である。
「さあ今日もしっかりと身だしなみを整えますよぉ~」
「はぁ~~…」
「いえ、いつも以上に張り切らなくてはっ」
…そんな気合はいらない。確かに学院で色々勉強させてもらえるのはとてもいいことなんだが、僕は髪の毛の色の都合上ウィッグを被ってすごさなればいけないんだ。つまり常時女装。そのうえ学院は全寮制。ため息をつかずにはいられない。
「はあ~~…」
本当にため息しかでないよ。
「どうだ支度は出来たか~」
「まああ…シエル様、女性の部屋に許可なく入ってはいけませんっ」
「…女性?」
「一般的にユウ様は女性と扱うのでしょう? そういいだした本人がそのような行動はしてはいけません」
「あーそうか…わるい。ついな」
「はぁ…」
そうか、これからはシエルも外では僕のことを女性として相手するんだ…想像をするだけで眩暈がするよ。
支度が終わると馬車に乗り込み試験会場でもある学院へと向かう。今回乗り込んだ馬車は僕が一緒にいるということであまり目立たないようにシンプルな見た目なものにしてくれた。まあそれでも馬車で向かう当たりそれなりの身分には見られているかもしれないのだけど…
「さあついたよ」
「…大きいですね」
馬車から降りると門から大きく見上げてしまった。ポカーンとバカみたいに口を開けていたら周りからクスクスと笑う声が聞こえてくる。田舎者丸出しで恥ずかしい…っ
「さてと…ここからは私達だけで向かわなければならない。まずは試験の受付からだ」
シエルの言葉にうなずいて返し後をついて歩く。門をくぐると割とすぐにわかるように文字が書かれていた。読み書きをちゃんと覚えておいてよかったと実感。
「試験の受付はこちらになりまーす」
「受付を済ませた方は受け取った番号の部屋へとお願いしまーす」
受付付近で声をあげている人がいる。文字が読めなくても場所だけはなんとかなったみたいだね。
「試験を受けに来られた方ですか? でしたらこちらに名前を記入の上試験料をお支払いください」
あ…早速文字が必要だった。もしかしたらここからすでに試験が始まっているのかもしれないね。最低限自分の名前が書けないとだめなのかもだ。
「6か…ユウは?」
「11です…」
結構部屋の数字が離れてしまっている。こんなシエルでもいないよりはいたほうが安心するのに部屋が違うなんて出だしから不安がやばい。渡された地図によるとシエルが2階で僕が3階の同じ建物。階段を上がればすぐなので近いと言えば近いけど。
「こればかりはどうしようもないな」
「ははっ」
笑うしかないね。
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