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1章 由雄と健太の夏休み
第81話 うわさのゴブリン
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ファーナさんに覆いかぶさっていた魔物がすーっと消えていく。でもその状態で倒してしまったファーナさんには魔物の血だと思われる緑色の液体が顔やら服やらについて酷い状態になっていた。
「うぅ…これだから武器は基本弓にしたのにぃ~」
「すごい色だな…」
「ほんとにね…いやになっちゃうわ」
「おっそーだ!『ウォーター』」
健太が両手を器の形にして魔法を唱えた。あーそういえばそんな魔法あったな…俺なんてすっかり忘れてたレベルなんだが。その両手をファーナさんのほうに差し出し洗うように勧めている。
「ありがとう。でもその量じゃ足りないから…」
「足りればいいのか?じゃあ健太こうだ」
「ん、こうか?」
俺と健太は2人揃ってファーナさんの頭の上で手のひらを下に向けた。その状態で俺達は声をそろえ…
「「『ウォーター』」」
「キャッ!?」
ザバーッとファーナさんの上から2人分の魔法で出された水が次々とかかる。切れそうになると続けて『ウォーター』を繰り返すとすっかり緑色の液体は流され、綺麗な状態に戻った。ただ、ファーナさん自身はものすごくびしょ濡れだ。
ポタポタと雫を滴らせながらファーナさんは俺達をキッと睨んでいる。
「むぅ…こうするならそう言ってよ…いきなりとか酷いっ」
ファーナさんはそう言うとお返しとばかりに頭をぶんぶんと振り雫えお俺達に振りまく。
「おっと」
「ぬあっ」
健太を盾にしてその攻撃を俺は避けたが、代わりに健太がまともにくらい少しだけ濡れた。まあ酷いといいつつファーナさんはその後笑顔だったから別に怒ってはいないようでよかった。
「で、ファーナさんあの魔物は??」
「んー…多分なんだけどゴブリンかな」
濡れてしまった顔や髪の毛をタオルで拭きながらファーナさんはいやそうな顔でそう言った。
「あれがうわさのゴブリンかっ」
「私も見るのは初めてなんだよね。まあゴブリンは私達にとっては天敵みたいなものだから、見つけたら根絶やしにしろって言われてる」
健太の言ううわさが何かしらないが、ファーナさんの言う内容も中々穏やかではなく俺は顔をしかめた。
「うわさ?」
「ファンタジーなモンスターでよく出てくるやつだからな」
なるほど。あくまでもゲームとかの物語の中の話ってことか。健太の話を確認すると今度はファーナさんのほうに向き合う。
「根絶やしってどういうこと?」
「あいつらは女をみると襲い掛かってくるのよ…」
「じゃあ男は?」
「女が一緒にいると大概無視されるわ」
あーそれであいつは真っ先にファーナさんに向かっていったってことか…納得。でもそれは裏を返せば必ずファーナさんのところに来るから狙いやすいともいえる。ただ1つだけ問題があるとすれば今まで一度も気にしていなかったんだが、魔物とはいえ人型を相手に俺と健太は戦えるのだろうかという点だ。さて、どうしたものか…
「うぅ…これだから武器は基本弓にしたのにぃ~」
「すごい色だな…」
「ほんとにね…いやになっちゃうわ」
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「ありがとう。でもその量じゃ足りないから…」
「足りればいいのか?じゃあ健太こうだ」
「ん、こうか?」
俺と健太は2人揃ってファーナさんの頭の上で手のひらを下に向けた。その状態で俺達は声をそろえ…
「「『ウォーター』」」
「キャッ!?」
ザバーッとファーナさんの上から2人分の魔法で出された水が次々とかかる。切れそうになると続けて『ウォーター』を繰り返すとすっかり緑色の液体は流され、綺麗な状態に戻った。ただ、ファーナさん自身はものすごくびしょ濡れだ。
ポタポタと雫を滴らせながらファーナさんは俺達をキッと睨んでいる。
「むぅ…こうするならそう言ってよ…いきなりとか酷いっ」
ファーナさんはそう言うとお返しとばかりに頭をぶんぶんと振り雫えお俺達に振りまく。
「おっと」
「ぬあっ」
健太を盾にしてその攻撃を俺は避けたが、代わりに健太がまともにくらい少しだけ濡れた。まあ酷いといいつつファーナさんはその後笑顔だったから別に怒ってはいないようでよかった。
「で、ファーナさんあの魔物は??」
「んー…多分なんだけどゴブリンかな」
濡れてしまった顔や髪の毛をタオルで拭きながらファーナさんはいやそうな顔でそう言った。
「あれがうわさのゴブリンかっ」
「私も見るのは初めてなんだよね。まあゴブリンは私達にとっては天敵みたいなものだから、見つけたら根絶やしにしろって言われてる」
健太の言ううわさが何かしらないが、ファーナさんの言う内容も中々穏やかではなく俺は顔をしかめた。
「うわさ?」
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