6 / 6
入学試験ですか?
しおりを挟む
気が重い…朝になってしまった。今日は入学試験なんだよね…
ベッドから体を半分起こして僕はぼんやりと何もない空間を眺めている。起きなければ…いやだけど。
「はぁ~~…」
「ユウ様おはようございます。朝からそのようなため息をつかれていますと幸せが逃げていきますよ?」
彼女の名前はルリアンナ。僕の性別を知ったうえでお世話をしてくれる専属のメイドだ。むしろ嬉々として楽しんでやっている当たりあのメイクルームにいた人たちを思い出される。どうみても同族である。
「さあ今日もしっかりと身だしなみを整えますよぉ~」
「はぁ~~…」
「いえ、いつも以上に張り切らなくてはっ」
…そんな気合はいらない。確かに学院で色々勉強させてもらえるのはとてもいいことなんだが、僕は髪の毛の色の都合上ウィッグを被ってすごさなればいけないんだ。つまり常時女装。そのうえ学院は全寮制。ため息をつかずにはいられない。
「はあ~~…」
本当にため息しかでないよ。
「どうだ支度は出来たか~」
「まああ…シエル様、女性の部屋に許可なく入ってはいけませんっ」
「…女性?」
「一般的にユウ様は女性と扱うのでしょう? そういいだした本人がそのような行動はしてはいけません」
「あーそうか…わるい。ついな」
「はぁ…」
そうか、これからはシエルも外では僕のことを女性として相手するんだ…想像をするだけで眩暈がするよ。
支度が終わると馬車に乗り込み試験会場でもある学院へと向かう。今回乗り込んだ馬車は僕が一緒にいるということであまり目立たないようにシンプルな見た目なものにしてくれた。まあそれでも馬車で向かう当たりそれなりの身分には見られているかもしれないのだけど…
「さあついたよ」
「…大きいですね」
馬車から降りると門から大きく見上げてしまった。ポカーンとバカみたいに口を開けていたら周りからクスクスと笑う声が聞こえてくる。田舎者丸出しで恥ずかしい…っ
「さてと…ここからは私達だけで向かわなければならない。まずは試験の受付からだ」
シエルの言葉にうなずいて返し後をついて歩く。門をくぐると割とすぐにわかるように文字が書かれていた。読み書きをちゃんと覚えておいてよかったと実感。
「試験の受付はこちらになりまーす」
「受付を済ませた方は受け取った番号の部屋へとお願いしまーす」
受付付近で声をあげている人がいる。文字が読めなくても場所だけはなんとかなったみたいだね。
「試験を受けに来られた方ですか? でしたらこちらに名前を記入の上試験料をお支払いください」
あ…早速文字が必要だった。もしかしたらここからすでに試験が始まっているのかもしれないね。最低限自分の名前が書けないとだめなのかもだ。
「6か…ユウは?」
「11です…」
結構部屋の数字が離れてしまっている。こんなシエルでもいないよりはいたほうが安心するのに部屋が違うなんて出だしから不安がやばい。渡された地図によるとシエルが2階で僕が3階の同じ建物。階段を上がればすぐなので近いと言えば近いけど。
「こればかりはどうしようもないな」
「ははっ」
笑うしかないね。
ベッドから体を半分起こして僕はぼんやりと何もない空間を眺めている。起きなければ…いやだけど。
「はぁ~~…」
「ユウ様おはようございます。朝からそのようなため息をつかれていますと幸せが逃げていきますよ?」
彼女の名前はルリアンナ。僕の性別を知ったうえでお世話をしてくれる専属のメイドだ。むしろ嬉々として楽しんでやっている当たりあのメイクルームにいた人たちを思い出される。どうみても同族である。
「さあ今日もしっかりと身だしなみを整えますよぉ~」
「はぁ~~…」
「いえ、いつも以上に張り切らなくてはっ」
…そんな気合はいらない。確かに学院で色々勉強させてもらえるのはとてもいいことなんだが、僕は髪の毛の色の都合上ウィッグを被ってすごさなればいけないんだ。つまり常時女装。そのうえ学院は全寮制。ため息をつかずにはいられない。
「はあ~~…」
本当にため息しかでないよ。
「どうだ支度は出来たか~」
「まああ…シエル様、女性の部屋に許可なく入ってはいけませんっ」
「…女性?」
「一般的にユウ様は女性と扱うのでしょう? そういいだした本人がそのような行動はしてはいけません」
「あーそうか…わるい。ついな」
「はぁ…」
そうか、これからはシエルも外では僕のことを女性として相手するんだ…想像をするだけで眩暈がするよ。
支度が終わると馬車に乗り込み試験会場でもある学院へと向かう。今回乗り込んだ馬車は僕が一緒にいるということであまり目立たないようにシンプルな見た目なものにしてくれた。まあそれでも馬車で向かう当たりそれなりの身分には見られているかもしれないのだけど…
「さあついたよ」
「…大きいですね」
馬車から降りると門から大きく見上げてしまった。ポカーンとバカみたいに口を開けていたら周りからクスクスと笑う声が聞こえてくる。田舎者丸出しで恥ずかしい…っ
「さてと…ここからは私達だけで向かわなければならない。まずは試験の受付からだ」
シエルの言葉にうなずいて返し後をついて歩く。門をくぐると割とすぐにわかるように文字が書かれていた。読み書きをちゃんと覚えておいてよかったと実感。
「試験の受付はこちらになりまーす」
「受付を済ませた方は受け取った番号の部屋へとお願いしまーす」
受付付近で声をあげている人がいる。文字が読めなくても場所だけはなんとかなったみたいだね。
「試験を受けに来られた方ですか? でしたらこちらに名前を記入の上試験料をお支払いください」
あ…早速文字が必要だった。もしかしたらここからすでに試験が始まっているのかもしれないね。最低限自分の名前が書けないとだめなのかもだ。
「6か…ユウは?」
「11です…」
結構部屋の数字が離れてしまっている。こんなシエルでもいないよりはいたほうが安心するのに部屋が違うなんて出だしから不安がやばい。渡された地図によるとシエルが2階で僕が3階の同じ建物。階段を上がればすぐなので近いと言えば近いけど。
「こればかりはどうしようもないな」
「ははっ」
笑うしかないね。
0
お気に入りに追加
4
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。

女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
転生幼女の異世界冒険記〜自重?なにそれおいしいの?〜
MINAMI
ファンタジー
神の喧嘩に巻き込まれて死んでしまった
お詫びということで沢山の
チートをつけてもらってチートの塊になってしまう。
自重を知らない幼女は持ち前のハイスペックさで二度目の人生を謳歌する。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。
ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった
16歳の少年【カン】
しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ
これで魔導まで極めているのだが
王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ
渋々それに付き合っていた…
だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう
この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである
※タイトルは思い付かなかったので適当です
※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました
以降はあとがきに変更になります
※現在執筆に集中させて頂くべく
必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします
※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる