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13話 入学式②
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「先生、そもそもこのクラスのランクはいくつなんですか?」
「今から説明する。まずこのクラスはS。一番上のランクだ。クラスランクは全部で10で、S、A、B…Iとなっている。」
一番上のクラスランクだったようで周りの生徒から驚きと嬉しそうな声が上がり始めた。
「でも勘違いしないように。今回は魔力量だけで編成されているので、次の試験でその魔力をうまく使えないとクラスのランクが落ちてしまうことも十分にあるぞ。1年生はいいが、2年生になったらIクラスはなくなるのでそれまでにIクラスへ落ちた生徒は退学、または再度1年生をやることになる。まあどちらか選べるってことだな」
Sクラスとだけあってどの生徒も自身に満ち溢れているようだ。今この部屋に生徒は15人。ちらほらと10歳じゃない人もいるようだ。きっと再度1年生をやっている人なんだろう。
「さらに、2年生になるとこのクラスは12人にへるからなー?」
先生がそういうと青ざめた顔をした人がちらほらと目に入る。俺も落ちないように頑張らねばと思ったよ。
「最後に、渡されている封筒を開けてみてくれ」
封筒の中には紙が入っているのかと思いきや、カード状のものが出できた。
名前:ディビ
クラス:1-S
魔力ランク:1位
成績ランク:-
そのカードにはこう書かれていた。今年度の1年生の中でどうやら俺は一番魔力が高かったみたいだ。
「みんな見たかー?まだ成績はついていないがそれ以外は表示されているはずだ。そのカードがないと学校内うろつけないから気をつけろよ?」
「先生、この成績にかかわる教科はどうなるんですか?」
気になっていたことを生徒が質問している。俺も気になっていたところだ。
「全教科の平均で表示される。だからといって覚えきれないのに全教科受けるなよー? 無理すると逆に成績が下がるからな」
教室での説明が終わると各自帰るもの、寮へ送られるものと別れ、俺は寮へと案内された。俺の部屋は2人部屋ではあったが魔力ランク1位の特権で、次の試験までは1人ですごすことになるらしい。
「さてと…」
俺はとりあえずベッドに腰掛け、部屋の内部を確認する。窓が1つ、ドアが3つ…部屋へ来てすぐに確認したがこのドアの一つは浴場だった。それほど広くないがこの部屋にはついていた。全部の部屋についているわけではなくSクラスの部屋にのみあるものらしい。もう1つはトイレ。これは各部屋に設置されているそうだ。最後に廊下にでる扉。基本扉の前に転送用の魔方陣があり、ここから移動可能なので廊下を歩くことは少ないだろうが他の生徒の部屋に行くには廊下を通ることになる。
ここまでですでに普段の生活と違うので俺は軽く戸惑っている。魔方陣の利用は魔力を消費するそうなので出来るだけ俺は歩くことにしようと思った。そのほうが建物内部の配置も覚えられそうだからな。
「うーん、何を受けようかな」
今度は選択教科リストを眺め、明日から行われる授業を考えることにした。
9教科、まずは基本教養、1年生は全員この授業を受けることになっているようだ。
そして剣術、武術、魔術の3つ。これは無理をせず得意なものや受けたいものを受ければよさそうだ。
冒険者技能、これは冒険者ギルドの人が来ていろいろ指導をしてくれるようだ。
国政、これはこの国の政治について学ぶものらしい。貴族の人などは基本受けるものらしいが俺は貴族ではないので知っておいて損はないけど用もないかもしれないもの、程度に考えた。
商業基礎、商人になりたい人や商業について知りたい人などが受けるもののようだ。俺はどっちでもよさそうかなと思いつつもものの、売り買いなどの基本を抑えるのにもいいかもと考え直す。
守衛技能基礎、おもに騎士などを目指す人が連携や守備の基礎をならい訓練するものらしい。あまり興味がわかない。この教科をとっておくと将来城や町で騎士や兵士などになることができるのだとか。
芸術、まあ芸術各種だ。同じく興味ないな…
とりあえず守衛と芸術だけはいらなそうだ。
「7教科は受けすぎかな~…」
でもまあ1日4時間の学科と考えると、案外普通なのかもしれないという気もするから困ったものだ。
教科のこともきりがついたので、荷物から1つの箱を取り出した。ちなみに荷物は入学受付のところで預けてあり、部屋に届けられたのだ。
この箱は3日前にサリア姉から受け取った誕生日プレゼント兼入学祝いということで貰ったものである。「入学して寮に入ってからあけてね?」と言われたので、今から開けるところだ。箱を開けると中に紙が折りたたまれて入っていた。
「手紙?」
『ディビへ。この手紙を読んでいるということは学校へ入学出来ていると言うことですね。まずはおめでとう。そしてごめんなさい…先に謝っておきます。この箱の中身は元からあなたが持っていたものです。これがどういった物なのかはわかりませんが、普通のものではありません。きっとあなたの生まれのせいなのでしょうね…本来ならここで返すべきものではなかったのですが、私にはもう耐えられません。これを返すことによってあなたの記憶が戻るかどうかわかりませんが、無事に戻ることを祈っています。サリア』
手紙の内容は以上だった。つまりサリア姉は俺の記憶がなくなった理由も生まれも知っていると言うことになる内容なのだが…
「本来ここで返すべきじゃなかった…?」
サリアがいろいろ知っていたことには少し驚いたが、今これを受け取ってしまっていいのだろうかという不安がある。もし記憶が戻ってしまったりしたら…サリア姉はなにか罰せられる可能性もある。でも俺は知りたいという気持ちのほうが強かったみたいだ。手紙の下には紙に包まれたものが入っていたのでそれを手にのせ紙を開いて中身を確認した。
「ペンダント…?」
鎖の部分をつまみ上げるとその先にクリスタルで出来ている四角い飾りがついていた。そっとその飾り部分に触れると突然見えないほどの光に包まれ、そのまぶしさに俺はぎゅっと目を閉じたのだった。
「今から説明する。まずこのクラスはS。一番上のランクだ。クラスランクは全部で10で、S、A、B…Iとなっている。」
一番上のクラスランクだったようで周りの生徒から驚きと嬉しそうな声が上がり始めた。
「でも勘違いしないように。今回は魔力量だけで編成されているので、次の試験でその魔力をうまく使えないとクラスのランクが落ちてしまうことも十分にあるぞ。1年生はいいが、2年生になったらIクラスはなくなるのでそれまでにIクラスへ落ちた生徒は退学、または再度1年生をやることになる。まあどちらか選べるってことだな」
Sクラスとだけあってどの生徒も自身に満ち溢れているようだ。今この部屋に生徒は15人。ちらほらと10歳じゃない人もいるようだ。きっと再度1年生をやっている人なんだろう。
「さらに、2年生になるとこのクラスは12人にへるからなー?」
先生がそういうと青ざめた顔をした人がちらほらと目に入る。俺も落ちないように頑張らねばと思ったよ。
「最後に、渡されている封筒を開けてみてくれ」
封筒の中には紙が入っているのかと思いきや、カード状のものが出できた。
名前:ディビ
クラス:1-S
魔力ランク:1位
成績ランク:-
そのカードにはこう書かれていた。今年度の1年生の中でどうやら俺は一番魔力が高かったみたいだ。
「みんな見たかー?まだ成績はついていないがそれ以外は表示されているはずだ。そのカードがないと学校内うろつけないから気をつけろよ?」
「先生、この成績にかかわる教科はどうなるんですか?」
気になっていたことを生徒が質問している。俺も気になっていたところだ。
「全教科の平均で表示される。だからといって覚えきれないのに全教科受けるなよー? 無理すると逆に成績が下がるからな」
教室での説明が終わると各自帰るもの、寮へ送られるものと別れ、俺は寮へと案内された。俺の部屋は2人部屋ではあったが魔力ランク1位の特権で、次の試験までは1人ですごすことになるらしい。
「さてと…」
俺はとりあえずベッドに腰掛け、部屋の内部を確認する。窓が1つ、ドアが3つ…部屋へ来てすぐに確認したがこのドアの一つは浴場だった。それほど広くないがこの部屋にはついていた。全部の部屋についているわけではなくSクラスの部屋にのみあるものらしい。もう1つはトイレ。これは各部屋に設置されているそうだ。最後に廊下にでる扉。基本扉の前に転送用の魔方陣があり、ここから移動可能なので廊下を歩くことは少ないだろうが他の生徒の部屋に行くには廊下を通ることになる。
ここまでですでに普段の生活と違うので俺は軽く戸惑っている。魔方陣の利用は魔力を消費するそうなので出来るだけ俺は歩くことにしようと思った。そのほうが建物内部の配置も覚えられそうだからな。
「うーん、何を受けようかな」
今度は選択教科リストを眺め、明日から行われる授業を考えることにした。
9教科、まずは基本教養、1年生は全員この授業を受けることになっているようだ。
そして剣術、武術、魔術の3つ。これは無理をせず得意なものや受けたいものを受ければよさそうだ。
冒険者技能、これは冒険者ギルドの人が来ていろいろ指導をしてくれるようだ。
国政、これはこの国の政治について学ぶものらしい。貴族の人などは基本受けるものらしいが俺は貴族ではないので知っておいて損はないけど用もないかもしれないもの、程度に考えた。
商業基礎、商人になりたい人や商業について知りたい人などが受けるもののようだ。俺はどっちでもよさそうかなと思いつつもものの、売り買いなどの基本を抑えるのにもいいかもと考え直す。
守衛技能基礎、おもに騎士などを目指す人が連携や守備の基礎をならい訓練するものらしい。あまり興味がわかない。この教科をとっておくと将来城や町で騎士や兵士などになることができるのだとか。
芸術、まあ芸術各種だ。同じく興味ないな…
とりあえず守衛と芸術だけはいらなそうだ。
「7教科は受けすぎかな~…」
でもまあ1日4時間の学科と考えると、案外普通なのかもしれないという気もするから困ったものだ。
教科のこともきりがついたので、荷物から1つの箱を取り出した。ちなみに荷物は入学受付のところで預けてあり、部屋に届けられたのだ。
この箱は3日前にサリア姉から受け取った誕生日プレゼント兼入学祝いということで貰ったものである。「入学して寮に入ってからあけてね?」と言われたので、今から開けるところだ。箱を開けると中に紙が折りたたまれて入っていた。
「手紙?」
『ディビへ。この手紙を読んでいるということは学校へ入学出来ていると言うことですね。まずはおめでとう。そしてごめんなさい…先に謝っておきます。この箱の中身は元からあなたが持っていたものです。これがどういった物なのかはわかりませんが、普通のものではありません。きっとあなたの生まれのせいなのでしょうね…本来ならここで返すべきものではなかったのですが、私にはもう耐えられません。これを返すことによってあなたの記憶が戻るかどうかわかりませんが、無事に戻ることを祈っています。サリア』
手紙の内容は以上だった。つまりサリア姉は俺の記憶がなくなった理由も生まれも知っていると言うことになる内容なのだが…
「本来ここで返すべきじゃなかった…?」
サリアがいろいろ知っていたことには少し驚いたが、今これを受け取ってしまっていいのだろうかという不安がある。もし記憶が戻ってしまったりしたら…サリア姉はなにか罰せられる可能性もある。でも俺は知りたいという気持ちのほうが強かったみたいだ。手紙の下には紙に包まれたものが入っていたのでそれを手にのせ紙を開いて中身を確認した。
「ペンダント…?」
鎖の部分をつまみ上げるとその先にクリスタルで出来ている四角い飾りがついていた。そっとその飾り部分に触れると突然見えないほどの光に包まれ、そのまぶしさに俺はぎゅっと目を閉じたのだった。
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