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1章 由雄と健太の夏休み
第151話 とあるダンジョンマスターの記憶2
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スライムを倒すことにも大分慣れてきたようで、モニター越しに見る少女はひたすらスライムを倒した。それでもボス部屋にはまだ遠く同じところでぐるぐるとしながら狩り続けている。
「レベル上げ…かな」
そんなスライム狩りを数日続けた後少女は鞄から地図を取り出す。今まで一度も地図なんて見ていたことがないのだからその変化を眺めながら俺は予想をする。
「そろそろマップ埋め…とか? そんなのレベル上げと同時にやれるのにな」
この少女は今まで見ていてわかったのだが、どこか抜けたところがある。一度体験してみてからじゃないとわからないのか回復薬などの準備が不十分なのだ。流石に命を落とすほどのダメージはここで受けることはないが、その軽いダメージだって蓄積されればどうなるかわからないのだ。準備はしすぎてもいいくらいなんだよな。
地図に視線を落としその後顔をあげ周りを見る。キョロキョロと首を動かした後移動を始めた。スライムを倒しつつある程度進むとまた地図と取り出している。やっぱりマップ埋めなんだろう。
ぐるぐるといったりきたりしながら地図を確認することを繰り返す。こっちから見ていると迷子にでもなっていないかはらはらしてしまう行動だ。効率は悪そうだがマップ埋めはちゃんと出来ていた様で、少女は1つの扉の前に着いた。
「そうそう、そこがボス部屋だよ」
モニター越しにそれを見ながら俺は1人頷く。少女はその扉を…開けずに帰っていった。
「へぇ…多少は慎重に動けるようになったのかな」
1階層のボスといえどもボスはボス。今まで戦っていたスライムよりは強いのは当たり前。もちろんこのボスも高火力ではないので無理をしなければ問題ないだろう。ただ、少しだめ面倒な行動をするくらいだ。
「まあ回復薬をちゃんと準備していればそんな苦戦する相手じゃないんだけどね。あー…あと一応着替えは用意したほうがいいかもねって俺の声は届かないが」
丁度ダンジョンの外へと出て行く少女を眺めならが1人呟く。これで次に彼女が来るまでは少し退屈な時間がやってくる。
「さて、そろそろボス倒すみたいだし報酬でも用意しますかね」
俺はモニターの下にいくつもあるパネルの操作を始めた。少女のための1階層ボスの報酬を宝箱に用意するためだ。
「1つはスクロールだろう…? 効果は…んーこの3つからランダムでいいか。それから初回突破だからもう1つ決めないとね。武器…防具…消耗品…なにがいいだろうか」
沢山ある1階層の報酬リストを眺め俺は何にするかその中から考えるのだった。
時間にして数分、少女が再びダンジョンに現れた。今回は装備をきっちりと着込んでいるみたいだ。やはりボスに挑むのだろう。地図を取り出し眺めている。最短距離で進んで戦闘回数でも減らすのだろう。やはりボスに全力で挑むのならそのほうがいいしね。
少しすると少女が歩き出した。そのコースを見ているとやはり最短距離で正解だったみたいで、すいすいと進んでいく。
まあそれはいいのだが…この少女はどうやってボスを倒すのだろうか? 今まで見ていた限りでは杖で殴っていただけ。1階層のボスももちろんスライムなんだがサイズ的に殴って倒すことは出来ない。その辺のところが少しだけ楽しみだ。
少女がボス部屋の前に着いた。扉を開けると中へ入っていく。そしてすぐに扉は閉まり部屋の中央から魔法陣が輝きだす。その光りが消えると残ったのはあわられた大きなスライム、ボスだ。
相手が大きかろうと倒すしかこの部屋から出ることは出来ない。少女は杖を握り締め、スライムへと走りよった。そして周辺をぐるぐると回りつつも果敢に殴っていく。もちろん大きなスライムにはダメージが通らずポヨンポヨンとはじきとばされるだけ…
まさか無策ってことはないよな…少し不安になるが俺には何も出来ない。ただこの目の前のモニターから眺めるだけだ。
少女の姿が視界から消えた。いや…よく見ると手足が見えるな、スライムの中から生えるかのように…って取り込まれてるじゃねぇか!
おいおいおい…動いているから生きていると思うが、あのままだと窒息とかありえるぞ。しばらくその様子を眺めていると手がスライムの体を押すかのようにして這い出てきた。
「ちょっ ば…っ は?」
這い出してきた少女は装備を紛失していた。というかあれは溶かされたな…残ったのは見につけていた鞄だけで髪の毛をまとめていた紐もなくなり少し長めの髪の毛がばらけた。
もちろん少女は周りに誰もいないのでそんなことは気にもしない。むしろスライムから急いで距離をとろうとしている。スライムの動きはゆっくりなのですぐに距離が開くと突然スライムが弾けとんだ。それを見た少女はぐっと両手を握りこんで喜んだ。爆弾のようなものをスライムの体内へ置いてきたってことか…中々やるなあ。
ともあれ、まだ1つ決めていなかった報酬を急ぎ決定する。こうなってくるとさ、何か装備あげないとあの子ここから外に出れないでしょう?
で、俺が報酬として用意したものを彼女は嬉しそうに早速装備して帰っていった。なんていうか…上下繋がっているものじゃないとだめだろう? だからこの選択しかなかったわけなんだが…
名称:スクール水着
防御力:5
能力:防刃耐性
少女はスクール水着の上から外套を着て帰ったというわけだ。裸よりましだろうから許してくれるだろう。
「レベル上げ…かな」
そんなスライム狩りを数日続けた後少女は鞄から地図を取り出す。今まで一度も地図なんて見ていたことがないのだからその変化を眺めながら俺は予想をする。
「そろそろマップ埋め…とか? そんなのレベル上げと同時にやれるのにな」
この少女は今まで見ていてわかったのだが、どこか抜けたところがある。一度体験してみてからじゃないとわからないのか回復薬などの準備が不十分なのだ。流石に命を落とすほどのダメージはここで受けることはないが、その軽いダメージだって蓄積されればどうなるかわからないのだ。準備はしすぎてもいいくらいなんだよな。
地図に視線を落としその後顔をあげ周りを見る。キョロキョロと首を動かした後移動を始めた。スライムを倒しつつある程度進むとまた地図と取り出している。やっぱりマップ埋めなんだろう。
ぐるぐるといったりきたりしながら地図を確認することを繰り返す。こっちから見ていると迷子にでもなっていないかはらはらしてしまう行動だ。効率は悪そうだがマップ埋めはちゃんと出来ていた様で、少女は1つの扉の前に着いた。
「そうそう、そこがボス部屋だよ」
モニター越しにそれを見ながら俺は1人頷く。少女はその扉を…開けずに帰っていった。
「へぇ…多少は慎重に動けるようになったのかな」
1階層のボスといえどもボスはボス。今まで戦っていたスライムよりは強いのは当たり前。もちろんこのボスも高火力ではないので無理をしなければ問題ないだろう。ただ、少しだめ面倒な行動をするくらいだ。
「まあ回復薬をちゃんと準備していればそんな苦戦する相手じゃないんだけどね。あー…あと一応着替えは用意したほうがいいかもねって俺の声は届かないが」
丁度ダンジョンの外へと出て行く少女を眺めならが1人呟く。これで次に彼女が来るまでは少し退屈な時間がやってくる。
「さて、そろそろボス倒すみたいだし報酬でも用意しますかね」
俺はモニターの下にいくつもあるパネルの操作を始めた。少女のための1階層ボスの報酬を宝箱に用意するためだ。
「1つはスクロールだろう…? 効果は…んーこの3つからランダムでいいか。それから初回突破だからもう1つ決めないとね。武器…防具…消耗品…なにがいいだろうか」
沢山ある1階層の報酬リストを眺め俺は何にするかその中から考えるのだった。
時間にして数分、少女が再びダンジョンに現れた。今回は装備をきっちりと着込んでいるみたいだ。やはりボスに挑むのだろう。地図を取り出し眺めている。最短距離で進んで戦闘回数でも減らすのだろう。やはりボスに全力で挑むのならそのほうがいいしね。
少しすると少女が歩き出した。そのコースを見ているとやはり最短距離で正解だったみたいで、すいすいと進んでいく。
まあそれはいいのだが…この少女はどうやってボスを倒すのだろうか? 今まで見ていた限りでは杖で殴っていただけ。1階層のボスももちろんスライムなんだがサイズ的に殴って倒すことは出来ない。その辺のところが少しだけ楽しみだ。
少女がボス部屋の前に着いた。扉を開けると中へ入っていく。そしてすぐに扉は閉まり部屋の中央から魔法陣が輝きだす。その光りが消えると残ったのはあわられた大きなスライム、ボスだ。
相手が大きかろうと倒すしかこの部屋から出ることは出来ない。少女は杖を握り締め、スライムへと走りよった。そして周辺をぐるぐると回りつつも果敢に殴っていく。もちろん大きなスライムにはダメージが通らずポヨンポヨンとはじきとばされるだけ…
まさか無策ってことはないよな…少し不安になるが俺には何も出来ない。ただこの目の前のモニターから眺めるだけだ。
少女の姿が視界から消えた。いや…よく見ると手足が見えるな、スライムの中から生えるかのように…って取り込まれてるじゃねぇか!
おいおいおい…動いているから生きていると思うが、あのままだと窒息とかありえるぞ。しばらくその様子を眺めていると手がスライムの体を押すかのようにして這い出てきた。
「ちょっ ば…っ は?」
這い出してきた少女は装備を紛失していた。というかあれは溶かされたな…残ったのは見につけていた鞄だけで髪の毛をまとめていた紐もなくなり少し長めの髪の毛がばらけた。
もちろん少女は周りに誰もいないのでそんなことは気にもしない。むしろスライムから急いで距離をとろうとしている。スライムの動きはゆっくりなのですぐに距離が開くと突然スライムが弾けとんだ。それを見た少女はぐっと両手を握りこんで喜んだ。爆弾のようなものをスライムの体内へ置いてきたってことか…中々やるなあ。
ともあれ、まだ1つ決めていなかった報酬を急ぎ決定する。こうなってくるとさ、何か装備あげないとあの子ここから外に出れないでしょう?
で、俺が報酬として用意したものを彼女は嬉しそうに早速装備して帰っていった。なんていうか…上下繋がっているものじゃないとだめだろう? だからこの選択しかなかったわけなんだが…
名称:スクール水着
防御力:5
能力:防刃耐性
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