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20話 グループ分け
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ユリアに聞いた話が本当だとすると、今日は実技試験用のグループ分けが行われるはずだ。今日は腕時計があるので時間をちゃんと確認でき余裕をもって学校に歩いて登校した。昨日聞いた話を思い出しつつ歩いているとあっというまに学校につく。思ったより距離はないらしい。
教室に入るとすでにレークイットが来ていたので挨拶をする。
「早いね」
「はよっす。ああ、普段から朝起きるの早いんだ。習慣?ってやつ」
(習慣になるほど毎日早起きとか…まるで自己鍛錬してた昔の自分みたいだ。)
俺は昔、櫻子だったころよく鍛錬のため早起きをしていた。そのときのことを思い出し少しだけ懐かしくなった。それにしてもレークイットは思ったよりも真面目なんだな。見た目そうは見えないのに意外にしっかりしていて驚いた。そういえば昨日遅刻すれすれの俺よりは早くいたっけ。
「理由は知らないけど早く起きるのはいいことだよね。」
「だろ?」
得意そうに胸を張ったレークイットは少し偉そうだ。それがおかしくて思わず俺は笑ってしまう。
「あ、そういえば聞いた話なんだけど…今日実技試験用のグループ分けっていうのがあるみたいだよ」
「実技試験用のグループ分け…?」
「うん。この試験で1/3落とされるらしいからバランスの取れたメンバーが有利みたい」
「へー…じゃあデイビ組もうぜ!」
身を乗り出しレークイットは俺に近寄る。どうやらレークイットは俺とグループを組みたいらしい。まあ俺も誘おうと思ってたからもちろんOKだ。
「2人ともおはやう~」
昨日ぶつかったミシュリアがやってきた。今日は時間に余裕があったようでなによりだ。
「あ、なあなあミシュリアは実技何が得意?」
「ん~~?武器とか魔法のことかな?」
「そうそう、それ」
「いちおー魔法だけど…回復がメインなんで火力はないよぅ~」
「あ、そうだレークイット…俺ユリアと組む約束したんだわ」
「ユリア?…ユリア・バレ・マールブランシュか?」
「うん。この情報教えてくれたのも彼女なんだ。で、得意なのは攻撃魔法だって言ってた」
「んーーー??話がみえないよぉ~」
俺とレークイットが話を進める中状況が見えなくて混乱しているミシュリアに説明しようと口を開きかけたらそこへ先生がやってきた。ミシュリアには悪いがこの話はここで終わることになった。教室に入ってきた先生は周りを見渡すと生徒がそろっているか確認をする。確認といっても15人という少ない人数だからあっという間に終わる。
「ん…みんないるみたいだな。昨日はお疲れ様。今から言うようにとりあえず席を並び替えてくれ」
先生に言われるまま席の移動が完了すると俺は廊下側の列、レークイットは窓側、ミシュリアは中央でユリアも中央のようだ。どういった配置だろうか。
「じゃあ説明を始めるな。今日は今から実技試験用のグループを作ってもらおうと思う。で、今列ごとに分かれてもらったのはそれぞれのタイプ別に分かれてもらったものだ。こっちの窓際の列が前衛特化。中央が魔法、弓などの後衛。そして廊下側は両方出来るものもいれば逆に両方出来ないものもいたり、支援特化も混ざっている。まあ、いろいろだ」
先生は再度紙を見比べながら間違っていないか確認をし、会話を続けた。
「で、だ。今からこの配置を参考に3~5人でグループを作ってもらいたい。あー2人は不可な。と言うわけでそうだな…前衛でいいか。前衛が中心になってメンバー集めに動いてくれ。他の人は誘われない限りその席から動くなよ?」
そういうと前衛に座っている5人が一斉に俺に走りよってきた。はっきり言って怖い。
「え、うわっなにこれ…」
「こら離れろってっ デイビはもう俺と組むってさっき約束したんだ!」
「あ、レークイット助かるっ」
群がる人の間に入ってレークイットが壁になる。俺の反応を見てみんながっかりとしてしぶしぶ離れていった。
「で、ほらミシュリア…」
「ん~~? ああっ 朝言ってたのはこの話のことかぁ~」
「で…ユリアだっけ?」
レークイットがユリアの前に行くと俺のほうをチラリと見た後頷いてくれた。これで俺のいるグループはバランスが取れたメンバーになった。
周りを見ると他もある程度集まってきたようだ。というか気のせいじゃなければ最大人数の5人が2グループ出来ている。俺のいるグループは今4人だ。つまり後1人メンバーに入れていない人がいる。席を確認すると1人だけ座っている人が目に入った。誘われなかったせいなのか最初からなのかわからないがうつむいたままだ。
(たしかあれは昨日一緒に周ったテルサダだったかな…)
「ねえレークイットテルサダをメンバーに入れて」
「ん? ああいいぜこれで5人だな。」
今回Sクラスのグループ分けは3グループに分かれたようだ。丁度いいのでグループごとに列になって席に着くことになった。
「よし、決まったな。このグループで半年後の実技試験を受けてもらうからな。普段からみんなの状態や連携についてちゃんと決めて置けよ?それでだな…3グループか…まあいいと言えばいいんだが、これで確実に1グループ試験落ちることになるから覚悟しておけよ!」
流石にその言葉にはみんな驚いたらしく、抗議の声もいくつか上がっていた。
教室に入るとすでにレークイットが来ていたので挨拶をする。
「早いね」
「はよっす。ああ、普段から朝起きるの早いんだ。習慣?ってやつ」
(習慣になるほど毎日早起きとか…まるで自己鍛錬してた昔の自分みたいだ。)
俺は昔、櫻子だったころよく鍛錬のため早起きをしていた。そのときのことを思い出し少しだけ懐かしくなった。それにしてもレークイットは思ったよりも真面目なんだな。見た目そうは見えないのに意外にしっかりしていて驚いた。そういえば昨日遅刻すれすれの俺よりは早くいたっけ。
「理由は知らないけど早く起きるのはいいことだよね。」
「だろ?」
得意そうに胸を張ったレークイットは少し偉そうだ。それがおかしくて思わず俺は笑ってしまう。
「あ、そういえば聞いた話なんだけど…今日実技試験用のグループ分けっていうのがあるみたいだよ」
「実技試験用のグループ分け…?」
「うん。この試験で1/3落とされるらしいからバランスの取れたメンバーが有利みたい」
「へー…じゃあデイビ組もうぜ!」
身を乗り出しレークイットは俺に近寄る。どうやらレークイットは俺とグループを組みたいらしい。まあ俺も誘おうと思ってたからもちろんOKだ。
「2人ともおはやう~」
昨日ぶつかったミシュリアがやってきた。今日は時間に余裕があったようでなによりだ。
「あ、なあなあミシュリアは実技何が得意?」
「ん~~?武器とか魔法のことかな?」
「そうそう、それ」
「いちおー魔法だけど…回復がメインなんで火力はないよぅ~」
「あ、そうだレークイット…俺ユリアと組む約束したんだわ」
「ユリア?…ユリア・バレ・マールブランシュか?」
「うん。この情報教えてくれたのも彼女なんだ。で、得意なのは攻撃魔法だって言ってた」
「んーーー??話がみえないよぉ~」
俺とレークイットが話を進める中状況が見えなくて混乱しているミシュリアに説明しようと口を開きかけたらそこへ先生がやってきた。ミシュリアには悪いがこの話はここで終わることになった。教室に入ってきた先生は周りを見渡すと生徒がそろっているか確認をする。確認といっても15人という少ない人数だからあっという間に終わる。
「ん…みんないるみたいだな。昨日はお疲れ様。今から言うようにとりあえず席を並び替えてくれ」
先生に言われるまま席の移動が完了すると俺は廊下側の列、レークイットは窓側、ミシュリアは中央でユリアも中央のようだ。どういった配置だろうか。
「じゃあ説明を始めるな。今日は今から実技試験用のグループを作ってもらおうと思う。で、今列ごとに分かれてもらったのはそれぞれのタイプ別に分かれてもらったものだ。こっちの窓際の列が前衛特化。中央が魔法、弓などの後衛。そして廊下側は両方出来るものもいれば逆に両方出来ないものもいたり、支援特化も混ざっている。まあ、いろいろだ」
先生は再度紙を見比べながら間違っていないか確認をし、会話を続けた。
「で、だ。今からこの配置を参考に3~5人でグループを作ってもらいたい。あー2人は不可な。と言うわけでそうだな…前衛でいいか。前衛が中心になってメンバー集めに動いてくれ。他の人は誘われない限りその席から動くなよ?」
そういうと前衛に座っている5人が一斉に俺に走りよってきた。はっきり言って怖い。
「え、うわっなにこれ…」
「こら離れろってっ デイビはもう俺と組むってさっき約束したんだ!」
「あ、レークイット助かるっ」
群がる人の間に入ってレークイットが壁になる。俺の反応を見てみんながっかりとしてしぶしぶ離れていった。
「で、ほらミシュリア…」
「ん~~? ああっ 朝言ってたのはこの話のことかぁ~」
「で…ユリアだっけ?」
レークイットがユリアの前に行くと俺のほうをチラリと見た後頷いてくれた。これで俺のいるグループはバランスが取れたメンバーになった。
周りを見ると他もある程度集まってきたようだ。というか気のせいじゃなければ最大人数の5人が2グループ出来ている。俺のいるグループは今4人だ。つまり後1人メンバーに入れていない人がいる。席を確認すると1人だけ座っている人が目に入った。誘われなかったせいなのか最初からなのかわからないがうつむいたままだ。
(たしかあれは昨日一緒に周ったテルサダだったかな…)
「ねえレークイットテルサダをメンバーに入れて」
「ん? ああいいぜこれで5人だな。」
今回Sクラスのグループ分けは3グループに分かれたようだ。丁度いいのでグループごとに列になって席に着くことになった。
「よし、決まったな。このグループで半年後の実技試験を受けてもらうからな。普段からみんなの状態や連携についてちゃんと決めて置けよ?それでだな…3グループか…まあいいと言えばいいんだが、これで確実に1グループ試験落ちることになるから覚悟しておけよ!」
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