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2章 そして冬休みが始まった

第16話 近寄るな

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 4階層へ足を踏み入れてから2人の顔つきが険しくなっていた。まあ…ファーナさんもそうだったからわからなくもないけれど、結奈さんはなんでなんだろうか?

「結奈さんはゴブリン知ってるの?」
「はいもちろんです…アニメや本などで、ですけれども」

 あーなるほど健太の影響か。それでそんな態度なんだね…でもね実際のゴブリンはそこまでやばい奴なのかどうかは俺も知らないんだよな。前回はファーナさんが無双しちゃったからさ。まあそういう今回もさっきから近づく前にバタバタととおれているんですがね…ホルンさんかな。ほとんど姿を見ることもなくアイテムだけが転がっているんだよ。これはこれで怖いよね。
 それでも警戒を解かない結奈さんは寄らば斬るみたいな目つきしてるし? 一緒に行動しているのが疲れてきた。なんで俺の周りって普通の人がいないんだよと言いたいね。もしかしなくてもあれか? 類は友を呼ぶってやつ…

「ヨシオ様ボス部屋です」
「あ、うん…」

 1匹も近づけないままボス部屋についちゃったよ…結奈さんもほっと息を吐いている。相変わらずのアイテム拾いをしていた俺…いいけどね。どうせゴブリン倒せないし。

「たしか4階層のボスはなんか大きなゴブリンだったかな」

 俺の言葉に2人の顔が再び引き締まる。いや違ったか…レイノアールに頼んだから変わったんだっけ? それから行っていないから知らないんだよね。

  ボス部屋に入ると現れたのは大きな蝙蝠みたいな魔物ババントだった。ホルンさんと結奈さんは少しがっかりしたような顔をしつつもババントへと向かっていった。ゴブリンがよかったのかな…とか少し思ったけどまあ先に進めるならどっちでもいいと思うんだよね。

 はい、そしてやっぱりボスはあっさりと終りましたよっと。ホルンさんが糸で羽を切り落としたらそこへすかさず結奈さんが切り込んで終了だ。アイテムをさっさと回収して俺達は先へ進むことにする。

 5階層は以前はいきなり空から落ちるのだったけど…どう変わったのかな? 俺達は念のため『フライト』をすぐに使えるように構えつつ5階層へと移動をした。そうなぜかアイテムは『フライト」のままだったんだ。きっとレイノアールがアイテムの変更忘れたんだろうな…

 そして5階層は…空から落ちることもなく、だから水に叩きつけられることもなく、ちゃんと地に足がついていた。まあそれでもボスは水中にいるんだから結局濡れることには変わりがないんだけどね。
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